
英語がまったく話せない状態で留学して、意味があるのか。仕事や年齢のことを考えると、今から行って大丈夫なのか。この記事は、そんな迷いを抱えたまま留学を決めた方の体験談です。
のっちさんは当時28歳、英語力は中学1年生レベル。フィリピン・セブ島の語学学校に4週間通った記録です。
留学前の英語力は中学1年生レベル、TOEICは300点未満。入学初日のスピーチはわずか30秒で終わりました。それでも4週間後には、原稿15行分の卒業スピーチを自分の言葉で話せるようになっています。この記事では朝7時から24時までの過ごし方、アラサーが学生生活に馴染めるのか、週ごとに何が変わっていったのかを当時の記録のまま公開しています。「短期留学は意味がない」と言われた彼女が4週間で何を得たのかが分かります。
2016年に4週間、フィリピン・セブ島の語学学校へ留学したときの記録です。学校や費用の最新情報は、記事内のリンク先をご確認ください。
[目次]
のっちさん(@nocci_84)
さまざまな場所を移動しながら活動するライター。横浜出身、留学当時28歳。
留学中も日本の仕事を続けながら通っていたため、社会人が働きながら短期留学した場合のリアルな記録です。

まず、留学前の英語力から正直に書きます。
中学1年生レベルです。かろうじて挨拶ができて、知っている単語を並べられる程度。文章は作れません。1年前に受けたTOEICは300点未満でした。
いちばん印象に残っているのは、問題用紙の「Shake」という単語に、思いきり「鮭(しゃけ)」と訳を振っていたことです。
※Shakeは「振る」、鮭は「salmon」です

私が通った学校では、入学時に全員の前でスピーチをします。来て早々に自分のスキルのなさを突きつけられるこの儀式は、はっきり言って地獄かと思いました。
実際に話したのがこちらです。
Hi there. My name is Nocci. I'm from Yokohama. Nice to meet you.
(こんにちはみなさん。私の名前はのっちです。横浜出身です。よろしくお願いします。)
30秒です。
しかも緊張でガチガチ。声も震えていました。正直に言うと「Hi there」は前の人が言っていたのを真似しただけで、当時は意味も分かっていませんでした。
この後に受けた実力テストは、100点満点中30点。不安しかない状態で留学生活が始まりました。

そして4週間後、卒業式で話したのがこちらです。
Hello everyone! How are you today? Thank you so much for a great party. Time flies so fast.
I can't believe that four weeks passed. This studying abroad was a mission impossible for me. I felt anxious.
Because I needed to juggle my time between studying English and work, I thought of going back home over and over
again when I arrived at Japan airport. So I was so nervous that I almost fainted when I arrived here in the
Philippines. On my first week, I kept on dreaming about escaping from studying English because I was afraid of it.
But surprisingly, I like it now. For I met nice friends and nice teachers. Thank you so much and forever love.
I'm going to travel around the world from August. After traveling, I'll come back to the Philippines 6 or 7 months
later. I'll drop by here. See you again. Thank you!
(訳)こんにちは、みなさん。素敵なパーティーを開いてくれてありがとうございます。時間が経つのは本当に早くて、もう4週間も過ぎたなんて信じられません。私は始め、不安でしかありませんでした。なぜなら英語の勉強と仕事を両立させる自信がなかったから。そして本当に英語が怖かったから。日本の空港に着いた時には、何度も家に帰ろうかと思ったし、フィリピンに着いた時も不安でいっぱいでした。最初の週は、英語から逃げる夢をたくさん見ていました。だけれど今は自分でも驚くくらい、英語が好きなんです。それは、素敵な仲間と先生たちに会えたから。本当にありがとう。そして大好きです。私はこの後、世界一周にいく予定です。その時きっとまたフィリピンに立ち寄るので、連絡しますね。また会いましょう。ありがとう!
もちろん、すべてを自分で考えたわけではありません。先生の力も借りています。それでも話している内容は理解できるようになったし、自分で組み立てた部分もかなりあります。発音はまだまだですが。
そしてこれは私だけではなく、他の生徒もみんな同じでした。4週間を終える頃には、全員がこのくらいのスピーチをしていました。
ここから先は、その4週間に何があったのかを順番に書いていきます。

そもそも、なぜ今さら英語留学をしようと思ったのか。
「6年間も勉強したのに簡単な言葉すら話せないことが情けなくなった」「選択の自由を広げたい」など理由はいろいろあるのですが、いちばん大きかったのは年齢でした。
これから結婚もしたいし、出産もしたい。キャリアについても、もう少し考えたい。それらのライフイベントを並べたときに、時期的に区切りがよかったのが「アラサー」である今だったんです。
もう少し前だと勇気が出なかったし、これ以上遅くなると多分「もういいや」と諦めてしまう。そんなぎりぎりの気持ちで決めた留学は、8月31日まで真っ白だった宿題を焦って埋める、夏休み最後の子供のような気持ちでした。
※あくまで私の主観です。実際に30代、40代で留学する方もたくさんいます
白状すると、留学するまで私はまともに英語の勉強ができませんでした。
教科書を開けば数秒で眠くなるし、文法は何度読んでも理解できない。1日2時間と決めたはずの勉強時間は2日に1回になり、3日に1回になり。気づけば部屋のすみに、英語の教科書がホコリをかぶって山積みになっていました。
原因は、もともと勉強が苦手だったこと以上に、「英語を使っている自分」も「できなくて困っている自分」も、リアルに想像できなかったからだと思います。
日本で暮らしていれば、英語を使わなくても生活に支障はありません。仕事で使うか、英語圏の友達でもいない限り、無理やり英語を使う機会もない。そんな中で英語を勉強し続けるのは、よほどの覚悟がないと難しい。
こんなに意思の弱い自分が英語を習得するにはどうすればいいのか。考えに考えた末に出した答えが、「英語を使うしかない場所に、自分を放り込む」ことでした。

留学を考える人にとって、いちばん気になるのは「実際の学校生活」ではないでしょうか。ここからは、私の平日をそのまま再現します。
私が選んだのは、マンツーマンとグループを合わせて1日7時間、週5日のコースでした。もう1時間多いコースもあったのですが、仕事と勉強を両立したかったので少なめのほうを選んでいます。結果から言うと、想像以上に大変で全然両立できていませんでした。
※私が通った「TARGET Global English Academy」は、留学当時とは校舎が変わり、現在は新しいキャンパスで運営されています。最新のコース内容や料金は学校ページをご確認ください

授業が8時からなので、7時にダイニングで朝食が用意されます。フルーツ、パンケーキ、スープなど軽めのメニューが定番。料金は滞在費に含まれています。
ただ、ばっちり夜型だった私はこの時間にほとんど起きません。授業の直前まで意地でも眠っています。朝ごはんは食べても食べなくても自由なので、スーパーで買ったヨーグルトで済ませていました。

8時、学校中に流れる「メリーさんの羊」が授業開始の合図です。私の場合は50分×5コマのマンツーマンと、50分×2コマのグループレッスン。長い長い旅の始まりです。
マンツーマンは完全個室。先生は優しいのですが、寝ぼけた頭に容赦なく降り注ぐ英語のシャワーは正直こたえます。この1コマ目で、やっと目が覚めてきます。
授業の取り方によっては空き時間が入ります。私は11時から1時間が空いていたので、この時間は部屋で仕事をしていることが多かったです。

待ちに待ったお昼ごはん。軽いビュッフェ形式で、席は自由です。ただし各テーブルが「English席(英語で話す席)」と「No
English席(母国語で話す席)」に分かれているので、その日の気分で選べるのがよかったです。
ご飯は日本できっちり修行したスタッフが作ってくれるので、日本人好みの味付け。正直かなり美味しいです。

昼休憩は1時間あるので、毎回30分ほど余ります。その時間は、午後のレッスンで使いたいフレーズや、午前中に分からなかった単語をバッチメイトと洗い出す時間にしていました。
ある日のチャレンジフレーズはこちらです。
ものすごく後ろ向きな単語が並びましたが、生き延びるには大事なフレーズでした。

午後はグループクラスからスタート。グループといっても3〜4名ほどなので、話す機会は十分あります。他の人の言い回しが参考になる一方、マンツーマンより緊張します。
ランチで多少回復した体力もこの辺りから削られていき、17時には完全にゼロです。
夕飯もランチと同じビュッフェ形式。外で食べる人も多いので、ランチほど混みません。私もよく外食に出るのですが「今日は学校のご飯が食べたいな」と思って戻ってくることが多かったです。

ご飯を食べたら宿題です。近くのコーヒーショップ「Bo's Coffee」が定番でした。みんなでワイワイ出かける人も多いですが、私は1人でいることが多かったです。
門限前に帰宅して、部屋で宿題の続きをやるか少し仕事をして就寝。こうして1日が終わります。

平日がこの調子なので、休日はほぼ放心状態です。それでも週末になると、カメラを持って町を歩いていました。
日本とは光の強さも色の濃さも違うので、何気ない路地や市場を撮っているだけで飽きません。平日に削られた分をここで回復させて、また月曜を迎える。そんなリズムでした。
時間割は学校によってかなり違います。自分のペースで続けられそうか不安な方は、無料のLINE相談でどんな学校が向いているか聞いてみてください。

留学前にいちばん気にしていたのが、実はここでした。授業についていけるかという不安もありますが、キラキラしたイメージの留学生活にアラサーの自分が馴染めるのかのほうが気がかりだったんです。
結論から言うと、杞憂でした。
周りの留学生と話してみると、8割ほどが私と同じロービギナーというレベルで入学してきていました。「よかった、私だけじゃない」と本当にホッとした瞬間です。
学校全体の年齢層に幅があるので「いえーーい!」という雰囲気は少なく、比較的落ち着いています。私のようにワイワイした空気が少し苦手な人でも、部屋を個室にすれば自分のリズムで生活できます。

学校のサイトやパンフレットを見ても、実際に通った人がどう感じたかまでは分かりません。口コミを探している方向けに、4週間通った私の評価を、よかった点と大変だった点に分けて書いておきます。
ちなみに「2週間を過ぎたあたりから英語漬けに慣れてくる」と先輩留学生は口を揃えて言っていたのですが、私は最後まで慣れませんでした。授業中にぼーっとしてしまうことがあるのも、聞いてみると他の留学生も大体同じだったので、そういうものだと思います。

30代前後の女性が1人で留学することに不安を感じる人もいると思います。
ただ、フィリピンの女性は1人で外出することが少ないようで、放課後にコーヒーショップへ行くと「日本の女性は1人でどこでも行くなんて、本当に強いね」とよく言われました。1人の時間が欲しい人は、むしろ尊敬されるかもしれません。

「めっちゃ聴き取れる」という実感はまったくありません。それでも容赦なく浴び続ける英語に耳が慣れてきたのか、初日に感じていた魔法の呪文(何を言っているのか分からない)状態は、少しずつ緩和されてきました。
最初は「eat」や「this」など、誰でも知っている単語でしか会話ができませんでした。それが必死に話そうとするうちに、文法が合っているかは分からないものの短い文章が作れるように。初めて自分で組み立てた言葉が通じたときの感動は、ものすごかったです。
この週にいちばん実感したのは、授業はあくまでアウトプットの時間だということ。1日に何度も出てくる単語なのに、調べても次の日には忘れている。それを避けるには、授業以外の時間にインプットする時間を必ず作るしかありませんでした。

今まで聴き流していた英語の曲が「このフレーズ、聴いたことあるな」と思えるようになってきました。簡単なフレーズなら意味が分かることも出てきて、その曲がさらに好きになります。
一方で、7時間授業の生活にはまだ全然慣れません。授業中にぼーっとしてしまうこともありました。ただ、聞いてみると他の留学生も大体同じような感じで、先生もこちらのペースに合わせて調整してくれます。
そしてこの週、初めて英語の夢を見ました。留学生あるあるだそうです。起きた時に毎回げっそりしていましたが、こうして24時間英語生活を手に入れました。

「これはどこにあるの?」「これが欲しい」「あれがしたい」といった日常の言葉を、少ないボキャブラリーから頭をひねって使う日々。頑張って覚えたというより覚えなければ生活できない状況だったので、猛スピードで吸収していきました。
町に出ても、店での注文、行きたい場所を伝えること、道を聞くこと、値引き交渉。基本的なことは2週間もすれば悩まずできるようになっていました。
そしてこの時期にひとつ、自分で見つけたことがあります。
私はいつも、頭の中で日本語を作ってから英語に直して話していました。当然ラグが生まれるので、次の単語を悩んでいる間にどんどん会話が先に行ってしまう。すぐに日本語を捨て去るのは難しい。
そんなチグハグな会話を繰り返すうちに、英語には「But」や「Because」など、会話が止まっても待ってもらえる単語があることに気がついたんです。
「この単語まで言ってしまえば待ってもらえる」と分かってから、会話がぐっとスムーズになりました。何より、自分で発見して自分で解決できたことが嬉しかったです。

留学前、4週間だけ行くと言うと「そんな短いの意味ないよ」「日本で勉強したほうがいい」と忠告してくれる人がいました。
確かに、4週間でペラペラにはなりません。短い英語を少し話せるようになる程度です。
裏を返すと、どこまで話せるようになりたいかで必要な期間は変わります。何週間くらい必要か迷っている方は、無料のLINE相談で目安を聞いてみてください。
だけれどそれは、表面的なこと。見えない部分で、私は大きく変わったと実感しています。

「英語怖い」「外国人怖い」「もはや海外が怖い」で始まった私の留学生活。とくに怖かったのが、小さな部屋で行うマンツーマン授業でした。言っていることも分からないし、この人が何を考えているのかも汲み取れない。ひどい時には宿題の範囲どころか、宿題が出ていることにすら気づきませんでした。
当時は「私に英語力がないからだ」と思っていました。でもある日ふと冷静になったときに、この状況は「私の思い込み」や「恐怖によるパニック」でできていたと気づいたんです。
よく聞けば、そんなに難しい単語は使っていない。ゆっくり、言葉をきちんと選んで話してくれている。先生はプロフェッショナルだけれど、私と同じ普通の人間だということ。
そんな当たり前に気づいたとき、英語は怖いものではなくなりました。そして同時に、目の前に座っている人を「もっと知りたい」と思えるようになったんです。
先生とみっちり毎日7時間、それを4週間。その日々は「何となく話せたらいいな」という漠然としたイメージを、「目の前のこの人ともっと話がしたい」という身近なものに変えてくれました。
「明日はこの話がしたいから、この単語を調べよう」と前の日に一生懸命調べて、翌日ドキドキしながら伝えてみる。それがちゃんと伝わったときの嬉しさといったら。

しんどい留学生活を乗り越えられたのは、やはり同じ立場の仲間がいたからだと思います。同じタイミングで入学し、同じように苦しみ、同じ日に卒業していく。たった4週間でしたが、とても濃い時間でした。
ちなみに卒業式ではひたすら大号泣して、めっちゃ引かれました。お別れが本当に苦手なんです。

いちばん大きな変化は、あんなに何年も拒絶反応を起こして嫌いだった英語を、好きになれたことです。この歳で嫌いなものを好きになるって、すごいことだと思うんです。
「この人と話したい」という気持ちは卒業しても変わらず、今も先生たちとSNSでやり取りが続いています。新しい単語を調べながら文章を作る努力も、日本に帰ってきてから続いています。
「新しいことをはじめるのに早いも遅いもない」という言葉を、私は正直あまり信じていません(やっぱり遅いは、ある)。それでも年齢やその他の不安を言い訳にしてチャレンジしないのは、もったいないと思います。
「Yes」しか言えなかった私が、留学して分かったこと。それは人間は、自分が思ったよりも高く跳べるということでした。
※最終日にムール貝で盛大に食あたりを起こし、悶えながら帰国しました。海外で貝を食べるときはご注意ください
4週間の留学にかかる費用や、どの都市を選ぶかで迷っている方は、下のページに情報をまとめています。
この記録が、迷っているあなたの背中を少しでも押せるものになれば嬉しいです。

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