「イギリスへの移住ってどうなのかな?」
と思っている方。
イギリスはヨーロッパ大陸の北西岸に位置し、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国で構成されています。イギリスはさまざまな文化が混じり合い、歴史ある街並みを肌で感じることができる稀有な国です。
とはいえ、実際にどのように移住の準備を進めていけばよいかわかりませんよね。
そこでこの記事では、イギリスの移住事情についてご紹介します。
ハードルが高そうに感じるイギリスへの移住も、押さえるべきポイントはそれほど多くありません。
まずはイギリスの移住について知っていきましょう!
なお、イギリス留学についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
イギリス留学
[目次]
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イギリスの正式名称は、英語では「United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」で、日本語に訳すと「グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国」となります。ちょっと長くて馴染みないですよね。
連合王国ということで、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つのカントリーがあります。このようにイギリスは、4つの土地ごとの異なる文化や風習が交わり奥深い魅力を放っているのです。
イギリスにおける日本人永住者は、2017年10月時点で21,809名、長期滞在者を含めると62,888名にのぼります。
イギリスの国家統計によるとイギリスに住む人の8人に1人(13.3%)はイギリス以外の国の出身であり、2004年から増加傾向です。外国出身者のうち320万人がEU圏出身であり、国籍の内訳は、
・イギリス国籍:16%
・EU圏の国籍:83%
・その他の国籍:1%
となっており、EU圏からの移住者が多いのが現状です。
イギリスの移民法は、投資家や企業家、才能のある人物によるイギリスへの移住を促すことを目的としていますが、近年の移民法の改正によりそのハードルは高まっています。
参考:イギリス国家統計局
現地での生活は、そこに住んで初めてわかることも多いものです。ここでは、移住してわかるイギリスのすばらしさや、逆に不便に感じたことをお伝えしますね。
わたしは友人と一緒にロンドンのシェアハウスに滞在していたのですが、意外にも自然が多く、また街全体がアートで囲まれているため、とてもクリエイティブな気分で過ごすことができました。
都心部ではあるものの、なぜか東京と違ってせわしなさを感じないんですよね。
「イギリス=天気が悪い、寒い国」というイメージですが、実はそんなことありません。年間降水量は東京の1/3程度ですし、寒さも日本に住んでいるのとほぼ同じ感覚です。
曇りの日は確かに多く、日照時間はかなり少ないイメージですね。そのかわりに夏場は、日本のじめじめした蒸し暑さがないので爽快に過ごせますよ。
日本とイギリスの生活環境の違いについては、
・物価
・治安
・文化
の3点からお伝えしますね。
結論から言うと、物価は日本とそれほど変わりません。
為替の変動による影響はありますが、1ポンド150円付近で推移している現状であれば、日本で暮らしているのとそれほど違和感を感じないでしょう。
簡単な外食であれば、3ポンド~6ポンド程度。バス乗り放題が付いた1カ月の電車定期代が約150ポンド、携帯代も20ポンド程度です。スーパーでの食材は日本よりもかなり安いので、自炊する方は食費をかなり抑えられます。
唯一高いと感じたのは家賃です。イギリスの家賃の高さは有名で、家賃の高いロンドンでは一部屋だいたい15万円かかります。そのため、独身の社会人のほとんどがルームシェア、または現地での名称「フラットシェア」を利用しています。
【徹底比較】イギリスの物価は高い?食費や家賃、留学費用まで都市別の物価も解説します
イギリスは、他のヨーロッパ諸国に比べれば比較的治安の良い国だと言われています。常識的な範囲で行動していれば、凶悪犯罪に巻き込まれる心配はまずありません。とはいえ、スリや置き引きなどの軽犯罪は多く、油断は禁物です。
イギリスって本当に安全なの?イギリスの治安状況・トラブル対策をまとめてみた
先にお伝えした通り、イギリス本土の島グレート・ブリテン島には、イングランド、スコットランド、ウェールズという3つの国があり、これに北アイルランドが加わってイギリスが成り立っています。
実際には1つの国なのですが、元々は、それぞれが独自の文化と歴史を持った別の国々だったのです。
イギリス料理の特徴は、素材そのものの味を大切にした料理法が一般的です。食べる人が自分の好みに合わせて、食卓上の塩や香辛料を使って味付けします。また「アフタヌーン・ティー」と呼ばれる午後のお茶の習慣も有名ですね。
15時~18時くらいの間に、紅茶やお菓子、軽食などを楽しみます。
夜の過ごし方の定番が「パブ」。居酒屋であり社交場でもあるパブには、アフターファイブに仕事帰りの人々であふれかえります。イギリス人にとってパブは、暮らしに欠かせない大切な存在なのです。
イギリスと日本の文化はこんなに違う!?住んでみてわかったイギリスの文化・習慣6選まとめ
ここまでざっくりとイギリスについて説明してきましたが、ここではイギリスに移住するメリットについてお伝えします。
移住者の多いイギリスは、さまざまな国籍の人と出会うことができます。特にロンドンは国際意識の高い人々が集まる都市なので、移住先としては最適です。
さまざまな文化的背景を持った人と触れ合うことで、新しい価値観が得られますよ。
移民が多いことや植民地の関係から、イギリス料理だけでなく「インド料理」「中華料理」「イタリアン」などを中心とした多国籍な料理を楽しめます。
イギリスでは、新築として新しい建物を建てることが少なく、中世の頃の建物がそのまま残っています。建てられた時代によって異なる建築様式の多様さ、流麗さは夢に見た中世ヨーロッパの雰囲気そのものです。
ロンドンの有名な美術館や博物館の多くは無料で入ることができます。観光でロンドンを訪れた時にはあまり時間がなく、満足に時間を取ることはできませんが、移住した際にはぜひ時間のある時に何度か訪れて世界の有名な絵画をゆっくり鑑賞しましょう。
最後に忘れてはいけないのがコレ。日本人が移住するうえでは言語習得しやすい国が良いですよね。
ヨーロッパに移住した方に聞くとはやり言語習得が大変だったという声が多いです。その点、イギリスなら英語がばっちり通じますので安心ですよ。
イギリスは素晴らしい国ですが、もちろん完璧というわけではありません。デメリットもお伝えしておきますね。
イギリスは「four seasons in a day(1日に四季がある)」という言葉があるほど天気が変わりやすく、日照時間も日本と比べて短めです。天候の影響を受けやすい方にとっては、あまり過ごしやすい環境とはいえないでしょう。
イギリス、特に首都のロンドンでは住宅や家賃が高いです。ロンドンの家賃相場は1カ月で約15万円程度で、人気のあるエリアはさらに値段が上がります。そのため、独身であればシェアハウスやフラット(日本でいうアパート)を選ぶ人が多いです。
体調を崩した際に薬を使用すると思いますが、イギリスの薬の効果は日本のものと比べて強めの傾向があります。西洋人とアジア人で体格そのものも違うため、当然といえば当然ですがあらかじめ知っておいて損はありません。
薬を服用する際は、少しずつ試しながらにしましょう。
ここでは、実際にイギリスに移住するにあたって必要なことをまとめてお伝えします。
イギリスに移住するには、英国移民局への査証申請が必要です。移民法や規定はかなり変化が激しいので、最新情報は移民局の申請書課などでの確認が必要です。
査証申請の他にも、
・居住エリアの選択する
・住む家を契約する
・就職先を見つける
・銀行口座を開設する
・携帯電話を契約する
などのさまざまな準備が必要です。
ここでは移住する際に必要な各種ビザの条件や種類についてお伝えします。
ご紹介するビザは、
・学生ビザ(長期留学者向け資格Tier4ビザ)
・就労ビザ(企業内転勤や現地就職 Tier2ビザ)
・婚姻ビザ
・永住ビザ
の4種類です。
イギリスの学生ビザのTier4は18歳以上の大学や専門学校に通う学生に発行されます。学校のコース開始日の3カ月前を過ぎてから申請することが可能です。
ビザを取得する本人が英国ビザ申請センターに行き、申請書類を提出する必要があります。
条件としては、
・イギリスのビザ管理局に指定された学校でり、既定のコースで入学許可されてCAS番号を取得すること
・資金力が基準額を満たしており、28日間以上継続して口座に基準以上の預金が入っていること
です。
Tier2ビザは、スポンサーシップの技術者に対するポイント制の就労ビザです。
ポイントテストは一般、社内移動、スポーツ選手、宗教家の4タイプに分けて行われます。一般部門の場合は、
・学位
・資金
・予定給与額
・スポンサーシップ
・英語力
の項目のポイントが50点を超えると、最長で3年の就労ビザを取得することができます。
婚姻ビザの条件は、
・21歳以上であること
・イギリス国籍保持者もしくは永住ビザ保持者と結婚して、家族関係であること
の2点です。日本でビザを取得した場合には27カ月、イギリス国内で取得した場合は2年間の観察期間があります。その期間を終えても二人の関係が続き、経済状況も安定し、規定のレベル以上の英語力が認められると、永住ビザを取得することが可能です。
結婚前に渡英し、その後永住予定の方は「フィアンセビザ」と呼ばれるビザを申請します。期限が6カ月なのでその間に結婚する必要があり、この場合就労はできません。
イギリスで長期間暮らした実績がある人は、永住権の申請をすることができます。
10年ごと(子供は5年)ごとの更新が必要ですが、永住ビザが取得できれば無期限でイギリスに滞在でき、出入国・就労も自由です。
条件は、
・継続で10年以上イギリスに滞在したことがあること
・就労するビザを保有し、5年以上イギリスに滞在したことがあること
・結婚ビザを取得し、結婚生活が5年以上経過している
です。
「これだけ英語ができれば100%大丈夫」という基準はありませんが、ある程度目安のようなものはあるので参考にしてください。
イギリスで英語力を測る場合はIELTS(International English Language Testing System)が使用されます。IELTSは、入学審査の際に採用する教育機関が3,000を超えており、英語力証明のグローバルスタンダードテストといっても過言ではありません。
英国ビザすべてのカテゴリー申請において英語力の証明が必要な場合は、4.0以上のIELTSスコアが活用できます。
移住するにあたり、どれくらいのお金がかかるのかは気になるところですよね。ここでは、独身者が移住する場合の初期費用についてお伝えします。
移住に必要な費用はざっくり、
・ビザ申請代:約4万円
・渡航費用:約10~15万円
・部屋の契約代(事務手数料・デポジット・家賃):約15~30万円
・光熱費(水道代・電気代・ガス代・インターネット代):約1~2万円
・日用雑貨購入費用:約3~5万円
の、トータル35~50万円は必要です。季節やタイミングによっては値段が上下しますので余裕をもって見積もっておきましょう。
またここには、引っ越し費用を含んでいません。輸送費はかなり高いので、可能な限り現地調達することがおすすめです。
近年はポーランドをはじめとする東、中央ヨーロッパ諸国からの労働者が英国に押し寄せていることもあり、特に若い世代の就職難が社会問題になっています。ビザ取得の条件も年々厳しくなってきており、一般的にイギリスでの就職はかなり厳しいのが実態です。
しかし、ビザの取得条件や労働規制が厳しくなったことで、日系企業や日本語を要する職場では人手不足が生じやすくなっており、うまくいけば就職はできます。
イギリスで働く際に使えるビザは、
・Tier2 General(通称ワークパーミッド)
・Tier4 General(通称学生ビザ)
・Tier5 General(Youth Mobility Scheme / YMSビザ、通称ワーキングホリデー)
の3つが該当します。自分の働き方に合ったビザを選びましょう。
また、就職活動にあたってはインターネットを使うことが一般的です。日本でも職探しができますので、あらかじめ登録しておきましょう。おすすめの就職サイトはMixBです。
イギリスで仕事を得るには?仕事の種類や探し方、条件など徹底解説
ここでは、イギリスで日本人に人気な住みやすい都市をいくつかご紹介します。
ロンドンは家賃の高さなど、デメリットはあるものの、イギリスの中心都市での暮らしはぜひ体験していただきたいところ。
交通機関が行き届いていて快適に移動ができ、仕事も見つけやすいです。美しい歴史ある街並みを歩けばイギリスの魅力にとりつかれてしまうこと間違いありません。
エディンバラはスコットランドの首都で、大学都市でもあります。エディンバラは街全体が世界遺産に登録されており、古い街並みのなかに溶け込むように暮らすことが可能です。
ハイランドと呼ばれる山々から流れ出る美味しい水が飲めるのもうれしいところです。
オックスフォードもエディンバラ同様、学生の多い街です。ロンドンほどにぎやかではなく、穏やかな雰囲気が漂うのがオックスフォード。
あまり人が多すぎるのも苦手という方におすすめです。長距離バスを使えばロンドンまで1時間で行けるところも魅力ですね。
移住をする際に大事なのが「何のために移住するのか?」という点です。
イギリスへの移住を考えている方には、
・仕事の都合でやむなく移住を考えている方
・イギリスの特定の地域に惹かれて移住を考えている方
・人生経験の1つとして移住を考えている方
などさまざまな方がいます。
移住の目的に合わせて優先順位をつけ、移住の準備を進めることが大事です。それをしておかないと、「あれもこれも」と情報があふれて結局平均的な選択しかできず、不満を残す結果となります。
仕事で移住するにしても、
・自然が多いところがよい
・交通アクセスの良いところに住みたい
・家賃は低く抑えたい
など、生活の中でゆずれないポイントをはっきりとさせましょう。
そうすることで理想とする移住のイメージが固まり、色々な選択肢の中から迷うことなく自分に合った選択ができるようになります。
ここまではイギリスの移住についてご紹介してきました。適切なステップを踏めば、決してイギリス移住も夢ではありません。
ただし中には、将来的にはイギリスで暮らしたいがいきなり移住には抵抗がある方もいるかもしれません。
実際日本で思っていた生活と実際の生活にギャップが生まれることも多く、いざ移住してみて自分には合わないと感じる人も少なくありません。
そんな失敗をしないためにも、まずは一定期間に絞ってイギリス生活が満喫できる留学・ワーキングホリデーはいかがでしょうか。
留学やワーキングホリデーでは、学校で英語力を鍛えながら、現地の生活が体験でき、特にワーキングホリデーでは、実際に働く体験までできます。
色々経験した上で、改めてイギリスで暮らしたい。そう思えた段階で移住を検討するのも一つの手段と言えるでしょう。
参考までにイギリスでおすすめの語学学校をご紹介するので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
イギリスで人気の語学学校まとめ
また、イギリスのワーキングホリデーについて詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
イギリスのワーキングホリデーの基本情報
ここまで、イギリス移住についてお伝えしました。
ざっとおさらいすると、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つのカントリーからなる国で、8人に1人がイギリス以外の出身であるほど人種にバリエーションがあります。
そんなイギリスに移住するメリットは、
・異文化を体験できる
・世界各国の料理を楽しめる
・歴史ある街並みを堪能できる
・美術館や博物館が無料
・ヨーロッパで数少ない英語圏の国
の5つです。歴史ある街並みに囲まれながら、さまざまな国の文化を体験できる数少ない国のうちの1つといえます。
一方デメリットは、
・天気が変わりやすく日照時間が短い
・住宅家賃が高い
・市販の薬の効果が強すぎる
の3つです。人によっては「まったくそんなの気にならない」という方もいると思いますが、気になる方は注意してください。
また、移住に必要なビザは、
・学生ビザ(長期留学者向け資格Tier4ビザ)
・就労ビザ(企業内転勤や現地就職 Tier2ビザ)
・婚姻ビザ
・永住ビザ
の4種類をご紹介しました。ビザに関わる規則やルールは、短期間で変わることも多いので、しっかりと在英国日本国大使館ホームページで確認してから申請をすすめましょう。
イギリスはヨーロッパにおいて数少ない英語圏の国のうちの1つです。年々移住のハードルは上がってきてはいるものの、その歴史と自然、芸術に囲まれた生活は1度体験していただきたいところ。
まずは、自分が住んでみたい都市や地域を選び、そこでどのように過ごしたいのかイメージをふくらませることからはじめましょう!
留学やワーキングホリデーでは、気軽に現地の生活が体験できるので、いきなりの移住に不安を感じる方は検討してみてはいかがでしょうか。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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