就学と就労の両方が叶うワーキングホリデービザは、海外留学を希望する人にとって魅力的な選択肢です。英語圏を代表する留学先イギリスに、ワーホリビザを使って渡航をしたいと考える方も多いかと思います。
今回は、イギリスのワーホリビザの申請方法について、最新の情報をまとめました。申請の手順や必要書類、申請にあたって気になる疑問を徹底解説していきます。
2023年までは抽選に当たった1,500人のみが申請できる仕組みでしたが、2024年からは6,000人に申請順に発給される仕組みに変更となりました。本記事は2023年までの抽選式のビザ申請手順です。最新のビザ申請手順は、詳細がわかり次第更新します。
なお、イギリスのワーキングホリデーについての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
ワーキングホリデーはイギリスで決まり!費用や申請方法など詳しく解説
※本記事では2023年4月26日時点での情報を元に、費用はすべて1GBP=172円(※1)で計算しています。情報は随時更新されるため、ワーホリビザ申請の際は大使館の公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
[目次]
イギリスのワーキングホリデービザを申請するには、提出が求められる書類が複数あります。
書類の中には入手まで時間がかかるものもあるため、ワーキングホリデービザの申請を決めたら、なるべく早く準備を進めましょう。
下記がイギリスのワーホリ申請に必要な書類の一覧です(※2)。
必要な書類は変更となる場合があるため、必ず申請前に公式情報を確認し、漏れがないよう注意してください。
ワーホリの申請をスムーズに進めるために、「資金証明書(取引明細書)」と「パスポート」の2つは、申請前から用意しておくことをおすすめします。
英語での資金証明書は、預金がある金融機関で発行してもらえます。発行までは3日〜1週間ほどかかるため、申請時に慌てないようにあらかじめ用意しておきましょう。
また、パスポートも新規・更新に関わらず、発給までに1週間程度かかります。こちらも余裕を持って、ワーホリビザの申請前に手続きを終わらせておきましょう。
ワーホリ申請時は、事前に用意していたパスポートと資金証明書のアップロードが求められます。アップロードをしない場合、書類を英国ビザ申請センターへ持参し、アップロードの再手配をしなくてはなりません。ビザ申請センターでアップロードをすると、2,070円(2023年4月現在)の費用が発生します(※3)。
出費を削減するためにも、申請時にアップロードを済ませておきましょう。
加えて、申請時にはビザ申請料金と英国国民健康保険の支払いが必要です。クレジットカードで手続きができるため、資金とカードの用意を済ませておきましょう。
申請手続き完了後は、英国ビザ申請センターへ予約を入れます。来館時は下記の書類を持参します。
イギリスのワーホリを申請する場合、応募要件を満たしている必要があります。ここからは応募要件の詳細と申請の流れなどについて、ご紹介します。
イギリスのワーホリにおける応募者の条件は、下記の6つです(※2)。
イギリスのワーホリの年齢制限は、18〜30歳です。31歳の誕生日を迎える前に申請を済ませていれば、31歳になった後でもワーホリビザでイギリスに入国できます。
加えて、イギリスのワーホリビザには定員があります。2023年は1,500人分の参加枠が用意され、ビザの申請を受け付ける時期は1月と7月の年に2回です。
申し込みの条件自体は難しくはありませんが、人数に制限があること、申し込みのタイミングが決められていることに注意しなければなりません。
イギリスのワーホリの申請は以下の流れで行われます。申請の手順は1月と7月で変化はありません。
イギリスのワーホリビザと他の国のワーホリビザの大きな違いは、最初に抽選をする点です。ビザを申請する権利は、抽選に当選した人だけに与えられます。
また、当選はあくまでワーホリビザを獲得する権利を得ただけであり、ビザは末発給の状態です。当選メールが届いたあとはビザの申請が必要になるため、当選したと安心して放置しないように注意してください。
イギリスのワーホリビザの申請には、259GBP(約4万4,548円)の申請料が必要です(※2)。
加えてビザ申請料の支払い時に、英国国民健康保険料の940GBP(約16万1,680円)の支払いも求められます(※2)。
どちらもクレジットカードでの支払いが可能です。合計で20万円以上のまとまったお金が必要になるため、カードの利用限度額に注意をしましょう。
イギリスのワーホリビザを申請してから発給されるまで、2〜3か月はかかると見ておきましょう。
英国ビザ申請センターで書類の提出をした後、大きな問題がなければ審査結果は60営業日以内に処理されます(※4)。しかし渡英のハイシーズンは混雑する傾向にあり、さらに時間がかかる可能性があることに注意してください。
渡航日を決めたらなるべく早くに申請の手続きを済ませておくことで、ビザの発給遅れによるトラブルが防げます。
ここからは、イギリスのワーホリ申請の各ステップを詳しく解説していきます。
申請にあたってまず行わなければいけないのが、申し込み条件の確認です。イギリスのワーホリは1月と7月の年に2回、申し込みができます。それぞれの申し込み条件については、1月分が10〜12月ごろに、7月分は6月ごろに要項が発表される傾向にあります。
応募要項の公開時期が近づいてきたら、こまめにイギリスの移民局のサイトや英国大使館の公式サイトを、チェックしておきましょう。
条件を確認したら、ビザの申請権利を得るための抽選に、メールで応募しましょう。応募先のメールアドレスは、応募開始期間が近づくと駐日英国大使館やイギリス移民局のサイトで公開されます。
申し込み期間はあらかじめ決められているため、期限内に送るようにしてください。
2023年1月の申し込み期限は、1月17日〜1月19日の2日間でした。7月の申し込み期限は2023年4月現在、公表されていません。応募要項の公開時期に併せて発表される可能性が高いため、確認を怠らないようにしましょう。
応募メールを送る際は、記載内容に規定があります。下記に沿って、応募メールを作成しましょう(※5)。
【件名に記載する内容】
名前・生年月日・パスポート番号
(記載例)Lastname Firstname – DD/MM/YYYY – passport number
【本文に記載する内容】
情報に漏れや間違いがあると、応募メールとしてカウントされないため注意しましょう。申し込みが完了すると、申し込み確認のメールが自動返信で送られてきます。
申し込みメールを送信すると、無作為で抽選が行われます。その後、当選すると当選メールと共に申請方法や申請に必要な書類などの説明のメールが、送られてきます。
当選はあくまでビザの取得権利の獲得だけを意味します。申請の申し込みを行わなければワーホリビザの取得はできないため、当選メールを受け取ったら早めに手続きをしましょう。
当選した後に行う申請内容は、以下の通りです。
オンライン申請書の作成にあたって、アカウントを用意する必要があります。また申請料金の支払いを行ってから90日以内に、英国ビザ申請センターに必要書類の提出に行かなくてはなりません(※2)。
英国ビザ申請センターへの来館は予約が必要です。申請終了後に予約用のリンクが共有されるため、クリックして予約登録をしましょう。
オンライン申請書およびその他の必要書類が用意できたら、予約した日に英国ビザ申請センターに行き書類を提出します。
英国ビザ申請センターの所在地は以下の通りです。
英国ビザ申請センターでは書類提出のほかに、指紋採取や顔写真の撮影を含む、生体認証情報の登録をします。そのため、申請者本人が英国ビザ申請センターで生体認証を行わないと、申請手続きが完了しません。
書類の提出と生体認証情報の登録を終えたら、英国ビザ申請センターのスタンプが押されたパスポートのコピーを渡されます。パスポート受領の際に必要になるため、なくさずに保管しておきましょう。
ワーホリビザの申請から書類提出まですべて終えると、審査に入ります。審査結果はイギリス大使館からメールが届きます。審査期間は窓口に書類を提出してから1〜2週間とされていますが、申請のタイミングによっては1〜2ヶ月ほどかかるケースもあるようです。
無事に審査を通過してビザを取得できたら、パスポートを受け取りに再びビザ申請センターへ行きます。受け取りの際は、申請時にもらったイギリスビザ申請センターのスタンプつきのパスポートのコピーを持参してください。
なお、受け取りに関しては郵送や代理人受領も可能です。代理人に依頼する場合は、パスポートのコピーと委任状、さらに代理人の身分証明証が必要です。
審査を無事通過したら、ワーホリビザが発給されます。ビザの受け渡しは日本国内ではなく、イギリスに到着したあとに行われます。
審査完了のメールに記載されているイギリス国内の郵便局が、ビザを受け取れる場所です。郵便局は、申請時に指定できます。滞在するエリアに近いところや交通の便が良い郵便局を選ぶとよいでしょう。
続いては、イギリスのワーホリ申請をする際に押さえておきたい基本的な疑問について解説します。
イギリスのワーホリに関しては、申請期限が決められています。
第1回目である1月の応募は募集人数が多いため、まずは1月の申請にトライしてみましょう。1月に落選しても第2回目の7月の募集に、応募が可能です。
イギリスの場合、健康診断は不要とされていますが、受診を求められるケースもあります。受診の指示があった場合、対応しましょう。
ビザの有効期限は申請時に申告した入国予定日から2年間となっています。入国する日は遅らせることができますが、有効期限は伸ばせません。当初の入国予定日から2年間なため、注意してください。
申請書類の認可が下りないケースもあります。申請が却下されてしまう理由は、書類の不備や必要事項の未記入など、ケアレスミスが原因であることがほとんどです。
また、パスポートの証明写真で髪の毛が顔にかかっていて顔が見えなかったり、メガネにフラッシュが反射してしまっていたりすると、写真の撮り直しを指示されるケースもあります。
窓口に行く前に書類の不備や漏れがないか、最終チェックをしてください。
イギリスのワーホリビザに関しては、日本国籍を持っていれば海外在住でも申し込みができます。申請方法は日本に住んでいる場合と同じです。ただしイギリス国内からワーホリビザの申請はできないため、注意をしましょう。
最後に、ワーホリ申請を決めたら並行して準備をしておくべき6つの内容を紹介します。ビザの申請だけでも大変ですが、現地での生活をより充実したものにするためにも、しっかりと準備をしましょう。
ワーホリビザを申請する方の多くが、渡英後の仕事に活かせるだけの英語力を身につけるために、最初の数ヶ月は語学学校に通います。
イギリス国内、特にロンドンには市内の至る所に語学学校があります。学校によって設けられているコースや特徴、授業料に違いがあるため、自分に合った学校を選ぶことが大切です。
学校選びや入学手続きに不安を感じたら、留学エージェントの利用も検討してみましょう。
ビザを申請する段階で入国予定日の指定をします。実際の入国の期限は、入国予定日からプラス30日の猶予がありますが、それを過ぎてしまうと別の手続きが必要になります。
入国予定日に間に合うように、なるべく早く航空券を準備しましょう。
ワーホリでは往復の航空券を購入して渡航するのが一般的ですが、イギリスのワーホリは片道航空券でも入国できます。ただし帰路の航空券が購入できるだけの残高証明書の提出を入国時に求められるため、注意しましょう。
ワーホリの大きな魅力は現地での就労が可能になる点です。語学力があればすぐにでも仕事を始めることができるため、仕事探しも早い段階で行っておくといいでしょう。
ワーホリで就業できる仕事先はさまざまです。イギリスの企業から日系企業の現地オフィスなど、たくさんの働き先があります。
英語に自信がない方は、飲食店や日本の商品を扱うお店などでの就労がおすすめです。日本人が在籍していることが多く、言葉の壁への不安が少ない環境で働けます。
仕事の探し方は、現地の友人や知人を頼ったりお店や企業に雇用の応募をしたりする方が多いようです。また、以下のような現地の日本人向けの求人サイトもあります。
Mix B
ぜひ仕事探しに役立ててください。
ワーホリに限らず、海外に留学する際には現地での怪我や病気、盗難などに備えて海外保険に加入します。
保証内容は保険会社によって異なります。自分に合ったプランや滞在先の治安などに合わせて、適した保険に加入しましょう。
また、クレジットカードの中には海外保険が付帯されているものもあります。自分のクレジットカードの保険内容を確認し、足りない分を任意の保険で補うことで、不要な出費を減らせます。
ワーホリで日本を離れる際は、各種公的手続きを忘れないようにしましょう。公的手続きは、以下の内容が挙げられます。
日本を1年以上離れる場合、住民票登録をしている市区町村に海外転出届を提出します。海外転出届の提出期限は、出発の14日以内までです。自治体によってルールが異なる可能性もあるため、住まいの窓口で確認しておきましょう。
海外転出届を提出し住民票を抜くことで、国民年金、国民健康保険の保険料の支払いが免除されます。年金に関しては「任意加入制度」を利用すれば日本を離れている間も納付が可能です。また、「追納制度」を利用することで、支払いをしていなかった期間の年金を後から納付できます。
国民健康保険は、住民票を抜くことで日本の病院で保険が適用されなくなります。一時帰国の際に受診をすると自費負担となるため、注意しましょう。
住民票を抜かない場合、国民健康保険の「海外療養費制度」が利用できます。海外療養費制度とは、海外の医療機関で診察を受けた際に、医療費の一部が払い戻される制度のことです。
渡航に伴う公的手続きに関しては、下記の記事でも詳しく解説しています。より詳しく確認したい方は、ぜひチェックをしてみてください。
留学前にするべき健康保険の手続きって?住民票や国民年金の手続きもあわせて解説
留学中、住民票はどうする?海外転出届が必要なパターン・必要ないパターンを解説!
就労が可能なワーホリですが、現地に到着してすぐに仕事を始められる人は少数です。イギリスは日本よりも物価が高く、日本で暮らすより生活費は高額になります。仕事が見つかるまでの生活費として、100~150万円ほどを準備しておいたほうが安心です。
手持ちのお金に不安がある方は、ビザの申請と同時に現地で過ごすための資金の調達方法について、検討しておきましょう。
イギリスでのワーホリは日本人に人気であるため、多くの希望者が少ない枠を求めて応募します。
当選をしてワーホリのチャンスを手にできた際は、各種書類の準備、窓口での手続きに漏れがないようにしましょう。
また、ワーホリには書類作成や申請手続き以外にも、準備しておくべきことがあります。下記の記事でワーホリに必要な準備や気をつけたいポイントについてより詳しく記載しているため、ぜひチェックをしておいてください。
ワーキングホリデーの手続きを徹底解説!申し込みから渡航までの6ステップ
ワーホリビザを取得すれば、2年間の長期滞在が叶います。憧れの海外生活を実現するために、ぜひ記事の内容を参考にしてビザの申請を行ってください。
みなさんのワーホリが素敵なものになることを願っています。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
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※1...三菱UFJ銀行「外国為替相場一覧表」(参照日:2023年4月26日)
※2...GoV.UK「Youth Mobility Scheme visa」(参照日:2023年4月26日)
※3...VFS.GLOBAL「サービスの購入」(参照日:2023年4月26日)
※4...VFS.GLOBAL「よくある質問」(参照日:2023年4月26日)
※5...GoV.UK「Youth Mobility Scheme visa: ballot system」(参照日:2023年4月26日)
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