カナダの首都はなぜオタワ？首都になった理由と街の魅力を徹底解説

「カナダの首都」と聞くと、バンクーバーやトロントといった認知度が高い街の名を挙げる方が、多いでしょう。

カナダの首都は、バンクーバーでもトロントでもなく、「オタワ」です。日本ではそれほど知名度が高くないオタワですが、なぜその他の大都市ではなく、オタワが首都として設立されているのでしょうか。

この記事では、オタワの特徴やオタワが首都になった経緯についてご紹介します。

オタワ以外のカナダの主要都市についてもご紹介するため、カナダ留学を検討している方はぜひ参考にしてください。

カナダの首都オタワとは

カナダには全部で10の州があります。国全体の人口は、2023年4月時点で3,985万8,480人、国土面積はおよそ998万5,000㎢です。（※1）

数字だけを見てもピンと来ないかもしれませんが、国土面積はアメリカとそれほど変わりません。しかし人口はアメリカの10分の1ほどです。

他国とカナダの人口・広さを比較すると、カナダの開放的で広々としたイメージが、より伝わりやすいのではないでしょうか。

そんなカナダの中でも人口が多く、国を代表する3都市が、下記の3つのエリアです。

都市名	人口（※2）
トロント	279万4,356人
モントリオール	176万2,949人
カルガリー	130万6,784人

カナダの首都であるオタワは上記のランキングには入っていませんが、カナダ国内では4位の人口数を所持しています。

オタワの特徴

オタワは、アルゴンキン・インディアンの言葉で「物々交換」、あるいは「森の人」を意味し、カナダ東部オンタリオ州に位置しています。オタワの周辺にはトロントやモントリオールなどの大都市があります。

都市名	オタワ
州	オンタリオ州
州面積	108㎢
人口	101万7,449人（※3）

緯度約45度、経度およそマイナス75度に位置するオタワと日本との時差は14時間、夏季（3月〜11月）は13時間です。

オタワの街は歴史を重んじており、イギリス移民やフランス移民を多く受け入れてきた名残からいたるところでイギリスやフランスの文化に触れられます。建物のデザインや街の雰囲気も欧州の気配が色濃く、散策をするだけで楽しめる都市です。また、オタワは芸術にも造詣が深く、街には博物館や美術館が多く存在します。

優雅で非日常の空気を多く感じられる街であるため、観光や留学で訪れた際は、絵本のようなオタワの風景に感動を覚えることでしょう。

ただし、寒さが厳しいオタワに滞在する際は寒さ対策が必須です。

冬季の平均温度はマイナス10℃前後、寒波に襲われるとマイナス30℃まで気温が下がります。渡航の際には、防寒対策を念入りにしておいたほうが安心です。（※4）

なぜオタワが首都になったの？

他の近代的な大都市ではなく、なぜ、ヨーロッパの歴史や文化が色濃く残るオタワが首都とされているのでしょうか。

実は、オタワが首都になった理由は、街に残された欧州の文化が鍵を握っています。

イギリス系とフランス系移民が作ったカナダの歴史

カナダはイギリス系移民とフランス系移民によってつくられた国です。

元々はカナダインディアン（ファーストネーション）が暮らしていたカナダの土地に、16世紀ごろからフランス・イギリスの両国の移民が住むようになりました。

当時のカナダはまだ国としてまとまっておらず、あくまで両国の植民地として扱われていたそうです。

ビクトリア女王の決断による首都の制定

オタワがカナダの首都に置かれたのは、ビクトリア女王の決断によるものといわれています。

カナダは1763年にパリ条約が締結されて以降、長い間イギリス領として管理されてきました。しかしケベック州をはじめとするカナダの一部の地域は、フランス系移民の自治下にありました。

イギリス移民とフランス移民、両国の文化の違いから、カナダ国内では移民同士の抗争が盛んだった時代があります。

その争いを止めるために、イギリスのビクトリア女王が首都の設置を宣言したのです。

1857年、ビクトリア女王はイギリス領であったトロントと、フランス系移民が多く住むモントリオールの中間地点に、首都オタワを設けることを定めました。両国の領地の間に首都を設置することで、カナダの平定を成し遂げたとされています。

地図を見ると、オタワがモントリオールとトロントの中間地点にあることが分かります。

また、現在のオタワを首都にした理由には、軍事も考慮されています。

オタワは、トロントやモントリオールに比べ、アメリカ国境と距離があるエリアです。

当時はまだ戦争が絶えない時代であったため、アメリカと距離を取り、隣国からの侵略を防ぐ目的も含めて、今の位置にオタワを設置したという説もあります。

カナダの主要都市

カナダには首都オタワ以外にも、魅力的な都市がたくさんあります。

ここからは、カナダの留学先としても人気である、5つの都市の特徴について、ご紹介します。

モントリオール

モントリオールはカナダの東部、ケベック州最大の都市です。

英語とフランス語を公用語としており、街にはフランス文化が多く息づいています。

街を歩けばフランス語の看板が目に入り、店ではフランス語のメニューを渡されることも少なくありません。通りを1本入ればフランス語があちこちから聞こえてきて、街並みもフランスを連想させる優美な雰囲気が残されています。

カナダにいながら異国情緒を味わえるため、留学先としてモントリオールは人気のエリアです。

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モントリオールの語学学校一覧

トロント

トロントはオンタリオ州の都市であり、カナダの南東部に位置しています。アメリカのミシガン州・マサチューセッツ州に近く、国境をまたいだ移動もしやすいエリアです。

トロントはカナダ国内最大の人口を誇る都市であり、移民の受け入れにも寛容です。そのためトロントではさまざまな国の人々に出会う機会が多くあり、街のいたるところで多種多様な文化に触れられます。

街並みは「カナダの大都会」のイメージをそのまま体現したような近代的な装いです。たくさんのビル群が立ち並び、留学学校の数も多いため、世界各国のビジネスパーソンや多くの学生が、この地で生活をしています。

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カルガリー

カナダ西部、アルバータ州にあるカルガリーは自然が豊かな街です。カナダを象徴するロッキー山脈が鎮座するエリアでもあります。

そんな雄大な雰囲気を持つカルガリーでは、アクティビティが盛んです。森や湖といった自然と一体になれる遊びが多く開催されており、オンとオフの切り替えがしやすい街といえます。

冬になればウィンタースポーツを目的として、カルガリーに足を運ぶカナダ国民も少なくありません。雪が多い分冬の寒さは厳しいため、カルガリーに滞在予定の方は、防寒対策をしっかりと行いましょう。

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バンクーバー

カナダ南西部のブリティッシュコロンビア州に位置するバンクーバーは、自然と近代的な建物が融和した街といえます。

バンクーバーの中心部は都会的なイメージが強く、オフィス街や学校なども多い傾向にあります。しかし周りが海に囲まれていることから、街の風景は高層ビルと港や海が溶け合っている印象です。

自然の気配と都会的な雰囲気を持つバンクーバーには、アジア系の留学生が多く集まっています。街の人々はアジア系の学生に対して寛容で、温かく歓迎してくれます。

気温の変化も他のエリアより少なく、過ごしやすい土地であるため、留学経験が浅い方にもバンクーバーはおすすめの街です。

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バンクーバーの語学学校一覧

ビクトリア

ビクトリアはブリティッシュコロンビア州に位置する街です。都市名からわかるように、イギリスの文化が色濃く残っています。

そのうちの1つが、アフターヌーンティーの習慣です。ビクトリアではイギリス同様にアフターヌーンティーを楽しむ文化があり、街のカフェやレストランでは、美しい庭園を眺めながらおいしいお茶とお菓子を味わえます。

また、ビクトリアの街はコンパクトで移動がしやすい点も魅力です。半日あれば市内観光ができ、生活に必要な店舗や施設もまとまっているため、留学やワーキングホリデーなど長期滞在がしやすい街といえます。

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まとめ

カナダの首都であるオタワは、決して大きな街ではありませんが、魅力的なスポットが多く集まる観光や留学におすすめの都市です。

また、首都として認定された背景により、大都市であるトロントやモントリオールへの移動がしやすい点も、オタワの特徴といえます。

これからカナダを訪れる予定のある方は、ぜひオタワにも足を運んでみてください。

加えて下記記事では、カナダを訪れる予定の方におすすめのスポットをまとめています。チェックをして、カナダ渡航への期待値を高めておきましょう。
カナダに行ったら絶対行きたい！世界遺産20カ所すべてを紹介してみた

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