フランスの大学院博士課程ってどんな感じ?入学から卒業・授業内容・学費情報まとめ

こんにちは、フランスの大学院に留学中のKURIKOです。

海外の大学院レベルになると、英語圏以外の国に留学しても英語で論文を書いたり、研究をしたりすることが多いです。特に理系の場合は、英語ができるとどの国に行っても研究ができるというのが利点かもしれません。

私が通う学部では、フランス語でなくても英語で書かれている文献を参考に論文を執筆しても良い、という指導教官もいました。実際、参考文献や資料は英語のものが多いです。

では具体的にフランスの大学院の授業内容はどんな感じなのか。日本の大学生の方で、海外の大学院への進学を考える方もいらっしゃるでしょう。

今回はフランスの大学院での勉強や課題内容、入学から卒業、費用についてご紹介します。

当記事では、2017年6月時点での情報を元に作成された記事となっております。
公開から年月が経ち、情報が古くなっている恐れがございますので、学費などの情報は別途最新のものをご確認ください。

海外の大学院の学部ってどういう体制?

大学院の博士課程になると、学部に在籍するというよりも研究チームに在籍という形になります。

私はストラスブール大学の人文学部系の博士課程、
LiLPa-Linguistique, Langues, Parole(言語学、言語、発話)という研究チームがあり、その中の言語学習と言うセクションにいます。

学部学科のように分類されてはいますが、他の学生と一緒に何かをするということはあまりありません。他学生と一緒に行動するのは、年に数回セミナーが開催されるその時くらいです。

どうやって大学院の博士課程に入学するの?

海外の大学院の博士課程では、自分の専門分野の論文指導教官を見つけ、その教官からOKがもらえれば入学に一歩近づきます。

その後は、自分が在籍したい研究チームにテーマや論文を提出します。研究チームで審議され許可が出て、最終的に大学院からの認可を得て入学許可となります。

博士課程は入学が非常に難しいです。何よりも自分の専門に合う指導教官を見つけることが1番重要です。

大学院在学中の学費はいくら?

私が通うフランスの大学院の学費は、年間500~600€程度です。日本円にして6~7万円というところでしょうか。非常に安いのが魅力的です。

私はイギリスの大学院、修士課程にも在籍していたことがあります。イギリスの大学院と比べてフランスの大学院は学費が安いものの、図書館の文献数やインターネットでの資料アクセス量が多くありません。

そういう意味では不便な一面もありますが、最近はヨーロッパの学生であれば他の国の大学図書館の利用も可能だったりもしますし、インターネットでも文献が探せるので、困ることはないでしょう。

大学院での勉強の進め方は?

指導教官の元、論文や研究を進めていきます。
私は文系なので自分で勉強や調査、そして文献をひたすら読み、たまに指導教官に会うという日々です。

一方理系の場合は研究室などがあるので、研究を続けながら論文を書いていくというのが一般的だと思います。

大学院の授業の内容は?

研究は1人で黙々と進めていきますが、授業では他の大学院生も一緒です。自分の研究とは全く関係ない授業もたくさんあり、様々な授業を受講できます。

ワードでの論文の書き方、参考文献リストの書き方、学術的履歴書の書き方などの論文を書くのに必要なコースもありますし、マーケテイングや起業の仕方なんていう授業もあります。

ストラスブール大学ならではのコース

私が通っているストラスブール大学は、EUの中心にあり欧州議会も置かれています。

そのため、ストラスブールの特色を生かした欧州議会ツアーや、日本から見たヨーロッパを主題に日本領事館の総領事によるセミナーなども開催されます。

論文で執筆する量は?

論文は英語圏ですと◯◯単語、日本ですと◯◯字という書き方が一般的だと思うのですが、フランスは◯◯枚と言うページ枚数での提示をされます。

ページ数で論文提出が要求されることが多いですが、ワードのフォントは規定があるので、1ページあたりの字数はある程度決まっていると言っても過言ではないです。

研究内容によっては字数ではなく、表やグラフを使用した論文が多かったりすることもあるので、人によって論文はだいぶ異なると思います。

どのくらい論文を書くのか?

私の研究チームの場合は、最低A4用紙300枚と言われています。さらに参考資料なども付けると400~500ページにはなるでしょう。

量だけではなく質も重要視されるので、文章やページ数が多ければ良いというわけではありません。

理系の場合はもっと少ないので、100~150ページくらいとも言われています。

博士課程の在籍年数は?

フランスの大学院の在籍年数は、最低2年半〜3年間です。その後は毎年審査があり、現在は6年が最長です。

ひと昔前は期限がなかったので、10年博士課程に在籍という学生も多くいました。

段々厳しくなってきているので、今年から3年目以降は毎年状況報告をするためのプレゼンテーションをして、それに通らないともう1年在籍できないシステムになっています。

おわりに

フランスの大学院を卒業するための博士論文の終わりは、論文提出と口頭試験です。これに通れば全て終了、晴れて博士になれます。

博士になればその後は大学に残って研究をしたり、講師になったりする道に進むことになります。理系であれば、企業の研究室などに就職することも恐らく可能かと思います。

博士の過程は非常に長い道のりですし、勉強好きでないと継続できないことですが自分が極めたい何かがあれば、ぜひ1度博士課程進学も考えてみてはいかがでしょう?

あなたはどのステップにいる?語学留学実現までの流れ


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    この記事を書いた人

    KURIKO

    イギリス、フランス、イタリアと12歳から留学歴20年。ロンドンの語学学校で日本マーケテイングマネージャーや中高生の語学研修のグループリーダーなどを務め、現在はフランスの大学院で語学学習や留学に関する博士論文を書いています。

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