こんにちは。フィリピンの首都マニラ在住のMarinaです。
フィリピンに住むときに気になる情報のひとつがフィリピンの文化ですよね。
外国では日本との文化の違いに戸惑ったり思わぬトラブルに巻き込まれたりするので、あらかじめ知っておいたほうがいいことがいくつかあります。
ここでは、フィリピンで生活していて感じる日本との違いや注意点などをまとめます。
なお、フィリピンの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
フィリピンのおすすめ観光スポットやイベント、グルメなどを紹介
※なお、レートは1フィリピンペソ=2.1円で、1円以下の金額は繰り上げて計算しています。
[目次]
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フィリピン社会全体の特徴をあげてみます。
フィリピンはASEAN唯一のキリスト教国家。
国民の85%がキリスト教信者(カソリック)であり、それ以外の人もイスラム教やその他の宗派のキリスト教など信仰をもつ人がほとんどです。
キリスト教徒の車にクロスやイエス像が飾られていたり、キリスト教やイスラム教に関連するイベントや祝日などがあったりと、生活のいたるところに信仰の様子がみられます。
また、クリスマスはキリスト教にとって1年で最も重要なイベント。9月からクリスマスモードが始まり、12月に向けて人々の働き方が変わるほどの熱気を感じます。
フィリピンでは家族を大切にする人が多いのも大きな特徴のひとつ。日本のように謙遜で身内を悪く言うような言葉は耳にしません。
日常生活でも家族の用事は最優先。お休みや遅刻の理由が家庭の用事であった場合は快く受け入れる文化があります。
フィリピン人の家族の悪口は大きなトラブルになる恐れがあるので、冗談でも言わないようにしましょう。
フィリピンでは大家族である家庭が多く、妹や弟の面倒を兄弟でみる機会も多いため、独身の若い人でも子どもに慣れている人が多くいます。街なかにも妊婦さんや赤ちゃん、お子さんへの温かい視線やサポートがあふれています。
また、年長者を敬う文化があり、両親が年をとったら子どもたちが養うのが当たり前とされます。
子どもにもお年寄りにも優しいのがフィリピンの良いところです。
フィリピンは働き者の女性がとても多いです。
2015年の国家統計局国際労働機関(ILO)の報告書ではフィリピンの女性管理職の割合が47.6%とアジアトップ。街なかではお腹の大きな妊婦さんでも出産ギリギリまで働く姿をよく見かけますし、女医さんなど専門職の数も非常に多い印象です。
一方、男性が家にいて子育てなどを担うことは珍しくありません。
女性男性関係なく、働ける人・働きたい人が大人数の家族を養うため勤勉に働く国です。
参考:RAPPLER.com
東南アジア全体に言えることのひとつかもしれませんが、フィリピンでもお金持ちとそうでない人の生活の差を感じる場面に遭遇します。
何人ものメイドを雇い、ブランドものに身を包んできれいな車に乗っている人がいる一方、道で幼い子を抱えながら「お金をちょうだい」と手を出してくる人もいます。
国際協力銀行の資料によると、平均月収により社会階層を5つに分類した結果、富裕層といわれるAランク(月収100,000ペソ(210,000円)以上)の世帯の割合が0.3%であるのに対し、貧困層といわれるEランク(月収8,000ペソ(16,800円)未満)は29%。
街なかでは月収8,000ペソ(16,800円)で家族を養う人が多くいます。
といっても仕事のある人たちはいつも明るく楽しそうにしていて、それほど生活に困窮しているようには見えません。
働き口のない最貧困層といわれる世帯が大変で、家もなく1日100ペソ(210円)の収入をなんとか作り出しながら生活している現実があります。
外国人がフィリピンで暮らすときに最貧困層の人たちと関わる機会は少ないですが、残念ながら幼い子どもたちが犯罪のために駆り出されていることもあり、無視できない問題です。
参考:国際協力銀行
フィリピン人の国民性を挙げてみます。
・家族思い
・明るい
・フレンドリー
・子ども大好き
・おおらか
・きれい好き
・自分が大好き
・時間にルーズ
・プライドが高い
フィリピン人の良い面はとにかくおおらかで明るくフレンドリーなこと。一方でルーズな面もあるためビジネスにおいては振り回されることもあります。
また、きれい好きな面もあります。ハンディタイプのアルコールを持ち歩いたり、中にはTシャツにまでアイロンをかける人もいます。特に匂いには敏感で、香水やシャンプーの香りをまとわせている人が多い印象です。
知っておきたいのはプライドが高いという点。
「わからない」ということを嫌うため知らないことでも知っているふりをしたり、人前で叱られたりすることを恥だと思う傾向があります。
日本では上司が部下に人前で指摘をすることは一般的ですが、フィリピンでは必ず相手が一人になる環境を作った上でことばを選んで伝える必要があります。
フィリピンに来て真っ先に体感するのが「フィリピンタイム」。
これは時間どおりに物事が進まないというフィリピンの特徴を示しています。
・パーティの始まる時間に行ってみたら日本人しか来ていない
・10時に来ると言っていた業者が30分過ぎても連絡がない
こういうことは日常茶飯事です。
連絡が来たと思ったら「on my way(今むかってるよ!)」というのもお約束。
フィリピンでは30分程度の遅刻は当たり前、というおおらかな文化があります。ただし、大事な商談や飛行機の時間など絶対に遅れてはいけないことは把握している様子。
「そういうものなんだ」、と理解して私もゆったり待つようになりました。
常夏のフィリピンですが、屋内ではエアコンがとにかく強く寒いです。
オフィスやショッピングモールは寒いほど強くエアコンが効いているので、長時間過ごす場合は羽織ものや足元を温める装備が必須。
フィリピン人に聞くと、寒いくらいのエアコンはステータスのひとつなんだとか。電気代が高い国なので、エアコンを自由に使うことは贅沢のひとつなんですね。
フィリピンのトイレは場所によって特徴があります。
1. 日本並みにきれいな洋式トイレ(高級ホテルや空港など)
2. 清潔だけれど紙がないトイレ(ローカルエリアのショッピングモールなど)
3. 紙と便座がないトイレ(公共施設・ローカルエリアの会社や学校など)
4. 水を手桶ですくって流す手動水洗トイレ(地方の観光地など)
すべてのトイレに共通するのは紙を流せないということ。配管につまる恐れがあるので、使った紙は備え付けのゴミ箱に捨てるようにします。
高級ホテルはもちろん、最近はマニラ・セブの国際空港や大型のショッピングモールなどでトイレの改装が進み、日本人が安心して使えるところが増えてきました。
ショッピングモールやレストランなどでは、比較的きれいなトイレでも紙がないことがあります。
その場合は、ポケットティッシュがトイレの入口の自動販売機で売られているか、手動ウォッシュレットが付いています。
手動ウォッシュレットとは、タンクの横についているレバー付きのホースのこと。勢いが強いため、使用後の便座がびしょ濡れということもあります。
用を足したあとの用途以外に便座を拭くための紙が必要になることがあるので、トイレットペーパーやポケットティッシュ・ウェットティッシュの持参をおすすめします。
ローカルのフィリピン人が暮らすエリアの会社やレストランなどは便座がないところが多いです。
どうするのかというと、空気椅子状態で腰を浮かして用を足すか、和式トイレのように足をかけて使用するようです。
水を手桶ですくって流すタイプのトイレは、地方の観光地などでよく見かけます。
あらかじめ大きなバケツに水が貯めてあることもありますし、手を洗う水道にその都度水を貯めて使うこともあります。水圧が弱いので思ったように流れない恐れがあります。
フィリピンのトイレ事情については以下の記事も参考に ↓
フィリピン人はお祭りやイベントが大好きです。
キリスト教の最大のイベント、クリスマスは世界一長いと言われ、9月から12月までクリスマスソングが流れます。
ホーリーウィーク(聖週間)という3月終わりごろまたは4月ごろの連休は、街なかの多くのお店が閉まり、家族と一緒にイースターを過ごします。
また、フィリピンでは年始に花火や爆竹など大きな音でお祝いをする習慣があり、道端で一般人が着火するため毎年多数の負傷者が出ています。
特徴的なのはバースデーパーティです。フィリピンでは誕生日の主役がパーティの主催をし、ゲストをおもてなしする文化があります。
私の経験で驚いたのが、1歳のお子さんの誕生日パーティです。
主催者のママさんは3日前から会社をお休みし、ゲストハウスを貸し切ってパーティの準備。当日は親戚・友人を100人以上集め、ゲームや余興を延々と続けます。その間、主役(1歳の子)はおひるねで不在、というのもおもしろかったです。
パーティを開かなくても、自分の誕生日に同僚にピザやドーナツなどを振る舞う習慣があるのがフィリピン流ですね。
フィリピンは日本ほど個人情報の保護に積極的ではないので、電話番号や住所などを第三者に開示することをためらいません。
また、フィリピン人は自撮り(セルフィー)が大好き。SNSで頻繁にセルフィーをアップする人もいるため、メイドやドライバーなどの場合、撮影場所や時間によっては雇用主のプライバシーを侵害するおそれがあります。
雇う際にルールを明確に決めておくことが大切です。
フィリピンの主食はお米。それに合わせて濃いめの味付けのお肉を煮るか揚げるというメニューが多く見られます。
ファストフードの人気メニューはハンバーガーでなくフライドチキン。
お野菜はあまり好まない人が多い印象です。そのため、自炊をしない場合はメタボリックシンドロームに注意が必要です。
フィリピン料理について ↓
フィリピン人は甘い飲み物やスイーツが大好き。ペットボトルの紅茶やファストフードのお茶も砂糖入りが一般的です。
また、3度の食事のほかに10時と15時ごろに「ミリエンダ」というおやつの時間があります。
ミリエンダは甘いパンやトゥロンというバナナの春巻き、タホという豆腐に黒蜜がかかったスイーツなどの軽いスナックが定番です。ただ、中にはカップ麺やサンドイッチなど食事のようなものをつまむ人もいます。
フィリピンでは酒税が安く、ビールはお店で頼んでも1瓶60ペソ(126円)程度。
ビール市場はSan Miguel(サンミゲル)社というビール会社のほぼ独占状態となっており、「ピルセン」や「ライト」などいろんな種類のお酒が並びます。
安くいろんな種類のお酒を楽しめるのはお酒好きに嬉しいですね。
フィリピンビールの詳細は以下から↓
南国フィリピンで食べたいものいえば、色とりどりのフルーツ。代表的なパイナップル、マンゴー、バナナはもちろん、日本であまり見かけないフルーツが手軽に手に入ります。
私のおすすめはマンゴスチン。少し酸味のある食べやすい果物です。また、ポメロというオレンジもジューシーで美味しいです。
フィリピンで外食する際に嬉しいのが、どんなお店もたいていテイクアウト(お持ち帰り)ができること。フィリピンのお店は一品一品がボリュームたっぷりであることが多く、少人数で行くとなかなか食べきれません。
そんなときに、「Can I take out?」と声を掛けると、多くのお店は準備している容器に残った料理を詰めてくれます。
ただし、年中暖かい国なので、持ち帰った料理は冷蔵庫に入れ、翌日中には食べるようにしましょう。
レストランでセッティングされるカトラリーといえばナイフとフォークが一般的だと思いますが、フィリピンではフォークとスプーンが主流です。
フィリピン人はどんな料理も器用にフォークとスプーンでほぐして食べています。
もちろん、ステーキなどはナイフが出てくるので心配はいりません。また、お店によっては箸が置いてあるところも増えてきています。
フィリピンで生活すると日本ならではの文化に気づくことがありますが、ファストフードなどのカジュアルなお店に食器を下げる場所がないことはそのひとつです。
フィリピンではファストフードやフードコートでも、食べ終わった食器を片付ける人がいるので、自分で下げる必要はありません。
レストランでよく耳にするのが「No available, Ma’am(Sir).」
これはその料理を提供できない、つまり品切れであることを意味します。フィリピンではメニューの品切れが珍しくありません。
日本だとシールを貼ったりしてオーダーできないように配慮されているものですが、フィリピンでは堂々とメニューに載っています。オーダーした料理がことごとくノーアベイラブル(品切れ)、というのはフィリピンあるあるです。
フィリピンは大量にお買い物をするのが大好きな人が多く、数日でお給料を使い果たしてしまうことがあるほどです。
スーパーマーケットにいくと、大きなカートにてんこ盛りにものを購入していく人が多く並ぶのを目にします。
特に休日は家族でショッピングモールにお出かけしてお買い物を楽しむ家庭が多いので、レジも店内も大混雑。ちょっとした日用品や食料品であれば平日に買い物することをおすすめします。
大量にお買い物をする人が多いショッピングモールと対照的なのが、「サリサリストア」という小売店。
ここでは洗剤・シャンプー・お菓子・インスタントコーヒーなど様々なものが小分けで売られています。1つ5ペソ(11円)などで手に入るので、金銭的に日々の生活が大変な家庭でも少しずつ買うことができるんですね。
フィリピンでぜひ訪れていただきたいのが、マーケット(市場)。各地にWet Marketと呼ばれる生鮮食品を扱うマーケットがあり、とても活気に溢れています。
市場では日本であまり見かけない魚介類や野菜などに出会えます。特にフィリピンは島国なので新鮮な魚介類が豊富。現地の人の生活を肌で感じたり、値段交渉などで会話する楽しさがあります。
ただ、ローカルなエリアにあることが多いので、治安には十分気をつけてください。
マーケットがどんな感じなのかは以下の体験談から↓
買い物編でも触れましたが、フィリピン人はお金があったらあっただけ使う人が多くいます。
日本人は将来何があるかわからないので備えるために貯金する、フィリピン人は将来何があるかわからないから今を楽しむためにお金を使う、という対照的な話があります。
ローカルのエリアでは買い物のときにお釣りが大まかにしか返ってこないことがあります。
特に1ペソ以下の「センタポ」というコインはなかなか計算が難しい面もあり、切り上げ・切り捨てになることが多いです。
また、タクシーを利用する際もドライバーが細かいお釣りを持っていないことが多いので、20ペソ・50ペソ札を用意して乗るようにしましょう。
日本にない文化、チップ。普段チップを支払う習慣を持たない持たない人にとっては、相場がわからず困りますよね。
フィリピンでは基本的にチップは必ず渡すものではなく、いいサービスをしてもらったときの心付け程度の扱いです。
たとえばレストランではサービスチャージがすでにお会計に入っているお店が多いので、チップは不要です。
ネイルサロンやマッサージのお店ではチップを入れる封筒を渡されることがあるので、支払い金額の10%もしくは50ペソ(105円)程度を入れます。
ただし、ゴルフのキャディなどはチップでお給料をまかなうようなところもあるということなので、相場を知っている人に尋ねるのがいいかもしれません。
キリスト教信者の考え方のひとつに、持つものが持たざるものに分け与えるという助け合いの精神があります。フィリピンでもその考えが広く浸透しているので、困っている人に寛容な文化といえます。
ただし、これがお金の貸し借りなどトラブルに発展してしまうことがあります。
実際にフィリピンで生活していると、「家族の手術代を貸してほしい」、「帰省費用が足りないので援助してほしい」というような申し出を受けるケースを耳にします。
その際に、むげに断ると恨みを買い、安易に引き受けると要求がエスカレートしてしまうという悩ましい問題も。
彼らにとって、臨時収入は神様からの贈り物。貸した当初は感謝をしますが、返済まで誠実な対応が期待できないこともあります。残念ですが、お金を貸す場合はあげるつもりで渡す、返済計画を具体的に示しお給料から天引きするなどの対応が必要です。
フィリピンの挨拶は日本に比べ距離感が近いのが特徴です。
ビジネスではまず握手をするというのが一般的。
友人では数回会ったくらいの間柄で、ハグやチークキス(頬同士を合わせるキス)をします。
また、「マノ」もしくは「ブレス」と呼ばれるあいさつも特徴的。これは、年長者を敬意を示すためのあいさつで、相手の手をとって自分の額に当てるというものです。
フィリピンでは挨拶で肌を触れ合わせる文化なんですね。
もうひとつ知っておきたいのが、「Kumain ka na?(クマインカナ?=ご飯たべた?)」というタガログ語の挨拶。
初めて言われるとなんでこのタイミングでご飯のこと聞くのかな?と戸惑ってしまいますが、これは「元気?」というような挨拶のことばのひとつなのです。
挨拶が食事で相手を気遣う表現なのはフィリピンらしいなと思います。
ちなみに、普通に「元気ですか?」と尋ねる「Kumusta ka?(クムスタカ?)」という挨拶もよく耳にします。
フィリピンでは日本人の感覚として親しくない人には聞かないような質問をどんどんされます。
たとえば、
「結婚してるの?」
「子どもは?(いない場合)なんで作らないの?」
「どこに住んでるの?」
といった具合です。
また、日本では女性に体重や年齢を聞くことは失礼という風潮がありますが、フィリピンではそういう考えはありません。
ただ、身長については別。フィリピン人は背が低めの人が多いので、男性に身長を聞くのは失礼にあたるそうです。
うまく聞き取れなかったときなどに「ん?」「え?」と言う場面がありますよね。それがフィリピンだと
「はぁ?」
「あぁ?」
となります。
私もはじめは「えっ何か悪いこと言ったかな」とびっくりしましたが、普通のあいづちだとわかってホッとしました。
フィリピンでは街なかでも電車のなかでもとにかくにぎやかです。
フィリピン人はおしゃべりと歌が大好き。ショッピングモールの電気屋さんでは売り場のカラオケセットで店員さんが歌っている姿をよく見ます。
特におもしろいのが映画館。日本だと静かに観るのがマナーですが、フィリピンでは家でくつろぎながら観ているような雰囲気で、いたるところから話し声や笑い声が聞こえてきます。
私にはわからない笑いのツボがあり、「ここで笑うの?」というところで笑い声が聞こえてくるのがおもしろいです。
クリスマスはフィリピン人にとって1年で一番重要なイベント。
「13months salary」という1ヶ月分のボーナスを使ってたくさんのギフトを贈り合います。
フィリピンでは、友人や家族だけでなく、職場の人やお世話になった人にギフトを贈る文化があります。日本人も例外ではありません。
11月ごろになるとコンドミニアムにギフトや寄付のお願いのチラシが貼り出されたり、水のデリバリーのお兄さんがチップを期待して丁寧な対応になったりします。
うっかりギフトやチップを忘れるとその後の対応が冷たくなることもあるとか。
そのため、同僚、コンドミニアムのスタッフさんやドライバーさん、メイドさん、子どもの学校の先生など、普段お世話になっている人にはクリスマスギフトを準備します。
メトロマニラやセブといった大都市では年々自家用車を購入する人が増え、渋滞がひどくなっています。
通常であれば15分で到着する隣町に行くのに1時間以上かかるのも珍しくはありません。
移動には時間の余裕を持って動くことをおすすめします。
フィリピンの交通ルールは基本的に歩行者優先。ただし、信号機がある道路は少ないので、歩行者は手で車を止めて道を渡る必要があります。
大通りでは左右数車線の車を止める必要があるため、慣れるまでなかなか道を渡るのは難しいかもしれません。
交通量の多い場所では慣れているフィリピン人のあとについて渡るなどの工夫をしましょう。
フィリピン人の足といえばジプニー(Jeepney)。
これは昔のジープという大型の車を改造し公共の乗り物にしたもので、今でもフィリピン人は「jeep」と呼びます。
地方の隅々まで路線が張り巡らされていて便利な反面、日本の電車のようなわかりやすい乗り換えマップはあまりないので、利用するには土地勘が必要になります。
運賃はメトロマニラ内であれば4kmまで9ペソ(19円)です。
なお、今はエアコン・窓なしで車体の後ろから乗り込むものが主流ですが、新しいタイプのジプニーの導入が進められています。
新型ジプニーはエアコン・窓付きでサイドドアから乗り込むようになっています。排気ガスの削減など環境に配慮された設計で、Wi-Fiや防犯カメラが搭載されるなど新しい試みも。
新型ジプニーの運賃は10ペソ(21円)からスタートし、距離により2ペソずつ追加されるということなので、ドライバーに尋ねるのが良いでしょう。
1. 車体の横に入っている目印となる場所や通りの名前を手がかりにして、その車両が通るルートを把握します。または、セブなど一部の地域ではルートに番号がついているので、その番号をもとに目的の場所へ行く車両を探します。
2. ジプニーにバスのような停留所はありません。どこでも手を上げて合図をし、停めて乗り込むことができます。
3. 運賃を運転手に直接渡すか、隣の席の人に料金を渡してドライバーまで順々に送ってもらいます。
4. 降りたい場所に近づいたら手すりをカンカンと鳴らすか、「降ります」という意味の「パラポ(マニラなど)」、「ルガァラン(セブなどビサヤ地方)」と声をかけて降ります。
もうひとつのフィリピンらしい乗り物といえば、トライシクル。トライシクルはバイクの横に乗客が乗れるサイドカーを取り付けたものです。
行き先・値段をドライバーと直接交渉するため、タクシーのように使えるサービスです。
サイドカーは車高が低く砂埃の影響を受けやすいのであまり乗り心地はよくありません。ガタガタ道で頭をぶつけないように注意しましょう。
最近は電動トライシクルを見かけるようになってきました。これは運転席の後ろに座席がついているもので、比較的ゆったりと乗ることができます。
電動トライシクル
1. トライシクルが多く集まっている場所でドライバーを待って乗車する方法と、道を走っているトライシクルを手を上げて停める方法があります。
2. 行き先を告げ、運賃を聞きます。運賃はドライバーの言い値で、外国人は高めの料金を言われることが多いので臆せず交渉します。
メトロマニラでは日本人の場合2キロ20ペソ(42円)程度からが相場のようです。
おつりがないことが多いので、コインや20ペソ札を多く用意しておくといいでしょう。
3. 交渉が成立したらドライバーの後ろ、もしくはサイドカーに乗り込みます。サイドカーのついているタイプであっても、運転手のバイクの後ろに乗ることができます。
4. 目的地についたら運賃を渡します。
トイレのことをフィリピンでは「CR:Comfort Room」と呼びます。
これは1個買ったらもうひとつおまけで付いてくるというもの。薬局やスーパーマーケットでよく見かけます。
日本なら半額にするところですが、もうひとつ売ってしまうというのがフィリピンあるあるです。
携帯電話の番号でやりとりするショートメールのことを「text」と呼びます。
スマートフォンを持つ人が多くなってきたフィリピンですが、LineやEメールではなく連絡手段の中心はテキスト。
業者の場合もテキストだとすぐに返信があることが多いです。
「Unli」とは「Unlimited」のこと。
フィリピン人はごはんが大好きなので、定食屋さんでごはんが食べ放題というお店が多くあります。その場合、メニューにはUnli riceと記載されています。
また、携帯電話の通話やテキストが使い放題というときにも「Unli call」、「Unli text」という表現をします。
飲み放題は「bottomless」といいます。日本のようにビールが飲み放題になることは少なく、レモネードやお茶によく使われる表現です。
「po」はタガログ語の丁寧語。フィリピン人はそれを英語でも使うことがあります。
「Thank you po」などですね。
よく使うタガログ語については以下でまとめています。
お買い物のときに、「one forty」や「three fifty」という表現をされることがよくあります。
これは「140」「350」の「hundred」を省略した言い方。慣れるとこの表現を使うのが自然になります。
一方で「1000」は省略せずに、そのまま「1060: one thousand sixty」のように言われます。
レストランのお会計のことを「Bill out」と言います。アメリカなどでは「Bill」とするところに「out」が付くんですね。
あるいは「Bill please」でも通じます。
「Bill out」と同時にするのがこのジェスチャー。両手の人差し指と親指で「C」のような形を作り向かい合わせ、左右に引っ張ってからそれぞれの人差し指と親指をくっつけます。
お札のような長方形を指で描くイメージです。
アメリカでは空中にサインをするようなジェスチャーでお会計を表しますが、フィリピンでは通じにくいので、ここでご紹介したジェスチャーを使うと便利です。
日本だと親しみをこめて頭をポンポンと叩くことがありますが、フィリピンでは失礼にあたります。また、する人はあまりいないかもしれませんが、日本の芸人さんのように頭をどつくのはもってのほかです。
なお、子どもに対して褒める意味で頭を撫でるのは問題ありません。
そのほか、フィリピンではアメリカの文化が入っているのでアメリカ映画などで見るジェスチャーをすることがあります。
たとえば、両手をピースのようにして指先をちょんちょんと曲げるジェスチャー。これは「” ”(ダブルクォーテーションマーク)」を表すもの。
引用や強調を意味するとされますが、会話のなかでは「本来そうとは思っていないことに対して皮肉をこめたニュアンス」で使われることが多い印象です。
また、日本でも有名ですが、相手を侮辱する意味のある中指を立てるジェスチャーなどはフィリピンでも絶対にしないようにしましょう。
2011年に制定された新しい教育制度のことをK-12と呼びます。これは、幼稚園(1年)から小・中・高校までの計13年を義務教育とするもの。
K-12以前のフィリピンの教育制度では高校がなく、中学にあたる「high school」を4年間で卒業したら大学へ進んでいました。
そのため、今は20歳で4年制大学を卒業している人がたくさんいます。語学学校の先生たちが若いのに経験豊富なのはこのような理由なんですね。
しかし国際的には教育年数が不足しているとみられてしまっており、近年フィリピンでも13年(+大学4年)の年数にするよう変革が進んでいます。
高校が実際に始まったのは2016年なので、つい最近の話です。
なお、私立の学校では独自に中高一貫の6年制度を以前からとっている学校もあり、教育制度は国内でばらつきがあります。
フィリピンの公立校は6月〜10月、11月〜3月の2期制を取っています。前期と後期の間の長期休みはなく、そのかわり最も暑い時期である4・5月を長期の休みにしています。
インターナショナルスクールでは8月始業、日系スクールでは4月始業となっているため、学校を移る際には学年のズレを考慮する必要があります。
フィリピンでは安全面を考慮し、基本的に子どもだけで通学することはありません。大人が付き添うか、スクールバスを手配します。
マニラなど一部の地域ではスクールバスを学校が用意してくれないため、保護者が有志で業者に依頼します。
フィリピンは給食がなく、お弁当を持参するのが基本。小学校高学年ごろから使えるキャンティーン(食堂)で生徒がランチを購入できる学校もあります。
一部のプレスクールではスナックを支給するところがありますが、チョコレートなど日本ではあまり幼い子に積極的に与えないものを出す場合があるので気になる場合はスナックの内容を聞いてみたほうがいいでしょう。
フィリピンの文化について日本との違いなどまとめてみました。
一番大きなところは、生活に信仰が深く関わっている点ではないかと思います。日本人も神社にお参りしたりしますが、フィリピンではさらに神様が人々の生活の身近な存在であると感じます。
戸惑うこともありますが、お互いの文化の違いを尊重し、楽しいフィリピン生活を送っていただければと思います。
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