留学を迷っている人の中には、帰国後の就職活動が不安で留学に踏み切れることができない人もいるかもしれません。
実際のところ、留学経験があるだけでは就職活動を有利に進めることは難しいです。しかし明確な目的意識を持ち、留学中に価値ある経験を積めば、留学後の就職活動で留学経験を活かすことができます。
今回は、留学後の就職活動の実情、留学経験を活かして就職活動を有利にするためのポイントについて説明していきます。留学に行くか迷っている人はこれを読んでどうすれば留学を成功させられるか、一緒に考えていきましょう。
[目次]
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まずはじめにお伝えする必要があるのが、今の時代、留学へ行っただけでは就職で有利にはならないことです。
どうしてそんな状況になっているか。ここでは2つ理由をご紹介して、現在の留学を取り巻く環境を考えていきたいと思います。
留学では、海外で英語や専門分野を学びにいくことを目的としています。現地で活きた英語に触れる、ある分野で先進的な国へ行き学問を学ぶなど、留学では実際に海外へ出ることで学ぶメリットが多くあります。
しかし近年のインターネットサービスの充実化で、国内にいながら自分の興味あることを学ぶことができるようになりました。
例えばオンライン英会話では、海外に住んでいる英語話者とオンライン上で会話でき、海外の活きた英語に自宅にいながら触れられます。またハーバード大学やスタンフォード大学をはじめ、海外の大学ではインターネット上で無料で授業を公開している教育機関も増えています。
こうなってくると必ずしも現地に行って学ぶという経験が価値を持つことは難しくなってきます。
留学事業者団体の一般社団法人海外留学協議会(以下、JAOS)の発表によると、日本人留学生数は近年増加傾向にあり、2014年度64,988人だった留学生(※1)は、2018年には8,0566人まで増えています(※2)。
なお、JAOSでの統計はJAOSに属する留学エージェントを利用しての留学生の統計となっており、独立行政法人日本学生支援機構などが発表する留学生人口なども加味すると、日本人の年間留学生数はおおよそ20万人ほどと推定されています。
振り返ると2010年代には、文部科学省が展開する「トビタテ!留学JAPAN」の始動をはじめ、留学へ行こうという気運が高校、大学を中心に高まりました。
そうなると出てくるのが、留学の一般化。留学へ行くことが普通のこととして捉えられるようになることです。
就職活動は当然のことながら他の応募者と自分を差別化し、競争に勝っていくことが求められます。多くの人が留学を経験する中では、留学へ行った経験のみで就職活動で価値を示すことはかなり難しいのが実情です。
参考:※1...留学事業者36社による日本人留学状況調査、※2...一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査2019
留学の取り巻く現在の環境をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。これから留学へ挑戦しようと思っている方にとっては耳が痛くなる状況かと思います。
しかし今お伝えしたのは、あくまで”留学をしたという事実”のみをアピールするのは難しいということです。しっかりと目的意識と行動の積み重ねのある留学経験をし、得た学びを自分の言葉で伝えられれば、就職活動で留学経験をアピールすることができます。
ここでは留学を経験した学生や社会人がどのように就職活動でアピールしたかをご紹介します。
高校時代にオーストラリアへ交換留学したMimiさんは、留学を経て第一志望の旅行会社の内定と希望部署の配属を獲得しました。
評価されたポイントは語学力とバイタリティー。Mimiさんが配属された支店は内閣府などの官公庁や国際機関を中心とした顧客を持ち、1番英語力を必要とする支店でした。
そういった職場で求められていた人材像にMimiさんの経験、能力は高く評価されたようです。
詳しい体験談はこちらから読むことができます。
hiroeさんは4年勤めていた会社を辞め、イギリスのロンドンに6カ月留学へ。帰国後は前職の経験を活かせる環境コンサルタント会社への就職を獲得しました。
就職活動中は留学に行って、何を経験し何を感じたか、どう変わったのか、そして英語力はどうなのかという点をアピールポイントに面接を行ない、無事就職先を見つけました。
留学へ行ったことはあくまで事実。その経験から何を学んだかを具体的なエピソードと交えながら面接官に伝えることが社会人の就職では必要なポイントです。
詳しい体験談はこちらから読むことができます。
留学後の就活では、留学がうまくアピールできれば有利に働きます。しかしその一方で留学生の中には就活に失敗してしまう人も多くいます。
特に就職活動のアピールで留学した事実自体が価値を持ちづらくなった今、留学経験・自己アピールで何に気をつけなければいけないかはしっかりと確認しておきましょう。
留学経験がある場合、就職活動の面接時には留学した目的や理由を必ず面接官から聞かれるでしょう。その際、就職活動で失敗してしまう人は「どういった目的で、なんのために留学をしたのか」ということを明確に説明できていない場合が多いです。
明確に留学経験の内容を説明できない原因としては、留学の振り返りがうまくできていない、そもそも目的を十分に意識せず留学してしまった場合がほとんどです。
特に留学生のアピールとしては、「海外で暮らして、現地の人々と交流して将来に対する視野を広げたい」、「英語を話すことができるようになりたい」などの理由を挙げる人が多いです。先ほどもお伝えしましたが、そもそも留学生が多い今の状況では、より理由に説得力、具体性が求められます。
他の留学生との差別化も考え、留学へ行った理由は留学期間、留学先、留学中の体験、将来像などの選択に紐づくレベルで具体的に持ちましょう。
留学生の多くは就活時、自己アピールで留学の話をすることが多いです。その際注意しなければいけないのが、留学という行為だけをアピールしていないかということです。
留学を経験したことはもちろん素晴らしいことです。しかし留学したことだけをアピールするのでは、企業にとって特に採用ポイントにはならず、場合によっては不利にさえなる恐れがあります。
留学でどう成長したか、そういった留学の前後での変化を自分自身で考え、自分の強みをアピールする必要があります。
留学は誰でもできる経験ではありません。キャリアアップや自分の将来の選択肢を広げるために留学をする人がほとんどでしょう。
しかし注意しなければどんなに努力して語学力をつけても、全く評価されないこともあります。
せっかく留学というすばらしい経験をしたのだから、就職活動でも活かしていきたいですよね。ここでは、留学経験を活かし就職活動で有利になるための6つのポイントを紹介します。
何度もお伝えしていますが、留学をする際には「なぜ留学をするのか」ということを明確にしておきましょう。「なんだか留学って聞こえがいいし、かっこいいイメージがあるし就職に有利そうだから」という理由で留学をするのは決しておすすめしません。
留学の目的がこのように「就職」を意識したものにすり替わってしまうと、特に主体性のない留学に終わってしまいがちになります。主体性のない留学を送ると、就職活動の際、留学の振り返りがあいまいなものになってしまうことが多くあります。
企業の人事担当者が海外留学経験者を採用する際に重要視するのは留学目的や留学内容、留学での学びです。
「どういった目的で留学に行き、そこでどんなものを得て、どういうように成長したのか」ということをはっきりと説明できることで、主体性のある人物だと思われることにもつながります。
面接の際に、きちんと自分自身の言葉で留学の経験を答えられるようにしておきましょう。
他の留学生がどのような目的で留学へ行ったかを下の記事で紹介しているので、自分の言葉で十分に目的を作りきれないときには参考にしてください。
どうしてみんな留学するの?留学経験者の留学理由や目的とは
留学期間は目的によって異なります。もし留学を検討する中で目的がうまく作れない場合、いきなり長期で留学へ行くのではなく、まずは短期留学へ行くことをおすすめします。
1週間〜1ヶ月ほどの留学期間であれば、夏休みや春休みなどの長期休みを利用して経験でき、休学をして卒業時期が遅れることもありません。短いながらも留学経験を得ることで、改めて長期留学へいく必要があるのかをより具体度を持って検討することができます。
海外に留学したことで語学などのスキルも身に付けたことから、せっかくなら語学を使う仕事に就きたいと考えるかもしれません。そう思ったら一度、志望理由を掘り下げて考えてみましょう。
「外国語を使う仕事ってなんだかかっこいい」「せっかく身に付けた語学力を無駄にしたくない」というような安易な志望理由が浮き彫りになってきませんか。
留学を経験したのだから語学を使った仕事をしたいという気持ちが出てくるのは当然のことです。ですが就職活動がうまくいかない場合には、語学を使う仕事ばかりにこだわらないようにしましょう。
どの企業がどのタイミングでご学力のある人材を募集するかはタイミングによってまちまちなので、今希望する求人がない場合は、一度別に職につき、求人がで始めた頃に転職を検討してみてください。
留学が終わり日本に帰国すると、少しゆっくりしたいと思うかもしれません。休憩したい気持ちは分かります。しかし、帰国後はなるべくすぐに就職活動を行うようにしましょう。
なぜかというと、就職活動をするまでに空白期間があることを企業は嫌う傾向にあるからです。動かない時間を短くすることで就職活動へのモチベーションを維持するのにも役立ちます。
また、より就職活動をスムーズに行うために、帰国前の留学中に就職活動を行うことも重要です。例えば、隙間時間を有効活用して、自己分析をしたり、エントリーシートや履歴書の作成に取り組むのもいいでしょう。
最近では、海外にいてもスカイプなどのアプリケーションを利用してオンライン上で企業と面接が行えるようになりました。このような場所を選ばない、インターネット上でできる就職活動を行うことも有効的です。
留学中に内定が取れちゃう? 留学中の就活事情、対策について
留学で得たものや成長できたものを説明することはもちろんですが、留学中どのくらい頑張ったのか企業にアピールできる材料を用意しておくのも大切です。
例えば、目に見えて分かるものとしてTOEICやTOEFLは有用的です。特に、語学学校で留学した人はTOEICやTOEFLなどのスコアを取っておくべきでしょう。留学前と留学後でスコアの違いを比較できるようにしておくこともおすすめします。
もちろん、語学力だけが採用の決め手になることはありません。しかし、TOEICやTOEFLは簡単に数値化できるものなので企業が留学経験者を評価する際に役立つでしょう。
就職活動時には、自己主張はほどほどにした方が良いです。企業によっては「留学経験者は自己主張が強くて扱いにくい」というマイナスのイメージを抱いているケースがあります。
実際、留学中は自分の意見を周りにはっきりと主張しないといけない場面が出てくるかもしれません。そのような環境にいるうち、自己主張をすることが普通になっているかもしれません。
しかし、日本で就職活動をおこなう場合、給与などの待遇面に関して自分の主張ばかりを企業に伝えるのはあまりいい印象が抱かれません。まずは、自分が企業にとってどのように貢献できるのか、自分のどんな部分がその企業とマッチしているのか伝えるようにしましょう。
以上、留学経験が就職活動や転職活動において有利になるのか、また有利にするためのポイントについて紹介しました。留学経験は語学力を伸ばすことができるだけではありません。自分自身の成長にもつながる素晴らしい経験を体験することができます。
せっかくの留学経験を活かすためにもしっかりと準備をして就職活動に備えていきましょう。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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