こんにちは!Ayakaです。私は現在、キャリアチェンジを目指す1年間のビジネス留学中で、オーストラリア・ブリスベンにあるグリフィス大学で観光学やスポーツマネジメントを学んでいます。
1学期の授業も早5週目に突入!ということで、今回はオーストラリア式の大学授業の日本との違いや、授業に追いつくために私が日々工夫している点をご紹介します。
なお、オーストラリアの大学に関する情報は下のページでまとめているので、制度や名門大学などを知りたい方はチェックしてみてください。
オーストラリアの大学へ進学するには?制度の特徴や大学ランキングを一挙解説
グリフィス大学では、1つの授業は2時間の「レクチャー」と1時間の「ワークショップ」から構成されます。学部の授業は3~4つの授業を取るのが通常です。
「週3~4コマ」は日本の大学の観点からすると少ないように聞こえますが、実際には「レクチャー」と「ワークショップ」は別のコマとして設けられているので、週6~8コマをこなすイメージに近いですね。
私は現在、観光・スポーツ・ホテルマネジメント学部で、2~3年生向けの授業を3コマ履修しています。それぞれどんな授業なのか、具体的に見ていきましょう。
まず1つは、“Sports Management Principles”(スポーツマネジメント原理)。スポーツ業界をとりまく環境やスポーツビジネスの構造を学ぶ授業です。
これまで一参加者としてランニング、バイク、トライアスロンのイベント・大会に出場してきた私にとって、スポーツを「学問」として内側から捉えるのは、「経験」に「知識」が裏付けされていく感覚でなんとも新鮮です。学ぶ内容が現役大学生時代の専攻(ロシア語・英語教育)と大きく異なるので、内容はどれも新しいことばかりで毎回目からウロコです!
写真:担当のキャロライン先生と。先生自身もサイクリスト!
2つ目は、“Organizing and Staging Major Sport Event”(メジャースポーツイベントの組織と主催)。FIFAワールドカップやオリンピックなど、世界規模のスポーツイベントはどのようなプロセスを経て開催に至り、それらが社会的にどのような影響を与えるのかを考察する授業です。
例えば、レクチャーでオリンピックの開催地決定までのプロセスや組織編制を学び、ワークショップでは、過去のオリンピック開催地での地元住民の賛否を扱った論文をもとに皆でケーススタディを行い、ディスカッションをします。
私も日本の新聞のデジタル版をスマートフォンで日々チェックして、2020年の東京オリンピック関連の記事データをスクラップし、授業内での自分の発言に生かしたりしています!
写真:担当のミリセント先生と。ケーススタディでも「日本の場合はどう?」と話を振ってくださるのでやる気につながります!
そして3つ目は“Career Development”(キャリア開発)。日本で言ういわゆる「就活対策」講座ですが、すごいなぁと思うのは、課外での特別授業ではなく1学期間を通した1つの講座として設定している点です。
この授業では、自分自身を“I-brand”(「私ブランド」)とブランド化して、マーケット(つまり就活市場)にどのように自分という商品の価値を売り込み、仕事を得るか、その姿勢・実践的なスキルを学びます。
インターンシップを学期中に経験することも評価対象項目の1つになっており、私もクイーンズランド州政府の自転車政策検討チームのインターンシップに応募し、面接を受験してきました!授業の他はもちろん、大学の就職課自体のフォローも非常に手厚く、国内外生問わず、履歴書添削や面接対策、各種セミナーを無料で受けられます。
写真:担当のバリー先生の好きな言葉は“Passion”(情熱)。「情熱こそが人を突き動かすんだ!!」と松岡修造さんばりの熱血指導は学生からも好評です!私のインターンシップの面接前日に、忙しい合間を縫ってアドバイスの電話をかけてくださったりと、熱意と優しさにあふれた先生です。
グリフィス大学に入って私が一番驚き、自身が大きく変わった点は、紙ベースのアナログ派だった勉強スタイルが、すっかりICT化したことです!授業の事前・事後連絡や、教授が使用するパワーポイントのスライド資料、参考文献などはすべて大学のポータルサイトで提供されます。学内の掲示板を見に行くのではなく、すべてウェブ上でやりとりされます。
教授が発信したことは、「学生はすべて目を通して理解済み」と捉えられるので、しっかりと情報を追っていかなくてはいけません。
私が日本の大学に通っていた時、授業の資料はいつも教授が印刷して配布してくれましたが、この大学では配布はほとんどありません。自分で印刷するか、ウェブで参照するかのどちらかです。
私も最初は印刷していたのですが、なにぶん図書館にあるプリンターは有料で、授業1回分の資料印刷に200~300円かかることもしばしば。少しでも節約したいのと、教授が直前にスライドに変更を入れる可能性もあること、何より塵も積もれば山となる・・で、日本に持ち帰る際に重たーい紙の山ができることが目に見えたので、思い切って授業にノートPCを持参するスタイルに変更しました!
写真:授業に必須のノートPC。PCのステッカーやバッグも自転車関連のものにしているので、クラスメイトからも「キミ、自転車好きなんだね!」と声をかけられることも♪
学内はWi-Fiが飛んでおり、学生はインターネットに無料でアクセスできるので、授業中もウェブ経由で資料を参照することができます。周囲の学生を観察すると、パワーポイントの「ノート機能」に書き込んだり、持参したPCや教室のプロジェクターでパワーポイントを見ながら、手元で紙のノートに書き込んだりするスタイルが大半でした。
「なるほど!」と思ったのは、タブレットの画面にスライドを表示し、専用ペンで自分のメモを手書きで書き込む方法です。皆それぞれ工夫を凝らしていますね。
講義はすべて録音されているので、授業後、ウェブで聞けば復習も容易です。ただし、この機能があるがゆえに授業に参加しない学生も…。教授も対策として出席簿を授業中に回覧したり、試験に出る重要ポイントのところだけは録音マイクをこっそり切ったりすることもあるとか。
授業の最後には「Kahoot!」という学習用クイズアプリを使い、学生のその日の理解度を試す教授もいます。学生皆がIT機器を使えることが前提になっているのは賛否があるかもしれませんが、PCスキルの研修や、ノートPCの貸し出しを行ったりと、大学側のフォローもしっかりしています。
ご参考:Kahoot!
たとえレクチャーであっても、教授がずっと話し続けるわけではありません。教授は常に学生に意見を求め、挙手の有無にかかわらず積極的な発言を歓迎してくれます。課題文献をきちんと読んできたのが自分だけだった時は、「キミが日本語でしゃべるよりは皆きっと理解できるからやってごらん!」とネイティブの前でサマリーをしたことも・・
写真:「スポーツマネジメント原理」の教科書の表紙はロードレース!教授は「私が自転車好きだから、これを指定したわけじゃないわよ!」と言いますが、少なくとも私のモチベーションをキープするのには役立っています☆
授業についていき、自分のプレゼンス(存在意義)をきちんと示すため、私が大事にしていることは大きく2つあります。
1つは、予習をきちんとすること。「予習7割:復習3割」くらいの割合で、日本の大学時代以上に予習には時間をかけて丁寧にやっています。授業中は教授の説明やクラスメイトの発言内容(=ライブで聞く意義のあるもの)に集中したいので、授業のスライドは事前に読み込み、わからない単語は調べておきます。
わからない概念や専門用語があれば、日本語のソースも活用し、自分の理解度をできるところまで深めておきます。
もう1つは、「どんなに些細なことでもよいから、授業中、最低1回は発言する」というルールを自分に課しています。教授は授業中、「これってどういうことかな?」と講義を進めるための重要語やその説明を予習内容に基づいて学生に尋ねます。どんなにしっかり予習をしてきても、発言をして授業の進行に貢献しなければ、教授やクラスメイトから見れば「この人は予習してこなかった」というのと同じ。
自分が学生時代、このようなことは少人数のゼミの授業ではよくありましたが、オーストラリアでは大人数のレクチャーであっても同様の姿勢が求められるので、そのあたりは日本の大学よりだいぶシビアかもしれません。
写真:授業がある日の昼食は、サラダラップで時短ランチ!冷蔵庫の中の野菜や、前日のパスタソースの残りなんかをくるくるっと包むだけで手軽に食べられて便利です♪
留学前は「学生に戻るなら、会社員時代よりも時間が取れそう♪」とのんきに構えていたのですが、いざ始まってみると、朝5時半起きで朝食前に予習、夕食後も復習&次の日の授業の予習、そして課題も・・とエンドレスに勉強時間が続くことに驚きました!
仕事と違って学問は「ここまでやったら終わり!」という明確な線引がなく、24時間いつでもどこでもできてしまうぶん、息抜きの時間をいかに自分で設定するかも大切ですね。キャンパス内をランニングしたり、ヨガクラブに参加したり、早朝にロードバイクでサイクリングをしたりして、リフレッシュするようにしています。
写真:早朝のサウスバンクへお散歩ライド。出勤前にジョギングや散歩をしたり、ロードバイクで通勤したりと、ブリスベンの人たちはとても健康的な生活をしています!
「自分のやりたいことをとことん突き詰めて実践し、次のキャリアパスに生かす」という意識を常に頭の片隅に持っていると、ハードな課題に辟易する時でも「このつらさも自己投資なのだ・・!」と自分を奮起できます。教授たちは皆、自分が熱意を示したぶんだけ情熱的に指導してくださるので、とても恵まれた環境で勉学に励むことができていると感じます。
スポーツを学び、スポーツを楽しみ、勉学と生活をうまく回しながら、次のキャリアを・・!と理想を描きながら、今朝また、目の前の課題文献の山と格闘しています!
【連載】元英語教材編集者が行く、オーストラリア留学体験記↓↓
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