「ワーキングホリデーに行くためには、どのくらいの英語力が必要なんだろう……」
ビザ申請の際に英語力が求められないワーキングホリデーでは、誰でも参加できる一方で実際に仕事を得るにはどれほどの英語力が必要になってくるか不安を感じますよね。
ワーキングホリデー先にある仕事は多様で、求められる英語力は一概にお伝えできませんが、一般的にはTOEIC600点程度の英語力が必要と言われています。
加えて現地で働く際は英語でコミュニケーションを取ることになるため、あらかじめ会話の練習も積むことでより仕事探しで有利になります。
とはいえ、具体的にどのように準備すればよいのかはわかりにくいですよね。
そこでこの記事では、
などをご紹介します。
英語を上達させることはハードルが高そうに思えますが、押さえるべきポイントはそれほど多くありません。まずはこの記事を読んで、ワーキングホリデーに必要な英語力について知りましょう!
なお、ワーキングホリデーでできることや費用、後悔しないためのポイントなどは下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
ワーキングホリデーガイド
監修者
留学カウンセラー:木下 成美
2015年ワーキングホリデーでオーストラリアへ渡航、2年間さまざまな都市で過ごした後、フィリピンへ渡航。バギオの英語語学学校のスタッフとして2年間勤務。帰国後は公立小学校にて英語インストラクターとして働くが、世界に飛び立つ人を応援したいと思い再度留学業界に従事。
[目次]
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ワーキングホリデーに行く場合、一般的にはTOEIC600点程度の英語力が必要と言われています。TOEIC600点レベルは、語学学校のクラスで言うと「Pre-intermediate(プレインターミディエイト)」に該当します。その他のクラスと、そのクラスに入るのに必要な英語力は以下の通りです。
・Advanced:上級レベル、TOEIC 850~990点
・Upper-intermediate:中上級レベル、TOEIC750~850点
・Intermediate:中級レベル、TOEIC650~750点
・Pre-intermediate:中下級レベル、TOEIC450~600点
・Elemntary:初級レベル、TOEIC200~450点
・Beginner:超初級レベル、TOEIC5~200点
英語力を上達させるのに必要な時間の目安として「TOEIC450点の人が650点まで伸ばすのに450時間の学習が必要」と言われています。
例えば1日あたり5時間の学習時間を確保できるのであれば、約3カ月でTOEIC450点の方は600点まで語学力を上げることが可能です。もちろん、これはあくまで目安であり、本人の頑張り次第でもっと短期間で600点に達することもできます。
英語力はあるに越したことはありませんが、必ずしも英語力がなければ仕事に就けないというわけではありません。そもそもあまりコミュニケーションが発生しない仕事であれば、英語力があまりない方でも採用される可能性は十分あります。
英語力がほとんどなくてもできる仕事はあります。例えば、清掃・クリーニング、ファームでの農作業、工場の作業員、日本食レストランのキッチン担当などは、英語力がない日本人でも採用されることが多いです。
自転車などの移動手段を準備できるようであれば、フードデリバリーの仕事もできます。
ワーキングホリデーの目的が語学力の向上が目的でない方であれば、必要最低限の生活費は稼げる可能性があります。
中級程度の語学力があれば、簡単な接客の仕事に就ける可能性があります。例えば、スーパーのレジなどであれば、接客に必要な英会話を身につけることで挑戦できる可能性があります。
カフェやレストランでの接客も、接客に必要なフレーズを覚えればできる可能性はあります。しかし、細かな要望を聞くことが難しかったり、雑談に戸惑ったり、苦労することも多いかもしれません。
語学力を伸ばしたい気持ちがあるなら、思い切って挑戦し、仕事を通して学ぶこともできますが、渡航前に少しでも語学力をつけておくことをおすすめします。
ここまでで説明した通り、英語力がゼロでも、ワーキングホリデーに行くことはできます。しかし、様々なリスクがあります。
ワーキングホリデーに行ったことを後悔する理由のよくあるものが、何も学ばないまま帰国してしまったということ。ただ行っただけでは何も得ることはできません。
特に、住めばいつの間にか外国語が話せるようになると考えている人は要注意です。1年間ただ住んでいるだけでは語学は身に付かず、積極的に会話をしたり、学校に通ったりと、様々な努力が必要です。
ワーキングホリデーの目的は語学力の習得でなくても問題ありません。何か目標を持ち、達成に向けて計画的に行動することが大切です。
外国人が現地で仕事を見つけることの難易度は、年々高くなっていると言われています。その中で、英語力ゼロの状態から英語を使う仕事を見つけることは、苦戦することが予想されます。
どの国でも活かせる技術を持っているなどの場合は経験を活かした仕事ができるかもしれません。しかし、英語を使う仕事で、今までに経験したことがない仕事にチャレンジしたい方は、渡航前にできるだけ語学力を伸ばしておくことをおすすめします。
リスクがあるのは仕事面だけではありません。現地の言葉で日常生活を送ることになるので、日用品の買い物や、家を借りる手続き、電車の乗り方やチケットの買い方など、あらゆるシーンで語学力が必要となり、苦労することが予想されます。
英語力ゼロの状態だと、日常生活を送るだけでもストレスを抱えることになりかねません。簡単な会話程度だけでもできる状態にしておいたほうが安心でしょう。
現状英語力がない状態では、どう英語力を上げていけば良いか、イメージが持ちづらいですよね。
そこでここでは、いくつかワーキングホリデー前に英語力を上げる勉強法をご紹介します。
1つ目の方法が、中学英語までは渡航前に自分で学習することです。
日常会話に使う英語は、基本的に中学英語までマスターしておくことで対応できます。教科書を持っているのであれば、それを使ってすぐに勉強を開始できるのでお金もかかりません。教科書を持っていない方でも、図書館に行けば英語の教材を借りることができます。
文法や英単語などを復習し、少しでも語彙力を増やしたり、使用頻度の高いフレーズを覚えたりしておきましょう。
英語は学ぶだけでなく実践で使うのも重要です。正しい文法は知っていますが、会話になると途端に苦手意識が生じる方は多くいらっしゃると思います。
オンライン英会話を使えば、覚えた内容をすぐ英語話者との会話に使えるので、実際に話が通じるか、発音が合っているかどうかを日本国内にいながら確認できます。リスニング力とスピーキング力を鍛えておくことで、現地での生活の充実度が格段に上がりますよ。
下ではおすすめの主要なオンライン英会話サービスを紹介しているので、具体的にどのようなサービスがあるかを知りたい方は参考にしてみてください。
テーマ・レベル別に解説!おすすめオンライン英会話サービス11選と活用のコツまとめ
3つ目の方法は、国内の英語学習コミュニティに参加することです。
英語学習者の中には、独学ではどうしてもモチベーションが保てず英語学習が続かないという方もいるかと思います。特に学習初心者であれば、どう学ぶのが効果的か、どれほど学べば期待する英語力の伸びが実現するのかイメージが持てないかもしれません。
そんな時は、MeetupやLanguageExchange、英語カフェなどの、英語学習者が集まるコミュニティに参加してみてはいかがでしょうか。
自分一人では続かない英語学習でも、自分と同じく目標に向け英語学習に励む学習者がそばにいる環境は、多くの学習への刺激をもらえ、結果英語学習を継続しやすくなります。
コミュニティは数多くあるため、自身に合ったものを探してみてください。なお、社会人の方であれば、3ヶ月本気で英語学習に取り組む「Gariben」がおすすめなので、こちらも参考にしてみてください。
仲間と学ぶ、英語に本気の3ヶ月「Gariben」
3つ目の方法が、初めの3カ月ほど語学学校に通うことです。
あらかじめ英語学習を進めてきた方でも、実際に英会話を話すとなるとなかなか難易度が高くなります。ワーキングホリデーに参加する方は語学学校に通う方が多く、個人的にも初めの3カ月ほどは語学学校に通うことをおすすめします。
語学学校では、自分1人での学習ではなかなか難しい「自分から積極的に話す姿勢」を身につけることができる点がポイントです。
ワーキングホリデーでおすすめの語学学校は、以下のページで渡航予定の国へ進むと見ることができるので、語学学校へ通うことを検討している方は参考にしてみてください。
ワーキングホリデーの基本情報と特徴
ワーキングホリデーは、制度上1カ国につき1年の制限がつくことがほとんどです。ワーキングホリデーを最大限に有効活用したいと考える方は、ワーキングホリデー前に英語力を高めるための語学留学をすることも良いでしょう。例えば、フィリピンで数ヶ月勉強したのちにワーキングホリデー対象国に渡航するなどです。
語学留学では英語学習に集中して取り組む環境が整っているため、仕事と勉強を両立させるようなスタイルと比べて、効率良く語学を習得することができます。
また語学学校の中には、ワーキングホリデー準備コースなど、働くことを意識した英語学習を提供している学校もあるため、より実践を意識した事前準備を行えます。
ワーキングホリデーコースの体験談は下で読めるので、具体的にどんな内容を学ぶのか知りたい方は参考にしてみてください。
不安や恐怖は価値ある挑戦の証!フィリピン・バギオ「A&J」に留学【みんなの留学体験記】
ここまでは、渡航前に英語力をアップする方法を紹介しました。ここではワーキングホリデー中に英語力をアップする方法を紹介します。
英語力に自信がないと、どうしても日本人コミュニティに身を置き日本語で生活することになりがちです。快適に過ごせるかもしれませんが、もし英語力を伸ばしたいと考えているのであれば、できるだけ現地の人たちと交流する機会を持つようにしてみましょう。
初めは難しいかもしれませんが、話したい内容を事前に英語で口に出して練習しておいたりすることで、気持ちを軽くすることはできますよ。
滞在方法にホームステイやシェアハウスを選択すると、英語を話す機会が増えます。ホームステイの場合はネイティブスピーカーのホストファミリーと、シェアハウスの場合は現地の人だけでなく他国出身の人と日常的に顔をあわせることになります。
英語が話せないからと言って会話を避けず、思い切って話しかけてみましょう。
最初から英語を使う仕事につくことは難易度が高いかもしれませんが、1人でも日本語話者以外の人がいる環境で働けば、英語で会話するチャンスがあります。
英語での接客の仕事などに就いたら、よく使うフレーズだけでなく、職場の同僚やカスタマーとの会話にも挑戦してみてください。会話の数が増えれば増えるほど、英語力は伸びますよ。
事前にオンライン英会話などで勉強することをおすすめしましたが、渡航後に語学学校に通うことも可能です。やりたい仕事になかなか就けなかったり、日常生活で困ることが多い場合など、渡航後に英語力が足りないと感じたら、検討してみてください。
また、上で紹介したように、いきなりワーキングホリデーに行くのではなく、ワーキングホリデー前の語学留学もおすすめです。自身の語学力とやりたいことに合わせて検討してみてください。
ワーキングホリデーは、どの国でもできるわけではなく、ワーキングホリデー制度を導入している国のみが対象です。
英語圏の国では、2024年1月現在5カ国がワーキングホリデー制度を導入しています。各国のビザ情報の詳細については、以下ページでご確認ください。
ワーキングホリデーでは、英語力がある方が採用されやすいのは事実ですが、その他の要素も採用の基準になります。ここでは、実際にワーキングホリデー参加者がどのような形で仕事を決めたのかをご紹介します。
日本での美容師資格と、美容師歴12年を持つ武田ゆうさんは、オーストラリア・メルボルンに滞在しながら日系美容室で働いています。
日本とは違い、美容師の国家資格がないオーストラリア。極論をいえば誰でも美容師になれる環境の中で採用の基準になるのは、これまでの経験と話します。
(誰しもが美容室に応募できる環境である一方で)日系美容室はそう甘くはありません。多くの店で「美容師の経験◯◯年以上」と就労経験が問われます。武田さんが勤務する店舗では「美容師経験6年以上」が条件でした。
すでに日本で美容師経験があり、メルボルンで美容師として働きたいのであれば、メルボルンにある日系サロンに履歴書を直接渡しに行くのが一番効率がいい仕事の探し方です。メルボルンには現在両手で数えられるほどしか店舗数がないため、履歴書を手当たり次第配り歩く必要はありません。
またワーキングホリデービザで働く美容師が多く、短期でどんどんと美容師が入れ替わっているのが現状。誰かが退職するタイミングでスタッフ募集がかかるので、常に求人情報は確認しておくといいでしょう。経験さえあれば、倍率もそこまで高くないと言います。
ワーキングホリデーで新たな職に挑戦しようと思っても、雇う側は経験を元に採用を決めることがあります。特に美容師のような技術力を伴う仕事は、経験のあるなしが採用に直結します。
ワーホリで美容師として活躍するには? 先輩美容師にインタビューしてみた
武田さんを例に、日本での経験をそのままワーキングホリデー先でも活かすことで仕事探しが有利になることをお伝えしましたが、必ずしもすべてのワーキングホリデー参加者が日本での経験をそのまま活かした仕事に就けるとは限りません。
そんな方におすすめなのが、現地で専門性を学ぶことです。
バリスタ未経験の飯尾かよさんはオーストラリア・メルボルンへ渡航後にバリスタの専門学校に通い、専門性を学び、小さなお店で実際に働く中でバリスタとしての経験を積み現在の仕事が見つかったと話します。
多くのプロフェッショナルなバリスタがいる中、最初から有名カフェで働くのはほぼ無理。
またバリスタ学校ではコーヒーの作り方は学べますが、実際のカフェでコーヒーを作るというのはまた異なります。時間をかけずに美味しいコーヒーを作る技術は、実際にカフェで働かないと上達しません。
そこでまずは、コーヒーにはあまりこだわっていないカフェに狙いを定めてレジュメを配りました。
最初にバリスタとして働いたのは、植物屋さんに併設された小さなカフェ。バリスタ学校で習った基礎を元に、そのカフェで実務経験を積みバリスタとしての経歴を作ることに集中しました。
ワーキングホリデー先でカフェで働いてみたいという方は多いと思うので、ぜひ現地での働き方のイメージを持ちたい方は飯尾さんの体験談を参考にしてみてください。
コーヒーの街・メルボルンでバリスタとして働くには?先輩バリスタに学ぶ仕事獲得術
飯尾さんの例では、ワーキングホリデーで渡航後に現地で専門性を学ぶことで、仕事の獲得に至ったことをお伝えしましたが、予算や時間が限られる人にとっては、より短い期間で仕事を見つけなければいけないという方もいるかもしれません。
そんな方には岡本更紗さんの仕事探しが参考になります。
日本では看護師として働いていた岡本さんは、オーストラリアへ渡航後、それまで未経験だったマッサージセラピストの仕事につきます。
マッサージの種類にもよりますが、日本と同様マッサージセラピストになるのに資格が絶対に必要というわけではありません。しかし、求人には「経験ありの人」という文字をよく見かけるようです。また、資格があったほうが働き口は見つけやすいのは間違いなし。
オーストラリアでマッサージの学校に通い、学位や資格を取得するのがベストかもしれませんが、ワーキングホリデーや短期留学ではなかなか難しいですよね。
岡本さんの場合は、Chudo Japanese Acupuncture& Massage主催で、日本人講師によりメルボルンで不定期に開催されているマッサージ講習を受講しました。2日という短期間でみっちり日本古来の「あんま」スタイルのマッサージ法を学べ、受講後にはオーストラリアプロ団体のIICT認定資格の取得まで可能です。
このように日本式マッサージあんまを学び、オーストラリアで通用する資格を取ったことで、日本でマッサージ師としての経験がなかったにもかかわらず、現在メルボルンで職を得ることができたようです。
岡本さんの現地での仕事内容は下の記事でまとめているので、そもそもマッサージセラピストはどんな働き方をしているのか気になる方は参考にしてみてください。
ワーホリでマッサージセラピストとして働くには? 先輩セラピストに聞いてみた
今回はワーキングホリデーに必要な英語力についてお伝えしました。ワーキングホリデーに行く場合、一般的にはTOEIC600点程度の英語力が必要と言われています。現地で働く際は基本的に英語でコミュニケーションを取ることになるため、あらかじめ準備をしておくことが重要です。
仕事を探す場合は、 英語力に応じて仕事を選びましょう。
現地で英語を学ぶことも大事ですが、事前に日本で英語力を高めておけば、より楽しいワーキングホリデーにすることができます。今回お伝えした英語学習のポイントを押さえて、ワーキングホリデーが充実したものになることをお祈りしています!
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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