みなさんは留学費用がどのくらいかかるかをご存じでしょうか?この記事を読んでいる方の多くが、留学をするにはいくら貯金が必要なのか、気になっていると思います。
留学は、授業料に航空券、ビザ代、授業料、家賃、生活費、交際費など、思っている以上にたくさんの費用がかかります。私にとって大学時代の留学費用は、今までの人生で最も大きな出費となりました。
ただ、いくら費用がかかるとはいえ、留学を諦めたくはないですよね。
そこで今回は、留学を考えている人に向けて留学に必要な貯金額、貯金ゼロから留学にいく方法、留学先別の費用総額を順に解説します。
※記事内ではカナダドルをCADと表記し、為替レートには2024年7月18日時点での情報を参照し、1CAD=115.1円で計算しています。
※記事内ではオーストラリアドルをAUDと表記し、為替レートには2024年7月18日時点での情報を参照し、1AUD=103.7円で計算しています。
※記事内ではニュージーランドドルをNZDと表記し、為替レートには2024年7月18日時点での情報を参照し、1NZD=96.7円で計算しています。
※記事内ではユーロをEURと表記し、為替レートには2024年7月18日時点での情報を参照し、1EUR=171.9円で計算しています。
※記事内ではイギリスポンドをGBPと表記し、為替レートには2024年7月18日時点での情報を参照し、1GBP=206.7円で計算しています。
[目次]
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ぜひこの機会に留学準備を始めましょう!
留学にかかる費用はどこの国でどのような留学をするかによって変わります。国によって物価が大きく異なるので、同じ留学方法でも国が違えば費用が変わるのはよくあること。そのため、まずは「自分がどんな留学を実現したいのか?」をよく考える必要があります。
しかし、先立つものがないと具体的な計画は進められませんよね。まずはどれだけ貯金を準備すればいいのかを知るために、留学方法別、国別の大まかな費用を知っておきましょう。
なお、ここで紹介する1カ月の生活とは食費・家賃・雑費などを指しています。
貯金額の目安:42.3〜104.1万円(約1カ月)
語学留学は読んで字の通り、語学を習得するための留学方法です。英語を母国語もしくは共通語とする国に留学し、英語力アップを目指します。
語学留学は英語力が初心者でも大丈夫。ほとんどの語学学校では、入学のための試験はありません。
国名 | 費用の目安 | 約1カ月の生活費 |
---|---|---|
フィリピン | 42.3万円 | 6.2万円 |
アメリカ | 104.1万円 | 15.9万円 |
カナダ | 75.5万円 | 14.5万円 |
オーストラリア | 64.8万円 | 14.5万円 |
イギリス | 84.4万円 | 13.8万円 |
ニュージーランド | 68.6万円 | 13.8万円 |
アイルランド | 79.4万円 | 14.2万円 |
マルタ | 73.3万円 | 13.6万円 |
貯金額の目安:200〜700万円(1年間)
大学・大学院留学は、海外の大学に入学し、単位を取得して卒業を目指す方法です。高い語学力を要求されるため、語学力が足りない場合は語学学校に通ってから正規留学をする必要があります。
交換留学であれば1年程度ですが、正規留学の場合は滞在期間は2~4年です。費用については行く大学や専攻によって大きく変わります。一概には言えませんが、文系よりも理系の方が学費は高い傾向にあります。費用に不安がある場合は、大学や自治体が給付している奨学金に応募するというのもひとつの方法です。
国名 | 費用の目安 | 約1カ月の生活費 |
---|---|---|
フィリピン | 200~300万円 | 6.2万円 |
アメリカ | 350~700万円 | 15.9万円 |
カナダ | 300~600万円 | 14.5万円 |
オーストラリア | 300~600万円 | 14.5万円 |
イギリス | 350~800万円 | 13.8万円 |
ニュージーランド | 300~450万円 | 13.8万円 |
アイルランド | 200~600万円 | 14.2万円 |
マルタ | 250~450万円 | 13.6万円 |
貯金額の目安:約266〜419万円(1年間)
ワーキングホリデー(通称ワーホリ)とは、18〜30歳までの青年が文化や生活様式の理解のために、現地で原則1年間、観光・就学・就労ができる制度です。日本と協定を結んでいる国のみ滞在が可能で、人気の留学先だと、カナダ・オーストラリア・イギリスなどがあります。
通常の観光ビザや学生ビザとは異なり、お金を稼ぎながら現地で語学を学べることが最大の魅力です。そのため、大学留学のように長期間留学したいが貯金が足りないという人にはぴったりです。
ワーホリは自由度が高いビザであり、現地で何をするかによってかかる費用は大きく変わります。仮に、語学学校に半年通って、それから働き始めると想定すると下記の費用があらかじめ必要です。ちなみに、下記の表は現地での収入は加算せずに計算しています。
残念ながら、留学先として人気のフィリピン・アメリカ・マルタにはワーホリ制度はありません。
国名 | 費用の目安 | 約1カ月の生活費 |
---|---|---|
カナダ | 約419万円 | 14.5万円 |
オーストラリア | 約342万円 | 14.5万円 |
イギリス | 約311.5万円 | 13.8万円 |
ニュージーランド | 約315万円 | 13.8万円 |
アイルランド | 約266万円 | 14.2万円 |
photo by: Peopleimage.com - Yuri A / Shutterstock.com
思ったより貯金額が必要だった人もご安心ください。ビザの種類によっては、現地でお金を稼ぎながら留学することが可能です。
それぞれの国のアルバイト条件や時給などをまとめました。なお、貯金額の目安は1年間のワーホリを想定した金額です。
ここでは、渡航後3カ月ほど経ってから働き始めると仮定し、下記の計算式で「貯金額目安」を算出しています。
(想定される1年間の支出+3カ月分の生活費)ー9カ月分の給料=貯金額目安
国名 | 最低時給 | 現地で稼げる額(月給) |
貯金額目安 |
---|---|---|---|
フィリピン | 学生ビザでの就労不可 | 学生ビザでの就労不可 | 200~300万円 |
アメリカ | 学生ビザでの就労不可 | 学生ビザでの就労不可 | 350~700万円 |
カナダ | 約1,991円 | 約24万円 | 約246.5万円 |
オーストラリア | 約2,74円 | 約31万円 | 約106.5万円 |
イギリス | 約2,365円 | 約28万円 | 約100.9万円 |
ニュージーランド | 約2,239円 | 約27万円 | 約113.4万円 |
アイルランド | 約2,183円 | 約26万円 | 約74.6万円 |
マルタ | 約1,835円 | 約15万円 | 約602.6万円 |
※2024年7月時点。マルタは週20時間、それ以外は週30時間働く場合で計算
アルバイトができる国であれば現地で稼げるので貯金せずとも留学できることはありますが、昨今のワーホリブームで探しが見つかりにくい状況が続いており、すぐに見つかるとは限りません。念のため、3カ月分の生活費は準備しておいた方がいいでしょう。
各国の詳細を紹介していきます。
フィリピンは残念ながら学生ビザでの就労ができません。そのため、留学にかかる費用は事前にすべて準備しておく必要があります。
他国と比べると物価が安く、留学費用も比較的安く済むフィリピンですが、それでも1年間の留学をしようと思ったら200~300万円は必要です。計画的に貯金をしておく必要があると言えるでしょう。
アメリカもまた、学生ビザでの就労が難しい国です。アメリカの学生ビザは専門学校に通う人のためのM-1と、それ以外の学校に通う人のためのF-1があります。いずれの場合も1年目には学外で働くことは認められていません。
ただし、一定の条件の下キャンパス内のアルバイトをすることはできます。図書館のスタッフや新歓期の新入生歓迎スタッフ、授業の補佐を行うチューターといった仕事があります。しかし、これらの仕事に応募できるのは成績優秀で授業にもしっかり参加している人のみです。
2年目以降なら学外のアルバイトに応募できることもありますが、基本的には自分の専攻に関連しており、実習として認められるもののみです(※1)。
カナダの学生ビザも、キャンパス外で働くには一定の条件があります。政府に認められている学校でフルタイムのコースを取っていること、6カ月以上のコースであること、学位や修了証書の取得ができることなどがその条件です。これらを満たせば就労許可を別途取得する必要はありませんが、コースが始まる前に働き始めることはできません。
カナダはワーホリができる国でもあるので、長期で就学するのが難しい場合、あるいは出費を抑えたい場合にはワーホリビザの取得を検討していてもいいかもしれません。カナダの最低時給は17.3CAD(約1,991円)、1週間に30時間働くとすれば月給は約24万円です(※2)。
オーストラリアでは、学生ビザでも就労が可能です。カナダほど厳しい条件はなく、2週間で48時間を超えなければどんな職種に就くこともできます。冬休み、夏休みはフルタイムで働くこともできます。ただし、コースが始まる前に働き始めることはできません。
また、授業への参加率が一定の数字を下回ったり、コースをキャンセルしたりした場合には学生ビザが取り消されてしまうため、学業にもしっかり取り組む必要があります。
ワーホリを考えている人はオーストラリアも良い選択肢です。オーストラリアは時給が高いことで知られており、最低時給は24.10AUD(約2,574円)です。週30時間しっかり働けば、月に約31万円稼げます(※3)。
イギリスの場合、ほとんどの学生は働くことができますが通う学校や取るコースによっては就労が禁止されていることがあります。働いてはいけない場合にはビザ情報の中に”No work”と書かれていますので、アルバイトを始める前に一度自分のビザをチェックしてみましょう。
なお、就労が許可されている場合も学期中は週に20時間までしか働けません。長期休みに入ればフルタイムでの就労が可能です(※4)。
イギリスもワーホリができる国の1つであり、最長2年間滞在できます。カナダやオーストラリアは1年以上滞在可能ですが、その場合にはセカンドビザの取得が必要であり、申請には一定の条件を満たす必要があります。ちなみにイギリスの最低時給は11.44GBP(約2,365円)、1週間に30時間働くとすると月に約28万円稼げます(※5)。
ニュージーランドの場合、入学する学校やコースの期間の長さによって働ける条件が変わります。大学や大学院のフルタイムの場合には基本的には就労可能です。また、語学留学でも24週間以上のコースに入学していればアルバイトできます。その場合には1週間で20時間まで働けます(※6)。
20時間以上働きたい場合にはワーホリを検討してみましょう。ニュージーランドの最低時給は23.15NZD(約2,239円)と、他のワーホリ諸国と比較しても遜色ありません。1週間に30時間働くとすれば月に約27万円は稼げます。仕事を掛け持ちすることもできるので、30万円を超える月収を得ることも夢ではありません(※7)。
アイルランドでは政府が認可するプログラムに就学していれば、1週間に20時間までアルバイトができます。学校が休みの間は40時間まで働けるので、休暇中にがっつり稼いで貯金をすることも可能です。ちなみに、休みに入るのは6~9月と12月半ば~1月半ばの4カ月間です(※8)。
ただし、他国の場合は申請時期も渡航時期も自由に決められることが多いですが、アイルランドはワーホリビザの申請期間及び渡航期間が決められているので注意が必要です(※9)。
無事ビザが下りれば1年間アイルランドに滞在可能で、就学や就労ができます。アイルランドの最低時給は12.7EUR(約2,183円)ですので1週間に30時間働くとすると1カ月に約26万円は稼げます(※10)。
マルタの場合は留学生もアルバイトはできますが、学生ビザだけでは就労ができません。学生ビザに加えて、就労許可を取る必要があります。
就労許可を申請するにはまず雇用主を見つけなければならないので、マルタに渡航した後にまずアルバイトを見つけてから申請することになります。許可がおりれば週に20時間までアルバイトが可能(※11)。ただし、実際に働けるのは留学開始から12週間経ったあとです(※12)。
マルタの最低賃金は週に213.54EUR(約36,707円)と定められています。仮に週20時間働くとすると、最低時給は約1,835円です。1カ月働けば約15万円を稼ぐことができます。
留学費用が確保できたからといって気を抜いてはいけません。「大きなお金から削る」という視点から、いかに留学費用を抑えるか3つの対策を紹介します。
留学費用で一番のウエイトを占めるのが学費と生活費です。そのため、留学費用を抑えるには物価が安い国を選ぶのが最も効果的です。
ヨーロッパやアメリカ、カナダ、オーストラリアは日本より物価は高め。一方で、フィリピンやマルタは物価も授業料も抑えることができるため、総額ではかなりの節約ができます。
日本から距離が離れれば離れるほど、航空券のチケット代は高くなります。基本的に英語を母国語とする欧米の国は日本から遠く、チケット代は往復で10万円はくだりません。できるだけ安いチケットを手に入れるだけでも数万円の節約になります。
高額な航空券代を抑えるには、語学学校が割引航空券を補助してくれるキャンペーンや、航空会社のセールを活用しましょう。航空会社のキャンペーンだと、11月にあるサイバーマンデーとブラックフライデーが狙い目です。
食費は1日で見れば小さいですが、留学が長期になればなるほどその費用も大きくなります。ホームステイは語学力アップに最適ですが、食費・滞在費用は高め。
そのため、食費も削りたいと考えるなら、ルームシェアをしながら自炊する方法が一番節約になります。また“外食は週に1回まで”といったルールを決めておくのも有効。ストレスになりすぎない範囲で出費を抑えましょう。
photo by: metamorworks / Shutterstock.com
留学には興味があるけれど、貯金はゼロ……と諦めてしまうのはもったいないですよ。ここでは貯金ゼロからどのように留学のチャンスを得るかを詳しく解説します。
大学・大学院留学の見出しでもご紹介しましたが、アカデミックな機関への入学を考えている人は奨学金を獲得する方法があります。
ただし、奨学金を得るには高い英語力やエッセイの提出が求められるため、初心者レベルの人はまず語学力をアップさせることから始めましょう。
奨学金の情報はこちらの記事をチェックしてみてくださいね。
お金がないから留学を諦めるのはもったいない!費用を抑えるコツや奨学金情報を徹底解説
30歳未満であれば、時給の高い国でワーホリやオーペア(ベビーシッター)を考えてみるのもありです。
日本よりも時給が高いオーストラリアやカナダなどを選べば、出発時の資金が足りなくても、現地で稼いでカバーすることが可能です。
ただし、現地での職探しは日本よりもハード。応募者もたくさんいるため、「なぜ自分を選ぶべきか」というアピールポイントが必要です。比較的職が見つかりやすい日本料理店やレストランでの職務経験があると、実務経験をアピールできます。
「今すぐの留学でなくてもいい」と思っている人には、具体的な長期計画を一度考えておくことをおすすめします。
例えば、今大学生で新卒で働いてから留学を考えているのならば、いつどこの地域へいくかイメージを膨らませましょう。留学前に英語力や大まかな貯金額をイメージできているだけでも、“その時”がきた際にお金の心配をせずに済みます。
まだ留学のイメージができていなくても、少しずつ貯金を続けていけば、いざ留学する際に慌てずに済みますよ。2~3年かけて準備を進めていくなら、月に5万円を目標に貯金すれば1年間で60万円、2年間で120万円、3年間で180万円が貯められます。まずは自分の収入と日々の支出を照らし合わせ、削れるところから削っていきましょう。
「果たして留学費用を準備できるのだろうか」と心配な人はプロに相談してみるのもひとつの手段です。エージェントに依頼するとなると高くなるのではと不安になるかもしれませんが、自分でいろいろ調べるよりもプロに聞いた方がより正確な情報を集めやすく、結果として費用対効果が高いこともあります。
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【体験談】スクールウィズの留学カウンセリングってどんなことができる?実際の流れをまとめてみた!
今回は、留学にはどのくらいの貯金が必要になるのかを詳しく解説してきました。
留学は日本で学ぶよりもお金も時間もかかります。ただ、英語力を身につけられれば、将来のキャリアや人生に大きな影響を及ぼすことでしょう。
現時点で貯金が少なくても、諦めなくて大丈夫です。まずはどんな留学をしたいのか、大体いくらくらい必要になるのかを知ってから、貯金の計画や留学のタイミングを設定しましょう。
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みなさんの留学が充実したものになるよう心から応援しています。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
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留学に対するご質問から、留学プランづくり、事前の英語学習、留学中のサポートまで対応しておりますので、ご相談お待ちしております。
※1...U.S.Citizenship and Immigration Services「Student and Employment」(参照日:2024-07-18)
※2...Government of Canada「Federal minimum wage rising to $17.30 per hour on April 1」(参照日:2024-07-18)
※3...Australian Government Department of Home and Affairs「Minimum wages」(参照日:2024-07-18)
※4...UK Council for International Student Affairs「Student Work」(参照日:2024-07-18)
※5...GOV.UK「The National Minimum Wage in 2024」(参照日:2024-07-18)
※6...New Zealand Government「Working while on a student visa」(参照日:2024-07-18)
※7...Employment New Zealand「Minimum wage rates and types」(参照日:2024-07-18)
※8...Citizens Information「Student visas to study in Ireland」(参照日:2024-07-18)
※9...アイルランド領事館「ワーキングホリデー・プログラム」(参照日:2024-07-18)
※10...Citizens Information「Minimum wage」(参照日:2024-07-18)
※11...VisaGuide.world「Malta Student Visa」(参照日:2024-07-18)
※12...Sprachcaffe「マルタの学生アルバイト基本情報」(参照日:2024-07-18)
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