「海外の農業ってどんな感じなんだろう」
「農業留学とは一体どのようなものか知りたい」
と農業留学に興味を持っていませんか?
特にヨーロッパ圏内は農業先進国で、留学によって新しい農業技術が学べることもあります。農業留学は実際の農作業を通して実務経験を積むことも可能です。
農家の人にとっては日本ではまだ広がっていない技術・方法を学習することで、帰国後や将来の役に立つでしょう。
そこで本記事では、農業留学に興味がある人に向けて以下を紹介します。
農業留学は、今後のキャリアを考える上でヒントとなる可能性が高いです。
今回の記事で、海外の農業について理解も深めながら、農業留学の内容を把握していきましょう。
[目次]
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ここでは農業留学とは何か、内容や期間、スケジュール例などを通して紹介します。
農業留学とは、海外に滞在しながら現地の農業を学ぶ留学スタイルです。
農業留学といっても、様々なプログラムがあります。
中でも海外農業研修(アグトレ)と呼ばれる、農業先進国のアメリカ・オーストラリア・オランダ・ドイツ・デンマークなどで、農業技術を学びながら働くことができるプログラムが有名です。
国によって変わりますが、海外で学べる農業の例を紹介します。
日本でも取り組んでいるものがほとんどですが、海外ならではの技術や方法を学ぶことができます。特に海外はサスティナブル(持続可能)を推進する動きが強いため、環境に配慮した技術もあるかもしれません。
また品種や飼育方法などはもちろん、農業最先端の国で活用されている「スマート農業」が学べる国もあります。
スマート農業とは、ロボット技術やICT(情報通信技術)などを活用しながら農作業の労力を軽減するもので、効率化などが期待できます。
日本はまだまだ手動で作業することが多いため、作業自体にも学べるところはたくさんありそうですね。
農業留学と聞いても具体的にどのような生活を送るのか、イメージは掴みにくいですよね。そこでここでは1日(平日)のスケジュール例を紹介します。
▼午前のスケジュール
6:30 | ラジオ体操 |
---|---|
07:00 | キャンパス清掃 |
08:15 | 朝食、休憩 |
09:30 | 朝の集い |
10:20 | 午前の作業 |
▼午後のスケジュール
12:30 | 昼食、休憩 |
---|---|
13:30 | 午後の作業 |
17:00 | 自由時間 |
18:30 | 夕食 |
日曜日は基本的にお休みで、農作業などはありません。
農家のみなさんはご存じの通り、仕事は朝日とともに起床するほど早く始まり、太陽のもとで農作業するため、夜もすぐ眠ることができます。
海外だからといって生活リズムが乱れることは少なく、健康的な生活が送れますよ。
農業留学はどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的なものとして2つ紹介します。
農業留学の1番のメリットは、日本と海外の農業の違いを勉強できることです。
従来、日本の農業は狭い土地に多くの資金や労働力を費やし、その中でより多くの収益を得る「集約農業」が採用されてきました。
一方で、アメリカやヨーロッパなどは「大規模農業」が主流です。少ない労働力でも機械を使って多くの農産物を生産するもので、低コスト化、効率化を図ることができます。
このような違いや新しい技術は、海外に行って初めて知ることもあります。農業留学では各国の天候や土地の規模に合った方法を学び、体験できることが最大の魅力です。
留学先で学んだことを帰国してから、できる範囲で自分の農業に取り入れると、効率化などにつながります。
農業留学は農業を体験しながら語学も学べるため、両方のスキルを習得できることも魅力です。
もちろん語学学校に通うことも可能ですが、現地の人たちとの作業や生活をともにするだけでも、自然と英語を話すことが増えます。アウトプットの機会が多くなる分、語学力も自然と向上することがあります。
農業留学では、一般的な言語に加えて農業に関する専門用語も学ぶことが可能です。専門用語は実際の作業をしっかりと遂行するためにも必要なため、実務でも役立ちます。
農業留学を調べても情報は少なく、まだまだイメージもつかみにくいですよね。実際に留学した人の体験談を参考にすると、留学生活が分かりやすいです。
そこでここでは、農業留学の体験談を紹介します。
オーストラリアなどワーキングホリデーができる国では、仕事のひとつとして農場で働く「ファームジョブ」があります。
ワーキングホリデービザによる農場での就労ではお給料も発生するため、農業を体験しながら生活費などに補填することができます。
体験談の執筆者であるニシシマモトさんも、オーストラリアで農業の仕事を経験された1人。ワーホリで仕事をすぐに得るのは難しいと言われながらも、バナナ農園での仕事を手にされました。
ファームジョブといっても果実の収穫や、酪農など様々な仕事があるため、気になる人は以下のページを参考にしてみてくださいね。
「ファームジョブ希望者必見!オーストラリアのワーホリでオススメなバナナ農園で、仕事を最速で得た秘策まとめ」
先ほども紹介しましたが、やはりワーキングホリデーは農業関係の仕事を得やすいです。特にファームでの収穫作業は求人もたくさんあり、留学生も採用されやすいです。
ただし、ファームジョブは就労先選びが重要。
オーストラリア・メルボルンでワーホリを経験した鳥羽瀬さんは、優良なファームで働く仕事の探し方として「 Facebookグループを活用する」「 オーストラリアの日系向け情報サイトでも探す」などを紹介しています。
仕事先によっては悪質な労働環境で働かされることもあるため、事前に情報を知って備えておく必要があります。トラブル防止にも役立ちそうですね。
ぜひ以下の記事を参考にしてみてくださいね。
「ファームジョブ成功者に聞いた!ワーホリで優良ファームを見つる方法と仕事を楽しむコツ#メルボルンで働く 05」
ここでは、農業留学ができるおすすめの国5つと費用目安、勉強できる農業の種類などを紹介します。
留学にかかる費用の目安は、海外農業研修をした際の1年間の費用とお考えください。
九州と同じくらいの面積であるデンマークは、世界でも最も小さな国のひとつです。
国土面積が小さいにもかかわらず、デンマークは農業先進国として発展しています。実際に国内で消費する必要食糧の約3倍の農業生産をあげているほどです。
実際に一軒の農家では、300人を養える食料を生産しているといわれています。
またデンマークで生産された豚肉の約80%が輸出されており、日本も重要な輸出先と考えられているのです。
デンマークの農業留学では、主に以下について学べます。
農業留学では500万人という限られた人口で、効率的な農業生産を実現させてきたデンマークならではの最新技術が学べるでしょう。
オランダはアメリカに次いで世界第2位の食糧輸出国ということをご存じでしょうか。
オランダは日本よりも国土は狭いものの、面積あたりの収穫量は非常に高いです。また狭い国土を活かすために特定の野菜を集中して育てることを重視しています。
実際にハウス栽培野菜における栽培面積の8割はトマト、きゅうり、パプリカで占められています。
オランダの農業留学では、主に以下について学べます。
オランダでは、特に野菜のガラスハウスの栽培技術が発展しています。ガラスハウス栽培は温度や湿度、光など栽培環境をコンピューターで管理し、効率よく栽培することが可能です。
またオランダは環境に優しいサステイナブル(持続可能)な環境での農業を心がけています。
ガラスハウスからの農業排水に含まれる農薬の内95%は、環境に配慮して浄水処理してから自然に戻すように義務付けられているほどです。
オランダの農業留学では、環境に優しい最先端の農業技術が身に付けられるでしょう。
フランスは農業大国として知られており、農地面積は国土全体の50%を超え、農業生産学はEU全体の19%を占めています。
特にぶどうの生産は盛んで、ワインの生産量は2013年に世界第1位に輝きました。
【出典】GLOBAL INDEX「“持続可能な農業”に向かう農業大国フランス」
フランスの農業留学では、主に以下について学べます。
フランスは環境問題の取り組みに積極的で、首都パリに世界最大級の屋上ファームが2020年に建設されました。
屋上ファームでは、エアロポニックスという垂直の耕作方法を採用しており、細長い円筒形の装置を何本も並べています。
筒の表面に穴を開けてそこに苗を入れ、筒を通して水などを与えるため、非常に効率的です。
ドイツはEU内でも主要農業国のひとつで、農業生産額において世界第3位を記録しています。またその割合はEU全体の13%で、農業輸出額でも2016年に世界第3位にランクインするほどです。
【出典】農林水産省「ドイツの農林水産業概況」
特にドイツ内の平坦な地域では複合経営(混合農業)をする傾向があり、穀物・ばれいしょ・飼料作物と畜産が選ばれています。
ドイツの農業留学では、主に以下について学べます。
ドイツは先ほどお伝えした通り、農作物を育てつつ、牛や豚の飼育に注力する混合農業を採用していることが多いです。土地が肥沃ではない地域で採用されています。
オーストラリアは国土面積が広い分野菜などを育てやすく、大規模な農業大国と知られています。
また世界最大のオーガニック栽培国であり、牛肉、果物、野菜、乳製品などでもオーガニック製品を購入することができます。
オーストラリアの農業留学では、主に以下について学べます。
特にクイーンズランド州は積極的に農産物を輸出しているため、ビジネスの方法や戦略を身近で勉強することも可能です。
オーストラリアはファームがたくさんあり、農業体験できる場所も多いです。
実際にワーキングホリデーにおいてファームジョブは人気が高く、収穫など仕事をしながらお給料をもらうこともできます。
農業留学は人によって向き不向きがあります。そこで、農業留学をおすすめする人の特徴をまとめてみました。
農業留学では、現地の優れた農業のやり方を学べます。将来、自分の農場を持ちたい人や海外の技術を日本にも取り入れていきたい人に向いています。
ここまで紹介したような本格的な農業研修をするよりも、まずは留学しながら農業を体験してみたい人もいるのではないでしょうか。その場合は、農業留学の他におすすめな方法があります。
ここではファームステイとWWOF(ウーフ)を紹介しますね。
ファームステイまたはファームジョブとは、海外の農場で動物の世話や農作物の収穫・箱詰めなどの仕事をしながら生活する留学スタイルです。
ファームステイでは、宿泊先や食事はファームのオーナーから提供され、自分と同じように海外から農業を体験しに来た人と出会うこともあります。
共同生活や作業を通して異文化交流をしながら、農業を体験できそうですね。
ファームジョブは労働型の求人もあり、その場合は報酬が支払われます。ワーキングホリデー中に働く人から人気の仕事でもあり、数ヶ月や半年、1年ほど働いて貯金する人もいるほどです。
技術を学びたいというより貯金したい、滞在費用をおさえたい人は、ファームステイやファームジョブの方がおすすめです。
WWOOF(ウーフ)とは、農家(ホスト)の自宅に無償で滞在させてもらう代わりに、ウーフ会員(ウーファー)が1日に6時間ほど農作業や家事を手伝うサービスです。
報酬は発生しませんが、ホスト宅での滞在費、食費が無料になります。
ウーフの仕事内容は季節やホストによっても変わりますが、例えば次のようなものです。
中には、ウーフで世界中の農家を転々としながら農業体験をし、旅行している人もいます。
本業で農業を学ぶというよりは、有機農業に興味があり、ひとまず体験してみたい人におすすめです。世界各国を旅したい、滞在費を浮かしたい人にも良さそうですね。
ウーフは会員制のため登録が必要で、ウーファーも登録年数に応じて1,500〜5,500円の会費が発生します。詳しくは公式ホームページをご覧ください。
本記事では、農業留学の概要やメリット、おすすめの国を紹介しました。
欧米圏は、日本よりも農業技術が進んでおり、農業留学を通して学ぶことができます。習得した技術を帰国後の自分の仕事に活かすことも可能で、日本の農業の効率化や収益化にも役立ちます。
農業研修の他にも、ファームステイやウーフを使って農業留学をすることも可能です。まず農業を体験してみたい、お試し感覚で留学したいという人は、他サービスの方が適しているかもしれません。
農業留学は農家として働いている人、勉強中の学生には学びの多い留学となるはずです。今回の記事を参考にしながら、自分に合った留学スタイルを選んでくださいね。
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