こんにちは。マニラ在住のMarinaです。
東南アジアの移住といえば定年退職後のイメージが強いかもしれませんが、近年フィリピンは経済の発展とともに働く若い人の移住先としても注目されています。
ここでは、フィリピンへの移住を考えている方に向けてフィリピンの基礎情報やお金の話、実際に生活してみての感想などをまとめます。
※なお本記事は2019年11月現在の情報を元に作成しており、価格はすべて1ペソ=2.1円で計算しています。
[目次]
フィリピンは太平洋に浮かぶ島国のひとつで、7,109の島々からなります。
日本との距離は直行便で4時間〜4時間半。時差も日本のマイナス1時間という東南アジアのなかでも日本に近い国です。
年中暖かくのんびりした南国のイメージのあるフィリピンですが、近年めまぐるしい経済発展をとげています。
首都マニラで生活すると、高層ビルがどんどん増えていく近代的な町並み、年々整っていくインフラ、新しい企業の参入など国の成長スピードを肌で感じることができます。
英語が公用語であることから欧米諸国の東南アジア拠点として注目されています。
スペインとアメリカの統治時代があったことからASEAN唯一のキリスト教国家であることも特徴のひとつ。
また、日本の占領時代に多大な犠牲を出しましたが、その後の援助や経済関係の発展により反日感情は薄れ、今では世界でも随一の親日国のひとつといわれます。
我が家は夫と私と息子の3人で、現在マニラで暮らしています。
夫は2012年にセブで半年間のインターンシップを経て、現在ではフィリピン・マニラの現地の会社で働いています。私は2015年にセブの1ヶ月の留学ののちマニラへ移住しました。
その後2016年に息子をマニラで出産し、2019年から私も一般企業に就職して共働きとなり、今に至ります。
物価が安い印象のあるフィリピンですが、衛生面や治安の面を考えるとローカルのフィリピン人と同じような生活をすることは難しい人が多いのではと思います。
そのため、仕事が探しやすいマニラやセブなどの都会では日本とそれほど変わらない生活費になることがあります。
ここでは、マニラの都心部(マカティ市、タギグ市)に住む家族世帯の生活費と現地採用の単身者の生活費を、友人たちの実例から紹介したいと思います。
1ヶ月の生活費の例(1)(夫婦+就学前の子ども1人)
・食費 14,000ペソ(参考:ローカルの食材を利用、外食週1回)
・日用品 2,000ペソ(4,200円)
・娯楽費 3,000ペソ(6,300円)
・電気代 4,000ペソ(8,400円)
・水道代 600ペソ(1,260円)
・インターネット、携帯通信費 4,000ペソ(8,400円)
・交通費(配車サービス:Grab) 3,000ペソ(6,300円)
・メイド 6,000ペソ(12,600円)
・家賃 65,000ペソ(136,500円)
【計】101,600ペソ(≒21万円)
1ヶ月の生活費の例(2)(夫婦+プレスクールの子ども1人)
・食費(参考:日本製や輸入食材中心、外食週1回) 20,000ペソ(42,000円)
・日用品 5,000ペソ(10,500円)
・娯楽費 5,000ペソ(10,500円)
・電気代 6,000ペソ(12,600円)
・水道代 1,200ペソ(2,520円)
・インターネット、携帯通信費 4,000ペソ(8,400円)
・ドライバー 18,000ペソ(37,800円)
・ガソリン代 4,000ペソ(8,400円)
・メイド(通いフルタイム) 15,000ペソ(31,500円)
・家賃 150,000ペソ(315,000円)
・学費 30,000ペソ(63,000円)
【計】258,200ペソ(≒54万円)
1ヶ月の生活費の例(3)(単身の女性)
・食費(参考:ランチ100ペソ/日、飲み会600〜800ペソ/3回/月) 10,000ペソ(21,000円)
・日用品 1,000ペソ(2,100円)
・娯楽費 1,000ペソ(2,100円)
・携帯通信費 500ペソ(1,050円)
・クリーニング 600ペソ(1,260円)
・電気代 2,000ペソ(4,200円)
・水道代 100ペソ(210円)
・家賃 30,000ペソ(63,000円)
【計】45,200ペソ(9万5,000円)
ご覧の通り、生活の仕方で費用には大きな開きがあります。特に暮らし向きで変わるのが家賃と食費です。
家賃
家賃補助の上限が決まっている場合と、全額会社が負担してくれる場合があります。
また、地域によってコンドミニアムの家賃に大きな差があります。
コンドミニアムは1年更新であることが多いのですが、都市部は近年、更新する度に家賃の値上がりが続いています。
たとえば以前はマカティ市内で15,000ペソ(31,500円)で探せたスタジオタイプの部屋が20,000〜25,000ペソ(42,000〜52,500円)に値上がったりしています。
都会でも相場がぐっと下がるエリアはありますが、セキュリティ面を考えるとあまりおすすめはできません。
一方郊外では、都心部に比べ安い家賃で広いお部屋や一軒家を借りることが可能です。
食費
食費は、現地の人が使う食材をスーパーマーケットや市場で購入して自炊すれば安く抑えることができます。
一方で、日本人向けの食材は輸送費などで割高になることが多いため、日本食材中心で生活するご家庭では食費が多くかかかる傾向があります。
また外食をする場合は、日本食レストランであれば1人あたり400ペソ(840円)〜であるのに対し、ローカルのフィリピン人が食べるエリアのお店では200ペソ(420円)でもおなかいっぱいになるようなレストランがたくさんあります。
私の友人は道で売っているお惣菜をランチとして購入するため、1食80〜100ペソ(168〜210円)程度だと話していました。
単身で生活する人はローカルレストランが豊富なエリアを好む傾向があるので、家賃も食費も安く抑えられることが多い印象です。
ほかにも、会社の福利厚生によって教育費の手当、交通費の手当、車・ドライバー支給の有無、医療保険の有無など条件が変わってきます。
治安が悪い印象が強いマニラで生活していますが、外国人が立ち入らないほうが良いエリアの情報をきちんと得ていれば、それほど危険ではありません。
我が家は子連れで夜でもお出かけしますが、幸い夫も私も危害を加えられるような被害にあったことはありません。
とはいえ、日本の治安の良さに慣れていると気をつけないといけない場面もあるでしょう。街なかでは銀行やショッピングモールなどで入り口にガードマンが立っている場所がほとんどです。
最低限、以下の3点に気をつけて生活することが大切です。
・初対面の人についていかないこと
・荷物から目を離さないこと
・治安の悪い地域を把握し、そのエリアをひとりで歩かないこと
フィリピンの治安とトラブルの対処法は、別記事も参考にご覧ください。
フィリピンの治安はどうなの?フィリピンの治安事情とトラブルの対処法まとめ
日本との違いでとまどいがあるのは衛生面でしょうか。
日本ほど公共の場が清潔に保たれている国はないのではと思うくらい、海外に出ると日本の清潔さを実感します。
フィリピンで生活する上では、道端のゴミやトイレの汚さなど、ある程度の衛生面の許容が必要になるかもしれません。
ただ、マニラのBonifacio Global Cityなど掃除が行き届いている地域もありますし、ショッピングモールのトイレは年々改装されて清潔になっています。
これは特にメトロマニラに限っての話ですが、年々道を走る車の台数が増えているため渋滞がひどくなっており、通勤や買い物などの移動時間が予想よりかかってしまうことがあります。
ラッシュアワー(7時〜9時、16時〜20時など)は特にひどく、15分の距離の隣町に行くのに1時間以上かかることも多いです。
メトロマニラでは電車が通っていますが、安全面や路線の点でそれほど使い勝手が良いとは言えません。
【人柄】明るい人が多い
フィリピンは特に明るい人が多い国です。街なかでところ構わず歌声が聞こえてきたり、レストランで店員さんがおしゃべりしていたりすることは日常茶飯事。
最初はびっくりしますが、その自由な雰囲気が次第に居心地よくなります。
【人柄】ルーズな面も多々ある
良く言えばおおらかな性格の人が多いフィリピン人。ビジネスでは約束の時間を守らない、やると言った仕事を忘れている、といったルーズな面に振り回されることもあるでしょう。
そのためフィリピン人とやりとりする際は、確認の連絡をこまめに入れることがポイントです。
【宗教】クリスチャンが9割
クリスチャンが国の95%を占めるフィリピン。他の宗教と違い、お酒や食べ物の制限がないので外国人も暮らしやすい環境です。
クリスマスシーズンの盛り上がりは目を見張るものがあります。人々がこぞってショッピングモールに詰めかけ、大量のギフトを購入していきます。
それに関連してクリスマスシーズンは治安の悪化が目立つため注意が必要です。
また、宗教上の理由から離婚がとても難しいので、結婚についてはきちんと考える必要があります。残念なことに、女性関係で苦労をしている日本人の噂を耳にすることがあります。
もちろん、素敵なパートナーを見つけて温かい家庭を築いている人もたくさんいます。
フィリピンと日本の文化の違い!特徴から注意点まで、渡航前に知っておきたい情報まとめ
最大のメリットといえるのが、公用語が英語であることです。
街なかではフィリピノ語に加えて英語表記があり、レストランやコンドミニアムのスタッフなど接客業に従事する人はほぼ英語を話すことができます。
発音も比較的聞き取りやすく、日本人には暮らしやすい環境だといえます。
英語教育を行う学校が多いことから、親子の教育移住先としても注目されていますね。
ただし、やはり英語が得意ではないフィリピン人もいますので、タガログ語やセブアノ語など現地のことばがわかるに越したことはありません。
東南アジアの中でもご近所の国、フィリピン。LCCや大手航空会社含め直行便が多く飛び、4時間〜4時間半で移動することができます。
働いていると長期のお休みは難しいですが、ご家族は年に数回一時帰国することも多いようです。
時差が1時間なので日本で暮らす家族や友だちと連絡も取りやすいですね。
海外生活で無視できないのが「食」の違い。
フィリピンの主食はお米ですが、アメリカ文化の色が強いフィリピンではお肉が中心です。オイリーで野菜のない食事ばかりでは胃が疲れてしまうことも。
ただ、甘い味付けを好むフィリピン人に和食は好まれるのか、都心部ではとんかつ、ラーメン、カレー、お寿司など和食レストランが数え切れないほどオープンしています。
数は多くないものの日本食材店も数店舗あり、日本でお馴染みの食材を比較的手に入れやすい環境であると言えます。
また、フィリピンのお野菜のなかには日本の沖縄地方などでお馴染みのものがあり、美味しいシーフードも手軽に手に入るため、慣れれば日本食の味付けに合う食材を食卓に取り入れやすいです。
フィリピンでは家族を大事にする人が非常に多いです。
そのため、プライベートの時間を大切にする文化があり、お仕事の休みを取りやすい企業が多くあります。
また、大家族で小さなお子さんと触れ合う機会が多いことから、街なかのどこへ行っても子連れ親子に明るく声をかけてくれたりあやしてくれたりという温かい雰囲気を感じます。
メイド(ハウスキーピング、ベビーシッター)やドライバーを雇いやすいのもフィリピンの特徴です。
特にメイドは働き手が多く、共働きの夫婦はフルタイムの住み込みで、単身者や専業主婦の家庭ではパートタイムで週数回、など雇用時間を比較的自由に選ぶことができるのが魅力です。
人によって掃除、料理、洗濯、子守など得意分野のスキルが違うので目的に応じて相性のあう人を見つける難しさはありますが、週1回お掃除に来てもらうだけでもずいぶん助かります。
常夏のイメージが強いフィリピンですが、乾季の真夏(3〜5月)でも最高気温は34℃(マニラ)。この時期は日中外に出るのがつらいほどジリジリすることがありますが、乾季以外の期間は最高気温30℃以下の日も多く、年間の平均気温は28℃程度になっています。
地方では自然がたくさんあるので、気温が30℃を超えても蒸し暑さはそれほど感じず、日本の夏よりも過ごしやすいといえます。
近代的な都市部から2時間も車を走らせると自然豊かなエリアに出ることができます。
また、島ごとにリゾートがあるので、休みがあれば海や山のレジャーを気軽に楽しむことができます。
世界的に人気のパラワン島やボラカイ島はマニラから飛行機で1時間で着きます。
何事もきっちりする傾向のある日本人にとって、フィリピン人のルーズさはストレスになることがあります。部屋の不具合の修理を頼んでも遅刻や直前キャンセルは日常茶飯事。
こんなものか、と気軽に構えると、日本ではごく普通であるようなサービスをフィリピンでしてもらったときにハッピーになります。
幸せを感じる閾値が下がってよかったよね、というのがフィリピン生活の印象です。
南国に暮らす以上、虫を完全に避けることはできません。建物や周りの自然環境によって虫に遭遇する頻度は大きく変わりますが、都市部であっても虫の対策は必要です。
我が家は定期的にペストコントロールという害虫駆除を依頼しています。
海外で病気になることを考えると心配ですよね。
フィリピンでは基本的に医師や看護師が英語を話せるのでその点では受診しやすいといえますが、具合の悪いときに症状を英語で伝えるのは大変です。
また、私立病院と公立病院で大きく医療の内容が変わることも。
都市部の私立病院では通訳がいる場合もありますし、医療保険の種類によっては通訳サービスを利用することもできますので、健康なときに確認しておくことが大切です。
保険の有無によって医療費が大きく変わってきます。東南アジア特有の感染症のリスクなども知っておきたいですね。
詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
フィリピンで病気にかかったらどうするの?フィリピンの病院と医療事情について徹底解説!
東南アジアは日本と比べて生活費が安いという印象ですが、身の安全を保つためにある程度のコストを考慮する必要があります。
フィリピンで日本人はどうしても目立つため、無防備に日本とまったく同じように生活をしようとするとトラブルにあう恐れがあります。また、衛生面から体調を崩してしまいがちな人は外食のお店を選ぶ必要があります。
セキュリティのしっかりしている地域のコンドミニアムを借りる、衛生面の信頼できるお店で食事をする、身元のわかるドライバーの車で移動するなどの生活をするとそのぶんコストがかかります。
ただ、日本人でもジプニーや電車、タクシーを利用する人はたくさんいますし、路上のお店でフルーツを買う人もいます。どの程度コストをかけるかは人それぞれです。
日本と同じような生活をイメージすると、日本以上に生活費がかかることがあるので注意が必要です。
フィリピンでは台風や地震の被害がたびたび起こっています。そのため排水設備が整っていない地域は雨季に頻繁に洪水が起こります。
日本も台風や地震など災害が多い国ですが、災害が起こったあとの復旧・復興の対応に大きな差があるとみられます。
また、災害情報は英語ではなく現地語で発信されることが多く、フィリピンの言葉がわからない外国人には入ってくる情報に限りがあることがあるため、積極的に情報を取りに行く必要があります。
これはフィリピンに限らず海外で生活する上ではデメリットに感じることではないかと思います。
周りの人から聞いた例をお話します。
日本で経験していた職業と同じ内容でフィリピンの求人を見るとどうしてもお給料が少なくなるケースが多いのが現状です。
食事などそれほど贅沢しない生活ができれば余裕を持って暮らすことは可能だと思いますが、物価の安さからフィリピンに行けば優雅な暮らしができると思って移住すると、ギャップを感じてしまうかもしれません。
また、フィリピンで仕事を見つけるのに英語は必ずしも必須ではないという人もいます。
確かに日本人向けの仕事などでは英語力を問われないものもありますが、そういった仕事の内容とお給料が求めるものとマッチするかどうかが難しい問題です。
フィリピンで英語を使ってやりがいのある仕事に就きたいという思いで移住したのに結局英語があまり身につかないお仕事を選んでしまったり、お給料が理想どおりにはいかなかったりして、生活しづらくなって帰国するケースは残念ながらあるようです。
これはお仕事をする人についてきた形で移住したご家族に起こりやすいケースですが、日本の生活を基準にしてしまいストレスに絶えきれなくなってしまう人がいます。
ルーズで遅刻する業者とのやりとり、見慣れない野菜ばかりのスーパーマーケット、気を張らないと外を歩けない環境など、海外で生活すると日本では考える必要があまりないような問題がたくさん降ってきます。
その生活を新鮮だと感じられる人は馴染むのは早いと思いますが、日本だったらこうなのに、という気持ちをずっと持ち続けてしまうと、長く生活することが難しくなってしまうようです。
他人が失敗と言ってしまっていいのか迷いますが、異性関係のトラブルで苦労している日本人の話は度々耳にします。
金銭目的で近づいてくる若い男性・女性に騙されるケースや、純粋に恋愛感情で結婚したけれどもフィリピン人の家族・親類まで面倒を見ることになって手が回らなくなったケース、独占欲の強いフィリピン人パートナーが職場に乗り込んでトラブルを起こしてしまったケースなどです。
自分の仕事に集中できなくなったり、生活に支障が出てきてしまいますね。
フィリピン人は男女ともにパートナーを大切にする人が多い文化ですが、思いが強くなりすぎて束縛する人がいることは知っておく必要があるかもしれません。
特にマニラに多いのは日系の会社の駐在員として期間限定で移住する方法です。会社からの保障が手厚く、安全も確保されているので暮らしやすいでしょう。
会社のルールで行ってはいけない場所や家族の就労が禁止されているなど生活の制限がある企業が多い印象です。
日系以外にも、中国など外国の企業から駐在員として派遣されている日本人もいます。
フィリピンの会社(日系企業の子会社など)に直接雇用されるかたちで仕事を見つけ移住する方法です。会社の福利厚生はフィリピン人と同等であることが多く、自分で解決しなければならないこともたくさんあります。
一方、住む期間を自分の意志で決められることや生活の制限がないことから、より海外らしい生活をしたい人には駐在員よりも暮らしやすいかもしれません。
フィリピンでは35歳以上で条件を満たせば就労可能なリタイアメントビザが発行されるという珍しい制度があります。そのため、リタイアメントビザを取得し会社と雇用契約を結んで働いている人もいます。
駐在員と現地採用であればビザの手続きは会社が行ってくれます。
ただし、現地採用で6ヶ月の試用期間中はツーリストビザ(旅行者ビザ)のまま働き、試用期間が過ぎても就労ビザの手続きをせずにズルズルと働くことになるケースを耳にしたことがあります。
勤務が開始した時点で就労可能なビザの申請手続きを開始するのが本来のルールです。
就職の際にはビザの申請の条件やタイミングについて詳細を確認しましょう。
リタイアメントビザは自分でエージェントを雇い手続きを進めていく必要があります。フィリピンには14種類のビザがありますが、代表的な3つの就労可能なビザをあげます。
なお、ビザの手続方法やルールは頻繁に変わるので必ず最新の情報を専門の機関から入手するようにしてください。
なお、以下の情報は2018年7月現在のものです。
【条件・特徴】
・期限は1年〜3年(条件による)。
・発行までに数ヶ月かかる。
・申請中はPWP(仮就労許可証)を申請し就労が可能になる。
・出国のたびにお金がかかる。
【条件・特徴】
・PEZA(Philippine Economic Zone Authority)という経済特区に登録されている企業の従業員に出されるビザ。
・PEZA登録企業は様々な優遇措置がある。
【条件・特徴】
・年齢35歳以上。
・指定の銀行に一定額の貯金を保有する。
・有効期限なし(毎年維持費は必要)。
・希望によりビザを解除でき、預金も戻ってくる。
・フィリピンの出入国の際に支払いが不要。
・配偶者と21歳以下の子どもは追加の貯金なしでビザを取得できる。
・Alien Employment Permit(AEP:外国人就労許可書)
フィリピンで6ヶ月以上働く場合に申請が必要です。フィリピン労働局に申請します。
・Alien Certificate of Registration(ACR-I card:外国人登録証)
60日以上滞在する外国人が所持することが義務付けられているカードです。身分証明書としても使用でき、銀行口座の開設などを行うことができます。
申請手順としては、1.AEP→2.就労ビザ→3.ACR-I cardの順番になります。
フィリピンは都市部であれば仕事もプライベートもほぼ英語で生活できます。
フィリピン人の英語はベースとなる方言によってイントネーションが様々で、個人的にはタクシーの運転手などもセブのほうがマニラよりも聞き取りやすい英語を話す人が多かったように記憶しています。
求人情報で例えばTOEIC〇〇点以上、と明示している企業はそれほど多くありません。「日常会話レベル」という記載を良く見かけますが、これだとどの程度の英語が使えればいいのか判断が難しいですね。
生活の仕方によって、なんとなくですが分類してみます。
・旅行で使う英語がわかる
単語や身振り手振りでスーパーマーケットでの買い物やレストランの注文ができる、ドライバーに行き先を言うなどの旅行先で使うような会話ができれば生活は可能です。
なにかトラブルがあっても会社が通訳を呼んでくれたり代理で対応してくれたりするような場合ですね。
ただし、英語力をつけたい場合は、周りにサポートしてくれる人がいる分、自分で英語を使う環境を作らないと上達しません。
・簡単な英語の文章のやりとりができる
・ちょっとしたトラブル対応ができる
現地採用の家族は会社のフォローがないので、困ったことは基本的に自分で調べて対応しなければなりません。
例えば水漏れなどの部屋のトラブルのときに、不具合を伝え、スケジュールを調整し、場合によっては交渉するような英語力が必要になります。
また、お子さんをインターナショナルスクールに入れると先生やママ友とのやりとりに英語は必要です。
・英語でメール、ミーティング、資料作成、営業活動など必要な業務ができる
これは職種によると思うのですが、日本でその職種に求められるスキルを英語で発揮できるような能力が求められます。
専門分野のボキャブラリーやビジネス特有のメールでの丁寧な言い回しを使えることなどが特徴的ですね。
移住にかかる費用は以下のとおりです。
【最低限必要な費用(1人分の目安)】
・VISAの費用:3,000ペソ(6,300円)〜(入国後30日以降、ツーリストビザの初回申請)
・航空券代:20,000〜80,000ペソ(42,000〜386,400円)+捨てチケット4,000ペソ(8,400円)
・住居の初期費用:25,000ペソ(52,500円)×12ヶ月+デポジット2ヶ月分50,000ペソ(105,000円)
・通信費の初期費用:SIMフリー端末5,000ペソ(10,500円)+SIM・通信費500ペソ(1,050円)
・医療保険:保険内容による
・予防接種費用:接種内容による
・1ヶ月分の生活費(食費、日用品、インターネット、水道、電気):40,000ペソ(84,000円)
計:420,000〜480,000ペソ(88万2,000〜100万8,000円)+医療保険、予防接種費用
【場合により必要な費用】
・引っ越し費用
・自動車関連の費用
・学校の入学金・寄付金
就労ビザを入国後に取得する場合、29日間はビザなしで滞在できます。それ以降は1ヶ月・2ヶ月ごとのツーリストビザの更新で3,000〜6,000ペソ(6,300〜12,600円)が必要となります。
ビザを取得せずにフィリピンへ入国する場合は、日本→フィリピンの航空券+フィリピン→第3国への航空券が必要です。
第3国への出国航空券は実際に使わなくてもいいので、一番安いことが多いコタキナバル行きなどの片道航空券を探すと良いでしょう。
初めての賃貸の契約時はオーナーによって家賃を半年または1年分まとめて支払うよう求められることがあります。それに加えて、とデポジット(家賃2ヶ月分など)、不動産会社によっては仲介手数料(家賃1ヶ月分など)などがかかります。
フィリピン(マニラ)のコンドミニアムは家具・電化製品付き(Fully Furnished)の物件が多いので、家具やカーテンなどを揃える費用がかからないのは嬉しいですね。
携帯電話はプリペイド式が主流です。SIMフリーの携帯電話とSIMカードを購入し、ロードという通信料金を必要な分購入しチャージすることで携帯電話を使えるようになります。
SIMフリーの携帯電話はスマートフォンでも中古で3000ペソ(6,300円)程度で手に入ります。また、SIMカードを無料で配っていたり、40〜50ペソ(84〜105円)など格安で手に入ります。日本に比べお得ですね。
通信費用は2G/30日で300ペソ(630円)など携帯会社によって様々なプランがあります。
また、自宅でのインターネットは、ルーターを設置する、ポケットWi-Fiを利用するなどの方法があります。料金は月々1000〜3000ペソ(2,100〜6,300円)程度をみておくといいでしょう。
フィリピン特有の感染症に備えて日本で予防接種を打ちましょう。
外務省ではフィリピンの渡航前にA型肝炎、B型肝炎、破傷風、日本脳炎、狂犬病等の予防接種を勧めています。
移住後の医療費をどのようにフォローするかを考えておく必要があります。会社員の場合は会社が用意してくれることが多いですが、それ以外は基本的に自分で手続きをします。
日本で入る海外旅行保険は、医療通訳サポートやキャッシュレス診療、医療搬送などのサービスが充実しています。また、通院にかかった交通費など治療費以外にもカバーされる範囲が広く、安心して病院にかかることができるというのがメリットです。
ただし、海外に滞在する期間によっては非常に高額な保険料がかかります。また、クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合は日数に制限があります。
また、日本の海外旅行保険は出国後の手続きができない場合が多いので注意が必要です。
フィリピンでは外国人が利用できる医療保険もあります。
公的なPhilhealth(フィルヘルス)という医療保険や、民間の医療保険など、条件に応じて加入できます。
基本的に治療費のフォローと医師の紹介がメインで、カバーされる上限の金額が少ないことが多く、利用できる病院に制限があることもあります。キャッシュレス診療を利用できる保険会社もありますが、その場合でも英語でのやりとりになります。
ただ、プランによっては歯科治療や妊娠関連の費用もカバーされるのがメリットです。
お給料が入るまでは現金で生活することになるので、少なくとも1ヶ月の生活ができる程度の現金は必要です。
ATMで引き落としのできるキャッシュカードもしくはクレジットカードのキャッシング機能を利用しても良いでしょう。
フィリピンへの荷物の運び方には、「入国時に持ち込む」、「日本から輸送する」、「引越し業者に依頼する」の3つの方法があります。
予算や運びたい荷物の量、引越し先の家具の有無などによって条件が変わるため、どの方法が自分に合うのか検討してみましょう。
自家用車を会社から支給されるかどうかは駐在員のなかでも分かれています。購入する場合は車代、保険料、ドライバーの費用などがかかります。
現地採用の場合は自家用車を持たず配車アプリ(Grabなど)、タクシー、ジプニーを利用している人が多いです。
なお、自家用車を自分で運転される日本人もたまにいらっしゃいますが、交通マナーが悪いフィリピンでの運転は生活に慣れるまでは難しいと考えておいたほうが良いと思います。
マニラやセブなど都市部では日本人向けの求人を多く見かけます。地方では観光業(ダイビングのインストラクターなど)の仕事以外は難しいかもしれません。
フィリピンで企業が外国人を雇うためには、日本人が必要な仕事であることが求められます。
たとえば英語が使える優秀なエンジニアがほしい企業はフィリピン人を日本人の半額以下で雇うことができる場合があるので、求人の条件としては不利になります。
同じ理由で、レストランの接客業などの求人を見つけるのは難しいといえます。
一方、日本人相手の不動産接客、会計事務処理、医療サポートなど日本人のニーズが高い仕事もあります。
他にも人材派遣、スクール運営、IT企業、レストラン(コック)、新聞社など様々な分野で現地採用として働いている日本人がいます。
ちなみに現地採用の給料の相場は60,000〜100,000ペソ(≒12万〜21万円)程度で、マネージメントや特殊な資格を使った仕事など能力に応じて150,000ペソ(≒31万円)以上の求人があります。
フィリピンでの仕事の詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。
フィリピンで仕事を得るには?仕事の種類や探し方、条件など徹底解説!
メトロマニラとはモンテンルパ(アラバン)、マカティ、タギッグ、マンダルヨン(オルティガス)など16市と1町を含んだ巨大都市のことです。
仕事の見つけやすさと都会の便利さから、メトロマニラはビジネスパーソンが住みやすいエリアです。 特にマカティやタギッグは日系企業が集中しているため日本人が多く住んでいます。
日本への直行便が多いこと、日本食が手に入りやすく和食レストランがたくさんあること、日系の幼稚園や学校があることなど、移住しやすい条件が揃っています。
ただ、生活コストが他の都市に比べて高くなることや、渋滞がひどいことがデメリットです。
ルソン島、メトロマニラの南部に位置する都市。マニラ中心部から車で2時間程度の距離にあり、温泉やアクティビティ施設があるため日帰りの観光地として人気です。
日系企業のなかでは製造業の工場などがあります。
ラグナ州のSt. Rosa(サンタローサ)という地域は近年開発が進み、ちょっとしたショッピングモールもできています。
自然が豊かでインターナショナルスクールもあるため、家族連れに注目されているエリアです。
ルソン島の北に位置するクラーク。国際線が発着する空港があり、日本からアクセスしやすい都市のひとつです。
アメリカの空軍基地であった時代の影響で、最もアメリカらしい文化が浸透していると言われます。
経済特区になっており、治安が良いことで有名です。
現在クラークグリーンシティ構想という環境に配慮した災害に強い都市づくりを勧めており、もし実現すればメトロマニラから企業や人が大きく動く可能性を秘めています。
マニラに次いで有名な都市、セブ。フィリピン英語留学の火付け役となっている都市であり、留学後にそのまま移住する人が多い地域です。
大きなショッピングモールがある一方でビーチが近く観光業が盛んなので、都会と南国らしい生活を同時に経験したい人には向いています。
ただし、セブはコールセンターや語学学校のアシスタントなどほぼ日本語がメインになる仕事が多いため、英語を使って仕事をしたいという場合は希望にあった仕事内容であるか慎重に検討したほうがいいでしょう。
配偶者やお子さんと一緒に移住する場合、単身者よりも住む環境など気にしたいポイントは増えます。
日本との大きな違いは、子どもだけで外を歩くことが難しいという環境です。
毎日の登下校はスクールバスや送迎が必須で、友だちの家へ遊びにいくときも車で送り届ける必要があります。
これは、残念ながら誘拐の危険があるためです。
都会でも地方でも、お子さんがいるご家庭は特に安全面を考慮して住環境を整えることをおすすめします。
具体的には、入るのにIDチェックが必要なエリア(ビレッジ)に住む、セキュリティのしっかりしたコンドミニアムに住む、繁華街の近くは避けるなどです。
フィリピンに住むからにはお子さんをバイリンガルに育てたいという希望を持って移住される親御さんは多いことでしょう。
注意したいのは、フィリピンの学校=英語が身につく学校ではないということです。
フィリピンには、インターナショナルスクール、私立の学校、公立の学校、日本人学校などがあります。
インターナショナルスクールは基本的な授業を英語で行う学校です。
生徒の国籍が多様であるスクールを選べば、お子さんに自然な英語やグローバルな考え方を身につけさせることができるということで人気があります。ただし、一般的な学校に比べ費用は高めです。
私立の学校で英語での授業が行われているところや日系の学校で一部英語の時間を取り入れているところで英語を身につけさせるという選択肢もあります。
ただ、英語で授業をする学校に入っても生徒同士が日本語、タガログ語や中国語でしゃべっていると英語は期待するほど身につかないという例があるのが実情です。
また、英語を流暢にしゃべれるようになったとしても、根本的な学力のレベルをどこまで求めるかということはまた別の問題です。例えば、フィリピンの学校では高度な数学の思考力を身につけるのが難しいという声があります。
日本語と英語の習得レベル、卒業後の進路、文化の違い、将来的に日本に帰る予定の有無など、ご家族でお子さんをどのように育てたいのかという希望をすり合わせて学校を選ぶ必要があります。
フィリピンの学校で育つお子さんはのびのびと自分の意見を言えるようになったり、いろんな国のお子さんとの関わりを持てるなどの良い面もありますので、英語以外の教育内容にも注目して学校選びをすると良いでしょう。
フィリピンへの家族での移住となると、働く旦那さんについていくご家族というケースが多いと思います。
フィリピンで共働きをしているご夫婦や希望で専業主婦をされるご家庭もありますが、ビザなど条件が合わず働きたいのに働けない奥さんの話もよく耳にします。
仕事で外との関わりがある旦那さんと比べて、知り合いのいないまま専業主婦になる奥さんはストレスから移住生活に不便を感じたり不満が溜まってしまいがちです。
サポートが手厚い会社の奥さんは不自由なく生活しているように見えますが、期待するものとのギャップから不満を感じる人もいます。
自分のコミュニティをどんどん広げ、不便さや文化の違いをある程度受け入れられるようになるとフィリピン生活を楽しめるようになってくると思います。
旦那さんも新しい環境や忙しい仕事で大変なのはもちろんですが、まったく違う環境でいちから生活を始めるご家族の悩みを他人事にせず、ご家族で共有していただければと思います。
私は現地企業の会社員の妻としてマニラで生活をしていますが、予想していた以上に生活しやすく、出産を経た今では特にフィリピンは幼い子どもの子育てをする環境として恵まれているなと感じています。
正直、文化の違いによるストレスや今後の教育についてなど懸念事項はあります。
しかし、外に出ることで見えるもの、体験できることはデメリットを超えるものがあります。
特に、国が成長していくスピードを目に見えて感じることができるのはフィリピン生活の醍醐味だと思います。
自分の意志で移住する人、会社の指示で移住をする人、それぞれいらっしゃると思いますが、良い部分と大変な部分を情報収集して、楽しいフィリピンライフを送ってください。
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