みなさん、こんにちは。オーストラリア・メルボルンで競技チアリーディングの選手として留学をしている笠原園花(かさはら そのか)です。
本連載はメルボルンで留学やワーホリをしながら仕事をしている日本人に密着取材し、そのリアルな生活ぶりをお伝えする「メルボルン・留学お仕事シリーズ」第5弾! ファームジョブ編です。
今回紹介するのは、ワーキングホリデービザを利用しクイーンズランド州スタンソープにある農場「Eastern Color」でファーム業を行う、鳥羽瀬寛子(とばせひろこ)さんです。
メルボルンでフィットネスの資格を取得し仕事とすることを目標に、オーストラリアに来たそうです。
鳥羽瀬 寛子さんの自己紹介
1993年生まれ。青山学院大学を卒業後、広告代理店でウェブ広告のマーケティングに従事。3年勤務した後、退職。大好きなダンスと、フィットネス関連の資格を取得し仕事にしたいという夢を叶えるために、オーストラリアへの渡航を決意。
資格取得のための専門学校がメルボルンにあったことがきっかけで、メルボルンでの生活を決めました。現在はセカンドワーキングホリデービザ取得のため、メルボルンでの生活の前にクイーンズランド州でのファーム業を行っています。
なお、オーストラリアのワーキングホリデーについての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
ワーキングホリデーならオーストラリアがおすすめ!必要費用や条件を徹底解説
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ファームジョブは多くの場合、イチゴなどのフルーツや野菜を摘む作業を行います。中には茶摘工場での勤務など、珍しいケースもあるようです。
1年目のワーキングホリデー中に地方での農業を88日以上行うと、ワーキングホリデーでもう一年滞在できる「セカンドビザ」が取得できるとあって、多くの在豪日本人がファーム業を経験しています。
しかし、労働状況は過酷と言われることが多いのも事実。給料が出来高制のため、天気が悪くフルーツや野菜のピッキングができない日は、給料がでないといったことは日常茶飯事のようです。
そのため、多くの日本人から「ファームは辛い。」「辛くて途中でやめてしまった。」という声を多く聞きます。
一方で、鳥羽瀬さんは「ファームでの仕事は楽しい」といいます。そんな鳥羽瀬さんに、ファームで成功する秘訣や優良ファームの探し方について聞いてみました!
ファームでの一日は「朝が早い!」と、皆口を揃えて言います。さて、鳥羽瀬さんはオーストラリアでどのような一日を送っているのでしょうか?
日が昇る前の暗い中での起床。朝が苦手な人でも、ファームではこの時間に起きるのが日常となります。同じファームで働く人と共同生活となるため、寝坊して遅刻する心配が軽減されるようです。
ファームから用意されているシェアハウスから勤務先である農場までは送迎車があります。起きてから支度をして車に乗り、チーム全員で出勤です。
ファームでの業務終了時間は、収穫予定のフルーツや野菜が全て摘み終わった時です。
そのため、天気が良く実が多くなっている時は業務時間が伸びますが、天候が悪くほとんど摘むものがなかったという日は数時間で業務終了となってしまうようです。
日によって変わる業務終了時間ですが、業務が終わり帰宅した後は、友人達と外出したり夕飯を食べに行くことが多いようです。
毎日一緒に働くチームの皆とは、朝から晩まで常に一緒。本当の家族のように仲が深まります。
翌日の早起きに備えて、夜9時には就寝します。
ファームジョブがある場所は地方の場合が多いため、「周辺に遊ぶところがない」ということも。
休日には、友人達と少し遠出をして余暇を楽しむようです。鳥羽瀬さんの場合、同じ州にあるムービーワールドというテーマパークに遊びに行ったりもしたそうです。
ファームによって仕事内容や条件などに良し悪しがあるようですが、鳥羽瀬さんはどのように優良ファームでの仕事を見つけたのでしょうか?仕事探しのコツを聞いてみました。
ファームの仕事をしたいと思った時に、まず見るべき求人サイトは実はFacebookだといいます。Facebookにはファーム専用の求人グループがいくつかあり、多くの人がその情報をみて応募するようです。
必ず加入すべきFacebookグループ
「Famz オーストラリア最大の求人・ファームコミュニティ」
「Farm Kangaroo」
鳥羽瀬さんの場合、他にもFacebookの検索窓で「オーストラリア ファーム」などとキーワード検索して出てきたグループには加入してみたそうです。
下記のような、日系情報サイトにもファームの求人情報が掲載されていることがあるようです。
「チアーズ」
https://cheers.com.au
「日豪プレス」
https://nichigopress.jp
ファームで職を得るにあたって、一番安心で安全な方法は「友人の紹介」。すでにファーム業を終えた日本人に、どのファームが良かったか、どんな労働条件だったかを直接聞いてみましょう。
日本では知り得ない情報や、悪徳なファーム会社の情報などは現地で得るのがベスト。
そのためにも、ファームでの就労を開始する前に一度現地に住み、コネクションを作りながら情報収集するのが優良ファームを見つけ出す一番の方法と言えるかもしれません。
大変な作業が多いファームジョブですが、実際に働いてみてメリットや良かったことはあるのでしょうか。
シーズンにも場所にもよりますが、ハイシーズンになると収穫が増えるため、その分多くお金を稼ぐことができるようです。
鳥羽瀬さんの場合、これまでのファーム生活で一番稼いだ額が、9月のハイシーズンで1ヶ月に4,550ドル。これは日本円にして、約35万円!
シーズンでない時期を選んでしまうと、毎日働いても月に1,000ドル程度しか稼げなかったという例もあるので、シーズン・場所選びが重要です。
ファームで働く特権といえば、摘みとったその場で食べられること。
出荷不可となったフルーツや野菜は持ち帰ることもできるので、食費を浮かせることも可能です。
ファームでは予期せぬ事態がたくさん起こります。
最近では、突然の台風直撃によりほぼイチゴがほぼ全滅状態になってしまったということも実際に起きたようです。
何が起こるかわからないファーム生活を過ごすことで、臨機応変に対応する力がつき、些細なことをいちいち気にしなくなったといいます。
メリットもありますが、ファームで大変だったことやデメリットも伺ってみました。
大雨強風だろうとお構いなしで、ピッキング業務を行わなければいけません。
アウトドアに慣れていない人にとっては厳しい環境であることは間違いないです。
フルーツや野菜の収穫量が増えるシーズンになると、ほとんど毎日休みなしで一日10時間程度働くことがあるようです。
体力には自信があるという鳥羽瀬さんでも「さすがに辛かった」といいます。
先述したように、ファームの朝はとても早いです。業務が終わる時間が早いとはいえ、毎日の早起きが辛いと思う人は少なくないようです。
最後に、ファームジョブに向いている人や、向いていない人についても伺ってみました。
業務に対してガツガツと動ける人が向いていると鳥羽瀬さんは言います。
例えば、ハイシーズンになると摘めば摘むほどお金を稼げるので、まるでそこは個人対個人の戦場のようになります。
「たくさん摘むぞ!」という目標意識が高い人であればファーム業を楽しめるかもしれません。
摘むペースは人それぞれありますが、あまりに摘むスピードが遅いとクビになってしまうこともあるようです。数多く摘めないとその分の稼ぎが減ってしまうので、「全く稼げない」といって辞めてしまう人が多いようです。
ファーム業自体が泥まみれになるような仕事ですが、そもそも指定されたシェアハウスに住むことが必須となるので、そこでの共同生活ができないという人には向いていないといいます。
いかがでしたか?ファーム業に関しては、楽しめる人と楽しめない人の二つに大きく分かれてしまうようですが、目標意識が高く、体力・根性がある人にとっては、やりがいのある職業かもしれませんね。
これからファームでの勤務を考えている皆さんにとって、この記事が参考になれば幸いです。
次回のメルボルンお仕事シリーズもお楽しみに!
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