カナダはロシアにつぎ、世界で2番目に面積が大きい国で、国内の移動でも膨大な距離を必要とします。
そこで気になるのが現地での移動手段。カナダでは広く鉄道が普及しており、現地で暮らす人から観光客まで、さまざまな目的を持つ人に使われています。
しかし海外鉄道、どのように利用したら良いかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、カナダの鉄道事情について紹介したいと思います。これからカナダを訪れる予定の方はぜひ参考にしてみてください。
なお、カナダの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
カナダのおすすめ観光スポットやイベント、グルメなどを紹介
*なおレートは1カナダドル=85円で計算しています。
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カナダの鉄道は日本と違い旅客運送より、貨物運送が主に使用されています。カナダの2大鉄道会社である「カナダ太平洋鉄道」と「カナディアン・ナショナル鉄道」もサービスの中心は貨物運送です。
一方で旅客運送として有名な鉄道会社にはモントリオールに本社を置く国有のVIA鉄道 (VIA Rail Canada)、トロント市内とその近郊都市を結ぶGoトレイン(GO Train)、トロント・ピアソン空港とダウンタウンを結ぶユニオン・ピアソン・エクスプレス(Union Pearson Express)などがあります。
上記にあげた鉄道会社の他にも、バンクーバーやトロント市内の通勤や通学、ショッピングに便利なバンクーバーのトランスリンク社が運営するスカイトレインや、トロントのトロント交通局(通称TTC)が運営する地下鉄や路面電車などがあります。
カナダの鉄道はいくつか種類があり、移動区間も鉄道会社によって異なります。
VIA鉄道は1976年にカナディアン・ナショナル鉄道から旅客運輸部門が切り離されたことで生まれました。旅客運送では唯一大陸横断ができる鉄道会社になります。
VIA鉄道は短距離から大陸を横断するような長距離の国内旅行まで幅広く利用されています。
Goトレインはトロントとその郊外の都市を結ぶ公共交通機関のGOトランジット(GO Transit)が運営している鉄道サービスです。GOトランジットはGoトレインの他にもGoバスというサービスを運営しています。
ユニオン・ピアソン・エクスプレスは2015年6月6日に開通した新しい鉄道で、トロントのユニオン駅とトロント・ピアソン国際空港を結んでいます。
トロント・ピアソン国際空港(第1ターミナル)からトロントのユニオン駅へはわずか25分という速さで到着します。
チケットはピアソン空港とユニオン駅までの片道料金で大人12.35カナダドル(1,050円)、シニア6.20カナダドル(527円)、子供は無料になります。また電子カードのPRESTOカードを購入すれば片道9カナダドル(765円)と、3カナダドル(255円)も節約することができます。
ただし、PRESTOカードを購入するには発行に6カナダドル(510円)かかりますので、短期渡航の場合で一度しか空港を利用しない場合は通常チケットの購入の方がお得になります。
カナダで移動をする場合、鉄道以外にバス、飛行機などの移動手段があります。
バスは鉄道に比べ料金が安く、飛行機は鉄道に比べ移動時間が短いという特長がありますが、多くの車体でWi-Fiが利用できる、車内でリラックスできるなど、鉄道をするメリットは多くあります。
カナダの鉄道会社には近距離から長距離旅行まで大陸横断ができるVIA鉄道、トロントのピアソン空港からダウンタウンのユニオン駅まで繋ぐユニオン・ピアソン・エクスプレス、トロントとその郊外を繋ぐGoトレインなどがあることが分かりましたね。
ここでは、各鉄道会社の乗車券の購入方法をご説明したいと思います。
ユニオン・ピアソン・エクスプレスとVIA鉄道では前売り券を購入することができます。
一方でGoトレインには前売り券はなく、利用する当日に駅やバスセンターにある自動発券機かGOトランジットのサービスカウンターでチケットを購入する必要があるので、注意が必要です。
ユニオン・ピアソン・エクスプレスとVIA鉄道で前売り券を購入する方法には、オンラインと窓口で購入する方法があります。オンラインで購入する場合は、どちらの場合も公式のwebサイトから出発地、目的地、出発日などの情報を入力して購入することができます。
購入処理が終了するとe-mailでチケットが送られてくるので、チケットを印刷するか、自分の携帯やタブレットにチケット画面を表示してチケットとして当日使用します。
VIA鉄道前売り券購入ページ
ユニオン・ピアソン・エクスプレス前売り券購入ページ
チケットの購入は、サービスカウンターやオンライン、駅構内にある自動発券機でできることが分かりましたね。
ここでは、実際に鉄道を利用する際の当日の流れを説明していきたいと思います。
・ユニオン・ピアソン・エクスプレス
ユニオン・ピアソン・エクスプレスのオンラインやサービスカウンターで前売り券を購入した場合、チケットの印字なしに自分の携帯電話やタブレットでそのチケットを表示して使用することができます。
・VIA鉄道
VIA鉄道の場合は、乗り場に着いたら搭乗券を乗車券に変更する手続きが必要になるため、事前にメールで送られてくる搭乗券を印刷しておきます。
搭乗券はサービスカウンターや駅構内にある自動チェックインマシーンにバーコードをかざすことでチケットに変換できます。
荷物を預ける場合は1時間前にはサービスカウンターに到着して荷物のチェックインする必要があるので注意が必要です。
カナダではすべての鉄道会社で当日券を購入することができます。
発券方法は、駅構内にあるサービスカウンターの窓口で目的地を伝えるか駅構内にある自動発券機を使用して発券します。
・サービスカウンター
各鉄道会社のサービスウンターは駅の案内版に沿って歩けばすぐに見つけることができ、チケットもサービスカウンターで目的地を伝えるだけですぐに購入することができます。
・自動発券機
自動発券機を使用して当日券を購入する場合は、駅構内に複数設置されている自動発券機購のタッチパネルを操作して購入します。
目的地を選択すれば料金も自動で計算されるので、簡単に当日券を購入することができます。
発券されたチケットは当日のみ有効で、Goトレインの場合は、通常の片道切符の表面におすすめの電車の乗車時間が印字されています。しかし必ずその便に乗車する必要はなく発見から4時間以内であればいつでも好きな時間に乗車することができます。
チケットを発券して乗車するには、通常は改札口にチケットを通して乗車しますが、VIA鉄道も、Goトレインも、ユニオン・ピアソン・エクスプレスもTTCやスカイトレインとは異なり、改札口はありません。
VIA鉄道の場合はプラットフォームに入る前に車掌やスタッフがチケットを確認しますが、Goトレイとユニオン・ピアソン・エクスプレスの場合は、車内で車掌がチケットを確認するまでチケットを車掌やスタッフに見せることはありません。
ただし、電子カードのPRESTOカードを利用する場合は、乗車時と下車時にカードリーダーにカードをタップを必ず行ってください。乗車時にタップし忘れると、下車時に終点までの料金が引かれてしまいます。
それぞれの鉄道会社のプラットフォームは駅構内に掲示案内版に沿って歩けば簡単に見つけることができます。
Goトレインも、ユニオン・ピアソン・エクスプレスの場合は、乗車券の提示をせずにプラットフォームで電車を待つことができます。
ダウンタウンのプラットフォームには行先を表示している電子掲示板が設置してあるので、行先などから自分が乗る電車や時間を確認することが可能です。どちらも駅のプラットフォームに待合室があり、座って快適に待つこともできます。
VIA鉄道の場合、プラットフォームに自分のタイミングで入ることはできません。
プラットフォームに入るにはサービスカウンターや自動チェックインマシンでチェックイン後、待合室で待機して搭乗のアナウンスが流れて、チケットを確認後にやっと入ることができます。
待合室やプラットフォームには電子掲示板はありません。
待合室は、購入した乗車券の種類によって異なり、寝台車の乗車券を購入している方は「サロン・パノラマ・ラウンジ」という飲み物やお菓子が用意された専用の待合室で待つことができます。
それ以外の方は駅構内の待合室で搭乗まで待機します。
搭乗の合図は駅内アナウンスで知らされますが待っている場所によっては聞こえづらい場所があるので、搭乗時間が近くなったら周りの人の動きなどをチェックしながら自ら行動することをおすすめします。
Goトレイン、ユニオン・ピアソン・エクスプレスの場合は、改札機がないためプラットフォームからそのまま好きな席へ乗車できます。
PRESTOカードで乗車する場合は、カードリーダーにPRESTOカードをタッチしてから乗車します。
VIA鉄道の場合は、プラットフォームに入る前に車掌やスタッフに乗車券を確認してもらってからプラットフォームに入り車両に乗車します。
荷物を預けている場合以外は、そのまま自分の荷物を持って下車します。
ただし、乗車券でなくPRESTOカードで乗車した場合は、必ずカードリーダーにPRESTOカードをタッチしてから下車します。タッチを忘れると終点までの料金を支払うことになります。
VIA鉄道で荷物を預けている場合は目的地に着くと係の人が貨物車両から荷物を出してくれるので、チェックインカウンターでもらった荷物の券と引き換えに荷物を引き取ります。
ここまで、カナダの鉄道の概要やチケットの購入方法、プラットフォームや乗車下車の方法など説明してきましたが、ここでは車内の様子をご紹介したいと思います。
ユニオン・ピアソン・エクスプレスの車体は日本車輌製造が製造するディーゼルカーでシルバーに上下ゴールドの線が入っているのが特徴になります。車両は2~3両編成で車内は広々とした2列のリクライニング・シートの座席があるゆっくりとした作りになっています。
大型荷物用ラックも完備されているのでスーツケースをなども楽々と運ぶことができます。
また無料Wi-Fiも利用できるため、電車内で飛行機の時間が確認できます。
なお、車内でフライトチケットのチェックインができるサービスもあるため、混み合った空港のカウンターを利用したくない方には、おすすめです。
Goトレインはの車体は白地に上下黄緑色の線と長い2階建ての車両が特徴で、日本の新幹線のグリーンカーを彷彿とさせるようなデザインになっています。
あいにくユニオン・ピアソン・エクスプレスの様に大型荷物専用のラックはなく基本大型荷物の持ち込みはできませんが、自転車は場合によっては持ち込むことがで可能です。
こちらも無料Wi-Fiが利用できます。
VIA鉄道の車体には3タイプありますが、よく見かけるのがシルバーに青のラインが上に入って、黄色い文字のVIAのロゴマークがポイントになったデザインになります。
2台の機関車も含めると全24両編成になります。
車内の設備やサービスは車両クラスによって内容が変わります。
エコノミーの場合は、読書灯や電源コンセントが装備された2列のリクライニングシートや一人用の座席が完備されています。
基本食事ができるダイニングカーは利用できないため、食事や飲み物は車内販売で購入します。また毛布や枕などの就寝グッズも販売されています。
無料Wi-Fiはコリドーと呼ばれるケベック州のケベック・シティからオンタリオ州のウィンザー間の路線のみで使用ができます。
一方寝台車を予約した場合、昼間はソファー席、夜はベッドになる座席が用意されています。
食事もダイニングカーにて取ることができ、共同のシャワーや洗面所、併せてバスグッズも無料で使用できます。
ここまでカナダの鉄道の利用方法についてご紹介してきました。
せっかくカナダを訪れたなら、ぜひいろんな都市に足を運んでみることをおすすめします!
鉄道の旅を楽しめるうえに、各都市の魅力も存分に楽しむことができます。
バンクーバーは大都市ながら公園の数が多く、自然を身近に感じられる都市生活を送れます。
街にはアジア系が多く住み、バンクーバー独特の空気感を感じられることでしょう。
また街の中心部から離れれば、カナダの大自然が広がっており、リーンキャニオンパークなど自然公園などで落ち着いた時間も過ごせます。
バンクーバーの観光情報まとめ
トロントはカナダ最大の都市で、アメリカを含めた北米規模でも有数の規模の都市となっています。
街ではショッピングをはじめ、美術館・博物館めぐりなどが楽しめるので、都会的な過ごし方を楽しみたい方はぜひ一度は訪れていただきたい場所です。
トロントの観光情報まとめ
モントリオールはカナダ第二の都市として栄えているのと同時に、フランスの文化が根強くあるケベック州最大の都市です。
街では旧市街を中心にフランス系移民が建てた建物が数多く残り、文化的な雰囲気を楽しめます。
また周辺には紅葉で有名なローレンシャン高原や、フランス調の町並みが広がるケベックシティなどもあるため、観光の拠点として滞在される方も多くいます。
モントリオールの観光情報まとめ
上であげた3都市以外にもカナダには魅力的な都市が数多くあるので、ぜひカナダ訪問中に足を運んでみてはいかがでしょうか。
カナダ観光情報のまとめ
ここまでカナダの鉄道に関して、乗車券の購入方法や、乗車方法、車内の様子、簡単な料金例などについて説明してきましたが、ここでは具体的な都市間の移動例に基づいた鉄道料金の目安をご紹介をしていきたいと思います。
バンクーバー~トロントへの移動手段には旅客運送ではカナダで唯一大陸横断ができるVIA鉄道のカナディアン号を利用します。
車両の長さは、2台の機関車も含めると全24両編成になります。
車内にはリクライニングシートが完備されたエコノミークラスの座席から1人~4人用の寝台車、食事ができるダイニングカー、荷物専用の車両、美しい景色を眺めることができるから展望車まで用意されています。
なお、エコノミー席には指定席がありません。
目的地には4泊5日で到着し、移動中も車内で食事を楽しんだり2階部分がガラス張りのドームに状になった展望車や広々としたガラス張りのスカイライン・カーから壮大なカナダの自然を堪能しながら旅をすることができます。
仮に8月31日の12時にバンクーバーから出発すると9月4日の14時にトロントに到着します。
走行距離は4,466kmにも及び、北海道稚内市から沖縄那覇市までの距離が約3,572㎞であることと比べると、その距離の長さがわかりやすいかと思います。
料金例ですが、エコノミークラスが大人1人当たり片道400カナダドル(34,000円)程度(ダイニングカーでの食事は含まれていません)、ビジネスプラスクラスが片道300カナダドル(25,500円)程度になります。
エコノミークラスの料金は通常割引があるため実際はもっと安い値段で購入できます。
寝台車は2段ベッドなどの安いもので330カナダドル(28,050円)~程度から購入でき、高いものになると最低550カナダドル(46,750円)~の購入になります。
トロント~モントリオールに行くには、VIA鉄道のコリドーという東部ネットワークの車両を利用して移動します。
車体はカナディアン号に比べて短く車内はエコノミー座席の場合、電源コンセントのついたリクライニングシートが完備されています。
食事や飲み物は車内販売にて手ごろな値段で購入することができます。
ビジネスプラスの場合は、電源コンセントのついたリクライニングシートの他に無料新聞サービスや食事やアルコールのサービスも無料で楽しめます。
こちらもカナディアン号と一緒でエコノミー席には指定席がありません。
なおWi-Fiは前席で無料で利用することができます。
およそ5時間で目的地まで到着します。ただし運行状況によっては数時間遅れての到着になる場合もあります。
仮に、8月31日の11時30分にトロントを出発すると、モントリオールには同日の16時58分に到着します。
料金はシーズンによって変動しますがエコノミーで大人1人当たり約125カナダドル(10,625円)、ビジネスプラスで約290カナダドル(24,650円)になります。
ビジネスプラスでは料金に食事や飲み物が含まれています。
カナダで鉄道を利用する際の注意点ですが、VIA鉄道を利用する場合は利用する列車やクラスによって、預けられる荷物の重さや個数、持ち込める荷物の数に制限があるため、必ず事前にwebページやサービスカウンターにてご確認ください。
また一旦預けた荷物は到着まで開けることができませんので、車内で必要な荷物と預ける荷物をしっかり分けておきましょう。
また荷物を預ける際は盗難の可能性もあるので貴重品などを中にいれず、荷物には鍵をかけておくことをおすすめします。
荷物のチケットは下車時に必要になりますので、無くさずに保管しましょう。
乗車券でなく電子カードのPRESTOカードを利用する場合は、下車時にカードリーダーにタップしないと終点までの料金がひかれますのでご注意ください。
また乗車時に乗車券の確認がない鉄道会社でも、車内で定期的に乗車券の確認がありますので、購入した乗車券はしっかり身に着けておきましょう。
日本の新幹線と違って、カナダの鉄道は全席禁煙となっています。
VIA鉄道で長距離の旅をする場合途中の停車駅などで外にでて喫煙することも可能ですが、小さい街だと停車時間も短いため、車掌さんに声をかけて停車時間を確認するか、途中停車する駅の停車時間を事前に時刻表などで確認しておくことをおすすめします。
また万が一車内で喫煙した場合は、見つかった場合途中の停車駅で強制的に途中下車させられる場合もあるので、ご注意ください。
いかがでしたか?カナダの鉄道は短距離から長距離の旅まで、多くの場面で利用することができます。
バンクーバーやトロント市内を回るときは、バンクーバーのトランスリンク社が運営するスカイトレインや、トロントのTTCが運営する地下鉄や路面電車などを利用することができます。
トロント空港からダウンタウンまで移動するにはユニオン・ピアソン・エクスプレスを利用すればわずか25分で移動することが可能です。
トロントやトロント郊外にはGoトレインを、大陸横断などの長距離旅行やビジネスなどでカナダの主要都市をまわるには国有のVIA鉄道の利用がおすすめです。
これからカナダに行く予定のある方はぜひ、この記事を参考に鉄道を利用してみてくださいね。
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