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フィリピンで病気にかかったらどうするの?フィリピンの病院と医療事情について徹底解説!

医療

こんにちは。マニラ在住3年目のMarinaです。

旅行や留学中の病気、心配ですよね。発展途上国のイメージが強いフィリピンではなおさらです。でも、アメリカの文化が入ったフィリピンでは意外と最先端の医療を受けられる病院があります。

今回は、私の日本での看護師経験やマニラの入院と出産の経験を踏まえて、フィリピンの医療情報や病院についてまとめたいと思います。

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フィリピンの医療レベルはどうなの?

病院

フィリピンでは地域や病院によって医療のレベルに大きな差があります。

地方では病院に行くお金がなく、祈祷やヒロットなど民間療法が浸透している地域があります。中には黒魔術をしている島もあるとか。

公立病院は衛生面に不安のある病院も多いですが、マニラやセブなど都市部の私立病院は日本の大学病院レベルの設備を備えている施設が多くあります。

大きな公立病院はフィリピンでトップクラスの医学部の医師が研修をしていたり、私立病院の医師はアメリカなど外国でトレーニングを受けてきている人も多く、信頼できる医師もたくさんいます。

ただし、日本とは治療の考え方が異なる医師もいるため、疑問に思うことがあれば詳しく説明を求めたほうが良いでしょう。

フィリピンの病院と日本との違い

(1)オープンシステム

日本との大きな違いのひとつが、「オープンシステム」という医療システムを取っている病院が多いこと。

日本の場合、医師は派遣で違う病院に行くことはあっても基本的にはひとつの病院に所属しています。

一方フィリピンでは医師はフリーランスのような立ち位置で、登録した医師が施設を自由に使うことができるようになっています。病院が外部の医師に開かれているので「オープンシステム」と呼ばれます。(研修医など病院に所属している医師もいます。)

医師は診療したい場所や使用したい設備に応じて複数の病院に登録していることが多いです。そして、ショッピングモールのテナントのように病院の外来ブースを間借りしています。

そのため、医師が曜日や午前・午後の時間帯によって病院を移動しており、かかりつけの病院に主治医がいつもいるわけではありません

検査部などと医師も直接のつながりはないので、患者は外来で医師に指示された検査を自分で受けてから結果を持って(もしくは電子カルテのシステムに結果が載ってから)医師の診察を受ける必要があります。

いざというときに大きな病院の施設を使って検査や手術ができるのがメリットですが、初めての診療科や、何科にかかるべきなのか症状から判断しづらいときに医師を選ぶのが難しいことがデメリットです。

総合病院では医師を紹介してもらえたり、ジャパニーズヘルプデスクのサポートがある病院では症状から医師の予約を取ってもらえたりするので、上手にサポートを活用すると便利です。

語学学校によっては医師が巡回しているクリニックがあるので、まずその医師に相談してみましょう。

ジャパニーズヘルプデスク

ジャパニーズヘルプデスクとは、フィリピンの病院で治療を受ける日本人がスムーズに受診できるようサポートしている民間の会社です。ヘルプデスクがある病院の診察予約、海外旅行保険のキャッシュレス対応、病院内の案内、医療通訳などをサポートしてくれる心強い存在です。

基本的にサービスは有料ですが、対象の海外旅行保険に入っている場合は保険会社が利用料を負担してくれるため無料で利用できます。

ヘルプデスクが対応していない海外旅行保険や利用条件によっては有料になるため、具合が悪くなる前に問い合わせておくと安心です。

たとえば、クレジットカード付帯の海外旅行保険で利用付帯(クレジットカードを一定の条件で利用した人が使える保険)になっている場合は、利用条件を満たさないと保険を使えずヘルプデスクも有料になったり対応できないことがあります。

(2)付き添いがいることが前提

入院のときの話になりますが、日本と違って家族もしくは友だちが患者の身の回りの世話をすることが一般的です。

基本的に、フィリピンでは看護師の仕事は傷の手当やお薬の管理などの医療行為に集中しており、体を拭いたり食事の介助をするなどの日常生活の介助は家族に任せられています。

そのため、ひとりで入院すると「手伝える人はいないの?」と何度も聞かれます。

ただし、頼んだら大抵のことは応じてもらえるので、自分でするのが難しいことは遠慮せず頼んでみましょう。病院によっては移動などの介助をしてくれるナーシングエイドという看護助手もいます。

(3)ケアは言ったもんがち

上記の家族の付き添いとも関連しますが、日本のように看護師が先回りして必要そうなケアを提案してくれることはありません。

たとえば、痛み止めがほしい、体を拭く温かいタオルがほしい、寒いのでブランケットがほしい、といった要求はこちらから言わないと気づいてもらえません。

医師に検査をするよと言われていた場合、看護師に何時頃になる?とこちらから聞かないと詳細を教えてもらえず、びっくりするタイミングで呼ばれたりします。

逆に、言えばある程度は融通をきかせてくれます。オッケーオッケーと言いながらも忘れる看護師が多いので、早め早めに繰り返し要求するのがポイントです。

エリア別のおすすめ病院と特徴

フィリピンでは多くの医療機関が存在しますが、その中で特に私がおすすめする医療機関をここでは11箇所紹介したいと思います。

(1)セントルークスメディカルセンター / メトロマニラ

5つ星病院と言われるほどのラグジュアリーな設備を備えた総合病院で、ケソン市とタギグ市の2箇所にあります。タギッグのGlobal Cityにある病院はインターナショナルペイシェントラウンジを備え、外国人に対応しているので英語が聞き取りやすいスタッフが多いです。

私はGlobal Cityで入院と出産を経験しましたが、医療設備は日本の大学病院と同じくらい最新で、院内も清潔でした。

(2)マカティメディカルセンター / メトロマニラ

マニラの経済の中心部、マカティにある総合病院。セントルークスと並んで日本人が多く利用している病院のひとつです。規模は600床ほどで、医療レベルとしてはセントルークスと並んでメトロマニラトップクラスといわれます。

(3)マニラ日本人会クリニック / メトロマニラ

財団法人海外邦人医療基金の支援のもと設立されたマカティにあるクリニックで、日本人が常駐しているので英語に不安な人も安心して受診できます。日本人の医師は1名ですが、他の医師も日本語まじりで診察してくれます。

また、日本の海外療養費制度(後述します)申請用の書類をクリニックが用意してくれるので、帰国後の手続きがスムーズです。

(4)東京ヘルスリンク / メトロマニラ

マカティとアラバンにある病院です。クリニックですがCT検査や内視鏡検査など様々な検査の設備があり、日帰り手術も対応しています。日本語対応のスタッフがいるので、マニラ在住の日本人も多く利用する病院のひとつです。

(5)アジアンホスピタルメディカルセンター / メトロマニラ

アラバンにある総合病院。300床弱の入院ベッドと24時間緊急対応がある中規模の病院です。ジャパニーズヘルプデスクも対応しているのでアラバンに滞在する人はチェックしておくと良いでしょう。

(6)神戸クリニック / メトロマニラ

日本人医師が経営しているアラバンにあるクリニックで、日帰りの治療のためのベッドもあります。医師がいる時間帯には日本語対応してもらえるので、ちょっとした症状のときに便利なクリニックです。

(7)メディカルシティ / クラーク、メトロマニラ

パシグ市のオルティガスというビジネスエリアにある本院は800床とマニラ最大規模。50年の歴史があり、最新の治療にも力を入れています。また、各地にサテライトを持つので近くで見つけやすい病院です。留学生に人気のクラークにもサテライトがあります。

(8)アンヘレス大学附属病院 / クラーク

アンヘレスで一番大きな病院。大学病院なので設備も整っているようです。ジャパニーズヘルプデスクが入っているので留学生の強い味方ですね。

(9)セブチョンワ病院・マンダウエ癌センター / セブ

セブでは最大規模の総合病院。1909年開院という歴史ある病院ですが、新しい検査設備を入れるなど進化を続けているようです。ビサヤ地方では唯一のJCI(Joint Commission International: 世界的な医療認定機関)の認定病院として信頼されています。

2016年、マクタンに近いマンダウエというエリアに癌センターを備えた総合病院もオープンしました。

(10)セブドクターズ病院 / セブ

医学部の附属病院で、大学病院らしい最新の設備が特徴。セブの語学学校で巡回診療をしているところも多いため、留学中に具合が悪くなったときにお世話になるかもしれません。

病院のヘルプデスクには専属の医師がいて、日本語混じりで説明をしてくれるので安心です。

(11)マクタンドクターズ病院 / セブ

マクタンにあるドクターズ病院の分院。150床と小さめですが入院設備もあり、新しくてキレイな病院です。

実際に体調が悪くなった場合はどうすればいいの?

体調不良

さて実際に病気にかかった場合、どのような流れで行動すれば良いでしょうか。日本とは少しすることが異なるので、しっかり確認しましょう。

(1)語学学校のスタッフに相談する

留学中に具合が悪くなったら、語学のスタッフに相談しましょう。特に咳などは感染性のものであった場合に周りに広げてしまうおそれがあるので、自己判断で様子見をせずに早めに相談することが大切です。

(2)海外旅行保険の会社に連絡する

受診の前に海外旅行保険を利用する旨を保険会社に連絡します。クレジットカード付帯の保険の場合も同様です。

(3)必要に応じて外来を予約する

総合病院の多くは予約して受診します。ただし、24時間の救急外来であれば予約は不要です。また、クリニックでは予約制ではなく受付順のことがあるので、受診したい病院に問い合わせると確実です。

慣れない病院で英語で受診をするのは大変ですよね。そんなときは海外旅行保険のサポートを利用したり、ジャパニーズヘルプデスクに対応してもらえる病院や日本語を話せるスタッフのいる病院を選ぶと良いでしょう。

日本語対応のない総合病院であれば、病院のConciergeやInformationで医師を紹介してもらうことも可能です。その場合は、症状や受けたい診療科を伝えられるよう英語で準備しておきましょう。

(4)病院に行って受診する

海外旅行保険によっては移動の費用も補填してくれることがあるので、タクシーなどの料金を控えておきましょう。

また、お薬は病院の外の薬局で購入することが多いので、その領収書も忘れずにとっておきましょう。

いざというときの受診をスムーズにするためのポイント

患者情報用紙を作っておくと便利です。

フィリピンの病院では、違うスタッフに何度も何度も同じ質問をされます。具合の悪い時に英語に頭を使うのはしんどいですよね。そんなときに活躍するのが患者情報用紙(Patient Information Document)。これは、自分の情報を記載した書類のことです。

自分のある程度の情報を予め記載して作成しておくと病院スタッフに見せるだけで済むので便利です。外出先で具合が悪くなったときにも役に立つので持ち歩くことをおすすめします。

記載する情報の例

・Name(名前)
・Male/ Female(男性/女性)
・Phone No.(自分の電話番号)
・Address(滞在先の住所)/Phone No.(滞在先の電話番号)
・Next of Kin(一番身近な家族)/Phone No.(いちばん身近な家族の連絡先)
・Date of Birth(生年月日)Day/ Month/ Year
・Age(年齢)
・Blood Type(血液型)
・Height/Weight(身長/体重)
・Medical History(これまでの病気や今ある病気)
・Past Surgical History(これまでに受けた手術)
・Allergy(アレルギーの有無)

これまでかかった病気や今もある病気でよく質問されるのは以下のものです。

  • ・Diabetes(糖尿病)
  • ・High Blood Pressure(高血圧)
  • ・Hepatic Disorder(肝障害)
  • ・Asthma(喘息)
  • ・Heart Disease(心疾患)

ちなみに、名前と生年月日を何度も聞かれますがこれは患者間違いを防ぐための確認作業のひとつなので、毎回答えましょう。

症状をメモしておきましょう。

医師に症状を説明するときのポイントは、いつから、どんな症状がどのくらい出て(頻度や強さ)、悪化しているのか変わらないのか、という点です。これを受診に備えてメモしておくと安心です。

覚えておくと良い主な症状は次のとおりです。

・nausea/ feel like vomiting(吐き気)
・vomit(嘔吐)
・fever(発熱)
・diarrhea(下痢)
・dizzy(めまいがする)
・headache(頭痛)
・stomach ache(腹痛)
・sore throat(喉の痛み)
・runny nose(鼻水)
・cough(咳)
・itchy(かゆい)
・rash(発疹、発赤)

フィリピンの医療費は高いの?高額支払いの対策

フィリピンの医療費について

フィリピンの私立病院では、ドクターズフィー(プロフェッショナルフィー)、検査費、処置や手術の費用、治療に使った物品の費用(注射器やアルコール綿、手袋など使い捨て製品すべて)、入院に関わる費用(部屋代や食事代など)、薬の費用などがかかります。

また、フィリピンの救急車は地域や疾病などの条件によって有料になります。通常の救急車以外に、地方で治療ができない場合は都市部の大きな病院に広域搬送が必要となることもあるため、搬送費用が多くかかります。そのため、医療費が予想以上に高額になることがあります。

旅行者や留学生など短期で外国に滞在する人が医療費を抑える方法は主に2通りあります。

(1)海外旅行保険に入る

まず第一選択として海外旅行保険は必須です。どの海外旅行保険に入るとしても、以下の4点を出国前に確認し、わかりやすいところにメモしておきましょう。

(1)保険証書もしくはクレジットカード番号
(2)保険を使うときの緊急時の連絡先(24時間対応の電話番号)
(3)フィリピンからの電話のかけかた
(4)キャッシュレス対応でない場合は医療費の申請に必要な書類

またクレジットカード付帯の保険を利用する際は、利用付帯か自動付帯か、キャッシュレス対応かどうか、適応期間は何日以内かなどの条件を、事前に確認しておきましょう。

(2)海外療養費制度を利用する

海外療養費制度とは、海外で受診、治療をした場合、帰国後に申請すると一部の医療費が返ってくる制度です。国民健康保険や社会保険の加入者が対象になり、海外の長期滞在で国民健康保険を脱退している人は適応されません。

対象となるのは日本で保険診療として認められている治療のみで、実際に外国で支払った費用ではなく、日本で治療を受けた場合の医療費をもとに還付額が決まります(日本の治療費の7割相当額が返ってくる)。

そのため、ドクターズフィーがとても高かった場合などは自己負担額が大きくなるかもしれません。それでも、少しでも戻ってきたら嬉しいですよね。

帰国後に申請するためにCertificate(入院治療の証明書)や診断書、Official Receipt(正式な領収書)などが必要となります。書類によっては医師のサインが必要なこともあるので、予め加入している保険のホームページなどで確認しておくと良いと思います。

尚、一旦全額を自費で支払う場合、マニラやセブなど都市部の私立の総合病院ではクレジットカードで支払いができますが、クリニックや地方の病院では現金を用意する必要があります。クレジットカードの場合、利用の限度額を確認しておきましょう。

フィリピンでなりやすい病気と対策

病室

フィリピンでかかりやすい病気には、以下の10のものが挙げられます。

(1)食中毒
(2)デング熱
(3)マラリア
(4)A型肝炎
(5)狂犬病
(6)麻疹
(7)マイコプラズマ肺炎
(8)インフルエンザ
(9)結核
(10)レプトスピラ症

ひとつずつ見ていきましょう。尚、全ての病気に言えることですが、早めに受診することが大切です。

(1)食中毒

海外旅行では珍しくない食中毒。主な原因は細菌やウィルスですが、常夏フィリピンでは細菌が繁殖しやすいので注意が必要です。

食べ物以外に排泄物や嘔吐物から人の手を介して感染することもあるので、食事前の手洗いが重要です。アルコールは目に見える汚れのない手には有効ですが、手が汚染されているときに効果がないことがあるので、まず流水と石鹸でしっかり洗いましょう。

特に症状がつらいのはアメーバ赤痢(Amebiasis)です。知り合いでかかった人が何人かいますが、長期の治療が必要となり大変そうでした。

症状

下痢、嘔吐、腹痛、発熱など

アメーバ赤痢の場合は2〜4週間の潜伏期間のあとイチゴゼリー状の粘血便が出ることが特徴です。

予防

  • ・食事の前に手洗いをする。もしくはウェットティッシュを使用する。
  • ・衛生面の不安があるお店では水や生ものを口にしない。
  • ・貝類は火が入っていても食中毒の原因となることがあるので、信頼できるお店のみで食べる。
  • ・カットされたフルーツや野菜は購入しない(自分でカットする)。
  • ・瓶や缶で提供された飲み物は、飲み口を拭く。

対処

  • ・脱水を予防するため、経口補水液をこまめに摂る。
  • 電解質やブドウ糖が入った水のことを経口補水液と言います。フィリピンではORS(Oral Rehydration SolutionまたはSalts)と呼ばれ、粉末やボトルを薬局で購入できます。

  • ・下痢止めは使わない。原因菌やウィスルを体の中から出すことが大切です。

(2)デング熱(Dengue Fever)

ネッタイシマカやヒトスジシマカという蚊が持つデングウィルスの感染により起こります。少しの水でも発生するため、都市部の感染も珍しくありません。フィリピンでは「デンゲ」と発音されます。

デング熱の症状の出方は個人差があり、普通の発熱程度でおさまって感染に気付かない人もいます。ただ、デングウィルスは4つの型があり、1度感染した人が異なる型のウィルスに感染すると免疫機能が強く働きすぎてしまい重症化することがあります(デング出血熱、デングショック症候群)。

フィリピンでは予防接種ができるようになりましたが、副作用などの点でまだ議論があります。まずは蚊に刺されないよう予防することが大切です。雨季(6〜12月)は蚊が増えるので特に注意しましょう。

症状

  • ・潜伏期間:3〜7日
  • ・発熱、激しい頭痛、目の奥の痛み、関節痛、筋肉痛、発疹
  • ・出血傾向(血小板の減少)

予防

  • ・虫よけをする。
  • ・水場や緑の多い場所に行くときは長袖、長ズボンを着用する。

対処

  • ・水分補給をする。
  • ・解熱剤の種類に注意する。
  • デング熱では血液を固める作用のある血小板が減少することがあるので、アスピリンの入った解熱剤は使用を控える必要があります。そのため、アセトアミノフェンという成分の解熱剤が多く処方されます。フィリピンでは「Paracetamol(パラセタモール)」が有名です。

(3)マラリア(Malaria)

ハマダラカという蚊からマラリア原虫が感染し起こる疾患です。

マラリアには4種類あり、CDC(アメリカ疾病管理予防センター)の調査ではフィリピンでは熱帯性マラリア(P.falciparum)が70〜80%を占め、次に三日熱マラリア(P.vivax)が多いとされています。

そのなかでも「熱帯マラリア」という種類は24時間以内に治療しないと命に関わることがあります。症状がインフルエンザと似ているため、蚊に刺されたなどマラリアが疑わしいエピソードがあったら自己申告しましょう。

2017年1月〜5月のDepartment of Health(フィリピン保健省)のレポートでは、パラワン島の発症例が409件と非常に多く、次いでミンダナオ島での発生が多くなっています。都市部では少ないと言われていますが、マニラ近郊のバタンガスで5件、セブで4件の報告があります。

症状

  • ・潜伏期間:1〜4週間(熱帯マラリア:12日、三日熱マラリアは14日前後)
  • ・発熱、寒気、頭痛、嘔吐、腹痛、関節痛、筋肉痛
  • 間隔をあけて何度も発熱が繰り返されます。
     熱の周期:熱帯マラリアは不定期で短い間隔、三日熱マラリアは48時間

  • ・出血傾向(血小板の減少)

予防

  • ・ハマダラカは日没から日の出に活動するため、夜間は特に虫除けをする。
  • ・発生の多い地域ではDEETの高い虫除けを使用する。
  • ・長袖、長ズボンを着用する。
  • ・抗マラリア薬を使用する。
    • 対処

      ・すみやかに医療機関に受診する。

      (4)A型肝炎(Hepatitis A)

      A型肝炎ウィルスにより一過性に起こる感染症です。汚染された食べ物を食べることや、性交渉で感染します。

      症状

      ・潜伏期間:2〜7週間
      ・発熱、食欲不振、倦怠感、吐き気、嘔吐、黄疸(皮膚や白目の部分が黄色くなる)

      予防

      • ・予防接種を受ける。
      • ・十分に加熱されたものを食べる。

      対処

      • ・症状に応じて病院で治療をする。
      • ・症状が落ち着いてからも数週間は排泄物にウィルスが出るので、同居者にうつさないよう注意する。

      (5)狂犬病(Rabies)

      狂犬病ウィルスを持った動物の唾液が感染源となり、噛まれたり引っかかれたりすることで神経に影響を及ぼします。発症すると致死率が100%といわれる病気です。感染しても発症前にワクチンを摂取することで発症をおさえることができます。

      日本では狂犬病という名前がついていますが、猫やコウモリ、猿などほぼ全ての哺乳類から感染するおそれがあります。

      症状

      • ・潜伏期間:脳や中枢神経からの距離によって大きく異なる。1〜3ヶ月のことも1年以上経ってから発症することもある。
      • ・強い不安感、一時的な錯乱
      • ・恐水症:物を飲み込みづらくなったり液体を飲み込む時に筋肉が痙攣(けいれん)する→水を見ると首(頚部)の筋肉が痙攣するようになる。
      • ・恐風症:冷たい風で筋肉が痙攣する
      • ・高熱
      • ・麻痺、運動失調、全身痙攣

      予防

      • ・犬や猫に近づかない。
      • ・予防接種を受ける。
      • ・目など、粘膜に特に注意する。

      対処

      ・動物に噛まれたり引っかかれた場合はすぐに傷口を石鹸と流水で洗い流す。
      ・遅くとも5日以内にすみやかに受診をする。
      ・予防接種をしていたとしても、暴露後ワクチンを受ける。
      予防接種をしていなかった場合は、暴露後のワクチンを初回接種日を0日とし、3、7、14、30、90日後の計6回接種します。予防接種をしていた場合は初回接種日を0日とし、3日後に追加接種します。

      ・噛んだり引っ掻いた動物を特定できる場合、2週間観察する。
      狂犬病に感染した動物は、極度に興奮し攻撃的になる、後半体から前半身にかけて麻痺が広がり、食事や水が飲み込めなくなるなどの症状が見られ、死亡します。2週間経ってもその動物が生きていて症状が見られなければ、狂犬病に感染していないと考えられます。

      (6)麻疹(はしか、Measles)

      麻疹は麻疹ウィルスによって感染する病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染で広がり、非常に感染力が強いといわれます。麻疹の症状自体は7〜10日で良くなりますが、免疫力が下がるため、肺炎や中耳炎、脳炎などの合併症に注意が必要です。

      ワクチンの持続期間は10年程度といわれるため、子どもの頃に予防接種を受けた人も感染する可能性があります。また、予防接種は2回必要ですが、時期によっては1回しか受けていない人もいるので母子手帳などの記録を確認してみましょう。

      麻疹の怖いところは、発症した場合に治療法がないことです。周りに免疫力のもともと低い人(妊婦や赤ちゃん)がいる場合、自分が感染源とならないよう十分注意する必要があります。

      尚、日本では麻疹ワクチンの定期接種は1歳からですが、フィリピンでは日本よりも麻疹のリスクが高いため、0歳の間に麻疹ワクチンを接種することが推奨されています。

      症状

      • ・潜伏期間:10日
      • ・咳、鼻水、発熱、発疹

      頬の粘膜にコプリック斑という特徴的な白色の斑点が見られます。

      予防

      ・予防接種を受ける。

      対処

      ・症状に応じて対応する(対症療法)。

      (7)マイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumoniae)

      肺炎マイコプラズマという細菌による肺炎です。マニラでは頻繁に流行しています。

      最初の症状は風邪と良く似ているので区別がつきにくいのですが、この細菌は特殊な構造を持っているため一般の風邪向けの抗生剤としてよく使われるもの(セフェム系など)が効かず、正しく診断されないと長引く傾向があります。

      飛沫感染と接触感染で広がりますが、感染力は低いため、マスクで予防します。

      症状

      • ・潜伏期間:2〜3週間
      • ・発熱、倦怠感、頭痛
      • ・しつこく続く咳

      予防

      ・手洗い、マスク

      対処

      • ・マイコプラズマに有効な抗菌薬の投与(マクロライド系、ニューキノロン系など)。
      • ・周りに感染させないようマスクをする。

      (8)インフルエンザ(Influenza, Flu)

      日本でも馴染みのあるインフルエンザ。飛沫感染、接触感染により広がりますが、フィリピン人はマスクをする習慣がないので流行しやすいような印象です。
      フィリピンでは7〜9月の雨季に流行します。また、日本人コミュニティでは1〜4月にも流行の時期があります。これは、人の移動により日本からインフルエンザが持ち込まれることに由来するといわれています。そのため、ほぼ1年中インフルエンザの話を耳にします。

      フィリピンではOseltamivir(タミフル)を処方されます。

      症状

      ・発熱、頭痛、鼻水、喉の痛み、咳、関節痛

      予防

      • ・手洗い、マスク
      • ・予防接種を受ける

      対処

      • ・水分を摂る。
      • ・抗インフルエンザ薬を服用する。

      (9)結核(Tuberculosis, TB)

      結核菌の感染によって起こる病気です。多くは肺結核ですが、骨や脳などに菌が及ぶこともあります。感染していても発症しないことがあり、発症して排菌することで感染力を持ちます。

      通常、結核は肺のレントゲン画像や喀痰検査、血液検査などで診断されます。フィリピンではツベルクリン反応検査も感染の有無を調べるために行われますが、BCGの接種でも陽性と出るためそれだけで感染を判断するのは難しいといえます。

      ツベルクリン反応の結果だけで強力な抗結核薬を服用するよういわれることがあるので、他の検査も依頼しましょう。

      結核と診断されると、外出の禁止や6ヶ月の抗結核薬の投与、必要時は入院隔離、接触したと思われる人の結核検査などを指示されるので、長期に渡って日常生活へ影響が出ます。

      症状

      • ・咳、痰、熱が長く続く
      • ・食欲不振、体重減少、寝汗

      予防

      ・予防接種を受ける
      日本ではBCGを0歳のときに接種することになっていますが、効果は10〜15年とされるため、大人は既に切れているとみられます。
      ・抗結核薬の投与
      感染している場合に、発症しないようお薬を投与することがあります。
      ・マスクの着用
      周りに排菌している人がいる場合はマスクを着用し予防します。N95という強力なマスクも薬局で売っています。

      対処

      • ・抗菌薬の投与
      • ・症状に応じて入院隔離

      (10)レプトスピラ症(Leptospirosis)

      レプトスピラ症は細菌により感染する病気で、日本では犬の感染症として有名です。感染している動物の排泄物で汚染された土壌や水が傷や粘膜に触れることで人にも感染します。特にネズミからの感染が多いようです。

      フィリピンでは雨季の洪水による報告が多く(7月〜10月)、ラフティングやカヤックなどのアクティビティでも感染するおそれがあります。

      重症化するとワイル病という肝臓や腎臓、全身の臓器の機能がおかされる病気に移行し命に関わります。

      DOH(フィリピン保健省)の2017年のレポートでは、リージョンⅥ(Western Visayas:バコロドやイロイロを中心とした地域)やリージョンⅠ(ルソン島北部のイロコス)での発生が多く報告されています。

      症状

      • ・潜伏期間:5〜14日(文献により7〜10日という記載も)
      • ・頭痛、発熱、寒気、筋肉痛、吐き気、下痢、腹痛、結膜の充血

      予防

      • ・傷がある場合は水に入らないようにする。
      • ・洪水で溜まった水に触れない。
      • ・土や泥が肌につかないよう長袖、長ズボンを着用する。
      • ・汚染されているおそれのある地域で水や食べ物を口にしない。

      対処

      ・抗生剤の治療をする。

      持っていきたい常備薬

      フィリピンでもお薬は調達できますが、病院にかかるまでのつらい症状を抑えたりするときにはやはり使い慣れているものが安心ですよね。

      総合感冒薬(漢方含む)、胃腸薬、解熱鎮痛薬は持っていくと良いでしょう。

      ただ、症状を押さえ込むことで診断や回復に影響が出ることがあることも覚えておく必要があります。また、フィリピンの風邪に日本の風邪薬が効かないという声も聞きます。やはり基本は早めの受診です。

      まとめ

      いかがでしたか。都市部では日本と変わらないような治療を受けられる病院があったり、日本語のサポートがあるので心強いですね。一方、東南アジア特有の怖い病気もあるため、渡航前の準備や滞在中の体調管理はとても大切です。

      迷った時にすぐに受診できるよう、海外旅行保険は備えておきましょう。

      慣れない場所では疲れがたまって免疫力が落ちやすいので、無理をせず症状が出たら早めに受診してくださいね。

      なお、今回記事で紹介した病気に対する予防法や対処法は諸説あり、個人差もあります。あくまで参考としてご参照ください。

      参考:
      外務省 世界の医療事情 フィリピン
      厚生労働省 感染症情報
      国立感染症研究所

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Marina

Marina

日本で9年間マニアックな分野の看護師をしたのち、2015年にフィリピンセブ留学→現在はマニラ在住。夫と1歳男児とたくましく生活しています。治安の悪さで有名なマニラのイメージを覆すべく、意外と住みやすい?マニラの情報を発信しています。

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