「ヨーロッパでワーキングホリデーをしたい」
「でもどの国でできるのかな」
とお悩みではありませんか?
2023年8月現在、ヨーロッパの20の国が日本とワーキングホリデー協定を結んでいます。以前から人気のイギリスやフランスを始め、最近追加されたイタリアやフィンランドなど、選択肢は幅広いです。
しかし数が多すぎてどこにすれば良いのか分からない、そもそもどんな国なのかあまり知らない人もいるのではないでしょうか。
そこで今回はヨーロッパでワーキングホリデーができる国の特徴や条件をまとめました。
またヨーロッパをワーキングホリデー先に選ぶメリットや注意点なども解説します。
最後におすすめの国もピックアップしているため、欧州でのワーキングホリデーを検討している人は参考にしてみてください。
なお、ワーキングホリデーでできることや費用、後悔しないためのポイントなどは下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
ワーキングホリデー
※本記事は2022年11月現在の情報をもとに作成しています。
[目次]
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まずヨーロッパのワーキングホリデー対象国について、特徴や条件を紹介します(※1)。
東欧では次の3ヶ国でワーキングホリデーが可能です。
ハンガリーは2017年からワーキングホリデーの対象国となりました。ブダペストを中心に美しい建物や景色が見られる国です。
ヨーロッパの中では物価が安く、0.33mlの水が約117円で購入できます(※2)。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
200 | 18〜30歳 |
ポーランドはドイツやチェコと国境を隣接し、ワルシャワを首都とする国です。ショパンを始めとした有名音楽家をたくさん輩出しており、クラシックから民族舞踊まで幅広い芸術文化を楽しめます。
ポーランドもヨーロッパの中では物価が安いため、費用を抑えながら音楽など興味関心のある分野を学べるでしょう。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
500 | 18〜30歳 |
チェコは2018年よりワーキングホリデーの協定国となりました。先ほど紹介したポーランドと隣接しており、小さいながらも美しい街並みや食事、文化などさまざまな一面が見られます。
チェコにはヨーロッパ中世の街並みが残っており、特にプラハの街並みがまるで童話の世界のようにきれいです。代表的なプラハ城やミュシャが手掛けた聖ヴィート教会など、美しい観光スポットを多数楽しめます。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
400 | 18〜30歳 |
続いては西欧の国として、
を紹介します。
アイルランドは日本人からすると馴染みがないかもしれませんが、実は英語を母国語としていることから英語留学先として人気です。日本人の少ない環境で英語を学ぶことができます。
アイルランドといえば、パブ文化。街中には多数のパブがあり、お酒を飲みながら現地文化をしっかりと体験することも可能です。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
800 | 18〜30歳 |
イギリスは2023年まではビザの発給が抽選で数に限りがありました。2024年から発給数は大幅に増え、先着順での発給に変更になりました。有効期限が最大2年であるため、他の国より長く滞在できます。
ファッションやアートが盛んで、有名ファッションブランド誕生の地として有名です。Vivienne WestwoodやJIMMY CHOOなど、有名ブランドの本店を訪れることもできます。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
6,000 | 18〜30歳 |
ドイツはチェコやオランダ、ベルギーなどと隣接しており、海や山、川など自然がたくさん見られる国です。
ヨーロッパの中では物価が安く、0.33mlの水が約320円ほど(※3)。治安も安定していると言われており、長期滞在しやすいです。
またドイツといえばビールとソーセージが有名ですよね。物価も安い分、食べ歩きや飲み歩きを楽しみやすいです。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
フランスは芸術や食文化、ファッションの中心地として数多くの観光客が訪れています。世界遺産が49ヶ所あり、この数は世界4位になるほどです(※4)。
ワーキングホリデー期間を活用して、各都市の食事を楽しみながら世界遺産を巡るのも良さそうですね。
ビザ発給数 | 対象年齢 | その他条件 |
---|---|---|
1,800 | 18〜30歳 | 労働時間が年間964時間まで |
続いては中欧の国として、
を紹介します。
スロバキアは2016年からワーキングホリデーの協定国となりました。ハンガリーやポーランド、チェコと隣接しており、中世のような街並みが特徴的です。
スロバキアは国土のほとんどを西カルパチア山脈に連なる山岳地帯が占めています。観光地化されていない秘境タトラ山麓もあり、週末にハイキングなど自然を感じる外出を楽しむこともできます。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
400 | 18〜30歳 |
オランダはベルギーやドイツと国境を接しており、アムステルダムを首都とする国です。チューリップ畑や運河、風車といったイメージが強いのではないでしょうか。
実際に数多くのチューリップが育てられている上に、風車は現在も1,000基ほど残っています。
その他には自転車もよく使われており、通勤や通学で自転車を走らせる人を多数見かける国です。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
200 | 18〜30歳 |
オーストリアはドイツやチェコ、ハンガリーと国境を接しています。国の3分の2はアルプス山脈が占めているほど自然豊かで、小さい国ながらも壮大な自然を楽しめます。
中央ヨーロッパのほぼ中心に位置するため、近隣国へアクセスしやすいです。週末にヨーロッパの周辺国へ旅行したい人にはおすすめです。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
200 | 18〜30歳 |
続いては北欧のワーキングホリデー先として、
を紹介します。
アイスランドはヨーロッパの端にある島国です。人口は35万人程度と少ないながらも、オーロラなど美しい景色を求めて毎年多数の観光客が訪れます。
コンパクトで自然豊かな環境からか穏やかな雰囲気があり、治安も良いです。
ただしビザ申請は26歳まで、枠も30と少ない点はご注意ください。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
30 | 18〜26歳 |
フィンランドと日本は、2023年5月にワーキングホリデー制度を開始しました。
フィンランドはムーミンゆかりの地のため、現地にはムーミンワールドというテーマパークが造られています。またマリメッコもフィンランド発祥のブランドのため、日本より低価格で買い物できることもあります。
ムーミンやマリメッコが好きな人は、好きなものに囲まれながら現地生活を体験することが可能です。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
スウェーデンは2020年からワーキングホリデーの対象国となりました。
寒いイメージがあるかもしれませんが、実はストックホルム周辺は北欧のベネチアと呼ばれる水の都です。水のある街並みと自然がうまく調和している様子が美しいと言われています。
物価はやや高いものの、自然と都会両方の雰囲気を味わえる国です。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
ノルウェーはフィンランドやスウェーデンと並ぶ北欧の雪国で、オーロラが見れる地域として有名です。寒い地域ですが、オーロラが見れたときは一生忘れることができないほどの思い出となります。
留学先としては国籍を問わず国立大学・大学院の教育費が無料という点が魅力です。
ワーキングホリデーで大学や大学院に通うことはできませんが、将来大学留学を考えている人は下見として、一度ワーキングホリデーを使って生活してみるのもおすすめです。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
エストニアはバルト三国の中でもっとも北に位置する国です。
エストニアの特徴はあらゆる面で電子化が進んでいること。たとえばほぼすべての行政サービスは電子化されており、手続きをスムーズに進めることが可能です。
スタートアップ企業なども多数誕生している環境のため、将来起業したい、DX化に興味がある人にはおすすめです。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
ラトビアはバルト三国の真ん中にある国で、首都のリガを中心に栄えています。2023年からワーキングホリデー制度が導入されました。
リガが海に近いことから、長いビーチがあることが特徴。自然がありながらも街は中世のような街並みが残り、その不思議な景観はラトビアだからこそ見れる景色でしょう。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
100 | 18〜30歳 |
リトアニアはバルト三国の中でいちばん下にあり、2019年から日本とワーキングホリデー協定を結んでいます。
聞き慣れないかもしれませんが、第二次世界大戦において杉原千畝がビザを発給していた国と聞くと分かる人もいるのではないでしょうか。
首都ヴィリニュスの旧市街が世界遺産に登録されているほど美しく、リトアニアの歴史と文化が詰まった観光地としても楽しめます。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
100 | 18〜30歳 |
最後は南欧の国として、
を紹介します。
スペインは2017年から日本のワーキングホリデー協定国となりました
現在も建設中のサグラダ・ファミリアやガウディの建築など、魅力的な観光スポットが多数あります。バルセロナで観光を楽しんだ後、おいしいパエリアや生ハムを食べるのも楽しそうですね。
スペイン語を学べる場でもあるため、英語以外の言語を習得したい人にもおすすめです。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
500 | 18〜30歳 |
ポルトガルはスペインの西側に位置し、首都のリスボンを中心とした国です。
ヨーロッパでも特に物価が安い国として知られており、0.33mlの水は1ユーロ(約144円)ほど(※5)。滞在先や食事方法を工夫すれば、生活費を抑えながら生活できます。
公用語はポルトガル語ですが、ポルトガル語を習得すればブラジルなど他の地域でも活用できます。今後の仕事や旅行に活きる可能性もあるでしょう。
ビザ発給数 | 対象年齢 |
---|---|
制限なし | 18〜30歳 |
イタリアは2022年5月頃に日本とのワーキングホリデー協定が決定しました。ビザ情報はこれから公開されますが、基本的には18〜30歳を対象に1年滞在できるようです。
イタリアはベネチアなど美しい街並みからピザやパスタといった食事まで、幅広い文化を楽しめます。語学学校では語学と料理やファッションなどを学ぶコースもあり、幅広い知識を習得することが可能です。
続いては、ヨーロッパでワーキングホリデーするメリットとして、
を紹介します。
ヨーロッパはすべての国で物価が高い訳ではありません。東欧など一部の国・エリアはまだまだ物価が安く、0.33mlの水が1ユーロ程度で購入できるほどです。
たとえば先ほど紹介した中だと、次の国です。
ワーキングホリデーはアルバイトできるため、お給料で生活費も賄えるとワーキングホリデー費用を大きく抑えることもできます。
ヨーロッパは物価が高いからと諦めずに、各国の物価を調べて安い国を探してみてください。
ヨーロッパは陸続きのため、隣国へのアクセスが良いです。またシェンゲン協定に加入している国同士は入国時にパスポートの提示が必要ないため、移動がスムーズです。
さらには陸続きのため、移動手段としてバスも多数運行されています。バスは飛行機に比べると時間はかかりますが、隣同士の国だと数千円で移動できることもあるほど安いです。
旅行も楽しみたい方にとって、ヨーロッパはアクセス面でも金銭面でもおすすめです。
ヨーロッパでワーキングホリデーをする日本人はまだまだ多くありません。
しかしその分現地で日本人と出会うことも少ないため、日本語を話してしまったり日本人とばかり交流してしまったりする恐れがなくなります。
英語や現地の言葉を使う機会が増え、語学習得のスピードは早くなることが期待できます。
ヨーロッパでのワーキングホリデーには、次のデメリットもあります。
ひとつずつ解説しますね。
ヨーロッパには物価が安い国も一部ありますが、たとえばイギリスやフランスといった人気の国は物価が高いです。
日本よりも物価が高いため、節約をしながら生活する人も多いです。コストを抑えつつワーキングホリデーを楽しみたいなら、イギリスやフランスといった国は避けるか、ある程度の貯金を持って渡航するようにしましょう。
先ほど紹介したように、ヨーロッパには新しいワーキングホリデー協定国もたくさんあります。
人気国だと細かい部分まで情報が網羅されていますが、たとえばイタリアやフィンランド、ラトビアなどは2022年に決定したばかりのため、ワーキングホリデーの情報はほとんどありません。
日本人のワーキングホリデー経験者が少ないため現地の仕事や学校に関する情報がまだまだ少なく、事前準備に時間がかかる可能性も考えられます。
不安な場合は留学エージェントに相談するのがおすすめ。ワーキングホリデーに限らずその国の留学経験者を知っていたり、現地情報を持っていたり、計画から現地生活までをサポートしてくれます。
情報の探し方を工夫するか、よく知っている人・企業を頼ることをおすすめします。
ヨーロッパにはドイツやフランス、スペインなどその国の言語を持っている国が多いです。英語も通じますが、現地の人は母国語を使って生活しているため、現地の言葉もある程度理解できた方が過ごしやすいです。
特にアルバイトとなると現地の人と働く、接客をする必要があるため、語学力は必須となります。
渡航の3〜6ヶ月前から勉強を始め、日常会話レベルは理解しておくのが理想です。
ヨーロッパは日本との時差が大きく、連絡を取りやすい環境とは言えません。
国によって異なりますが、基本的に時差は7〜9時間。日本にいる家族や友人と電話をする際は、こちらの早朝または夜中に連絡を取るなど工夫が必要です。
ヨーロッパでワーキングホリデーをする際、楽しく日常生活を送るにはいくつか注意点があります。
代表的な注意点として、
を紹介しますね。
ヨーロッパは日本ほど治安が良いとは言えないため、スリや窃盗もよく発生します。
たとえばポルトガルではクレジットカード利用が一般的なため、「外国人は現金を持っている」と考えられ、スリや盗難の被害に遭いやすいと言われています(※6)。
多額の現金は持ち歩かない、カバンは前に抱えて持つなど、防犯対策はしっかりとしておきましょう。
ワーキングホリデーは1年と長期滞在な上に、物価の高い国ではどうしても多くの生活費用が必要です。
ワーキングホリデー中にアルバイトをすれば生活費を賄えると考える人もいるかと思いますが、現地ですぐに仕事が見つかるとは限りません。
むしろ語学力が高くない、スキルが足りないといった理由から不採用が続くケースも見られます。
アルバイトをしなくてもしばらくは生活できるように、余裕を持って貯金しておきましょう。国にもよりますが、150〜200万円はあると安心です。
ここまでを読んで「ヨーロッパへのワーキングホリデーを決意したけれどいろんな国があって選べない」という人もいるのではないでしょうか。
そこで最後に、ヨーロッパの中で特にワーキングホリデーにおすすめの国を紹介します。国選びに迷っている人は参考にしてみてください。
イギリスはヨーロッパのワーキングホリデー協定国の中でも特に人気です。
その理由は次の2点。
語学を学びながら長く海外に滞在したい人にはおすすめです。
イギリスのワーキングホリデー詳細はこちら
ドイツは先ほども紹介したように、ヨーロッパの中では物価が安いです。また公用語としてドイツ語と英語を使うため、2ヶ国語を学びたい人にもおすすめです。
その他のポイントは次の通り。
歴史や語学を学びながら滞在すると、よりその国のことを深く知ることができそうですね。
スペインはサグラダ・ファミリアといった観光スポットが多い、食事がおいしいことで有名な国です。ワーキングホリデーが始まって年月は浅いですが、すでにたくさんの日本人がワーキングホリデーで渡航しています。
おすすめポイントは次の通りです。
スペイン語は中南米でも使用されるため、勉強しているとその後中南米での旅行やワーキングホリデーに役立ちます。今後スペイン語圏の別の国に行きたい人には特におすすめです。
アイルランドは先ほどもお伝えしたように、英語を母国語とすることから英語留学先として人気の国です。ワーキングホリデーでも語学学校に通えるため、英語をしっかりと学びたい人におすすめします。
語学学校に通うのは授業料が必要になるため、物価が安いと少しでも費用を抑えることができるでしょう。
イタリアは2022年に追加されたばかりですが、食事や観光スポット、芸術など魅力がたくさんある国です。
特に語学学校では英語だけでなく、料理などを学ぶこともできます。英語以外のスキルを身に付けたい、本場で学びたい人には最適な環境です。
今回はヨーロッパでのワーキングホリデーについてまとめました。
ビザの発給数が限られていたり、一部の国は物価が高かったりハードルが高い面も見られますが、自然豊かで美しい景観が多いエリアでもあります。
特に中世の街並みが残っているのは欧州ならではであり、建築や美術に興味がある人には学びのある環境です。
国や滞在都市を工夫すれば、費用を抑えることも可能です。
今回の記事を参考にしながら、自分はどの国が良いのか、じっくりと考えてみてくださいね。
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※1...外務省「ワーキング・ホリデー制度」(参照日:2022-11-26)
※2...NUMBEO「Cost of Living in Hungary」(参照日:2022-11-26)
※3...NUMBEO「Cost of Living in Germany」(参照日:2022-11-26)
※4...UNESCO「World Heritage List Statistics」(参照日:2022-11-26)
※5...NUMBEO「Cost of Living in Portugal」(参照日:2022-11-26)
※6...外務省「ポルトガル」(参照日:2022-11-26)
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