こんにちは。ドイツに1年間交換留学生として留学していた愛優です。
交換留学や私費留学など、「留学」と一言に言ってもその手段は様々です。留学の手段によって準備の内容や現地で学べることも変わってくるので、どのような形態で留学に行くべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
かく言う私も、留学を決めるまでに交換留学や私費留学など様々な手段を検討した一人です。
そこで今回は、私が実際に経験した大学における交換留学について、私費留学との違いや応募の条件等についてご紹介していきます。留学をお考えの方で留学手段について検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
[目次]
交換留学とは学校間・学部間の協定のもと、日本の大学(もしくは高校など)と協定を結んでいる海外の学校と相互に学生が留学できる制度です。条件次第では、現地の学校で取得した単位を日本の学校でも換算できます。
英語圏の国はもちろん、英語圏以外でもアジアやヨーロッパを中心に様々な国が協定大学として交換留学ができます。交換留学が行われている国は各大学によって異なります。
また協定は大学間、または学部間で結ぶものの2通りあります。大学間協定であれば、大学に所属する全学生が応募できます。しかし学部間の協定であれば、その学部に所属する学生しか応募することができないので注意してください。
実際に所属している大学や学部の協定校は、各大学、学部にある留学を管理している部署に確認したり、留学説明会に参加したりして把握してみてください。
交換留学とよく比較される私費留学ですが、この2つの留学方法にはいくつか違いがあります。
まず費用の違いです。一般的に交換留学は私費留学に比べて費用を抑えることができます。
また交換留学には大学ごとに定員数が設けられており、応募者が多い場合は、応募しても希望者全員が留学に行けないことがある点です。
学ぶ内容にも違いがあります。私費留学では一般的に語学を中心にカリキュラムが組まれています。一方交換留学では、語学の習得を目的としておらず、大学の講義へ出席したり、大学へ通う学生と交流したりといった一歩踏み込んだ文化交流が求められます。
交換留学の生活イメージやメリットは下記の記事にまとめているので、もし選択肢として交換留学がまだ腹落ちしていない場合には参考にしてみてください。
交換留学を選ぶメリットとは?英語力アップよりも専門科目を学びたい人におすすめ
大学や学部で決められた人数しか派遣されない交換留学ですが、そのために留学には一定の条件が定められています。今回は交換留学の条件としてよく挙げられる項目を4つをご紹介します。
一番大切なのは成績です。交換留学生はあくまでも高校や大学の代表として派遣されるので、それまでの学業成績や学生生活は選考の基準としてとても大切です。必要な成績は協定校などにより異なります。
成績は1年生からの積み重ねなので、GPAなどを高い水準で維持できるように日頃の勉強を疎かにしないようにしましょう。
交換留学では留学先で生活したり、講義に出席したりするための語学力が応募の段階から必要となります。
具体的な点数などは留学先や所属している教育機関によって変わりますが、積極的にTOEICやTOEFLを受けたり、語学学習を行ったりと留学前からの継続的な努力が不可欠です。
語学は一朝一夕ではないので、交換留学を考えている方は早めに語学の勉強や応募に必要なテストの対策を進めておきましょう。
交換留学では、申込の条件に加えて該当者を選定するため面接を設けている運営者が多いです。
面接では志望理由や現地での過ごし方、帰国後の展望などを聞かれ、応募者の留学が価値あるものかが審査されます。何度も書き直しできる書類の提出と異なり、面接ではたった一度の機会に伝えるべきことを相手に伝える必要があります。
その場で考えていては、回答に詰まってしまいうまく自分の留学の価値を伝えられません。交換留学の審査に面接が入っている場合には、事前の準備を念入りにしましょう。
面接でよく聞かれる項目は下の記事でまとめているので、何を聞かれるかイメージが持てない方は参考にしてみてください。
【交換留学の面接対策】頻出の質問と解答例、知っておきたい英語表現も解説!
最後の一つは、様々な留学手続きをこなす根気です。明確に大学側が設けている基準ではないですが、見落としがちな条件です。
というのも、私費留学は各種書類を提出すればビザや大学での手続きは留学を取り扱っている会社で手続きをしてくれます。しかし、交換留学となると手続きやビザの取得はすべて自らで行わなければいけません。
もちろん必要な手続きは大学から教えてもらえるのですが、万が一手続きがもれると留学に行けなくなるケースもあります。また、細かな書類作成や手続きがこなせる根気は留学前だけでなく、留学後も必要なスキルになります。
先ほどもご紹介した通り、交換留学は現地で文化交流をしたり専門の分野について講義を受けたりするため、英語力の基準が条件に含まれることがほとんどです。テストごとの点数の目安は下記のとおりです。
アメリカの大学出願の際に必要な英語資格であるTOEFL(iBT)では最低でも50以上、アメリカ以外の大学出願に多く用いられるIELTSでは5.5以上が目安となります。
TOEICでは、最低でも600以上のスコアを目指しましょう。英検が基準になることはほとんどないのですが、英検では準一級程度の英語力が必要となります。
また、上記の資格試験である程度点数があることも大事ですが、筆記試験での力やヒアリング力以外にも、現地で日常生活が送れるレベルの英語が話せることも大切です。実際に講義に出てディスカッションを行える英会話力があれば留学中も困りません。
留学先の大学によっては、TOEICやTOEFLである一定の点数を持っていないと留学できないという規定を設けている大学もあります。交換留学を検討している方は、応募前に語学の基準も必ず確認するようにしましょう。
交換留学の基本がおおよそ分かってきたところで、どのような人が交換留学に向いているのかもご紹介していきます。
交換留学は語学を学ぶというよりは、留学先の大学の講義に実際に参加したり、現地の学生と交流したりすることが求められます。そして実際にその機会が多くあります。
積極的に現地学生のコミュニティに入ることができれば、より現地の生活を体験できますし、実際に現地の友達の家庭に招待してもらえることもあります。
とはいえ、大学によっては交換留学生用の語学コースが用意されている大学もあります。また語学コースがなくても、講義中や寮生活の中でも自然に語学の勉強はできます。まったく語学の勉強ができないというわけではありませんのでご安心ください。
交換留学では、留学先の大学で取得した単位を日本の大学の単位に認定することが可能な場合があります。
私費留学であれば大学を1年間休学して留学に行く場合がほとんどですが、交換留学は大学に在学中のまま留学できます。なおかつ単位を日本の大学での単位として認定することもできるので、単位取得計画を綿密に組めば4年で卒業することも十分に可能です。
一定の条件を満たす必要があるケースが多いので、単位認定される条件は事前に確認しておきましょう。
先ほどもお話したように、交換留学と私費留学ではかかる費用面に大きな差があります。一番大きい部分は学費です。私費留学では学費だけで年間数百万かかる大学もありますが、交換留学は日本の大学へ通常通り学費を納めていれば留学できます。
さらに、交換留学制度を使えば大学やJASSO(日本学生支援機構)から給付型の奨学金を受け取ることもできます。費用面から留学を諦めてしまうのはもったいないです。事前に必要な金額や利用できる奨学金をリサーチしてみた上で、交換留学を検討してみてください。
留学経験を就職活動でアピールしたいと考えている方は、語学留学よりも交換留学がおすすめです。
交換留学では、大学など第三者が留学の価値を認めた人のみプログラムに参加できるため、誰でも行ける語学留学と比べると希少性は高く、アピールに使いやすいです。
もちろん留学の価値は目的、現地での体験、学んだこと、考えたことによって決まりますが、評価のされやすい留学手段としても一つ選ぶ理由があるのが交換留学です。
英語圏への留学を考えている方であれば、留学先によって費用がどれくらい異なるのか気になる方も多いと思います。今回は留学主要5か国の費用をまとめてみました。
下記で紹介している渡航費は時期や航空会社によって、寮費は大学や寮によって異なります。また、生活費は外食や遊びに行く頻度で変わります。あくまでおおよその一例としてご参考ください。
渡航費 | 5~15万円 |
---|---|
ビザ代金 | 約4万円 |
寮費 | 7~15万円/月 |
生活費 | 5~10万円/月 |
渡航費 | 5~15万円 |
---|---|
ビザ代金 | 約1万円 |
寮費 | 5~10万円/月 |
生活費 | 7~12万円/月 |
渡航費 | 5~15万円 |
---|---|
ビザ代金 | 約2万4千円 |
寮費 | 5~13万円/月 |
生活費 | 4~10万円/月 |
渡航費 | 3~15万円 |
---|---|
ビザ代金 | 約4万5千円 |
寮費 | 8~13万円/月 |
生活費 | 5~10万円/月 |
渡航費 | 3~15万円 |
---|---|
ビザ代金 | 約5千円 |
寮費 | 6万5千~8万円/月 |
生活費 | 5万~10万円/月 |
どの国も外食するとどうしても高くついてしまうので、外食を減らし自炊をすれば生活費を抑えることができます。この他にも、海外旅行保険代金が1年間あたり15~25万円程度かかります。
交換留学は高校・大学などの教育機関、自治体、民間団体などがプログラムを運営しています。ここではいくつか例を出し、具体的にどのような団体が交換留学プログラムを用意しているのかをご紹介します。
もし参加できるプログラムがない場合は自分の所属している教育機関、自治体などは交換留学プログラムを運営していないかなどを調べてみてください。
下記にいくつか大学の交換留学の情報をまとめてみたので、もし自分が所属する大学があればご覧ください。
大学名 | 交換留学情報掲載ページ |
---|---|
近畿大学 | 近畿大学「交換・派遣留学制度」 |
慶應義塾大学 | 慶應義塾大学「交換留学について」 |
北海道大学 | 北海道大学「北大の交換留学制度」 |
早稲田大学 | 早稲田大学「留学プログラム」 |
日本大学 | 日本大学「留学・国際交流」 |
立命館大学 | 立命館大学「交換留学」 |
中央大学 | 中央大学「留学希望者」 |
筑波大学 | 筑波大学「海外留学を希望する方へ」 |
同志社大学 | 同志社大学「海外留学プログラム」 |
立教大学 | 立教大学「派遣留学」 |
下記に留学プログラムを運営している自治体をいくつかまとめましたので、自分が今住んでいる都道府県にはどんな留学プログラムを持っているか見てください。
都道府県名 | 留学プログラムのある自治体例 |
---|---|
東京都 | 東京都教育委員会「次世代リーダー育成道場」 |
東京都 | 大阪府「おおさかグローバル塾」 |
埼玉県 | 埼玉県「奨学生派遣事業」 |
北海道 | 北海道教育委員会「北海道・アルバータ州高校生交換留学促進事業」 |
福岡県 | 福岡県「福岡県アンビシャス外国留学支援事業」 |
静岡県 | 静岡県「日中青年代表交流」 |
下記に交換留学プログラムを運営している団体を紹介します。主には高校生を対象としたプログラム多いですが、中学生を対象としたプログラムも一部あります。
最後に交換留学をする上で注意すべきポイントをご紹介します。
ここまでお話したように、交換留学は語学留学と異なり、留学先で講義を受けたり現地の人と文化交流したりという側面があります。語学を勉強することはもちろんですが、日本とは異なる国で専門分野の勉強ができるチャンスでもあります。
自分の専門分野でも、新しく勉強してみたい分野でも構いません。留学先で何を学びたいかを明確に持っておくことが大切です。
これらを明確に持っていると、応募の際だけでなく実際に留学に行ってからも充実度が大きく変わってきます。
これは4年で卒業したい方には特に重要なポイントです。単位の中には所属する大学の単位に認定できるものとできないものがあります。
事前にどのような講義が単位認定してもらえるのか、また認定してもらえないのであれば留学前と留学後の単位を併せて本当に4年で卒業できるのか、などをしっかりと確認しておきましょう。
交換留学に行く際は、奨学金や大学が用意している寄付金を利用することができます。私の大学ではJASSO(日本学生支援機構)の給付型の奨学金とは別に、大学独自の渡航費用を給付してくれる奨学金がありました。
金銭的に留学に行くのが難しいという方でも、奨学金を利用すると個人的な負担額をかなり抑えることができます。中には留学への応募と同時に応募しないといけない奨学金もあるので、事前に必ず確認しましょう。
留学に使える奨学金まとめ!”あなたに合った”がきっと見つかる
交換留学についてご紹介しましたが、交換留学の特徴は分かりましたでしょうか。費用を私費留学と比べて抑えることができたり、大学を休学することなく4年で卒業することもできたりとメリットがたくさんある留学方法です。
しかし一方で交換留学は応募の際のハードルが比較的高かったり、留学手続きや渡航準備など、しなければいけないことも増えたりします。特に語学の準備や大学の成績はすぐに結果がついてくるわけではないので、早めに準備を始めるようにしましょう。
ご紹介したポイントを踏まえて交換留学を検討してみてください。みなさんにぴったりの留学方法が見つかりますように!
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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