こんにちは!中国の上海市に留学していたyukiと申します。
1年間大学院を休学し、2019年の9月から翌年3月までの間「復旦大学」に通っていました。
留学ってかんたんに実現できるものではないし、留学生活もすべてが楽しいわけではありません。
ですが留学には、留学以外では得られない学びがたくさんあります。中国での半年に渡る留学生活を終えて、私はそれを実感しました。
この記事では私が中国への留学を決めたきっかけと、留学を終えて成長したなと感じたことを体験談を交えてご紹介します。
これから中国留学を検討している方は、参考にしてみてください。
まずは私がなぜ中国へ留学しようと思ったのかを紹介します。
私が中国留学を決めたのは、中国のことをもっと知りたいと思える出会いがあったからです。
突然ですが、私は大学3年生のとき不登校でした。特別な理由があったわけでもなく、いくら勉強しても全く単位が取れない劣等感から、この大学に自分の居場所がないと感じてしまったことが原因でした。
半年後いろいろあり復学したのですが、なんだか人が怖くなってしまいました。当然勉強にも集中できず成績はボロボロ。今年頑張れなかったら潔く退学しようと、教授や両親と話しました。
そんなとき、ふとしたきっかけで始めた中国版Twitterの「ウェイボー」が、私の大学生活を大きく変えてくれました。
実は中国の若者はアニメの影響もあって、日本を好きな人が多いんです。ウェイボーではいつもたくさんの人が温かいメッセージをくれるので、いつしか私にとって、中国の人たちとの交流が心のより所となっていました。
中国の人たちと交流する中で自然と人が怖くなくなり、彼らに負けないくらい勉強しようっていう気持ちが芽生えました。
そして無事に大学を卒業し、大学院へと進学したとき、自分を救ってくれた中国の人たちのことをもっと理解したいという気持ちが強くなって、留学しようと決心しました。
私の両親は最初、中国留学なんて絶対ダメだと言っていました。
友達もみんな、「どうして中国に行くの?」と不思議そうにしていました。
インターナショナルな学科でない限りは、留学に行く人がこういう目で見られるのはよくあることです。友達からいろいろ言われるのは気にする必要がないけど、両親の協力だけはどうしても必要です。
そこで私がやったのは、プレゼンテーションを作って両親を説得することでした。
両親説得のために作ったプレゼン資料
このようなプレゼンを15枚ほど用意し、しっかり練習して家族の前で20分ほど演説しました。(※ 後から色々相談して、最終的に留学先は上海へ変更しました)
これがかなり効果的で、最終的に私の熱意を理解してもらえたようです。
プレゼンを作って演説するのは気持ちが伝わりやすく、おすすめの方法です。
留学に行くことが決まったら、まず中国留学に関する情報収集をしました。
情報はインターネットで調べることもできますが、留学エージェントさんに相談するのがおすすめです。私もエージェントさんを通して留学申請を行いました。
中国留学に関する情報ってあんまりインターネットには載ってなくて、調べても間違った内容であることもあります。
留学エージェントさんは現地と常に情報を交換しているので、新しくて正しい情報を教えてくれます。カウンセリングは無料であることがほとんどなので、まず自分が考えていることを相談してみるだけでも大丈夫です。
ちなみに私はあまりに中国に関する情報のなさにがっかりしたので、留学エージェントさんと相談しつつ、自分の体験談をブログに書いていました。
自分で立ち上げたブログ「マイクロ中国」にはたくさんの読者さんがつき、同じく留学に困っている人のお役に立てたようです。
もしみなさんが留学することになったら、ぜひその過程も発信して、未来の留学生を一緒にサポートしましょう。
それでは、実際に上海に留学してみて感じたことを紹介します。
留学生活は全てが新鮮で、刺激的な毎日です。
そんな毎日をどのように過ごしていくのか、イメージしてみましょう!
よく言われることですが、留学初期はけっこう大変です。
特に私が大変だと感じたのは、次の3つのことです。
実は上海の雰囲気は日本に近くて、すきやとかサイゼリアみたいな日本食がたくさんあります。
でも最初はそんなこと知らないし、そもそも外出するだけで緊張します。おいしいお店の見つけ方だってわかりません。
私があのとき美味しく食べれなかったのはこちらの料理。
留学初日に食べれなかった小籠包と水餃子
留学を終えた今だから言えるのですが、この食事のチョイスは間違っていません。
でも生活のストレスで美味しく思えなかったのかもしれないですね。
そしてこちらは上海の地下鉄のチケット売り場。
チケットを買うのにもいろんなボタンを押さないといけなくて、少し複雑です。詳しい乗り方は前もって調べておきましょう。
留学初期は現地生活に慣れるのも大変なので、心が疲れ切ってしまうこともよくあります。私も最初の1週間は部屋でよく泣いてました(笑)。
ご飯が食べれなくて辛かったとき
- 当時の日記より抜粋 -
それにしても中国留学は辛いです。ここにきて2日になりますが、ほとんどの物が食べれません。ただ街の人は優しくて、聞けば何でも教えてくれるし助けてくれます。この環境は好き嫌いがハッキリ分かれそうですね……。早くも帰りたいでMAXな気持ちですが、何とか生きていきます。
当時はもう日本に帰りたいと心の底から思いましたが、今となってはいい思い出です。
あの経験があったからこそ、その後の留学生活で幸せを感じることがたくさんありました。
上海のタピオカ
唯一の癒やしは、タピオカが美味しかったこと。
留学初期は相談できる人もいなくて孤独だと紹介しましたが、そんな中だからこそ、現地の空気感をより深く感じることができます。
現地の人たちと交流するにつれて、私は中国の人情にあふれた雰囲気がすごく好きになりました。
学食を奢ってくれた学生さん
- 当時の日記より抜粋 -
朝に学食へ行くと支払いが学生カードonlyのため、入学前の私は何も買えず……。ダメ元で現地の学生さんに話しかけてみたら、なんと代わりに買ってくれました……!しかも、お金はいらないから食べてねって笑顔で一言。それにしてもこの国の人たちは、本当に優しいです。
復旦大学の学食
中国人は怖いのかなと思っていた留学初期、その先入観を一気に払拭してくれた出来事でした。
彼の笑顔は留学中、一度も忘れたことがありません。名前も連絡先もわからないですが、本当に感謝しています。
同じ寮に住む中国人との会話
留学初期、生活のストレスで熱を出してしまい、ちょうどそのタイミングで同じ寮に住む中国人が私の部屋にお菓子をたくさん持ってきてくれました。
お礼を伝えると、「中国ではこれが普通だよ」という優しさにかなり助けられました。
ちなみにこの子、2020年の大学受験に合格したらしいです。よかった。
バスで見た光景
- 当時の日記より抜粋 -
中国のバスや電車ではいつも、みんなが立っているおばあちゃんに席を譲ってくれます。スマホで大音量で動画を見て足広げて座ってる態度悪いお兄さんでも、目の前におばあちゃんが来ると席を譲ります。中国人のマナーには賛否両論ありますが、年配者に席を譲るこの文化は、世界に誇れる気がします。
お年寄りや子連れに優しいこの文化は、中国のどの地域でも普通のことらしいです。
さすがは儒家の国というべきでしょうか。この文化は積極的に真似していきたいですね。
このように、中国に来てみて日本では知ることもできなかった人々の暮らしを感じることができました。
正直にいうと私は中国の全てが好きってわけではないですが、中国人が持つ人情の厚さはとても尊敬しています。
留学先にはいろんな国の人、同じ国でも全く違った生き方をしてきた人たちが集まります。
こちらは韓国人のクラスメートと2人で旅行した時の写真です。
「清明上河園」に行きました。清明上河園はきれいな庭園で、あの有名な洛陽の近くにあります。
クラスメートは日本語が通じないけど大丈夫かなと不安でしたが、友達になってしまえば言葉の壁は感じません。
語学力がそんなに高くなくても、なんだかんだみんな友達を作れていました。それぞれ旅行に行ったりカフェでおしゃべりしたり、楽しく過ごしていたみたいです。
留学先で出会った仲間は楽しいこともきついことも共有できるので、特別な存在だなと感じます。
私が特にびっくりしたのは、中国で出会った日本人でした。両親が中国人で日本と中国を股にかけた生活を送っていたり、持ち前の語学力を生かしてたくさんのバイトを掛け持っていたり……。
「同じ日本に住みながらこれほど違う人生を歩いてきているんだ」という驚きに加えて、
「こんな生き方もあったんだな」という気づきにもつながりました。
中国留学をしなかったらこんなに素敵な人たちに出会うこともできなかったので、本当に留学して良かったと思います。
クラス写真
中国留学をしている間、私はいろんな人から変わったねと言われました。
たった半年の留学でしたが、自分でもびっくりするくらい変化を感じることができました。3つまとめてご紹介します。
留学して良かったのは、いろんな視点で世界を見れたことです。
中国で生活すると、中国の視点で世界を見れます。
などなど、中国から見た世界を感じれるのは貴重な経験です。
もちろん留学中も日本のアプリを使っていたので、同じニュースでも日本と中国で捉え方が違うんだなと感じました。
そしてその話題についてたくさんの国の留学生と話すことで、さらに広い視点で考えることができます。
日本にいるだけでは世界の全ては見えないし、思っている以上に偏ったニュースも多いです。
でもそれは日本が悪いわけではなくて、どこの国も同じような感じです。
だから自分が生まれ育った国を出て違う価値観に触れて、これまで知らなかった世界を感じることが大切なんだと思います。
留学生活では、いろんなチャレンジをすることができます。
特に語学留学生はあんまり授業に追われないので、自分のやりたいことをたくさん取り組むことができます。
チャレンジの形は人それぞれですが、やりたいと思ったことには積極的にチャレンジしていきましょう。
ちなみに私は街の人に取材してみたり、中国人向けの情報発信をしてみたり、現地の文化を調べるのが好きでした。
2020年3月、私は留学中の復旦大学を退学しました。コロナウイルスの影響で授業がオンラインになり、上海での留学生活を送れなくなっためです。
上海にいたときの私はそんな未来が来るとは思わず、2020年7月まで上海にいるつもりでスケジュールを立てていました。
でも今、そのスケジュールは全て実現不可能なものとなってしまいました。
そんなことを考えていた自分が、どれだけ時間に甘えていたのかを痛感しました。
今思えば、もっと頑張れたことはあったなという後悔は尽きません。
今できることを最大限にやりきる、よく言われることですが、留学の最後に一番大切なことを痛感しました。
ということで今の私は、留学を終えて日本で生活しています。
残された半年間の休学期間は、自分で勉強していくことに決めました。
最後に留学を終えた今、考えている将来のことを紹介します。
留学が終わってからチャレンジしていることは、次の3つです。
正直にいうと完全に気持ちを切り替えられたわけではないのですが、留学を中断したことを後悔したくないので、今できることを精一杯やろうと決心しました。
私は2022年卒なので、今からインターンシップに参加して就活を始めています。
中国留学で出会った一人一人がたくさんの生き方を教えてくれたので、自分が本当にやりたいことを探しつつ将来の夢を追い続けています。
実は将来の夢は、中国留学前とあんまり変わってません。
今の私には将来、自分がどんな仕事についているかなんて想像はできないです。
最初に紹介したように、私が中国留学したのは中国の生活を体験してみたかったからだけなので、中国関係の仕事に就く予定はありません。
私はどれだけ歳をとっても、自分とは違う価値観を受け入れ、世界のいろんな文化を楽しめる人になりたいなと思います。
せっかく世界のいろんな人たちに出会ってたくさんの価値観に触れることができたので、この経験を生かせるようにがんばります。
上海に留学したyukiの体験談を紹介しました。
留学を終えてやり切ったことも、やり残したこともたくさんありますが、私は中国留学してよかったなと思います。
留学に踏み切るまではすごく大変なこともあると思いますが、ぜひ自分の目標に向かって一歩踏み出してみましょう。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
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