TOEICのリーディングパートでもっとスコアを伸ばしたいけれど対策や勉強法が分からないと悩んでいる方は多いでしょう。
この記事では、以下の内容を主にご紹介します。
・TOEICのリーディングパートの問題形式
・スコアが上がらないよくある原因
・目標スコア別の対策方法
・おすすめ参考書の紹介
・本番2カ月前にできるリーディング対策のスケジュール例
リーディング対策の悩みを解消してTOEICで目標スコアを獲得できるよう、具体的に勉強方法を知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
[目次]
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リーディングパート | 出題内容 | 設問数 | 想定所要時間 |
---|---|---|---|
パート5 | 短文穴埋め問題 | 30問 | 10分 |
パート6 | 長文穴埋め問題 | 16問 | 10分 |
パート7 | 読解問題 | 54問 | 55分 |
TOEICはパート5〜7がリーディングパートとなっています。各パートの出題内容の概要や日本人のTOEICの平均スコアも紹介するので、自身のレベルや目標と比べて参考にしてください。
パート5〜7の出題内容を解説します。
パート5の問題形式は、短文穴埋め問題です。短文の中の空所に入る適切な語句を(A)〜(D)の4つの選択肢から選びます。
1問につき短文は1文で、空所は1カ所。全30問あり、目安所要時間は約10分です。1問あたり約3〜25秒以内にスピーディーに解答していくことが求められます。
パート6の問題形式は、長文穴埋め問題です。ひとまとまりの長い文書の中に4つの空所があり、それぞれに入る適切な語句や文を、(A)〜(D)の4つの選択肢から選ぶ問題です。
文章は全部で4つで、全16問あります。1問あたり30秒前後で、約10分を目安に解きましょう。
パート7の問題形式は、長文読解問題です。Eメールや手紙、請求書など英語圏の日常でよく見かけるような文書を1つ(シングルパッセージ)、または複数(ダブルパッセージ、トリプルパッセージ)の文書の組み合わせを題材にして、関連する質問が出題され、適切な答えを(A)〜(D)の4つの選択肢から選びます。
問題は全部で54問で、シングルパッセージが10セット29問、ダブルパッセージが2セット10問、トリプルパッセージが3セットで15問です。目安所要時間は約55分で、1問あたり約1分を目標にしましょう。
TOEICを提供しているETSのレポートによると、日本人のTOEICの平均スコアは以下のとおりです(※1)。
リスニング平均スコア | リーディング平均スコア | トータル平均スコア |
---|---|---|
309/495 | 252/495 | 561/990 |
表を見るとリスニングよりもリーディングの方が平均スコアは低い傾向があります。そのためTOEICのスコアをある程度上げるためには、リーディングパートでのスコアアップが大きなポイントとなります。
リスニングの勉強方法も知りたいという方は、以下の記事も参考にしてください。
TOEICリスニング対策まとめ!スコア別の勉強法から対策スケジュールまでご紹介
リーディングのスコアがなかなか上がらずに悩んでいる人は多いでしょう。ここではそのよくある原因を紹介します。合わせて対策も解説するのでぜひチェックしてください。
まず語彙知識が足りないという原因があります。知らない語彙が多いと、英文の内容を理解できなくて問題を正しく解けないからです。
まずはTOEIC対策用の単語帳を1冊用意して覚えましょう。TOEIC専用の単語帳であれば、試験で頻出の語句が収録されているため、効率的にスコアアップができます。
1冊すべてを暗記することができないと悩んでいる人は、以下の記事も参考にしてください。
TOEICのスコアアップの鍵は単語力!スコア別の単語勉強法も解説します
基本的な文法を理解できていないことも原因の1つです。
特にパート5では、品詞や時制など、文法事項を理解していないと正解できない問題が多く出題されます。また、各文法テーマでは「構文」と呼ばれる表現の型を合わせて学ぶことが多々ありますが、この型を知っているかどうかで瞬時に解答できる設問もあります。
そのため、文法を正しく理解するだけで、文法を問う設問の正答数を上げることができるでしょう。
英文を見て、すぐに必要な語彙や文法の知識を頭の中から取り出せないと、読解スピードは上がりません。特にパート7の長文読解で時間内に解ききれないという人は、速読ができると正答数が上がりスコアも上がるでしょう。
語彙や文法の知識をすぐに取り出せるようにするには、音読が有効です。やり方としては、語句の意味も文法の構造も完全に理解している英文を用意して、それを声に出して読み上げます。ただし同時に頭の中で英文の意味と文法の構造をイメージすることが大切です。
読みながら意味を頭で理解することがスムーズできると、インプットしている知識を瞬時に取り出しやすくなり、英語ならではの構造にも慣れることができます。
音読によって題材にしている英文の読解スピードが上がるのはもちろんですが、初見の英文においても徐々に読むスピードが上がるのを感じるはずです。
時間配分がうまくいかずにタイムオーバーになりがちで悩んでいる人は以下の記事も参考にしてください。
TOEICの時間配分を良くしたい!課題、目標スコア別に対策をお伝えします
ここではTOEICでの各目標スコアにおいて、リーディングパートで目指したい正答数や対策方法を詳しく解説していきます。パート別のコツや読解力底上げの方法にも触れているので、ぜひ学習にお役立てください。
目標スコア500、600点台の場合、目安として目指したい各パートの正答数は以下の通りです。
・パート5:14~19
・パート6:7〜9
・パート7:26〜31
まず基本的な語彙力をつけることが必要です。TOEICの頻出語句が掲載された単語帳を1冊決めて、語彙の習得に取り組みましょう。文法もひととおり内容を理解しておく必要があります。
もう1つ大切なのが、各パートの問題形式とよく出題される設問のパターンを理解することです。設問パターンを理解することによって、問題を見てすぐ解けるものなのか、時間がかかりそうなものなのかを瞬時に見分けられるようになります。
このスコア帯を直近で取得したいという人は、英語力の底上げよりも優先順位を決めて取り組むと良いでしょう。その方が正答数を上げ早く目標を達成できると思います。
例えば、目標スコアに対して落としてもいい問題数を見据えて解ける問題から優先的に解き、苦手なものは戦略的に「解かない」と決めて取り組むといったことです。
また、問題のパターンを見抜けることで、すぐに解答できる問題に積極的に取り組むことも可能になります。出題パターンを見抜ければ、ポイントしやすい問題を逃さず解けるようになり、正答率を上げやすくなるでしょう。
目標スコア700、800点台の場合、目安として目指したい各パートの正答数は以下の通りです。
・パート5:21〜2
・パート6:10〜13
・パート7:32〜38
このスコア帯を目標とする人は、パートごとに問題を解くコツを見つけて進めていくと良いでしょう。
パート5、6では、文法項目を問う問題がよく出ます。苦手な文法項目があれば、その部分を集中して文法書で学び直したり、類似問題を意識して解くのがおすすめです。
また、明らかなひっかけ問題で間違えたところはチェックをして、時間をおいて何度も復習しましょう。似たような内容の問題は次からは間違えないように気をつけます。
パート7では、題材となる文書の種類によってよく使われる表現や、どんな流れで話が進むのかといったパターンがあるので、それらを演習問題を通してインプットするのがおすすめです。そうすることで、パート7の長文の読み込みスピードがアップします。
目標スコア900点台の場合、目安として目指したい各パートの正答数は以下の通りです。
・パート5:27〜
・パート6:14〜
・パート7:49〜
900点台を取るには、小手先のテクニックではなく、英語力自体を底上げしていく必要があります。特にリーディングパートでは、パート6と7は長文のため読解スピードを上げることが重要となります。そこでおすすめのトレーニングが音読です。
音読では題材としては、パート7の文章をおすすめします。TOEICに実際に出そうなトピックや語彙が含まれていて、さらに音読するのに難しすぎないレベル感であるためちょうど良いからです。
英文を理解しながら読む作業がスムーズにできるようになるまで、同じ文章で音読練習を繰り返しましょう。音読のトレーニングは毎日、できれば1日30分ほどすると効果が上がりやすいです。
TOEICでリーディングのスコアを上げるための対策として、考えるべきことは大きく2つあると考えます。
1つはTOEIC独自の解答テクニックを磨くことです。TOEICの問題形式は決まっており、設問のパターンや題材文章の種類もある程度限りがあります。これを踏まえて対策しておくことで、大幅にスコアアップを図りやすくなります。ただし平均スコア程度の人がとにかく早く点数を上げたい場合は有効ですが、通用するのは実感として500〜800点台までです。
もう1つの重要な対策は、英語力の底上げです。英語力とは、語彙力、文法知識、読解力、速読力などを指し、これらの力が高まることでTOEICだけでなく、他の英語試験や英語を使う実践的なシーンなどでも柔軟に対応することが可能になります。
英語力のアップは、テクニックの習得と違って時間がかかります。日頃から地道に語彙の暗記や音読など、積み重ねが大切です。
ここでは、リーディングパートの対策でおすすめの教材を紹介します。幅広いレベルの人におすすめしたい有効な教材です。上手に活用してスコアアップを狙いましょう。
<書籍情報>
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
著者:TEX加藤
<特徴>
・1冊で初級から上級レベルの単語をカバー。
・厳選した頻出単語を掲載。
・音声が収録されているのと、スマホの無料アプリもあり活用できる。
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』の特徴は、600点、730点、860点、990点を目標とする人に向けて、段階的に語句を習得できる点です。また、本番試験で頻出のものが厳選されて収録されているため、この1冊をマスターするだけで、効率的にスコアアップへとつなげやすいでしょう。
<書籍情報>
はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト 全パート完全攻略
著者:小石裕子
<特徴>
1冊で全パートの問題をカバー。
各問題の形式や解答のコツを学ぶことができる。
初級から中級レベルの人におすすめ。
パートごとの頻出単語がまとめられている。
模擬試験が付いている。
リーディングパートだけでなく、リスニングパートもカバーされた問題集です。さらに、各パートの問題形式や、設問のパターン、解答のコツなどを詳しく解説しているのがうれしいポイント。これを読み込むだけで、TOEICの出題傾向が分かるため、初めて受験する人は特におすすめです。
また600点台を目標にした問題と、さらに730点以上狙いたい人向けの問題がついており、自身のレベルに合わせて段階的に学習を進められる点もおすすめです。
<書籍情報>
TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編
著者: 神崎正哉、TEX加藤、Daniel Warriner
<特徴>
・パート7の演習問題を収録。
・問題文の英語音声が付いていて、速度を変えることもできる。
・英文を読むスピードを上げたい人におすすめ。音声がついているため音読トレーニングをするにも最適。
『TOEIC L & R TEST 読解特急2 スピード強化編』は読解のスピードを上げたい人、パート7の対策をしたい人におすすめの1冊です。頻出語彙や出題ポイントも合わせてまとめられています。
お手本の音声があるため、問題を解いたら音読のトレーニングも行うと良いでしょう。また、シャドーイングの題材にもぴったりです。問題を解いたあとも、音読やシャドーイングなどのトレーニングの題材として徹底的に使い倒すことで、英語力の底上げを図り、スコアアップにつなげることができるでしょう。
ここまで対策や参考書などを紹介してきましたが、具体的な勉強内容やスケジュールのイメージが湧かず、何から始めれば良いのか分からないという人もいるでしょう。
そこで次は、500〜600点台や日本人の平均スコアレベルの人が、2カ月で700点台に到達するためのスケジュールをリーディングパートの対策に絞ってご紹介します。ぜひ参考にしてください。
まずは、TOEICの公式問題集や模擬問題などを使って、本番と同じように2時間で1回分の試験をしてみましょう。試験が終わったら答え合わせをして、現在の自身の実力感を把握します。
この時にスコアだけを見るのではなく、以下の内容も確認しましょう。
問題文中に分からない語句はどのくらいあったか
英文で理解しづらかった部分はどのくらいあったか
苦手なパートはあるか
上記をふまえて、次のステップに進みます。
ステップ1で模試をして、問題文中に分からない語句がどれほどあったでしょうか。語彙の勉強はどのレベルの人も欠かせないものですが、特に現在平均スコアくらいのレベルの人は、TOEICの基礎的な語彙力がまだ不足しがちです。
なので単語帳を1冊用意して語彙の勉強を始めます。単語帳は、目標レベルが記載されているものがおすすめです。
『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』は730点を目標とした語句も学べるため取り組みやすいでしょう。語彙の勉強は模試直後から試験日まで毎日続けることが大切です。
ステップ1で理解しづらかった英文がどのくらいあったか確認したら、その原因もチェックしましょう。語句が分からなかったのであれば、引き続きステップ1の語彙力のアップを図りますが、英文の構造を把握できなかったのであれば、文法の理解が不足していると考えられます。
平均スコアのレベルだと、どのテーマの文法事項も理解がまだらといった人は少なくないはずです。一度、ページ数が少ないもので良いので文法の参考書などを1冊用意して、模試直後から1週間、遅くとも2週間以内に文法を確認しましょう。
語句の習得とは違って、文法は勉強の範囲が決まっているため、1冊読み終わったらひとまず文法の勉強は完了できます。
ただしそのあとも問題集を解くにあたって、理解が完全でないところや、例外的な文法事項などが見つかるはずなので、その都度文法の不明点を確認することが大切です。
TOEICは問題形式が決まっているため、問題形式や設問のパターンなど問題の傾向を十分理解した上で試験を受けることが重要です。模試直後から1~2週間以内を目安に、パートごとの傾向を理解しましょう。
『はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト 全パート完全攻略』なら、丁寧にパートごとの攻略方法が説明されていて効率的に学べます。模試を受けて苦手なパートがあったなら、解答のコツを早くつかめるように、苦手な部分を集中して確認しましょう。
問題の傾向をつかんだら、パート別に演習問題に取り組み、実践を通して問われやすい設問のパターンを深掘りします。
『はじめて受けるTOEIC(R)L&Rテスト 全パート完全攻略』を使うなら、試験日2、3週間前くらいには、すべてのパートの演習問題を解ききるペースで進めるのがおすすめです。演習問題では時間を計りながらスピードも意識しましょう。
試験日2、3週間前になったら、仕上げの模試に取り組みましょう。1週間あたり1〜3回程度が取り組みやすいです。このステップでは、適切にタイムマネジメントをしながら、集中力を持続して試験を解ききる練習をします。
パート別の演習で正答数が上がってきても、時間配分がうまくできずに全問解ききれないと効果は半減します。また、2時間という試験の流れの中で解くと疲れや焦りなどから、十分に実力を出せず、スコアが伸びないということもあります。
そのため本番に向けて最終調整が必要となるのです。この期間から試験日までは、語彙の勉強と不正解だった演習問題の復習も欠かさずにしましょう。
この記事では、TOEICのリーディングパートのスコアアップに役立つ勉強法やおすすめの教材、対策のスケジュール例などを紹介してきました。
リーディングパートでは、語彙や文法の基礎的な知識をインプットし、各パートの攻略のコツをふまえて演習することで、本番2カ月前でも効率的にスコアアップを図れるでしょう。
TOEICのリーディングパートで目標スコアを取りたい方は、ぜひこの記事を参考にして対策に取り組んでください。
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