語学留学に挑戦したいと思っても、資金が足りなくて諦めてしまう人もいるかと思います。働いて貯金をしてから渡航しようと思って貯蓄を始めたものの、「留学したい」というモチベーションをなかなか維持できず、せっかくのチャンスやタイミングを逃してしまったらもったいないですよね。
今回は海外留学経験がありファイナンシャルプランナーの資格を持つ私が、お金がない社会人でも今すぐに語学留学を叶えられる方法についてご紹介します。一方でメリットばかりではありませんので、金銭面やキャリアに関するデメリットなどもしっかり解説していきます。
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金銭的な問題で語学留学が実現できないことは、留学した場合に得られたかもしれないあなたの別の人生を失うことと同じです。「あのとき語学留学しておけば…」と後悔しないためにも、留学したいという今の気持ちを大事にしながら、実現させられる方法を一緒に探していきましょう。
なお、語学留学にかかる費用は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
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お金がない社会人が今すぐに語学留学に飛び立てる方法をご紹介する前に、社会人の留学にかかる費用を把握しておきましょう。
必要な留学費用に対して手元にある貯蓄がどれほど足りないのかを把握しておくと、この後にご紹介する「今すぐに語学留学を叶えられる方法」の中でどの選択肢が自身にふさわしいのかが明確になってきます。
最初に、語学留学をした場合にかかる費用の総額を把握しておきましょう。
社会人の語学留学先として代表的なアメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス、マルタの5カ国に留学した場合の、それぞれの留学費用の総額をご紹介します(※1)。
国名 | 1週間 | 1カ月 | 3カ月 | 半年 | 1年 |
---|---|---|---|---|---|
アメリカ | 40万円 | 75万円 | 190万円 | 350万円 | 660万円 |
オーストラリア | 30万円 | 60万円 | 155万円 | 285万円 | 540万円 |
カナダ | 30万円 | 55万円 | 140万円 | 260万円 | 500万円 |
イギリス | 30万円 | 60万円 | 160万円 | 305万円 | 585万円 |
マルタ | 25万円 | 50万円 | 135万円 | 250万円 | 480万円 |
それでは、内訳を見ていきましょう。まずは留学先で通う語学学校に必要な費用です。
学費として必要なのは「入学金」「授業料」「教材費」の3つです。これらは滞在先の国や地域、そして語学学校や授業時間(コマ数)によって異なってきます。
ここでもアメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリス、マルタの5カ国から、それぞれで人気の語学学校を例に費用を比べてみます。
国名 | 語学学校名 | 入学金 | 授業料 20時間(コマ)/週 |
教材費 |
---|---|---|---|---|
アメリカ | CEL サンタモニカ | 1万4,832円 | 4万5,980円~ | 1,484円~ |
オーストラリア | ラ リング ア ランゲージスクール | 1万7,232円~ | 4万38円~ | 5,575円~ |
カナダ | EC バンクーバー | 1万5,714円 | 3万8,152円~ | 1,123円~ |
イギリス | オックスフォード スクール オブ イングリッシュ | 1万4,372円 | 4万1,199円~ | 7,665円 |
マルタ | インターナショナル ハウス(IH)マルタ | 1万2,229円 | 1万7,936円~ | 6,522円 |
留学先では主に滞在費(家賃または寮の費用)と、「食費」「交通費」「通信費(インターネットを含む)」「おこづかい」などの生活費がかかります。
「滞在費(家賃または寮の費用)」には「光熱費(電気代、ガス代、水道代)」が別途かかることがあります。また、「通信費(インターネットを含む)」は留学先で使うスマートフォンの料金や、滞在先の部屋で使うインターネット料金などが考えられます。
ここで、社会人の語学留学先として代表的な5カ国に留学した場合の、1カ月の滞在費(家賃または寮の費用)と生活費を比較してみましょう。
国名 | 滞在費(家賃または寮の費用) | 生活費 |
---|---|---|
アメリカ | 17万3,000円 | 14万1,000円 |
オーストラリア | 11万4,000円 | 12万9,000円 |
カナダ | 10万2,000円 | 12万7,000円 |
イギリス | 13万3,000円 | 12万0,000円 |
マルタ | 15万6,000円 | 10万8,000円 |
学費、滞在費(家賃または寮の費用)、生活費のほかに忘れてはならないのが「海外留学保険」または「海外旅行保険」への加入です。
海外留学では、留学先の国や地域によっては必ず海外留学保険に加入しなければなりません。加入していないと、場合によっては入学許可やビザが発行されないことがあります。
3カ月以内の留学であればクレジットカードに付帯されている海外旅行保険を活用することも考えられますが、治療費用などの各補償内容が限定されていたり、一般的な海外留学保険や海外旅行保険と比べて補償限度額が低く設定されていたりと、いざというときに十分な補償を受けられない可能性があります。
私の経験をお話しすると、初めての海外生活はシンガポールで、7カ月間の語学留学でした。語学留学後に現地で就職をしています。
シンガポールは日本以上に清潔で便利でしたし、暮らしに困ることはほとんどありませんでした。
しかし、私は胃炎などで何度もシンガポールの病院にお世話になりました。日本では学生時代ずっと皆勤賞、ほとんど体調を崩したことがなかったのに、です。
このように、思わぬところで病院のお世話になる可能性があるのが海外生活なのです。そのため、海外留学保険もしくは海外旅行保険へは可能な限り加入することをおすすめしています。
海外留学保険の保険料は、補償内容と滞在期間、年齢、そして滞在エリアによって異なりますが、一般的な相場は下記のようになります。同じ補償内容の場合は、期間が長いほど、また年齢が上がるほど保険料は高くなります。
<補償期間:1カ月>
・20代…1万円~2万7,000円
・30代…1万円~2万7,000円
<補償期間:6カ月>
・20代…10万円~17万円
・30代…12万円~19万円
<補償期間:1年>
・20代…19万円~33万円
・30代…24万円~38万円
海外留学保険(海外旅行保険)については、私が2023年8月に執筆しました「留学で保険に入らないで大丈夫?海外留学経験のあるファイナンシャルプランナーが解説」でより詳しく説明していますので、こちらも参考になさってくださいね。
その他、語学留学に関する費用としては、航空券代や学生ビザの申請費用などが考えられます。
航空券代は留学先が日本から近いのか遠いのかによって大きく異なりますし、片道だけ買うのか往復で買うのかによっても価格が変わります。
また、往路の便だけを購入した場合は、留学先の国や地域によっては復路の航空券を持っていないことで入国を拒否される可能性もあります。この点にも十分に注意が必要です。
一方で、学生ビザの申請費用については留学先の国や地域によって異なります。
例えば、アメリカで語学学校に通う際に必要な学生ビザ(F-1ビザ)は、「学生および交流訪問者情報システム費用(SEVIS費)」として350USD(約5万2,000円)、加えてビザ申請費用として185USD(約2万7,000円)、合計で535USD(約7万9,000円)が必要です(※2、3)。
一方で、マルタ共和国の場合は、90日以内の語学留学であれば学生ビザの申請の必要はありません。91日以上の語学留学の場合は現地で学生ビザ(a long-stay visa)の申請が必要ですが、70EUR(約1万1,000円)と、アメリカと比べて安価です(※4)。
ただし、この費用は変更になる可能性がありますので、学生ビザの申請前に留学先の最新の情報を確認するようにしてくださいね。
ここまで語学留学に必要なさまざまな費用を見てきましたが、いずれも為替レートによって日本円での金額はかなり変わってきます。
私がシンガポールに語学留学した当時は円高で、1S$=60円前後でした。2024年1月の時点では円安ですので、1S$=110円前後です。
私の実際にかかった留学費用をご紹介すると、当時のレートで学費が約42万円、家賃が約27万円でした。しかし、これを2024年1月現在のレートで計算すると、学費は約77万円、家賃は約50万円となります。
つまり、円高だった私の留学時よりも、円安の現在は学費がプラス35万円、家賃がプラス23万円と2倍近く高くなってしまうのです。
このように、円安の時期は円高の時期よりもより多くの資金が必要になってしまいますので、為替レートの変動によって留学費用が足りなくなったりしないよう、少し多めに用意しておくことを意識しましょう。
ここまで、語学留学したい場合に必要な費用を見てきました。
しかし「こんなに留学費用がかかるなら無理だ!」と諦めかけてしまった方もいるかもしれません。
そこで、ここからはお金がない中でどうすれば社会人が今すぐに語学留学を叶えられるのか、その方法をお伝えしていきます。メリットだけでなくデメリットや注意点も併せて解説しますので参考になさってくださいね。
まずは代表的な3つの選択肢をご紹介します。
最初に、ワーキングホリデーで海外に渡航し、現地で働きながら語学学校の学費や滞在費、生活費などの留学費用を貯める方法があります。
ワーキングホリデーの制度を活用する場合は、渡航前にワーキングホリデービザの申請と取得が必要です。ワーキングホリデービザがあれば渡航先での労働が許されています。
国や地域によって異なりますが、ワーキングホリデービザがあれば1、2年の長期滞在が許可され、語学学校に通ったり観光したりしながら働くことができます。
ここで、まず最初に確認していただきたいことがあります。それはワーキングホリデービザを取得できる年齢です。
国や地域によって異なりますが、多くの場合はワーキングホリデービザの申請時点で18歳以上、30歳以下(日本国籍を有し、日本に在住していること等)と規定されています。また、お子さんや被扶養者は同伴できません。
また、ワーキングホリデービザは1カ国につき1度だけ取得できます。同じ国や地域のワーキングホリデービザを複数回取得することはできません。
このような条件はありますが、該当する年齢の場合は「海外で働く」というめったにない経験を積みながら留学費用を貯めることができます。
一方、注意が必要なのは、ワーキングホリデービザを申請する時点で保有している貯蓄の最低額が決められていることが一般的だという点です。
例えば、オーストラリアのワーキングホリデービザの申請の場合、2024年1月時点では5,000AUD(約48万円)相当の貯蓄がご自身の銀行口座にあることの証明書を提出しなければなりません(※5)。
この5,000AUDには帰国時の航空券もしくはその航空券を購入するための費用は含まれていませんので、5,000AUDとは別に復路の航空券代が必要です。
なお、カナダの場合は入国時に2,500CAD(約27万円)相当以上、イギリスはワーキングホリデービザ申請時に2,530GBP(約47万円)相当以上があることの証明書が必要となっています(※6、7)。
これらのワーキングホリデービザ申請時の貯蓄残高の条件は変更になる可能性もありますので、申請前に最新の情報を確認するようにしてくださいね。
そして、ワーキングホリデービザで語学学校に通う場合には、就学期間を限定している国や地域があることも要注意です。オーストラリアは4カ月まで、カナダやニュージーランドは6カ月まで語学学校への通学が可能、などです。
これらの国や地域での長期間の語学留学を考えている場合、まずはワーキングホリデービザで働いて留学したい期間の留学費用を一気に貯めてしまい、現地で就学期間の限度内で語学学校に通う。そして、就学期間後に学生ビザに切り替える、もしくは別の国や地域の語学学校に転校するというのも方法の1つでしょう。
ただし、ここまでお話ししてきた内容は、ワーキングホリデー先でスムーズに仕事を見つけられ就労を開始できることが前提です。ワーキングホリデービザを取得していても、必ずしも現地で職を得られるとは限らないため、そのリスクも考慮する必要があります。
ワーキングホリデーをしながら語学学校に通う場合のメリットとデメリットを下記にまとめましたので、ご自身の状況や条件に合うのかを確認してみてくださいね。
メリット | ・ワーキングホリデー先で働いてお金を貯めることができるので、渡航前の資金が少なくても語学留学を実現しやすい。 ・現地の言語に慣れた上で語学学校に通えるため、語学習得の効果が得られやすい。 ・ワーキングホリデービザの申請には年齢制限があるが、該当する年齢の場合は海外で働く経験を積みながら資金を貯められる。 (国や地域によって異なるものの、多くは申請時点で18歳以上、30歳以下) |
---|---|
デメリット | ・ワーキングホリデービザの申請時の条件として保有している貯蓄の最低額が決められているため、その最低額を満たす貯蓄がないとそもそもワーキングホリデービザを申請できない。 ・国や地域によっては、ワーキングホリデービザで語学学校に通える期間が限定されている。 ・ワーキングホリデービザを持っていても、必ずしも現地で職を得られるとは限らない。 |
年齢制限によりワーキングホリデービザの取得が難しかったり、ワーキングホリデービザ申請時の貯蓄残高が申請条件を満たしていない場合は、留学費用や生活費の安い国や地域での語学留学を検討する方法があります。
例えば、近年ですとフィリピンは低予算で語学留学ができるとして注目を集めています。
日本からフィリピンは直行便で約4時間~4時間30分と近く、航空券代も欧米圏に比べると安価の場合が多いです。また時差は1時間ですので、現地の生活リズムに適応しやすいというメリットがあります。
ここで、フィリピンに1カ月の語学留学した場合の留学費用を見てみましょう(※8)。
【フィリピンへの1カ月の語学留学 留学費用の目安】
学費 | 22万円 |
---|---|
滞在費 | ※学費に含まれる |
生活費 | 5万8,000円 |
渡航費 | 7万円 |
合計 | 34万8,000円 |
フィリピン以外の国や地域に1カ月留学した場合の留学費用と比較すると、フィリピンの留学費用は2分の1程度です。お金がない社会人でも語学留学を実現させやすくなっています(※9)。
国名 | 学費 | 滞在費 | 生活費 | 渡航費 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
フィリピン | 22万円 | ※学費に含まれる | 5万8,000円 | 7万円 | 34万8,000円 |
アメリカ | 26万3,000円 | 17万3,000円 | 14万1,000円 | 18万4,000円 | 76万1,000円 |
オーストラリア | 21万8,000円 | 11万4,000円 | 12万9,000円 | 12万2,000円 | 58万3,000円 |
カナダ | 19万8,000円 | 10万2,000円 | 12万7,000円 | 12万1,000円 | 54万8,000円 |
イギリス | 25万1,000円 | 13万3,000円 | 12万円 | 12万円 | 62万4,000円 |
マルタ | 12万7,000円 | 15万6,000円 | 10万8,000円 | 12万円 | 51万1,000円 |
このように留学費用や生活費の安い国や地域での語学留学は費用面のメリットがありますが、一方で費用が安い分、語学学校の質が低かったり、思ったようには語学力が伸びない可能性もないわけではありません。
また、フィリピンでの語学留学は、その他の国や地域への語学留学とは異なる点も多いです。例えば一般的な語学留学では、街中にあるホームステイ先や寮で暮らして、公共交通機関を使って語学学校に通学することがほとんどです。
しかし、フィリピン留学では語学学校の敷地の中に寮があり、そこで寝泊まりをするスタイルが一般的です。寮には食堂がついていて3食食べられたり、ジムやカフェ、スーパーや医療機関まで揃っていることが多くあります。
つまり、フィリピンでは語学学校の敷地内で日常生活が完結できるのです。これは英語学習に集中してほしいという方針ゆえのことで、門限が決まっていたり特定の曜日だけ外出が許されるという規則が厳しい学校もあるようです。
私はシンガポールに語学留学していた頃、シンガポール人のご家族が暮らす3LDKのマンションの1部屋を間借りしていました。
その家族の同年代のシンガポール人女性と一緒にさまざまな場所へ出かけたり、一緒に食料品を買いに行ったり部屋の掃除をするなどの日常生活の中で、たくさんのシンガポールの文化や価値観を教えてもらうことができました。そのおかげで英語力がかなり向上しましたし、多くのシンガポール人と友達になれました。
せっかく海外で生活できる貴重な機会です。留学先の国や地域の文化や価値観と触れ合えない、日常生活から閉ざされた環境で留学生活を送るのはもったいない、というのも1つの考え方です。
これについては、費用の安さを取るか、語学学校以外の海外生活も大切にするかで意見が分かれるかと思います。
メリット | ・フィリピン留学は、それ以外の国や地域と比べて2分の1程度の留学費用で語学留学が実現できる。 ・フィリピン留学では語学学校の敷地内で日常生活が完結できる場合が多いため、英語学習に集中しやすい。 ・日本とフィリピンとの時差が1時間のため、現地の生活リズムに適応しやすい。 |
---|---|
デメリット | ・留学費用が安い場合、語学学校の質が低かったり、思ったようには語学力が伸びない可能性もある。 ・フィリピンへの語学留学の場合、その他の国や地域に留学した場合と比べるとフィリピン現地の文化や価値観に触れながら生活することがやや難しい。 |
ワーキングホリデービザの取得が難しい、または留学先や期間に希望やこだわりがある場合は、教育ローンを活用する方法も考えられます。
2024年1月時点では、社会人が語学留学する場合に返済の必要のない給付型の奨学金を得られる可能性は低い上に、返済しなければならない貸与型の奨学金の申請さえ困難です。
一方で教育ローンには「日本政策金融公庫」といった国のものと、民間の銀行等が融資するものがあり、社会人でも申請できます。国の教育ローンは民間の教育ローンよりも低金利で借りられます。
ただし、退職してしまうと融資を受けられなくなってしまう可能性が高いですので、退職してから語学学校に通う場合は民間の金融機関が提供している教育ローンも検討せざるを得ません。
教育ローンは大きなお金を借りること、つまり借金のようなものです。そのため、この制度を活用して語学留学する場合は、あらかじめ「帰国後にどのように返済していくか」について計画を立てておくことが非常に大事です。
返済計画をしっかりと立てられないのであれば、こういった返済の必要がある制度に頼ることはおすすめできません。
社会人であれば、語学留学へは仕事を休んで行くか、仕事を辞めて行くか。仕事を辞めて渡航する場合は、帰国後いつ頃までに再就職するか。再就職までの期間の生活費は十分か。
さまざまな可能性を考え、慎重にシミュレーションを重ねてから申請するようにしましょう。
教育ローンについては、私が2023年11月に執筆しました「語学留学でも奨学金はもらえるの?海外留学経験のあるファイナンシャルプランナーが解説」でより詳しく説明していますので、こちらも参考になさってくださいね。
メリット | お金がない社会人でも、比較的低金利で安全にお金を借りることができる。 |
---|---|
デメリット | 教育ローンは借金と同じようなものであるため、どのように返済していくかを事前にしっかりと計画を立てられない場合は、融資を受けることはおすすめできない。 |
お金がない社会人が語学留学を実現させる方法として、「ワーキングホリデーをしながら語学学校に通う」「留学費用や生活費の安い国や地域を選択する」「教育ローンを活用する」という選択肢をお話してきました。
それぞれにメリットだけでなくデメリットがあることもご理解いただけたかと思います。
ここからは、まだあまり知られていない語学留学の方法を3つご紹介します。お金がないものの、どうしても今すぐに語学学校へ飛び立ちたいという方々は、ぜひこの3つの選択肢も検討してみてくださいね。
まずご紹介するのは、語学学校が行っているキャンペーンを利用する方法です。
語学学校の中には、授業料割引キャンペーンを行っているところが多くあります。
例えば、フィリピンで人気のある語学学校では、4週間の留学の申し込みで割引額が$100(約1万5,000円)、8週間で$200(約2万9,000円)と期間が長くなればなるほど割引される金額が高くなり、最大で24週間の留学が$800(約11万6,000円)割引で実現できます。(※為替レートは2024年1月時点)
また、フィリピンだけでなくオーストラリアでも、多くの語学学校が申し込みの留学週数に応じた授業料の割引などを行っています。欧米ではキャンペーンを実施している語学学校はそれほど多くないものの、授業料の割引を行っている学校があります。
こういったキャンペーンは期間限定のことがほとんどです。留学のオフシーズンに実施している語学学校が多い傾向があります。キャンペーンを行っている語学学校の中から留学先を選択すると、留学費用を少しでも節約することができます。
続いては、インターンができる語学学校で働くことで授業料などの割引を受ける方法をご紹介します。
語学学校によっては、その学校の運営などの仕事を行うインターン生を募集していることがあります。
例えば、フィリピンのある語学学校では、午後にインターン勤務をこなすことによって午前の授業などが無料となる留学プランを設けています。
これであれば、お金がない社会人でも語学留学を実現できる上に、インターンではありますが語学学校での実務経験を積むことができるため、日本帰国後の転職活動にも多少なりとも繋げることができます。
ご紹介した学校以外でも、こういったインターンの形式で働くことで語学学校から割引を受けられるプランを設けている学校は珍しくないようです。過去には私の知っている女性がカナダに語学留学し、語学学校に通っている途中にその学校のインターン生に採用されて授業料の割引を受けていました。
ただし、こういったインターンの割引情報は自力で探すのは困難ですので、留学エージェントに問い合わせてみたり、事前に気になる語学学校に問い合わせて確認する必要があります。
また、インターンは労働と見なされ、学生ビザでインターンをすると違法となる国や地域もあります。ビザは問題ないか、事前にしっかり確認するようにしてくださいね。
最後にご紹介するのは、効率よく短期間で資金を貯める方法です。
どうしても今すぐに語学留学したい。そのようなときに上手い言葉に惑わされて、仮想通貨のような暗号資産などに手を出してしまうことは危険が伴います。
また、カードローンや消費者金融といったところから融資を受けると、法律で決められた上限(借入額に応じて年15%~20%)とほぼ変わらない高い金利と一緒に返済することになるため、返済できなくなることもあり得ます。これは避ける方が無難です。
かといって今の貯蓄では留学費用が足りない、といった方は、日本国内の観光地で働くリゾートバイトによって短期間に一気に収入を得る選択肢もあるでしょう。
例えば、代表的なのが冬季のスキー場でのアルバイトです。住み込みで働くことが一般的ですので宿泊先が無料で提供される上に、食事も無料という場合が多く、得た収入の多くを貯蓄に回せます。
また、こういったリゾートバイトでは人手不足の場合が多く、よりたくさんの働き手を集めるために一般的なアルバイトよりも時給が高く設定されているようです。
外国人観光客の多い地域でのリゾートバイトであれば日本国内にいながら英語を使ってアルバイトができるため、語学留学までに英語の環境に慣れることができる点がメリットとして挙げられます。
ただし、社会人として一度キャリアを積んでいる方々がその仕事を辞めてリゾートバイトに就くと、リゾートバイトの期間の就労も履歴書や職務経歴書に記載しなければなりません。語学留学後の転職活動を考えるとデメリットとなる可能性もあります。
こういったキャリアにおける注意点に関しては次の項目で解説します。
ここまで、お金がない社会人が語学留学を実現するための選択肢を6つご紹介してきました。
この項目では私の人材コンサルタント経験から、これらの選択肢の注意点をお話しします。
ファイナンシャルプランナーとしてこの記事を書かせていただいていますが、私自身は語学留学後にシンガポールに拠点を持つ日系の人材紹介会社に転職して人材コンサルタントとして働いていました。
そして、海外留学をしていた方々など英語力を身につけたたくさんの社会人の転職活動を人材コンサルタントの立場からサポートしてきました。
その中で私は「語学留学を実現し英語力を身につけた」「TOEICで高得点を取得した」と自信満々に転職活動に望む日本人の方々を多くお見かけしました。しかし、採用活動を行っている企業が注目しているのは実はまったく違う観点なのです。
それは「職務経歴の内容」と「キャリアのブランク」です。キャリアのブランクというのは仕事に就いていない空白期間のことです。
この記事でご紹介した6つの選択肢には、ワーキングホリデー、インターン、リゾートバイトが含まれます。これらは転職活動の際に、企業からはキャリアのブランクと捉えられてしまうことが非常に多いです。
多くの企業は、求職者の職務経歴を重視します。いくら英語力が高くても、社会人になってから経験した職種や業界が一貫していなかったり、キャリアのブランクがあると、残念ながら前向きな評価を得られにくいのです。
「それなら、履歴書や職務経歴書にワーキングホリデー、インターン、リゾートバイトのことを書かなければいいのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、短期間の就労だとしても所得を得た仕事を記載しないことは、基本的には経歴詐称と見なされるため注意が必要です。
ただし、必ずしもワーキングホリデー、インターン、リゾートバイトが転職活動に不利になるわけではありません。大事なのは、その仕事からどのようなことを学んだのか、どのような力を身につけたか、です。
どうしても叶えたかった語学留学のためにワーキングホリデー、インターン、リゾートバイトに精一杯取り組むことは素晴らしい経験です。
これらの経験から何を学び、語学留学を実現したことで英語力以外の何を身につけたのか。その視点を常に持ちながら留学生活を送ることが、その後の転職活動を左右することを忘れないようにしましょう。
社会人にとってキャリアを中断しての語学留学はデメリットもあることを解説してきましたが、お金がない社会人は語学留学を諦めなければならないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。デメリットが気になる方は、まずは少ない費用でも可能な短期留学を検討してみてはいかがでしょうか。
可能であれば最低でも1カ月の短期留学をおすすめしますが、超短期の1週間から受け入れている語学学校が多くありますし、1週間であれば仕事を辞めなくても実現しやすいでしょう。
憧れていた海外に渡航してみたものの、思っていたのと違っていた…ということも多々あり得ます。私にもそういった経験が過去に何度かありました。
もしくは、海外旅行で訪ねたときには問題なかったにも関わらず、海外生活となると現地の気候や食など生活環境が合わなかった…などもよくある話です。
1週間~1カ月の短期留学を経て、それ以上の長期的な語学留学に挑戦すべきかを考えてみましょう。そしていつ頃までに留学を実現させたいか、明確な目標を立てましょう。
ただし、そのときに「語学留学したい」という今の気持ちは無視しないでくださいね。
何事にも必ずデメリットが1つはあるものです。お金がないものの、どうしても今すぐに語学留学に行きたい場合は、その気持ちを大切にしてほしいと思います。
今すぐに留学費用が工面できない場合は、この記事で紹介した6つの選択肢を参考にしてみてください。もし、目標の渡航時期までに少しでも時間があるなら、今の仕事を続けながら貯蓄を続けるのも方法の1つです。
今回はお金がない社会人でも今すぐに語学留学を叶えられる方法についてご紹介しました。
語学留学はタイミングも大事です。留学費用が足りないことで、留学をした場合に得られたかもしれない新たな人生のチャンスを逃してしまったらもったいないですよね。
この記事を読んでくださったみなさんが、1人でも多く語学留学を実現できるよう応援しています。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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留学に対するご質問から、留学プランづくり、事前の英語学習、留学中のサポートまで対応しておりますので、ご相談お待ちしております。
※1、8、9...スクールウィズ「海外留学・語学留学の費用っていくら?予算・期間別おすすめ留学プランまとめ」(参照日:2024-1-1)
※2...在日米国大使館と領事館「学生ビザ、就労ビザ及びその他の非移民ビザ」(参照日:2024-1-1)
※3...U.S. Immigration and Customs Enforcement「RECENT NEWS AND UPDATES」(参照日:2024-1-1)
※4...IDENTITY MALTA「Visa Student Application - Courses exceeding 90calendar days - 」(参照日:2024-1-1)
※5...Australian Government Department of Home Affairs「Enough money for your stay and to leave」(参照日:2024-1-1)
※6...Government of Canada「Documents you need before coming to Canada - Proof or financial support」(参照日:2024-1-1)
※7...GOV.UK「Youth Mobility Scheme visa - Overview」(参照日:2024-1-1)
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