最終更新日:2024/09/30
アメリカを訪れる方の多くが気にするのが現地の治安。渡航する国や地域によっては治安の悪いエリアもあり、生活する上でさまざまな点に注意が必要です。
特に海外に比べ治安の良い日本で暮らしている人にとっては、思わぬことがトラブルのきっかけになることも十分にあります。
そこで今回はアメリカの治安に関して、現地で注意すべきトラブル事例、危険な目に遭わないためのポイントなどを紹介します。現地でトラブルに巻き込まれないためにも、ここで紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。
なお、アメリカの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
アメリカのおすすめ観光スポットやイベント、グルメを紹介!
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それでは実際に近年のアメリカの治安状況を確認していきましょう。なお、今回は下記の分類で罪種別の犯罪件数をお伝えいたします。
凶悪犯罪:殺人、強姦、強盗、暴行・傷害、放火
窃盗犯罪:侵入盗、非侵入盗、乗り物盗
罪種ごとの計算は国や都市によって定義が異なるため単純比較はできませんが、一つ現地の治安イメージを持つ参考として捉えていただければと思います。
その上で、2022年にアメリカで発生した犯罪件数は下の通りです(※1)。
2022年、アメリカでは凶悪犯罪は減少、窃盗犯罪は増加しました。過去10年間のそれぞれの推移を見ると、窃盗犯罪の発生率ほぼ横ばい、凶悪犯罪は減少傾向にあることがわかります。
また、2022年の犯罪発生率を日本、アメリカ平均で比べると下の通りです(※2)。
地域 | 凶悪犯罪 | 窃盗犯罪 |
---|---|---|
アメリカ平均 | 380.6件 | 1,954.4件 |
日本平均 | 51.5件 | 326.5件 |
※10万人あたりの犯罪発生件数
アメリカの犯罪率は日本平均と比べると、凶悪犯罪、窃盗犯罪ともに発生率が高い状況です。特にアメリカでは銃犯罪が多いので、滞在中は常に身の回りに注意して行動するようにしましょう。
アメリカへ渡航する際には、実際に起こっている犯罪に巻き込まれる可能性を想定して生活を送る必要があります。ここでは、近年アメリカで発生している犯罪をいくつかご紹介するので、実際にどのような犯罪が現地で発生しているかのイメージを持っていただければと思います。
2024年5月中旬頃より、銀行員や警察官、実在する株式会社などを装い、金銭を騙し取る詐欺被害がアメリカ国内で複数発生しています。犯罪には実在する警察署と同じ電話番号が使用されていたり、被害を受けた法人の氏名やパスポート情報などが把握されていたりと信用されるための巧妙な手口が使われており、在アメリカ合衆国日本国大使館は、警察が電話で逮捕を口実とした罰金の請求がされることはないと注意喚起を促しています。 (※3)。 (※3)
銀行口座の凍結や逮捕を示唆するなどの疑わしい電話を受けた際は、すぐに家族や警察に相談するよう注意喚起を行なっています。
アメリカ国内で、地下鉄などの公共交通機関内での暴行事件が増加しています。例えば、ニューヨークの地下鉄で、午後7時ごろに帰宅途中の邦人女性が暴行被害にあっています。都心からブルックリン行きの地下鉄乗車中、向かいに座っていた男性が近寄り、突然女性の左目を殴られる事件が発生しました。(※4)
この事案は、予兆がなかったものであり、ヘイトクライムに該当する可能性があります。日常的に訪れる場所や日々往復する場所が被害に遭いやすいとの傾向があり、特に公共交通機関内では防犯対策に留意するよう、注意喚起を行なっています。
国全体の治安状況がわかったところで、続いては都市別の治安状況をご紹介します。
2023年、ニューヨークでは凶悪犯罪の発生件数が前年から増加しました。過去10年間で見ると、窃盗犯罪の発生率が下降傾向にありましたが、コロナ禍を経た2021年以降は犯罪率が高まっています。
より詳しいニューヨークの治安情報は下の記事よりご確認ください。
【2024年版】ニューヨークの治安事情まとめ!トラブル事例から防犯のポイントまで紹介
2023年、ロサンゼルスでは窃盗犯罪の発生件数が前年から増加しました。特にコロナ禍以降の2020年からは、殺人、暴行などの発生率が高まっており、現地での過ごし方には一層の注意が必要です。
より詳しいロサンゼルスの治安情報は下の記事よりご確認ください。
【2024年版】ロサンゼルスの治安事情まとめ!トラブル事例から防犯のポイントまで紹介
2023年、ホノルルでは凶悪犯罪、窃盗犯罪ともに前年から発生数は減少しました。2022年以降は2年連続で減少しました。
より詳しいホノルルの治安情報は下の記事よりご確認ください。
【2024年版】ホノルルの治安事情まとめ!トラブル事例から防犯のポイントまで紹介
その他アメリカ都市の治安状況は下の記事よりご確認ください。
シアトルの治安状況
ボストンの治安状況
サンフランシスコの治安状況
サンディエゴの治安状況
シカゴの治安状況
上で紹介したトラブルに巻き込まれないためにも、アメリカに滞在している間は以下のポイントを意識するようにしましょう。
スリの手口は実に巧妙で、どれだけ注意を払っていても被害に遭ってしまうことはあります。
スリに遭遇しないことが一番ですが、万が一遭遇してしまったときのために、財布にあまり高額なお金を入れるのはやめましょう。そして、財布やスマートフォンなどの貴重品は後ろのポケットやリュックにしまわないようにすることも大事です。
カバンはウエストポーチを利用するなどの対策を講じましょう。
置き引きなどの窃盗は、外でお酒を飲んでいるときや電車・バスなどを利用している時によく起こります。
未然に被害を防ぐためにも、お酒を飲むときは節度を保って意識を常にしっかり持つことが大事です。また公共交通機関を利用するときの居眠りも厳禁です。荷物は常に目の届くところに置き、危機管理意識を高く持つようにしましょう。
コンビニへ買い物に行くときなど、少しの間だからと言って車の中に荷物を置きっぱなしにする人も多いですが、そういう隙を犯人は常に狙っています。
どれだけ短い時間であろうと、車を開ける際は荷物をしっかり持ち歩くことが大切です。
空き巣被害は留守中に起きることなので、避けるのはなかなか難しいかもしれませんが、部屋を決める際は、セキュリティシステムがしっかりした部屋にする、一階には住まないようにするなど、最低限できることをしておくことが被害を防ぐことにも繋がります。
またジョギングなどの生活習慣を作らないなど、周囲に留守を分からせないようにすることも大切です。
暴行・恐喝などの犯罪は、人目につかない場所で起こりやすいです。なるべく夜間の外出は控えましょう。止むを得ず外出の必要に迫られたときは、人通りの多い道を歩く、誰かと共に行動するなどの対策が必要です。
アメリカでトラブルや犯罪に巻きまれた際には、すぐに警察に連絡しましょう。電話番号は「911」です。アメリカでは日本のように警察と消防の電話番号が別れていません。緊急車を呼ぶ際も同じく「911」へ連絡して下さい。
パスポートを紛失するなどのトラブルには、日本の領事館などに相談しましょう。なお、アメリカには大使館がなく、相談は在イタリア大使館の窓口へ行く必要があります。
都市 | 連絡先 | 受付時間 | 住所 | ウェブサイト |
---|---|---|---|---|
ニューヨーク | +1(212)371-8222 | 月〜金曜 9:30-16:00 ※査証関連の対応時間は異なる |
299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171 Googleマップで確認する |
在ニューヨーク日本国総領事館 |
ロサンゼルス | +1(213)617-6700 | 月〜金曜 9:30-12:00、13:00-16:30 | 350 South Grand Avenue, Suite 1700, Los Angeles, CA 90071 Googleマップで確認する |
在ロサンゼルス日本国総領事館 |
ホノルル | +1(808)543-3111 | 月〜金曜 8:00-11:30、13:00-15:30 ※査証関連の対応時間は異なる |
1742 Nuuanu Ave. Honolulu HI 96817 Googleマップで確認する |
在ホノルル日本国総領事館 |
加えて渡航前には、外務省が公開している安全対策基礎データを参考に、現地で注意すべき行動、緊急時の各種連絡先を確認するようにしましょう。
外務省「在留邦人向け安全の手引き アメリカ合衆国(米国)」
いかがでしたでしょうか。
アメリカでは、スリや窃盗などのトラブルが実際に発生しています。こういったトラブルに巻き込まれないためには貴重品は目の届くところに管理し、所持金は必要最低限にするやハメを外さないなどの対策とる必要があります。
これからアメリカを訪れる予定のある方は以上の点に注意して、安全に現地での滞在を楽しんでください。
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※1...FBI「Federal Bureau of Investigation Crime Data Explorer」(参照日:2024-9-15)
※2...警察庁「統計」(参照日:2024-9-15)
※3...外務省 海外安全ホームページ「注意喚起 : 銀行職員や警察官等を装った電話詐欺(特殊詐欺)」(参照日:2024-9-15)
※4...外務省 海外安全ホームページ「【注意喚起】地下鉄における安全対策」(参照日:2024-9-15)
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