こんにちは、ロンドン在住のMayです。ロンドン在住17年目となった今、渡英したての頃は珍しかったいろいろなことが、今ではすっかりと日常になってしまった感はあります。
とはいえ、ここ何年か日本に帰国する機会が増し、逆に「あら、日本ってこんなだっけ?」という意味で両国の文化の違いを感じる今日この頃でもあります。
イギリスの生活は一見、日本とさほど変わらないようにも見えますが、実は日本にない文化や日本とは違う習慣などが数多くあります。今回はそんな中から6つ特徴的なイギリスの文化をご紹介したいと思います。イギリスに来られたらきっと「ああ、なるほど、このことか!」って思われますよ。
なお、イギリスの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
イギリスのおすすめ観光スポット・イベント・グルメを紹介!
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ロンドンではあちこちで見かけるチェーンのカード・ショップ。今の時期はイースターのカードがたくさん並ぶ。
日本ではお正月に年賀状、夏に暑中見舞いのハガキを送ったりする習慣がありますが、イギリスでは何かと折に触れてカード(グリーティング・カード:Greeting Cards)を送る習慣があります。街のあちこちにカード専門店を見かけたり、デパートだけでなくスーパーマーケットにまで必ずグリーティング・カードのコーナーがあるほどです。
そもそも印刷されたクリスマスカードが初めて一般に販売されたのは19世紀半ば。当時郵便制度の大改革で軽量郵便物が全国統一の格安価格で送れるようになったことでも拍車がかかり、クリスマスカードを送ることが流行し始めました。以降、印刷技術の進歩に伴い、大量生産が可能になると、ますます多くの人たちの間でクリスマスカードが送られるようになりました。
人気デパートのグリーティング・カード売り場。アート、ユーモアなどカテゴリー別の品ぞろえも。
さて現在のイギリスではクリスマスにとどまらず、ありとあらゆる状況にグリーティング・カードが使われます。日本でもカードを送る機会のある行事としては、誕生日、クリスマス、結婚式、出産祝いなどがあげられると思います。
それらに加えてイギリスでは、イースターやバレンタイン・デー、母の日、入学・卒業などのお祝い事だけでなく、病気見舞いやお悔やみのためのカードなど、それぞれ専用のカードが取り揃えられています。
どんな理由でもとにかくお礼を言いたい時の「Thank you」カードや、「Good luck(がんばって!)」カードなんかもあって、日本人にとっては意外と便利かもしれません。
そしてそれだけではありません。 クリスマス・カードや誕生日カードに至っては、自分とカードを送る相手の関係別になっているカードも数多く店頭に並んでいるんです!
例えばカードの表紙の呼びかけがこんな風です。
Dear husband/wife, Dear boyfriend/girlfriend, Dear sister/brother,
Dear son/daughter, Dear grandfather/grandmother, Dear grandson /granddaughter, Dear nephew/niece, Dear ankle/aunt, Dear friend, Dear neighbour, etc...
ましてや誕生日カードに関しては、1歳から10代前半くらいまでは年齢別の数字が入ったカードが用意されています。さらには18、21、30、40、50、60など、節目の年齢にはやはりその数字が入った専用のカードが用意されているんです!
専門店には年齢別のカードや、大人数で寄せ書きできるほどのジャンボサイズのカードまで種類はさまざま。
とにかくカードだけを送ることはあっても、カードなしに花束やプレゼントを贈ることはまず無いです。イギリスでは、取りあえずどんな機会でもカードを送っておけば、気が利いていると思ってもらえるでしょう。
グリーティング・カードを多用する一方で、現在のイギリスは本当にカード社会です。日々の買い物の支払いに使うのはデビットカードで、イギリスでは日本で言う銀行のキャッシュカードも兼ねているので、銀行で普通口座を開設する際に無料で発行されます。
最近では日本に帰国した際にデビットカードの宣伝を目にしたりはしますが、実際にはなかなか普及には至っていないようですね。イギリスでのデビットカード導入は1980年代半ば。以来、着実にその利便性と利用可能範囲の拡張により、利用者を増やして来ました。
スーパーでも、街の小売店でも、レストランやカフェでも、またインターネットショッピングの支払いにも広くこのデビットカードが使われています。今日では現金を持ち歩く必要がほとんどないと言っても過言ではないくらいですね。
日々の買い物はデビットカードなしでは考えられない。
デビットカードの良いところは、
1)余分な現金を持ち歩かないですむこと(現金払いの際、おつりで受け取るイギリスの硬貨がこれまた重い!)
2)普通のスーパーなどでは、どんなに少額の支払いでもチャージされないこと
3)クレジットカードのように年会費がいらないこと
などですが、基本的にクレジットカードと違って支払ってすぐに登録した銀行口座から引き落としされるので、常に自分の口座の残高を把握している必要はあります。ですから、日々の買い物や外食の際の支払いはデビットカードで、少しまとまった金額の物品を購入するときはクレジットカードで、と言うように使い分けている人も多いようです。
私も随分長いことお財布の中にいくら入っているかもチェックしてませんが、よっぽど必要な時以外はおそらく現金はいつも10ポンド(約1,400円?)くらいしか入っていないと思います。
もし急に現金が必要になった時は、街のあちこちに設置されているATMから24時間無料で現金を引き降ろせますし、スーパーマーケットのレジでは、デビットカードで買い物の支払いをするお客さんに対してカードを使った現金引き下ろしのサービスも提供していて、買い物のついでに現金が調達できる便利さに利用する人が多いです。
最近では、公共の交通機関の支払いに使われているプリペイドカードの「オイスターカード」代わりに、デビットカードを改札機にタッチするとその場で運賃が清算、支払いされるようにまでなりました。イギリスは明らかにペーパーレス社会を目指しているようです。
イギリスのどんな街に行っても、大概1つや2つはあるこのチャリティ・ショップ。チャリティショップとは、慈善団体が資金調達のために運営する店舗です。主に一般の人たちから持ち寄られた、中古の本やCD/DVD、洋服、バッグ、靴、子供製品、食器などが売られていて、中には大型家具を専門に扱う店舗まであったりします。
運営する慈善団体の主旨もいろいろで、年々増加する心臓病の研究を目的とした「British Heart Foundation」、ガンの研究に携わる「Cancer Research UK」、イギリスで始まり今では世界規模にまで広がった、貧困や飢餓に苦しむ国々や災害に見舞われた人達を援助することを目的とした「Oxfam」などがどの街でも見かける代表的なところです。
チャリティーショップには地元の人たちから様々なものが持ち込まれる。思わぬ掘り出し物が見つかることも。
チャリティショップでは、商品提供者と商品の購入者、それからそこで無償で働くスタッフとしてそのチャリティに貢献することができます。
不要だけれどまだ使える、あるいは未使用だけどこれからも使いそうもない物ってありますよね。最近ではこういった物をネットで販売したりオークションに出品したりもするんでしょうが、それでも少しでも人々の役に立ててもらおうと、商品提供者として地元のチャリティショップに持って行くこともあります。
また商品購入者としては、積極的にチャリティに参加すると言う意味でこういったお店で何か購入しようとする人達もいます。ですが、もちろん普通に掘り出し物を見つけに行く人達もいます!
実は私、日本にいた頃はヨーロッパのテーブルウエア・ブランドの総代理店で営業をしていたほどの大の食器好き。チャリティショップでは時々はっとするような、今では珍しいような古いイギリスの食器をセットで見かけたりすることもあるので、ついついチェックせずにはいられません。おばあちゃんの戸棚の奥から出てきたのかなぁ・・とか思いを巡らせることもしばしば。
迷わずお店に飛び込んで購入した、王室御用達だった英国ブランドの珍しい変形プレート4枚セット。ビーフシチューにマッシュポテトや自家製のライ麦パンを添えて、冬場には大活躍。
当たり前のようですが、環境の良い(平たく言えば裕福な)地域のチャリティショップでは、やはりウィンドウを見ても品の良い洒落た洋服などが飾ってあったりします。ですので良いブランドや趣味の良いアイテムが見つかる可能性大です。
また、これらのショップではそれぞれのチャリティ団体が制作するグリーティングカードも販売されているのですが、これが結構かわいいので特にクリスマスカードを選ぶ時期にはいつもチェックします。気に入ったものがあればチャリティにも参加することになり、一石二鳥です!
何が違うんですかって?実は2017年のイギリスでの母の日は、3月26日でした。イギリスに来た頃「え、なんで?母の日は5月の第2日曜日じゃないの!?」ってなんだか納得いかなかったですね。。
それでキリスト教関連かなと思い調べてみると、やっぱりそうでした!
イギリスの母の日はキリスト教で言う「Mothering Sunday」で、この日はもともと16世紀ごろ、普段は故郷を離れて働いている労働者階級の子供たちが(当時は10歳を過ぎると奉公などに出されていたそうです)休暇をもらって帰省し、家族と一緒に地元の主要な教会(Mother Church)を訪れるという宗教的な風習に由来するそうです。
そしてそれはイースター(キリストの復活祭)からちょうど3週間前の日曜日。イースターの日にちも毎年変わるので母の日も然り、というわけです。
人気のキッチン・製菓用品専門店の母の日のウィンドウ・ディスプレイ。今年のMother’s Dayは3月26日(日)でした。
ちなみに日本の母の日はアメリカからやって来たものだそうです。こちらは宗教とは全く関係のないもので、5月の第2日曜日、母親に感謝する日として20世紀初頭に始まったもので、その後世界各国に広がって行きました。
アメリカ生まれの母の日というアイデアが、イギリスに昔からあったMothering Sundayの習慣と融合し、現代のイギリスではMothering Sunday が一般に’Mother's Day'と呼ばれるようになりました。
現在でもこの日、教会では古い風習を祝う行事が執り行われているようですが、巷ではすっかり日本と変わらず商業的な’Mother's Day'になり、お母さんへ感謝を伝えるカードを添えて(ここでもやっぱりカードです!)、花束(特にカーネーションではなく)やプレゼントを贈ります。
面白いことに、世界各国の母の日がいつかを調べてみると、これが結構国によって違うんですよ。
時には小さなキャンディやチョコレートが添えられることも(流行りのグルメ・バーガーのレストランで)。
イギリスのレストランでの支払方法は、日本の一般的なレジでお会計する方法とは異なり、以下の手順になります。
1) レストランで食事したりカフェでお茶した後に、さてそろそろお店を出ようかなと思ったら、ウェイターの注意を促し、"Bill, please!(お勘定お願いします!)" と言って支払い伝票をテーブルまで持って来てもらいます。
2) するとほどなく伝票が小さなトレーに乗せられるか、細長い二つ折りの伝票入れに挟まれてテーブルまで運ばれてきます。
3)伝票の内容を確認したあと、現金払いならキャッシュをトレーに置くかノートに挟んでおきます。カード払いであればもう一度ウェイターを呼んでその旨を伝えると、カード払い専用の小さな端末をテーブルまで持ってきてくれます。
このような会計方法はこちらでは高級レストランだけに限らず、ごく一般的な飲食店でも見られるスタイルです。お店の入り口付近のレジで並んだり、レジ前でお財布を開けてゴソゴソする必要もなく、お店を出るまでずっとテーブルに付いたままサービスを受けられるので最後まで’お客さま感’があり、とてもスマートなので大変気に入っています!
カード払いのプロセスも客の目の前で行われます。カードを預かって奥のレジまで持っていくことはないです。
さて、日本では馴染みのないチップ文化に関しては不安のある方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、最近は結構前もって伝票に入っているところもあるので、支払う前に明細によく目を通しましょう。
もしサービス料別(service not included)、となっていればイギリスでは飲食代合計の10-12%をチップとして加算するのが適当なところです。
私はよく飲食代はカード払いで、小銭があればチップはなるべく現金で置いていきます。というのも、その方がサービススタッフに配分される確率が高いと思うからです(残念ながら、中にはあくどいオーナーもいるようです)。通常、カフェなどではチップは必要ありません。
ウェイターの態度が悪かった?それならチップなんか払う必要ないですよ!
渡航前に知っておきたいイギリスのチップ事情まとめ
喫煙者には残念なお知らせですが、イギリスでは公共の場所で喫煙できるところは屋外以外はどこにもありません。
なんだか妙な感じもしますが、お酒を楽しむパブやバーでさえ今は禁煙なんです!2006年3月のスコットランドを先駆けに、2007年7月1日までにはイギリス全土のオフィスやパブ、レストラン、バーなどを含む屋内の公共施設において法律で禁煙が定められました。屋外のような、そうでないような、電車のホームも禁煙です。
イギリスの飲食店には、非喫煙者にとってなんとも中途半端な「分煙」みたいなものがなくて本当にありがたいです。その代わりにパブの外では寒い冬の最中にもパイント片手にスモーカーたちがたむろし、街のあちこちでは歩きたばこする人たちをたくさん見かけます。
というわけで、今回はいつも私が気にかかっていたイギリスの文化や習慣についてリサーチの結果とともにお届けしましたが、実はイギリスにはまだまだ日本にないものや面白い習慣などがたくさんあります。
これからもまた折に触れて、そういったイギリスの興味深いトピックをご紹介していきたいと思っていますのでお楽しみに!
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