英語圏に留学したい、英語を使って働きたいと思っている人にとって、英語のビジネスメールはマスターしておきたいものですよね。実は日本語のメールと、英語のメールでは、あまり構成は異なりません。
しかし、英語メールではより簡潔に書くことが求められます。また目的に合わせた定型的な表現を多用したり英語ならではの礼儀正しさの表し方があったりと違う点も多々見られます。
この記事では、英語メールの基本的な書き方を解説します。英語のメールで使える表現を目的別に例文とともにご紹介していますので、仕事で英語を使う人はぜひ参考にしてみてください。
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英語メールは構成がおおむね決まっており、日本語のメールとそこまで大きくは変わりません。しかも、決まったフレーズを多用するため、構成とフレーズをしっかり覚えておけば、書き方のコツを早くつかむことができます。
そこでまずは、次の文例で構成を確認しましょう。
以下は、由美子さんが来月の出張のために予約したホテルの部屋の確認メールを送るシーンです。
(1)Need Confirmation ASAP‐on My Reservation
(2)Dear Sir or Madam,
(3)Hope this message finds you well.
(4)I am writing to you to confirm my reservation of the room from 4 to 7 January. Unfortunately, I have not been able to find your reply since 26 November.
In the meantime, I found my reservation status with the message saying “Your request is accepted” on your Website. Could you kindly confirm if my reservation is completed or not?
(5)Thank you very much for your prompt turn-around in advance.
(6)Best Regards,
(7)Yumiko Mochizuki
Manager, Marketing, Nippon Shoji K.K.
1-1-XX, Kaigan, Minato-ku, Tokyo, 15X-XXXX
email: yumiko.452.mochizuki@nipponshoji.xxx.com
Tel: +81-90-1234-56XX
<構成>
(1)件名
(2)宛先
(3)書き出し
(4)伝えたい用件
(5)結び
(6)結語
(7)差出人の情報
件名はメールを送ったときに相手に読んでもらうために、とても重要な役割を果たします。
件名を見ただけで、何をしたらよいのか受け取った人が推測しやすくなるからです。加えて、いつ返信してほしいかも分かればベストといえるでしょう。
日本語でも確認してほしい、返信してほしい、というときには件名に入れることがありますが、英語のメールでも同じです。
要確認:Please Confirm/Need Confirmation
要返信:Please Respond/Please Reply
いつまでに返信がほしい、と指定するなら件名に書くのも有効です。会議などの出欠を確認するには、以下のような表現が使われます。
10月25日までに要返信:RVSP by 25 Oct
また、本当に急いでいるときであれば、その旨も記載するのが有効。繰り返し記載するのは控えたほうが良いですが、急ぎの用件では以下のような表現を使うことがあります。
速やかに:ASAP
緊急:Urgent
また件名は、原則単語は大文字で記載するなどの作法や、スパムメールと間違えられないようにするための注意点もあります。詳しくは以下の記事をご参照ください。
英語メールの件名は正しく付けよう!用途別にコツとポイントを紹介します
宛名は、相手の名前が分かっているとき・目上に送信するとき・複数に送信するときなど、状況と相手との関係性を踏まえた書き方をします。
もっともよく使われる書き方は、Dearの後に名前を入れる書き方です。Dearの後に敬称を入れるか入れないか、名前はファーストネームを使うかラストネームを使うかといったように、宛先は相手との関係性に合わせて記載方法を変えます。
・Dear Mr. or Ms. +Last Name,
Last Name/ Surnameとは、苗字のことをいいます。もっともフォーマルな書き方なので、この書き方であれば、目上の人や初めてメールする相手などでも、相手に失礼なくメールを送ることができます。
また、女性の場合、敬称はMs. で統一しましょう。既婚・未婚で敬称を区別することはビジネスシーンでは適切ではありません。
・Dear +First Name,
First Nameは名前のこと。同僚・取引先など、すでに知っている人にメールする場合は、First Nameを用います。
・To whom it may concern,
だれに対してメールを送るのか分からない場面で、日本語の「ご担当者様」のように使うことができます。
・Dear Sir or Madam,
これも宛先が不明の場合に使います。To whom it may concernよりもよく目にする表現です。
・Dear Colleagues,/ Dear All,
宛先が複数人であるときに、一斉送信する際に使います。Collegueであれば社内、また、All なら、社内社外を問わず使うことができます。
なお、名前の後には必ずカンマ(,)を使用することも覚えておきましょう。
書き出しは、簡単な挨拶やメールを送った目的(理由)を書きます。定型文は以下の通りです。
I hope this message finds you well. /Hope everything is well with you.
(ご清祥のことと存じます・お元気でお過ごしと存じます)
返信の場合であれば次のように軽く添えましょう。
Thank you for your message.
(ご連絡ありがとうございます)
書き出しの挨拶はマストというわけではありませんが、書くことで相手に礼儀正しい印象を与えることができます。また、書き出しから用件がはっきり分かるため、読み手に「何を求めているのか」伝わりやすいというメリットもあります。
ただし、長すぎるのはビジネスメールでは特に適切ではありませんので、上記のような定型文をさっと記載する程度にとどめましょう。その他、シーン別の例文は下記の通りです。
・I am writing to you to confirm the schedule of the coming executive meeting.
(エグゼクティブ・ミーティングのスケジュールを確認したく、メールしております)
・I would like to express my sincere apology for my absence.
(私の欠席につき、大変申し訳なく思いメールを差し上げております)
・Here is the answer for your inquiry on the products.
(商品に関するご質問について、回答させていただきます)
のちほど、これらの書き出しに対応する本文もご紹介します。
英語メールの書き出しの表現について、もう少し詳しく知りたい方は、次の記事を参照してください。
英語のメールで使える書き出し表現まとめ!用途別に適切な表現をご紹介します
伝えたい用件は簡潔に過不足なく書きましょう。また、書き出しからの流れに沿って、矛盾なく書くことも大切です。
以下で書き出しと用件の例をご紹介します。
書き出し:I am writing to you to confirm the schedule of coming executive meeting.
(ミーティングのスケジュールを確認したく、メールしております)
伝えたい用件:Would you mind reconfirming Mr. Brown’s availability on 30 November, from 8:30 AM ? Our CEO will also be available for this time slot and so as other members.
(11月30日8時30分からのブラウン様のご予定につき、再度ご確認をお願い申し上げます。CEO その他のメンバーは出席されるとのことです)
書き出し:I would like to express my sincere apology for my absence.
(私の欠席につき、大変申し訳なく思いメールを差し上げております)
伝えたい用件:I will not be there for this time due to conflict with other significant event for the company. However, Takashi Maeda, Assistant Manager, will be with you as my delegate. Please kindly welcome him, and ask him anything as you would do to me.
(会社の他の重要行事が重なってしまい、出席することができません。前田隆さんが私の代理で出席しますので、前田さんを暖かくお迎えいただき、何なりとお聞きいただければと思います)
書き出し:Here is the answer for your inquiry.
(ご質問について、回答させていただきます)
伝えたい用件:Product A is in-stock and always ready for shipping. No additional cost is needed.
On the contrary, Product B is a custom made product. It will be ready in 30 days from the date of order. In addition, an extra shipping cost of USD 30 is required for the shipment.
(商品Aは、在庫ありでいつでも出荷可能です。追加の送料は必要ありません。これに対し、商品Bはオーダーメードのため、注文日から30日以内のご用意となります。さらに追加送料が30ドル必要です。)
また、件名は用件とズレないように記載しましょう。
よくある英語メールの失敗に、件名と用件がずれてしまっているということがあります。件名には、日付を入れることや人の名前を入れることも多いので、用件を書いたら、件名と内容が一致しているかを念のため確認しておきましょう。
英語メールの結び方は、相手に求めるアクションあるいは用件の端的な要約で終わるとよいでしょう。
さっと書き出しと結びを見ると、あたかも本文を読んだのと同様の効果を持つ結びとなっているのが理想です。
次の例をご覧ください。これらは、今までご説明してきた本文に対応する結びです。
(1)I appreciate your reply at your earliest convenience.
(お早目のご返信をいただけましたら幸甚です)
(2)Again, please accept my sincere apologies. I hope I can join you soon.
(今回は大変申し訳ありませんが、またお会いできることを願っております)
(3)Hope this clarifies.
(ご質問の回答になっておりましたら幸いです)
(1)は、このメールに返信をすることが必要だとすぐに分かるものです。また、(2)はお詫びのメールであること、(3)は自分の質問に対しての回答を送ってくれていることがすぐ分かります。
結びの表現について、もう少し書き方や表現を詳しく知りたい方は、次の記事もご参照ください。
英語のメールで使う適切な結びの挨拶とは?ビジネス・フォーマル・カジュアルのシーンごとに紹介します!
英語メールの結語には「決まり文句」といったような次の表現を用います。
・Best regards,
最も多く使われる結語です。目上・初めての人にもビジネスの場面で使える表現で、また比較的カジュアルなメールであっても違和感なく使えます。
・Regards,
こちらもBest Regards 同様に広く使用されています。Best がない分、丁寧さには少し欠けるニュアンスがありますので、同僚・知っている人にとどめるのが無難です。
・Warm Regards,
こちらも比較的広く使われますが、中でも接客・教育といった場面で使われることが多いでしょう。
・Sincerely,
・Truly,
謝罪・歓迎などの趣旨のメール、あるいは教育の場面で使われることが多い結語です。ビジネスでの用例はBest Regards, などのほうがよく使われます。
英語でメールを送るときは、差出人(署名)の記載順番が日本と異なります。日本語なら、自分の名前よりも住所や、肩書・会社名が先ですが、英語では反対です。
例えば、会社のメールであれば次の順番で書きます。
(1)名前
(2)肩書・会社名
(3)会社住所
(4)連絡先
(1)Yumiko Mochizuki
(2)Manager, Marketing, Nippon Shoji K.K.
(3)1-1-XX, Kaigan, Minato-ku, Tokyo, 15X-XXXX
(4)email: yumiko.452.mochizuki@nipponshoji.xxx.com
tel: +81-90-1234-56XX
多くの場合、英文の署名・日本語の署名をテンプレートとしてメールソフトにあらかじめ入力しておくことが多いと思います。会社のテンプレートがある場合は、それを活用しましょう。
英語メールで伝えたいことをシンプルに書けるようになるために、テクニックとして2つのポイントがあります。日本語のメールを書くときより簡潔さを重視し、結論から先に短く書くこと、Please だけではない丁寧な表現の幅を増やしておくことです。
英文のメールでは、「結論」だけをメールの最初のほうに書くように心がけましょう。
こうした書き方は日本語のメールとの違いが出るところです。
日本語のメールでスケジュールの確認をするなら次のように書くことが多いのではないでしょうか。
「恐れ入りますが、~月~日の会議につき出席される皆様のご予定を確認したくお願いいたします。」予定の確認をしたい、という結論の前に多くの言葉が使われています。
ところが、同じことを伝えるのであっても、英文ではクッション言葉は落とし、次のように非常に簡潔に書きます。
“I would like to confirm the availability of attendees on (day) (month).”
日本語のように前置きをする必要がなく、端的に短い表現を使って問題ありません。なお、ビジネス英語メールは一説には長くても200語以内とも言われています。
そして結論はできるだけ文章や段落の前に出すもの、と思っておきましょう。よく英文のビジネス文書では、”Conclution First”と指導することがありますが、メールでも同じです。
先ほど紹介した通り、英語は日本に比べてストレートな表現が多いですが、丁寧な表現も多くあります。特にお願いを丁寧にするため、Please 以外の丁寧な表現の幅を広げておくことは英文メールの上達に非常に有効です。
日本人はPlease というとお願いします=丁寧と考えてしまいがちです。しかし、実はPleaseを使えば必ずしも丁寧になるとは限りません。また、Please の乱用は、時に上から目線と思われたり、思わぬ誤解を呼んだりすることがあります。
英語話者にとっては、仮定法や間接的な表現を使ったり、助動詞を工夫することがより丁寧な表現に思えるのです。
以下は、ビジネスメールでも多用する丁寧な「お願い」表現です。〜の部分には動詞が入ります。
<自分がアクションを起こすことを許可してもらうお願い>
・I would like to ~:~したいです。
・May I ~?:~したいです。
<相手に何かしてもらいたいときのお願い>
・I would like ask you to ~: ~ をお願いしたいです。
・If you don’t mind, I would like you to ~:よろしければ、~ をお願いしたいです。
・I appreciate if you could 〜:〜 をしていただけましたら、大変助かります。
・May I ask you if you do not mind ~? : 〜 をしていただけますでしょうか。
・Could you please ~ ? :〜をしていただけますでしょうか(かなり丁寧)
・Would you mind ~ing?: 〜 をしていただけますでしょうか(かなり丁寧)
英語メールは、文章に使う「文章語」を使います。そのため、口語ではよく使う言葉もメールで使うと違和感が生じてしまう場合があります。そこで次は、メールで書くときによく行われる口語表現の言い換えの例をご紹介します。
・sorry→apology
I am sorry for ~ → My apology for ~
(〜 については申し訳ありませんでした)
・thank you → appreciate
Thank you very much. →I appreciate it.
(大変ありがとうございます)
ただし、Thank you very much とI appreciate it は重ねて使うこともよく見られまする
・question → inquiry
Please let us know any questions.→ Please inform us of any inquiries.
(ご質問にお答えします)
・about → regarding
About the weather, it will be fine. → Regarding the weather, it will be fine.
(天気につきましては、問題ないでしょう)
・buy → purchase
I will buy this product. → My company has decided to purchase this product.
(この製品を買います。*会社としての「買う」はPurchase が適切)
・let you know / tell→ inform
I will let you know it → I will inform it to you.
(お知らせします)
英語メールの実際の例を留学した際・問い合わせ・取引先への3つのシチュエーションに合わせてご紹介します。ぜひ構成や表現に着目して、ご自身のメールの書き方の参考にしてください。
進路相談やコースの選択など、先生に相談したいときにアポイントを取ることも留学先ではよくあります。その場合は以下のメールを参考にしてみてください。
Dear Ms. Smith,
Hope this message finds you well.
I am writing to you to ask to share your time for consultation.
To proceed to the next stage of my academic life, it seems that choice of the course could be the key for my future. I sought some guidance from colleagues, and even course head, however, I have not concluded my choice for next year yet.
I would appreciate it if you would inform me of your availability at your earliest convenience. On your reply, I will proceed with reservation through the system.
Kind Regards,
Mariko Sawai
Year 2, Colgate college
スミス先生
お元気でお過ごしのことと存じます。
ご相談に先生のお時間を頂戴したく、メールしました。
学業生活の次のステップに進むにあたり、コース選択が将来のために重要と伺っております。他の学生やコース長にも相談したのですが、なかなか来年のコース選択を決められておりません。
できるだけ早く、先生の空き時間をうかがうことができましたら幸甚です。返信をいただき次第、システムから予約させていただきます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
沢井真理子
コルゲートカレッジ2年
次の例文では、展示会イベントでの基調講演の予定を尋ねています。
Dear Sir or Madam,
I hope everything is well with you. I am Yutaka Yoshioka, a contents planner of “Solution Monthly”.
I would like to ask you the details of the “Future with you”, which will be held at the Tokyo exhibition center. I anticipate that the keynote speech of the CEO will take place as in the previous year, and if so, could you let me be informed regarding the time and exact venue as soon as possible?
Your reply is highly appreciated.
Best Regards,
Yutaka Yoshioka
Contents Planner, Solution Monthly, The Journal Co., Ltd.
2-XX-YY, Otemachi, Chiyoda-ku, Tokyo, 10X-XXXX, Japan
email: y.yoshioka@solution.zzzz.ne.jp
tel: +81-3-33XX-1234
ご担当者様
時下、ご清祥のことと存じます。 「ソリューションマンスリー」のコンテンツプランナーをしております、吉岡豊と申します。
東京展示センターで行われます「フューチャー・ウィズユー」イベントについてお尋ねしたくメールしております。前年度同様社長の基調講演が行われるものと思いますが、いかがでしょうか。もし開催がありましたら、日時と場所についてできるだけお早目のご案内をいただきたく存じます。
ご返信を頂戴できますようお願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。
吉岡豊
ザ・ジャーナル株式会社「ソリューションマンスリー」コンテンツプランナー
次の例は、いわゆる”Thank you letter” のメール版です。新規の取引先に、ミーティングのお礼をしています。
Dear Mr. Wood,
Thank you very much for your time for the previous meeting. I truly appreciate it.
It was a wonderful chance for us to interact with you and your team, and understand thoroughly your needs by face to face meeting. As I sent you a quote separately, we have a flexible product/fee structure which may meet your business plan and budget. We also have a trial period of 90 days for ensuring user experiences.
We are looking forward to your next step. I would appreciate it if you would inform us of any inquiry.
Best Regards,
Masahiko Kimura
Sales, Sales Div. 3rd, DDM Machinery
3-XX- 14, Nishishinjuku, Shinjuku-ku, Tokyo, 16X-XXXX
email: masa.kimura888@ddmm.XXX.com
tel: +81-3-53XX-1234
ウッド様
先日はミーティングの時間を頂戴し、誠にありがとうございました。
ウッド様とチームの皆様と対面でお話しできたことで、御社のニーズに対する理解を深めることができました。別途お送りしました通り、弊社の製品群と料金体系は柔軟性があり、ビジネスプランとご予算に応じてお使いいただけます。また、90日間のトライアル期間を設けておりますので、使用感についてもご確認いただけることと存じます。
次の機会を心待ちにしております。ご質問は何なりとお申しつけください。
何卒よろしくお願い申し上げます。
木村雅彦
DDM マシナリー、営業3部
英語メールは、日本語のメールと異なるところがあります。しかし、構成を以下の通りに作り、表現を覚えておくと比較的短期間でマスターすることも可能です。
(1)件名
(2)宛先
(3)書き出し
(4)伝えたい用件
(5)結び
(6)結語
(7)差出人の情報
構成に沿って端的な表現を使うようにして、だらだら長く書くことは避けましょう。ここでご紹介した表現は、その多くがビジネスの場ですぐに使えるものばかりです。ぜひ繰り返し使って、英語メールをマスターしてくださいね。
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