日本の英語の試験といえば英検。中学や高校在学時に受験した人も多いかと思います。英検は3級以上を受験する場合には、二次試験で面接を受けなければなりません。
英語での面接試験となると受ける頻度も低くなることから、その対策や勉強法など、自分一人でできる方法はあるのか、どのような勉強法が効果的なのか分からないという方もいるはず。
そこで今回は英検2級を受験する方のために、面接試験の対策方法をご紹介していきます。
英検受験を控えている方、受験を検討されている方はぜひ読んでみてくださいね。
なお、英検2級の全般な情報については下の記事でまとまっているので、気になる方はあわせて参考にしてみてください。
英検2級のレベルとは?試験内容から合格に必要な語彙数・勉強法まとめ
[目次]
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対策方法をお話ししていく前に、英検2級の面接試験がどのように行われるのか、その概要をご説明していきます。
試験の問題は全部で4問です。
・音読した内容に関する質問:1問
・イラストについての質問:1問
・ある事象についての意見を問われる質問:2問
試験問題のテーマとしては、環境問題やオンライン会議についてといった社会性のある話題が取り上げられる傾向にあります。
求められる英語力は高校卒業程度で、2級に合格すると社会生活に必要な英語力があるとみなされます。
面接時間は7分です。ですが、面接試験は面接官とのコミュニケーションをとりながら行われる試験なので、筆記試験のようにぴったり7分ではなく、おおよその時間になります。
配点に関しては、2016年からCSEスコアという新しい採点制度が導入されていますが、配点は公表されていません。
CSEスコア導入前であれば、ライティングやリーディングといった各セクション間で得意不得意があっても既定の点数を越えていれば合格になっていました。
しかし新制度導入後は、すべてのセクションでバランスよく点数を取らなければいけないようになってしまっているようなので気を付けてくださいね。
2016年より合格率に関するデータは公式には公表されなくなり、以降合格率は発表されていません。よってデータも2015年までのものになりますが、合格者は25%~26%台で推移しています。
英検自体の問題のレベルは2015年から大きく変わっていないので、合格率もおおよそ当時と変わっていないとされています。
しかしこの数字は母数が志願者となっており、実際に当日受験しなかった人も母数に含まれています。そのため、この合格率は実際の合格率よりも少し低く算出されています。
準2級との大きな違いは問題数と試験で出てくるテーマの違いです。
準2級は問題数6問で試験時間が6分というのに比べて、2級は問題数5問で試験時間が7分となっています。
試験問題となるテーマも準2級は日常生活に即したものになっているのに対して、2級は先ほどもお話したように、社会問題として話題になるようなことがテーマになっています。
社会性のある話題について話をしようとすると、必要な単語や表現に関しても日常で使わないようなそれ相応の単語力、文法力が必要となってきます。
それでは実際に英検2級の面接試験の流れについてご紹介していきます。指示や面接官とのやり取り等すべて英語で行われる試験ですが、流れが分かっていれば怖いものなしです。
まずは入室から席に着くまでです。係員に入室を促されたら軽くノックをして入室しましょう。席まで歩いて行き、簡単に挨拶をしたのち面接官の指示で席に着きます。
面接試験では受け付けの際に「面接カード」を配られ記入するように言われます。この「面接カード」は面接がはじまる前の待機時間の間に事前に記入しておき、入室後試験官に渡しましょう。
渡す際に「Here you are.」と言葉を添えると自然です。
荷物は自分の座っている椅子のすぐ横に置いて大丈夫です。
席に着いたら渡した面接カードをもとに面接官から名前や受験級の確認が行われます。
面接官に英語で名前を尋ねられるので、落ち着いて「My name is …….」と答えましょう。私的な場の会話ではないので、「I’m …….」を使うのはあまり好ましくありません。
受験級の確認も同様に「2級の受験で間違いないですか?」との質問に「Yes.」と答えれば大丈夫です。
その後、簡単な挨拶や天気といったあたりさわりないやり取りを行います。ここは特に厳しく英語力をチェックしている場面ではないので、緊張せずにリラックスして会話を楽しみましょう。
挨拶が終わったら面接官から「問題カード」が渡されます。ここには60語ほどのパッセージと3コマのイラストが描かれており、どちらもあとの問題に利用します。
受け取る際にも黙って受け取るのではなく、「Thank you.」と言葉を添えるのをお忘れなく。
その後面接官の指示に従って、20秒の黙読の時間が与えられた後、問題カードに書かれているパッセージを読み上げます。読み上げる時には特に制限時間は設けられていないので焦らず自分のペースで読み進めてください。
この時しっかりとタイトルから読み始めるようにしてくださいね。
問題カードの音読が終わったらカードに書いてあるパッセージや3コマのイラストに関する質問をされます。
質問が聞き取れなくても自然な流れて聞き返す分には問題ありません。しかし、何度も聞き返したり、答えに長時間戸惑ったりすると減点の対象となる、あるいは次の質問に進んでしまうこともあるので気を付けましょう。
イラストを見て答える問題は、イラストについて考える時間が20秒与えられ、その後イラストの展開について説明する流れです。回答の出だしは問題カードに書いてあるのでその出だしに合うように文章を考えましょう。
ここからは受験者の考えを聞かれる問題です。全部で2問、そのうち1問は問題カードに書かれていた内容に関連する問題です。問題文を読むときに使えそうな単語や表現を頭の中に入れておくと、スムーズに答えられます。
もう1問は問題カードとは関係のない話題に関して意見を聞かれます。こちらは知っている単語や知識のみで答えることになります。
すべての質問、問題が終わったらカードを返却するように指示があります。この時も無言で渡すのではなく。「面接カード」を渡したときと同じように一言添えて渡すと自然です。
問題カードを返却し終わったらそのまますみやかに退出しましょう。退出前の挨拶も忘れずに。軽くお礼を述べる程度で、長々とあいさつをする必要はありません。
退出後に控室に戻ったり、未受験の受験生と話をしたりすることは禁止されています。すみやかに会場を後にしましょう。
面接の流れをつかむことができたら実際に面接の対策を始めましょう。まずは練習問題を用いてどのような問題が出るのか傾向をつかんでいきます。
【パッセージ】
Movies
The number of cinema complexes is increasing. You can usually find a multi-screen movie theater near a major train station. Movie theaters are usually air-conditioned and have very comfortable seats, so people can spend a very nice time there. You can also enjoy some drinks and snacks in the theater.
1問目は問題カードに書いてあるパッセージに関する質問です。
問題カードをもらってすぐに20秒パッセージを黙読した後に、試験官の前でこのパッセージを音読する時間があります。この文章に目を通せる2回で文章の意味や内容をつかんで置けるようになっておくと一問目もスムーズに答えられます。
この問題では映画館で人々がなぜ快適に過ごせるのかを問われているので、パッセージ内の該当箇所を引用して、「Because they are usually air-conditioned and have very comfortable seats.」と答えましょう。
イラストはカードに3つ、3コマ漫画のように描かれています。このイラストについてその展開や状況を説明していきます。
それぞれのコマに対して2文程度の文章量で答えましょう。イラスト中にはそれぞれのイラスト間の時間の経過や会話が書かれているのでそういったヒントをうまく引用するといいです。
答える際に気を付けたいのが、このイラストが過去の出来事であり、その過去の出来事を説明するということです。したがって、説明をするときも過去時制を使って答えなければなりません。
3問目は問題カードに関する事柄について受験者の意見を問う問題です。問題カードに関係する話題について軽く説明したのち、その事柄について「あなたはどう思いますか?」と問われます。
回答のポイントは「I agree.」「I disagree.」などという話出して、最初に自分の立場をはっきりとさせることです。まずは自分の立場を述べたのち、2文~3文程度でそう思う根拠を述べるようにしましょう。
3問目は問題カードを見ることができないので、試験官の方を見て自信をもって答えるようにしましょう。
4問目はこれまでの問題とはまったく関係ない、時事問題や最近話題になっていることに対して受験者の意見を問う問題です。
意見を問う問題という点では3問目と同じですが、4問目では「Yes」「No」で答えられる文章で質問され、その答えに応じて「Why?」「Why not?」と質問が続きます。
3問目で聞かれるのが「どう思うか」ですが、4問目では「なぜそう思うのか」という部分を聞かれるということになります。
なぜそう思うのかを答える際は2文~3文程度でその根拠を述べましょう。
次に実際に覚えておくと面接で役に立つ、便利なフレーズを5つご紹介します。応用を聞かせるとさまざまな場面で使えるフレーズなので覚えておくと役立ちます。
自分の意見を述べる時の話出しとして使えるフレーズです。
2級の面接試験では、パッセージに関する自分の意見や、社会で問題になっている事象に関する自分の意見を問われる問題が出題されます。
そのような時、このフレーズのthat以下を臨機応変に変えて使うことで、「私は~だと思います。」と言いたいさまざまな場面に対応できます。
自分の意見を問われる問題が出題される以上、必ず覚えておくべき表現といっても過言ではありません。
自分の意見を述べるのに、上記の1つの表現だけだと主張が平たんになりがちです。また、同じ表現を多用するよりも、同じ意味でさまざまな表現を利用したほうが意見に説得力が生まれます。
日本語でも同じ表現で「~だと思います。~だと思います。」と続けられても面白くありませんが、さまざまな表現方法で伝えられると引き込まれますよね。英語でも同じです。
この表現もthat以下を変えることで、自由に文章を作ることができる便利なフレーズです。
これ以外にも「~だと思う」を表現するフレーズはたくさんあるので、自分が使いやすく覚えやすい表現を見つけて練習しましょう。
この表現は、最終的に「自分の意見はこうです」と主張をまとめる時に使える表現です。日本語に訳すと、「そういうわけで」という意味になります。
このフレーズを使うことで、自分の伝えたい主張に面接官の注意をぐっと惹きつけることができますし、最終的に何が伝えたかったのだろうかと疑問に思われる心配もありません。
英語での回答となると自分の主張を日本語のようにスラスラと答えることも難しくなります。短い文章や単語をつぎはぎしながら話している間に、結局どのような意見だったか分からなくなることもあるかもしれません。
そういったときに、最後にこの表現を使って自分の意見を最後に主張することで面接官の方に最終的にいい印象を与えることができます。
面接官の質問がうまく聞き取れなかったときに使えるフレーズがこの「I’m sorry. Could you repeat that?」です。質問を聞き返すフレーズで有名なものに「Pardon?」がありますが、こちらはすこしぶっきらぼうな聞き方になってしまいます。
相手は面接官で目上の方にあたりますので、丁寧に聞くことを心がけましょう。
もちろん他にもさまざまな表現があります。この表現はあくまでも一例なので、必ずこのように言わないといけないというわけではありません。
大切なのは自分の覚えやすい文章でこの言葉がとっさに出てくるように繰り返し発音しておくことです。
この2つは返答に困って少し答えを考えているときに使えるフレーズです。
面接中に、自分の中で回答や考えをまとめているときにどうしても無言になりがちですが、面接中に無言の時間が続くと面接官に答えられないと思われ次の質問に進んでしまいます。
しかし、「Let me see…….」「Well…….」これらのフレーズを言うと、日本語で言う「うーん。」と考えている印象を相手に与えることができます。
面接官も考えているのであればということである程度は回答を待ってくれるはずです。
ただし、このフレーズを発しているからといっていつまでも待ってもらえるわけではなく、あくまでも考えているよという意思表示なのでその点はご注意くださいね。
ここからは面接のポイントをご紹介します。面接は筆記試験と違い英語力だけがあれば合格するというものではありません。
英語で自分の意見を言うというのはそれほど簡単なことではありません。面接中にどう答えたらいいのか分からなくなり、答えに詰まってしまう瞬間もあると思います。
しかし、そんな場面でも「I don’t know.」という消極的な回答や、何も答えずに黙りこくってしまうことは良くありません。何かしらの単語でも、たとえ少しずれているとわかっても何かしらの意見でも、とにかく何か発言することを忘れないでください。
分からなくても分からないなりに積極的に自分の意見を発言する態度を面接官の方はしっかりと見てくれています。
先ほどもお話ししたようにもし質問が聞き取れなかった場合は、聞き返して構いません。この時丁寧に聞き返すのを忘れずに。また、何度も聞くと不自然な態度として減点されてしまうので注意してください。
面接中に試験官が見ているのはヒアリング力やスピーキング力だけではありません。面接中の態度も試験の点数としてスコアに反映されます。
先ほどお話しした消極的な態度もそうですが、ぶっきらぼうにやりとりをしたり、カードを渡された時にお礼を言わなかったりというのは減点対象になります。
しかし、「減点対象になるから礼儀正しい態度で臨む」と考えてしまうとどうしても機械的な行動になってしまします。ポイントはあくまでも人と人とのコミュニケーションであることを忘れないこと。
お礼や手渡しするときの一言など、普段日本語でコミュニケーションを取る時のように行えば大丈夫です。
小学生のめあてのようなポイントですが、これも実はとても大事なことです。自分の英語力や意見に自信がないとどうしても小さな声でもごもごと話してしまいがちですが、これはNGです。
相手に伝えたいことが伝わらないのはもちろん、自信がないと思われてしまいます。
面接官に向けて「私はあなたとコミュニケーションがとりたいです」という姿勢を態度に出して表現するには、面接官の目をしっかりと見てはきはきと話すことが大事です。しっかりと積極性をアピールしてください。
入室の時の挨拶に始まり退室の挨拶に至るまで、明るく、元気にはきはきと答えるように心がけておきましょう。
最後に、実際の面接試験に向けて自分一人でもできる対策方法をご紹介します。
質問文が自然で、かつ問題カードのデザインも本番に一番近いのがこの旺文社の参考書です。初めて英検の面接を受ける方のようになかなかイメージができない方にはうってつけの1冊です。
最大の魅力は練習問題だけでなく実際の面接を模した様子を収録したDVDがついていること。実際の面接の流れを映像として確認でき、当日の流れをイメージしやすくなっているので初めて面接試験を受ける方におすすめです。
質問の回答に気をとられがちで意外と練習をしないパッセージの音読ですが、この本にはパッセージの音読のお手本が録音されているCDもついているので、シャドーイングをしながら音読の練習もできます。
付属のCDに面接官の質問の音声が入っており、実際の面接試験を想定した練習がCDを用いてできるのがこの参考書の嬉しいポイントです。さらに模擬試験が10回分もついているので、実際の試験形式の問題にも十分に取り組むことができます。
どのように質問されてどのように答えるのか、そのやりとりの練習を実際に試験前に繰り返し行うことで、本番を想定した勉強や面接練習ができ、面接当日に初めてのやり取りに緊張したり焦ってしまったりという心配がありません。
自分の意見を述べる問題に関しては立場の違う2つの意見が模範解答として載っており、それぞれどのように表現しているのか、より実践的な部分を学習できるのもこの参考書の魅力です。
スマホで英検の勉強ができるアプリです。英検が出している公式のアプリのため過去問を解いたり、問題傾向をつかんだりしたいという方にはおすすめのアプリです。
面接練習に関しては無料プランである「ライトプラン」では利用ができません。しかし、英検受験予定者であればもう一つ上のグレードのプランである「ベーシックプラン」を無料で利用することができ、面接試験に対する全13のコンテンツのうち3コンテンツを利用することができます。
参考書での勉強と違い、実際の面接を受けているかのように面接官からの質問を聞き、その質問に答えることができます。回答は録音されているので、模範解答と聞き比べながら反復学習ができるのがこのアプリの魅力です。
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今回は英検2級の面接試験について試験の流れや対策について詳しくご説明してきました。
面接試験での問題は大きく5問。筆記試験とは違いそれぞれに臨機応変に対応する力が求められます。しかし、英語力だけでなく面接への態度も評価対象となっているので、分からない問題でも積極的に答える姿勢を忘れずに試験に臨んでくださいね。
面接対策と聞くと実際に第三者に協力してもらって面接練習をしなければと思う方もいるかもしれません。
実際に英語話者の方と話すのは英語に慣れる練習として大いに勉強になりますが、一人で取り組める勉強法もあるので、ますはそういった部分から対策を進めていくことをおすすめします。
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