留学をきっかけに初めて海外に行かれる方の中には、「海外に行くとき、やっぱり保険って必要?」と心配している方もいるのではないでしょうか。
海外に行くのであれば保険は必ず入るべきです。国外で医療処置を受ける場合、日本の健康保険制度は使うことができず、全額が自己負担となってしまうからです。また、文化の違いや治安状況によって、日本では考えられないようなトラブルに巻き込まれることもあります。
しかし、数ある保険の中から自分ひとりでベストな保険を選ぶのは少し難しいですよね。
そこで今回は、海外に行くときに入る保険のメリットやデメリット、おすすめの保険をご紹介します。なぜ海外保険に入るべきなのか、入るとしたらどんな保険が自分に合うかなどを理解すると保険選びがとても楽になります。
なお、留学前にすべき準備は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
留学準備をスムーズに進めるための11つのステップとは?
[目次]
保険に入るのを迷っている方は、実際に海外でどのようなトラブルが起こる可能性があるのか知っておくのがよいでしょう。ここでは、海外でよく起きるトラブル事例をいくつかお伝えします。
海外に行ったときに最も多いトラブルが、健康にまつわるトラブルです。
主なトラブルには、
などが挙げられます。慣れない土地での生活は、肉体的にも精神的にも普段より多くのストレスがたまるため、病気にかかりやすくなるのです。
加えて海外の衛生状況は日本もよりも悪い場合が多く、水や食事が原因で体調を崩すケースも多いです。忘れがちなのが虫歯ですが、虫歯治療には歯医者など医療機関にかかる必要があるため、無保険では高額な費用を請求されてしまいます。
手荷物にまつわるトラブルも留学に行く際多く発生するトラブルの一つです。
海外に行く場合、普段よりも多くの荷物を持ち運ぶことになります。そのため、いつもよりも手荷物が被害に合う可能性が高まることをまず自覚しなければなりません。
実際にトラブルとして多いのが、
の3つです。カメラやスマートフォンを落として破損してしまったり、パスポートを落として紛失してしまったりするケースがあります。
加えて、海外で気を付けなければいけないのが盗難です。日本ではあまり意識しないかもしれませんが、海外では置き引きやひったくりなどは当たり前のように起きています。
危機意識の低い日本人は、そういった犯罪者に狙われやすい傾向もあるので注意が必要です。
最後に飛行機にまつわるトラブルを紹介します。これも普段の生活ではまず遭遇しないので、イメージがしづらいかもしれません。海外へ渡航するとき、実際によくあるトラブルとして、
などのケースがあげられます。飛行機が天気の影響やトラブルで遅延・欠航する場合や、スーツケースなどの手荷物を預けて、いざ現地に着いてみたら手荷物は別の国に運ばれていた、などという場合のトラブルです。
その場合、その日の宿泊費や食費、必要品の追加購入などで出費が発生してしまいます。保険に入っていれば、そのような不要な出費をカバーすることが可能です。
海外に行くときに入る保険は大きく「留学保険」と「海外旅行保険」の2つに分かれます。実際のところこの2つの保険に大きな違いはなく、ベースに海外旅行保険があり、留学保険はさらにそこへ留学の事情を考慮した特約がつく、という見方で問題ありません。
なので一般的な海外旅行の場合は海外旅行保険を、留学の場合は留学保険を選びましょう。
基本となる海外旅行保険には、どのような補償があるのでしょうか。海外旅行保険の補償は以下の3つに絞られます。
海外旅行中は食生活や文化などの違いによって、体調不良や思わぬ賠償事故、盗難事故に巻き込まれることがあります。賠償事故が発生した場合や手荷物が盗難された場合なども、該当する補償に加入していれば保険でカバーすることが可能です。
留学保険は、海外旅行保険の補償内容に加えて以下の特徴があります。
詳しく見ていきましょう。
海外旅行中に「日常生活に起因する事故」、または「居住施設の所有・使用または管理に起因する事故」で他人にケガをさせたり、他人の物に損害を与えて賠償責任を負ったときに補償されるものです。
海外旅行保険の賠償責任では対象外になっている、「居住施設の所有・使用または管理に起因する事故」が、この留学生賠償責任保険金では対象に含まれます。例えば、「アパートで床を水浸しにしてしまった」というケースでも、この保険に入っていれば補償されるので安心です。
海外留学中に「生活動産」が、盗難・破損・火災等の偶然な事故にあって損害を受けた場合に補償されるものです。
「生活動産」とは、被保険者が所有している物、留学のために他人から無償で借りた物、宿泊・居住施設に保管中の物を言います。
例えば、「アパートに置いていたテレビが盗まれてしまった」という場合でも、この保険に入っていれば補償してもらうことが可能です。
留学生継続費用保険金は被保険者が留学中に、事故によるケガがもとで、被保険者の扶養者が事故に遭い、その日を含めて180日以内に死亡した場合、または重度後遺障害が生じた場合に補償されるものです。
例えば、家計を支えていた父親が事故で急に亡くなった場合、この保険に入っていなければ留学を継続することは難しいでしょう。この保険は、留学生が経済的な基盤を急に失い、学業を継続できない状況に陥ることを回避するためのものです。
渡航先や補償内容、補償金額によって保険費用は変動しますが、ここでは代表的な保険会社が提示している基本セットの相場を確認します。
保険会社が提示している相場は15,000円~30,000円となりました。
もちろん保険会社によって、補償内容は異なりますので個別に確認が必要です。
留学保険の場合は補償範囲が広がるため、海外旅行保険よりもやや割高となります。25,000円~40,000円程度が相場のようです。
海外へ渡航した後に、予定していたよりも長く滞在しなければならないケースが発生することがあるでしょう。その場合、すでに加入している保険の期間を延長することは可能なのでしょうか。
結論から言うと、各保険会社によって延長の審査が行われるため、保険期間を延長できるかどうかは一概には言えません。審査基準は保険会社によって異なりますが、「保険期間中の保険金請求履歴」や「延長の希望期間」などによっては、延長を断られてしまう可能性があります。
もちろん延長が可能なケースもありますので、必要な場合はなるべく早めに保険会社へ問い合わせるようにしてください。
延長の申請には以下の8つを伝える必要があります。事前に準備しておきましょう。
<必要なもの>
1. 契約証番号
2. 契約者名と被保険者名
3. 現在の保険期間
4. 保険の延長を希望する期間
5. 延長する理由
6. 契約者の住所
7. 契約時の電話番号
8. 契約した代理店
留学期間の長さに関わらず、保険は必要です。
日本で医療を受ける場合は保険が適用されるため、医療費の支払いで高いと感じることは少ないかもしれません。しかし、海外での支払い事例を見てみると、その金額の大きさに驚くでしょう。
【海外での支払い事例】
・アメリカで盲腸と診断され、手術し入院したケース:160万円
・オーストラリアで骨折し、手術し入院したケース:400万円
・カナダで腸閉塞と診断され、医師・看護士が付き添い医療搬送し入院。家族も駆け付けたケース:1,000万円
保険に入らない場合は、万が一のときにそのリスクを背負わなくてはなりません。また留学の場合、受け入れ先の学校から「保険加入の義務」が課されているケースがありますので、その点も踏まえて検討しましょう。
ここでは株式会社oricon MEが発表する、オリコン顧客満足度ランキング2020年版海外旅行保険ランキングに則り、おすすめの保険をご紹介します。
<2020年海外旅行保険ランキング>
順位 | 保険名 |
---|---|
1位 | ソニー損害保険 |
2位 | ジェイアイ傷害火災保険 |
3位 | 損保ジャパン |
4位 | 三井住友海上火災保険 |
5位 | 東京海上日動火災保険 |
6位 | エイチ・エス損害保険 |
7位 | あいおいニッセイ同和損害保険 |
8位 | AIG損害保険 |
ソニー損害保険の海外旅行保険は、2018年にジェイアイ傷害火災保険と業務提携する形で誕生した保険です。
出発当日でも申し込みが可能な上、ジェイアイ傷害火災保険が提供するt@bihoの24時間日本語サポートや渡航先の提携病院の紹介など、サポートも充実しています。
加えてネットでの申し込み専用の保険なので、その分低価格でのプランが多く用意されています。
ソニー損害保険
ジェイアイ傷害火災保険株式会社が提供する保険には、店頭で申し込む海外旅行保険とネットで申し込むt@bihoの2種類の保険を提供しています。
特にt@bihoは、ソニー損害保険で紹介した通り、24時間日本語サポートや渡航先の提携病院の紹介などのサポートを提供している上、ネット専用の保険なので低価格で提供されており、渡航先によっては店頭価格の72%も安い価格で提供される保険もあります。
加えてt@bihoでは旅行先と年齢による2軸でのリスク細分によって提供価格を変えており、リスクの低い旅先や年齢層に対しては、その分安く保険が提供されています。
ジェイアイ傷害火災保険「t@biho」
損保ジャパンが提供する新・海外旅行保険off!(オフ)は、ネットでの申し込み、当日の申し込みが可能なことはもちろん、クレジットカードの付帯保険との併用で補償部分を絞った保険設計を提供しています。
特にクレジットカードの付帯保険との併用では、一部保険範囲を削減している分保険の価格は抑えられるので、その分安く保険に加入できます。
損保ジャパン「新・海外旅行保険off!(オフ)」
三井住友海上の提供するネットde保険@とらべるでは、クレジットカードへの上乗せ補償など、安い価格での保険提供を行なっています。
加えて弁護士費用やテロ対応費用などにも保険が適用となるため、もしもの時にも安心の保険です。
三井住友海上「ネットde保険@とらべる」
東京海上日動の提供する海外旅行保険では、24時間・年中無休・日本語などのサポートに加え、治療費等が高額になっても安心の治療・救援費用保険金額「無制限」タイプなどがあります。
渡航先でのもしも事態に見舞われた時でも安心の補償内容となっています。
東京海上日動「海外旅行保険」
エイチ・エス損害保険が提供する海外旅行保険たびともでは、24時間365日サポート、治療費用無制限タイプの用意に加え、新型コロナウイルスも補償対象となっています。
エイチ・エス損害保険「海外旅行保険たびとも」
あいおいニッセイ同和損保でも書類とネットの2パターンでの申し込みが可能で、ネットでの申し込みでは書類での申し込みに比べ半額近くに収まるケースもあります。
ネット申込み用のプランeとらべる海外旅行保険では、リピーター割も適用となるため、過去に利用経験のある方はさらに保険費用を抑えられます。
あいおいニッセイ同和損害保険「海外旅行保険」
AIG損害保険では、治療費用無制限タイプのプランの用意のほか、緊急歯科治療費用や妊娠初期の異常による症状も補償されます。
AIG損害保険
ここまでは海外旅行保険をランキング形式で紹介しましたが、留学、特にアメリカへの留学にはAIG損害保険がおすすめです。
AIG損害保険では、アメリカを中心に世界55万もの医療機関と提携し、治療費の支払い不要なメディカルサポートを提供しているので、その場で現金がなくても安心です。
また先ほども紹介した通り、留学期間によっては緊急歯科治療費用や妊娠初期の異常による症状も補償されます。
留学中は思わぬ事態に見舞われることも起こりえます。何かと不安な際には補償内容の充実した保健へ加入しましょう。
クレジットカードには、会員向けのサービスの1つとして、カード会員を保険対象とした海外旅行保険が付帯されていることが多いです。ここでは、クレジットカードに付帯している海外旅行保険のメリットとデメリット、おすすめのカードをご紹介します。
1番のメリットは、カード会員であれば加入手続きも保険料を払う必要もないため、手間なく、お得に保険を利用できることです。複数のクレジットカードを所持していれば、加入しているすべての補償(ただし死亡・後遺障害補償を除く)が合算して支払われるため、さらにメリットは高まります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は長くても90日までとなっており、海外に長期間滞在する場合はおすすめできません。また補償内容・補償金額ともに一般の保険と比べて低く、海外旅行保険で1番重要とされる医療費補償は、多くても300万円なのが現状です。
そんな海外保険が付いたクレジットカードの中で、特におすすめな「年会費無料」かつ「キャッシュレス診療」をクリアしたカードをご紹介します。キャッシュレス診療とは、保険が適用される際に医療費用の立て替えを行う必要がないサービスのことです。
「エポスカード」の1番良いところは、海外旅行保険で重要な「傷害・疾病補償額」が手厚い点です。
「死亡・後遺障害補償」や「救援者費用」では、他のカードにやや遅れをとりますが、最も利用頻度が高い「傷害・疾病補償額」を手厚くし、キャッシュレス診療にも対応しているところは高く評価できます。
エポスカード公式ページ
「JCB EIT」も年会費無料かつキャッシュレス診療に対応しているカードでおすすめです。JCBはハワイでワイキキトロリーバスが乗り放題になったり、提携店を優待価格で楽しめたり、旅行に特化した特典が多い点も評価できます。
JCB EIT公式ページ
「横浜インビテーションカード」もエポスカードと同じく年会費無料で海外旅行保険が自動付帯しており、キャッシュレス診療にも対応しています。必要な補償がバランスよく入っています。
横浜インビテーションカード公式ページ
年会費が発生するため番外編としてご紹介しますが、家族がいるのであれば「セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード」がとてもおすすめです。
これまで紹介したクレジットカードは、カード契約者本人しか保険の対象になりませんが、このカードでは家族も保険の対象とすることができます。カードを持つことができない、小さなお子様がいる場合などに大変メリットのあるカードです。
セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード公式ページ
いかがでしたか?今回は海外旅行保険と留学保険の特徴や、メリットとデメリットについてお伝えしました。
保険は海外での生活を安心して過ごすうえで必要なものであり、「補償内容」と「保険料の相場」を押さえておけば、適切な保険が選べることを理解できたと思います。渡航先が決まったら、まずは保険の無料見積もりを取ることからはじめましょう。
また、留学には他にも渡航前に準備した方が良いことがあります。例えば予防接種。
万全の状態で留学するためには予防接種を受けることをお勧めします。具体的なワクチンの種類などは下の記事で紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
留学準備に欠かせない予防接種とは?受けるべき種類から必要な証明書まで解説します
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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