留学先として人気の高い国、カナダ。数あるカナダの大学のなかでもトップクラスとして知られる1つがマギル大学です。
国内外の大学ランキングで常に上位にランクインしているマギル大学には、日本でどのくらいのレベルなら入学可能なのでしょうか。
また、マギル大学があるのはフランス語圏として知られるモントリオール。入試や入学後の授業では、フランス語がどの程度必要とされるのか知っておきたいところですよね。
本記事では、マギル大学の基本情報や特徴を紹介します。必要とされる学力や語学力、留学費用などについても詳しく解説するので、マギル大学への留学に興味がある人はぜひ参考にしてみてくださいね。
※本記事ではカナダドルをCADと表記します。為替レートには2021年1月27日時点での情報を参照し、1CAD=92円で計算しています。
[目次]
まずは、マギル大学の基本情報から紹介します。
マギル大学は、カナダのケベック州モントリオール市にある大学です。カナダを代表する大学の1つとして知られており、同じくカナダの有名大学であるトロント大学と国内首位の座を競っています。
マギル大学は、実業家のジェームズ・マギル氏の遺贈によって1821年に設立。1829年には、カナダで初めて医学部を創設しました。
マギル大学は、医学と法学の分野において特に優秀な人材を輩出しています。過去にはノーベル生理学・医学賞を受賞したジャック・W・ショスタクやジョン・オキーフなどがマギル大学で研鑽を積みました。
マギル大学は、カナダ国内・国外ともに高い評価を受ける人気大学です。
まずイギリスの教育専門誌Times Higher Education(THE)が発表した2022年版世界大学ランキングでは世界ランキング44位、カナダ国内では3位にランクイン(※1)。
さらに、Top Universitiesの2022年世界大学ランキングでは、マンチェスター大学やオーストラリア国立大学と並んで27位にランクインしています(※2)。
マギル大学の学科には以下のようなものがあります。
国際開発研究(International Development Studies)
政治学(Political Science)
経済学(Economics)
物理学(Physics)
経済学(Economics)
コンピューターサイエンス(Computer Science)
民法学、法学(Bachelor of Civil Law and Bachelor of Laws)
生物学、生化学(Biology and Biochemistry)
伝染病学(Infectious Diseases)
神経行動学(Neuroscience and Behavior)
マギル大学には、上記のほかにも300以上の学科が設置されています。詳しくは公式ホームページでチェックしてみましょう。
マギル大学の総学生数は、2021年秋時点で39,267名と公表されています。そのうち、学部生は26,765名、大学院生は10,411名です(※3)。
また、学部生のうち31.8%は留学生で、この割合はカナダのほかの大学での平均割合19.8%を超えています。留学生からもマギル大学は人気であり、大学側も多くの留学生を積極的に受け入れていることがわかる数字です。
マギル大学があるカナダのモントリオールは、ケベック州最大の街です。歴史を感じる美しい街並みが特徴で、ノートルダム大聖堂やモントリオール美術館をはじめ見どころがたくさんあります。
【住所(※4)】
James Administration Building
845 Sherbrooke Street West
Montreal, Quebec H3A 0G4
以下では、国内外から人気が高いマギル大学に留学するメリットを紹介します。
カナダのケベック州は、フランス人が築いた地域であることから第一言語をフランス語、第二言語を英語としています。モントリオールも例外ではなく、フランス語を話す人がたくさんいるエリアです。
マギル大学はケベック州のモントリオールにあるため、フランス語ができないと通えないのではないかと不安に感じる人が少なくありませんが、マギル大学の授業はすべて英語で実施されます。
ケベック州への移民や就労にはフランス語が一定レベルで必要とされますが、マギル大学への留学においては必須ではありません。英語での授業についていくことができれば、フランス語については不要です。
ちなみに、ケベック州へ移民や就労で住む人には語学研修プログラムが用意されており、一定以上のフランス語スキルを習得することが求められます。また、独自の文化を大切に受け継いでいるため、街に置かれている標識はすべてフランス語です。
カナダでも指折りの大学として知られるマギル大学は、医学部が特に高い評価を得ています。
カナダのビジネス雑誌Maclean'sで発表された2020年版の医学博士号が取得できる大学ランキングでは、トロント大学をおさえてカナダNo.1に(※5)。これまでにも医学史に名を残す名医や研究者を数多く輩出し、カナダの医学界を牽引しています。
海外のハイレベルな医学部へ進学したい、将来は医学の分野で海外キャリアを築きたいという人なら、ぜひ視野に入れておきたい留学先です。
マギル大学の立地にも注目してみましょう。校舎はケベック州最大の都市であるモントリオール市のダウンタウン近くにあるため、買い物などにも便利です。
留学先によっては日常生活に不便さを感じるケースも少なくありませんが、商業施設が充実している都市部ならその心配もありません。
また、歴史ある街並みのモントリオール市では、老舗カフェなど人気の飲食店も多く立ち並んでいます。勉強の息抜きに食事やコーヒーを楽しめるのも、マギル大学周辺エリアのポイントです。
マギル大学へ1学期(9月〜翌年4月)間留学した場合の費用の内訳は以下のとおりです(※6)。
学費 | プログラムによっても違いがありますが、留学生の学費は21,006CAD〜56,544CAD(約193万〜約520万円)と公表されています。 |
---|---|
滞在費 | 大学が提供するキャンパス内の寮だと、タイプに応じて9,130CAD〜19,079CAD(約83万〜175万円)で滞在できます。 |
食費 | オンキャンパスの寮なら、5,475CAD(約50万円)で食事がついてきます。 |
通信費 | ローカルのプロパイダーも利用できますが、日本のキャリアが展開する海外プランも利用可能です。月々約50CAD(約4,600円)前後で使用できることが多く、1学期間で考えると、約36,000円程度かかると見込んでおきましょう。 |
娯楽費 | 無駄遣いをせずたまに友人とカフェへ行ったりお菓子を買ったりする程度であれば、毎月100CAD(9,200円)前後で済みます。 |
雑費 | モントリオールの物価は日本と同程度。生活用品や衣料品は月々平均50~200CAD(4,600~1万8,000円)前後あれば問題ないことがほとんどです。 |
ビザ申請費 | 留学に必要な学生ビザは、2万円ほどで申請できます。 |
航空券購入費 | モントリオールへの渡航費は往復で約7万~11万円です。 |
海外旅行保険加入費 | 海外留学には、保険も必須。内容にもよりますが、格安の海外保険会社では年間約700CAD(約64,000円)、日本国内の保険会社による手厚い保障内容なら約20~60万円ほどです。現地で加入する健康保険は、マギル大学が公式に1,074CAD(約9万8,000円)と公表しています。以上の項目をすべて合計すると、だいたい1学期間の留学に必要な費用は約377万円〜460万円程度を見込んでおけばいいでしょう。 |
以上の項目をすべて合計すると、だいたい1学期間の留学に必要な費用は約377万円〜460万円程度を見込んでおけばいいでしょう。
マギル大学では、新入生に向けてメリット奨学金を用意しています。勉学やスポーツ等で優秀な成績を納めている人に限り受けられる奨学金で、1年間で3,000CAD(約270万円)が援助されるのが特徴です(※7、8)。
ほかにも、授業料の支払いを延期してくれたり、緊急性の高い経済的困窮者向けの融資を行っていたりと、制度はさまざま。
また、ほかにも留学に使える奨学金はいくつかあります。より詳しい奨学金・教育ローン情報は以下の2記事を参考にしてみてくださいね。
留学に使える奨学金まとめ!”あなたに合った”がきっと見つかる
留学ローンって実際どうなの?種類から利用方法、借り入れまで徹底解説
人気もレベルも高いマギル大学ですが、合格するためにはどのくらいの能力が必要なのでしょうか。以下で解説します。
2020年時点でのマギル大学への学部志願者数は35,505人です(※9)。そのうち入学オファーが出されたのは17,385人、入学者は6,878人でした。合格率は約49%と、半数近くが入学を許可されています。
なお、入学者のうちアメリカを除く海外留学生は1,129人。これは全体の18%にあたります。
マギル大学が求める英語力テストのスコアは以下のとおりです(※10)。
・TOEFL iBT:総合86点、4つの要素スコアのうち各20点以上
・IELTS(International English Language Testing System):スコア6.5以上
これらは英検に換算すると準1級~1級に相当します。
英語圏への留学の際、求められるのが英語力の証明です。国際的な英語テストはいくつかありますが、もっとも多く用いられるのがIELTS(International English Language Testing System)とTOEFL iBTです。
IELTSは海外留学や海外での就労、移住などに必要な英語4技能テストのこと。TOEFL iBTも同じく、英語圏への留学や就職などの多くでスコア提出が求められる英語テストです。
海外留学に必要な英語レベルの平均は、IELTSが5.5〜6.5、TOEFL iBTテストが70〜80点だといわれています。これらと比べると、マギル大学が求める英語力が平均よりもやや高いことが分かりますね。
ただし、これらの英語テストは、学部によって求められるスコアが異なる場合があるので注意しましょう。
マギル大学への進学は、通常の大学入学に求められる基準と変わりません。先ほど触れた英語テストの成績と合わせて書類審査が行われます。
日本からの留学で求められる要件に関しては公式サイトに明記されていません。入学審査に関するより詳しい情報が知りたい場合は、直接の問い合わせをおすすめします。
次に、マギル大学へ留学する方法を解説します。
マギル大学へ正規留学を希望する人は、公式ホームページからオンラインで出願します。推薦状や受験料に加え、英語・日本語両方での学位証明書やTOEFLまたはIELTSスコアなどの英語力証明書、志望理由書などをアップロードします。
コースによって必要書類が異なるケースがあるので、公式サイトであらかじめ希望学科の出願要件について確認しておきましょう。
アメリカ・カナダの大学出願では、一般的に高校卒業資格と大学が規定する英語テストの結果、そして成績 (GPA)の提出が求められます。GPAとは、在学中に履修した科目の素点を既定のスコアに当てはめて計算する評価方法です。
マギル大学が求めるGPAのスコアは、最低で3.3。ここ数年の平均は3.2〜4.0だったと公表しています(※11)。
日本の高校に多い5段階評価に換算すると、体育や音楽、美術を含めほぼオール5に相当します。志望する学部に関わらず、高校の授業には力を入れて取り組んでおきましょう。
日本の大学の中には、マギル大学への交換留学制度を設けているところがあります。
正規留学に比べて費用が抑えられ、大学のサポートも受けられる点がメリットです。短期から全交換留学までさまざまですが、単位互換にミスがないように気をつけましょう。
留学先の大学には、英語力の不足などが原因で入学基準を満たせない人に向けた「ファウンデーションコース」が用意されているところも少なくありません。コースに通いながら、進学に必要な英語力や専門知識を身に付けることができます。
しかし、マギル大学ではファウンデーションコースが用意されていません。入学を希望するなら、大学が求める英語力をしっかりと身に付ける必要があります。
英語圏への留学では英語力がいうまでもなく重要です。留学を視野に入れているならできるだけ読む・書く・聞く・話すの英語4技能をしっかりと伸ばしておきましょう。
留学対策に特化した英語教室や予備校、オンライン教材など、日本でも英語学習のためのさまざまなサービスが存在します。マギル大学出願の際に必要となるTOEFL iBTテストへの対策も含めて、こうしたサービスの利用も検討してみてください。
マギル大学留学のために語学力をより高めたい、という人には「マギル大学附属語学学校」での入学準備がおすすめです。マギル大学のハイレベルな教育方法を生かした質の高い授業を求め、世界中から優秀な学生が集まっています。
英語コースのクラス分けは細かく設定され、基礎英語から進学・ビジネスで求められる英語までみっちりと学べます。マギル大学進学の前に、希望するコースで学ぶための素地をしっかりと作っておきましょう。
マギル大学附属語学学校があるのは、マギル大学と同じくモントリオール市中。学校での学生生活は、マギル大学での学生生活の予行練習にもなります。また、図書館をはじめマギル大学内の施設が自由に使える点もポイントです。
勉強や生活面で、マギル大学進学のための下準備が積めるのはマギル大学附属語学学校の大きなメリットだといえるでしょう。
本記事では、マギル大学の基本情報から留学費用、入学に必要な英語レベルまで詳しく解説しました。
世界でもトップクラスに数えられるマギル大学への進学は、高い学力が必要とされます。特に英語はTOEFL IBTが約90点、IELTSスコア6.5とハイレベル。進学を希望するなら、早い段階での対策が大切です。
ファウンデーションコースが用意されていないマギル大学ですが、「マギル大学附属語学学校」など附属学校で入学準備をすることもできます。今回紹介した内容を参考に、留学への具体的なプランを立ててみてはいかがでしょうか。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
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留学に対するご質問から、留学プランづくり、事前の英語学習、留学中のサポートまで対応しておりますので、ご相談お待ちしております。
※1...Times Higher Education「Best universities in Canada 2022」(参照日:2022-1-31)
※2...QS Top Universities「The World's Top 100 Universities」(参照日:2022-1-31)
※3...McGill University「Quick facts」(参照日:2022-1-31)
※4...McGill University「Contact us」(参照日:2022-1-31)
※5...Maclean's「Canada’s best Medical Doctoral universities: Rankings 2020」(参照日:2022-1-31)
※6...Mcgill university「Cost guide」(参照日:2022-1-31)
※7...Mcgill university「International student funding」(参照日:2022-1-31)
※8...Mcgill university「Entrance scholarships for future undergraduates」(参照日:2022-1-31)
※9...Mcgill university「Fall 2020」(参照日:2022-1-31)
※10...Mcgill university「English language proficiency」(参照日:2022-1-31)
※11...Mcgill university「Admissions requirements」(参照日:2022-1-31)
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