最終更新日:2024/09/30
シカゴを訪れる方の多くが気にするのが現地の治安。渡航する国や地域によっては治安の悪いエリアもあり、生活する上でさまざまな点に注意が必要です。
特に海外に比べ治安の良い日本で暮らしている人にとっては、思わぬことがトラブルのきっかけになることも十分にあります。
そこで今回はシカゴの治安に関して、現地で注意すべきトラブル事例、危険な目に遭わないためのポイントなどを紹介します。現地でトラブルに巻き込まれないためにも、ここで紹介するポイントをしっかり押さえておきましょう。
なお、シカゴ留学について、費用やおすすめの都市、語学学校などは下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
シカゴ留学
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シカゴはアメリカ国内の大都市の中でも、犯罪件数は多めです。ただ一部の地域は治安がよく、一部が非常に悪いといったように、地域ごとに犯罪発生件数が異なるのが特徴です。
ダウンタウンから南に行くほど治安が悪化しますので、観光エリアには気をつけましょう。
空港や繁華街といった人の出入りが多いエリアはスリや引ったくりが起こるので注意。また、夜間はどうしてもトラブルの確率が上がりますので、1人で出歩くのはやめましょう。
それでは実際に近年のシカゴの治安状況を確認していきましょう。なお、今回は下記の分類で罪種別の犯罪件数をお伝えいたします。
凶悪犯罪:殺人、性犯罪、強盗、放火、暴行・傷害
窃盗犯罪:侵入盗、非侵入盗、乗り物盗
罪種ごとの計算は国や都市によって定義が異なるため単純比較はできませんが、一つ現地の治安イメージを持つ参考として捉えていただければと思います。
その上で、2023年にシカゴで発生した犯罪件数は下の通りです(※1、2、3)。
2023年、前年に比べてシカゴでは凶悪犯罪件数は減少、窃盗犯罪件数は増加しました。過去10年間で見ると、窃盗犯罪の発生率が下降傾向にあり、コロナ禍の2020年以降はさらに発生率が下がり、2022年以降は再度コロナ前の水準に戻っています。
一方で凶悪犯罪については、コロナ禍を通して殺人や暴行などの発生率は高まっているので、現地での生活では一層の注意が必要です。
また、2022年の犯罪発生率を日本、アメリカの平均値と比べると下の通りです(※4、5)。
地域 | 凶悪犯罪 | 窃盗犯罪 |
---|---|---|
シカゴ | 1,004.0件 | 3,140.3件 |
アメリカ平均 | 380.6件 | 1,954.4件 |
日本平均 | 51.5件 | 326.5件 |
※10万人あたりの犯罪発生件数
シカゴの犯罪率は日本平均と比べるとかなり犯罪率が高くなります。ただし、観光地として有名なシカゴでは、人口に含まれない旅行者が多く、犯罪率は高くなりやすいのでご注意ください。
シカゴへ渡航する際には、実際に起こっている犯罪に巻き込まれる可能性を想定して生活を送る必要があります。ここでは、近年シカゴで発生している犯罪をいくつかご紹介するので、実際にどのような犯罪が現地で発生しているかのイメージを持っていただければと思います。
2023年10月頃、シカゴ市内のデパートで邦人男性が回転ドア内でスリに会う事象が発生しました。クレジットカードが不正に利用されるなどの被害に遭いました。(※6)
シカゴ市警によると、スリ被害は公共交通機関やレストラン等でも発生しています。貴重品はポケットなどのスリに狙われやすいところには入れず、必ず目を離さないようにするなどの注意が必要です。
2024年5月中旬頃より、銀行員や警察官、実在する株式会社などを装い、金銭を騙し取る詐欺被害がアメリカ国内で複数発生しています。犯罪には実在する警察署と同じ電話番号が使用されていたり、被害を受けた法人の氏名やパスポート情報などが把握されていたりと信用されるための巧妙な手口が使われており、在アメリカ合衆国日本国大使館は、警察が電話で逮捕を口実とした罰金の請求がされることはないと注意喚起を促しています。(※7)
銀行口座の凍結や逮捕を示唆するなどの疑わしい電話を受けた際は、すぐに家族や警察に相談するよう注意喚起を行なっています。
ここではシカゴで実際に発生している犯罪、トラブルについて紹介します。対策を練るにもまずはどんなトラブルが実際に起こっているかを知る必要があります。
シカゴでは、日本人が強盗の被害に遭うケースも見られます。数人組の犯人グループに襲われ、バッグを奪われるといった被害が相次いでおり、シカゴに滞在中は治安がよいと言われるエリアでも注意が必要です。
シカゴでも、自動車の盗難や車上荒らしは頻繁に起こっています。このような被害に遭うリスクが高くなるのが無人の駐車場です。昼間から余り人通りがない駐車場は要注意。
運転者が車から降りるところをチェックしたうえで狙いを定める犯罪者もいるため、車で移動するときには気を付けましょう。
スリや置き引きといった窃盗の被害は、シカゴ市内でも多く見られます。こういった窃盗で特に増えているのが、クレジットカードやデビットカードなどが盗まれるケース。
アメリカでは現金の代わりにこの手のカードで決済をする人が多く、持ち歩くバッグのなかには大抵は何らかのカードが入っています。バッグごと盗んで、カードの個人データを盗み取るなどの犯罪はよくある手口です。
日本で増加している振り込め詐欺のような犯罪は、シカゴでも増えています。米国内歳入庁の名をかたって個人情報を聞き出すなどの手口は、この手の詐欺でよく見られるケースです。
また、知人や友人などを装って、「急にお金が入用になった」と現金を請求するケースもあります。
車の使用率が高いシカゴでは、交通事故のトラブルも多く発生しています。アメリカ全体では日本の約6倍の交通事故が発生していると言われており、交通量が多いエリアを通るときには特に注意が必要です。
上で紹介したトラブルに巻き込まれないためにも、シカゴに滞在している間は以下のポイントを意識するようにしましょう。
シカゴでは、治安が悪いところを歩くときにできるだけ目立たないような服装をし、旅行者という印象を与えないようにするのが強盗の被害に遭わないためのポイントです。
また、歩きながら音楽を視聴したりスマホで通話をしたりするのは、シカゴでは避けたい行動。このような行動をしていると、強盗が近づいてきても気づきにくくなります。
自動車の盗難や車上荒らしは、人気がない駐車場で多く発生しています。安全を重視する場合は、できるだけ管理者がいる駐車場を利用したほうがよいでしょう。
車から離れるときは短い時間でも必ず施錠し、周囲に不審な人物がいないかどうかを確認しておくことが大切です。
現金やクレジットカード、身分証明書などを同じ場所にしまっていると、盗難の際に被害が大きくなる可能性があります。バッグごと盗まれてしまったときのことを考えて、この手の品は複数の場所に保管するようにしましょう。
特に貴重な品は、自分の前側に抱えるようにすると安心です。
電話やメールで詐欺事件の被害に遭わないためには、慌てずに対応することが肝心。相手が知り合いの名をかたっていても、必ず本人に確認してから対応をしましょう。
交通事故に巻き込まれないためには、車の運転中は運転に集中する、道を歩くときは、周囲に常に注意を払う必要があります。特に車社会のアメリカでは日本に比べても移動に車を利用する人が多いので、日本で過ごす以上に気を遣いましょう。
シカゴには、シカゴ市警察があります。急を要さない問い合わせや相談などは、こちらの警察で受け付けてくれます。一方で事件や事故といった緊急事態の場合は、「911」に連絡をしましょう。「911」は、警察、救急車、消防車の出動を急いで依頼したいときの番号です。
この番号に電話をかけてオペレーターに用向きを伝えると、しかるべき対応をしてもらえます。盗難の被害に遭ったときなどは、在シカゴ日本国領事館にも相談が可能です。領事館での相談受付は基本的に平日のみとなりますが、緊急の場合は24時間受付を行っています。
シカゴの治安について詳しい情報を知りたい場合も、領事館に問い合わせると教えてもらえることが多いため、困ったときには相談してみましょう。
在シカゴ日本国領事館は、シカゴ市を始めミネソタ州やインディアナ州などの10州を管轄しています。このエリアで発生した問題などは基本的にこちらの領事館で対応が行われますので、近隣の州に出向くときにも連絡先を控えておくと役立ちます。
シカゴ市警察電話番号
312-744-4000
在シカゴ日本国総領事館
受付時間 | 月~金曜 9:30~16:00 *電話は24時間対応 |
---|---|
電話番号 | 312-280-0400 |
住所 | 737 N Michigan Ave. Chicago, IL 60611 U.S.A. |
犯罪に巻き込まれないようにする方法は在シカゴ日本国総領事館がまとめている「安全の手引き」にて、詳しく紹介しているので、渡航前には必ず確認するようにしましょう。
在シカゴ総領事館「安全の手引き」
なお、最新のシカゴの犯罪発生状況を確認したい方は、犯罪マップをご確認ください。
Crimes - Map
シカゴの中には、特に犯罪に巻き込まれないよう注意が必要なエリアがあります。ここでは3カ所紹介します。
photo by:Miune/ Shutterstock.com
ハワード駅の周辺は、シカゴでも治安が悪い危険なエリアと言われています。このエリアで多いのが、強盗や窃盗などの犯罪。
ハワード駅があるエリアは、ギャングが活動している地域としても知られており、街中では傷害事件などに巻き込まれる恐れがあるので要注意です。駅構内の移動であればトラブルに遭遇するリスクは比較的低いので、ハワード駅を利用する場合は外に出ずに、速やかに行動するようにしましょう。
photo by:James Andrews1/ Shutterstock.com
ワシントンパークがあるエリアは、シカゴでも特に治安が悪い場所として知られています。こちらのエリアでは、銃を使った傷害事件や強盗事件などが多発しています。
そのため足を向けるのはできるだけ避けたほうがよいでしょう。麻薬の売買なども行われているので、街の中を不用意にうろつくのは危険。ワシントンパーク周辺を訪れる予定のある方は、徒歩で移動するのを避けて、安全なタクシーや車を利用するようにしましょう。
photo by:John Ruberry/ Shutterstock.com
シカゴで治安が悪いエリアとしては、エングルウッドも有名です。売春や麻薬の売買、傷害事件といった多種多様な犯罪が横行しているのがエングルウッドの特徴。
エングルウッドは銃撃事件、放火事件といった凶悪犯罪の発生件数が多く、シカゴ市内でも注意が必要と言われている地域です。このようなエリアは、必要がない限り足を向けないのが賢明です。やむを得ないときには、車を利用するなどの方法をとりましょう。
エングルウッドの北側にはホワイトソックスのプレーを観戦できるギャランティード・レイト・フィールドがありますが、観戦の際にもこのエリアの駅で不用意に降車するのは避けたいところ。
駅の雰囲気がほかの地域とは少し異なるため、安全を確保するためにもできるだけ近づかないほうがよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
シカゴでは、強盗や盗難などのトラブルが実際に発生しています。こういったトラブルに巻き込まれないためには目立つ恰好をしないや現金などの貴重品は1カ所にしまわないなどの対策とる必要があります。
また、シカゴの中でも特に治安面で注意が必要なエリアはハワード駅周辺とワシントンパーク周辺です。
これからシカゴを訪れる予定のある方は以上の点に注意して、安全に現地での滞在を楽しんでください。
なお、留学先としてシカゴを検討している場合には、留学カウンセラーが無料で留学相談に乗っています。
おすすめの語学学校、費用イメージや各種手続きなど、一人ではなかなか検討が進まない留学準備を気軽に進めるなら、ぜひご利用ください。
留学先となる国や都市のイメージを持てたら語学学校選びに移りましょう。ただし、国や都市と違い、語学学校選びはより希望を整理しながら進めていく必要があります。
特に生徒規模や雰囲気、日本人留学生の比率や日本人スタッフの有無などは時期によって変わりやすいので、自分で調べた情報だけで決めてしまうと学校選びで失敗してしまう恐れがあります。
より最新の情報をもとに語学学校を決めるなら、留学エージェントに相談してみましょう。
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※1...Chicago Police Department「Annual Reports」(参照日:2024-9-15)
※2...Census Bureau Data(参照日:2024-9-15)
※3、4...FBI「Federal Bureau of Investigation Crime Data Explorer」(参照日:2024-9-15)
※5...警察庁「統計」(参照日:2024-9-15)
※6...外務省 海外安全ホームページ「邦人のスリ被害について(注意喚起)」(参照日:2024-9-15)
※7...外務省 海外安全ホームページ「注意喚起 : 銀行職員や警察官等を装った電話詐欺(特殊詐欺)」(参照日:2024-9-15)
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