ニュージーランドは、国民より羊が多い国です。自然が豊かなため、訪れる先々で心に残る壮大な光景に出会えるでしょう。
加えて、ニュージーランドは映画のロケ地として選ばれることが多くあります。『ロード・オブ・ザ・リング』の荘厳な大自然は、ニュージーランドが舞台となっていました。『ラストサムライ』の戦闘シーンも、ニュージーランドの大自然を背景に、カメラが回されています。
海と山に恵まれた雄大なニュージーランドの大自然は、映画の舞台として役に立つだけでなく、歴史的価値もあるものです。その価値を守るために、世界遺産に登録されています。
今回は、ニュージーランドの世界遺産3ヶ所をご紹介していきます。
映画と同じ大自然が織りなす絶景を楽しみたい方は、ぜひ、足を運んでみてください。
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ニュージーランドにある世界遺産は、下記の3ヶ所です。
世界遺産名 | 場所 | 種類 | 登録年数 |
---|---|---|---|
トンガリロ国立公園 | ニュージーランド北東 | 世界複合遺産 | 1990年 |
テ・ワヒポウナム | ニュージーランド南西 | 世界自然遺産 | 1991年 |
亜南極諸島 | ニュージーランド南島から南へ200km | 世界自然遺産 | 1998年 |
上記の世界遺産の位置関係は、下記の地図を参考にしてください。
トンガリロ国立公園は、ニュージーランドの北島に位置する国立自然公園です。1990年当時、トンガリロ国立公園は自然遺産として登録された経緯があります。しかしその後、マオリ族文化との関わりが考慮され、1993年には世界複合遺産として再び登録される運びとなりました。
795㎢の広大な土地にはルアペフ山、ナウルオーエ山、トンガリロ山といった活火山や休火山が混合しています。ルアペフ山は、は『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地であり、作中に登場する「滅びの山」の舞台となった地です。
公園の名前となっているトンガリロ山は、エメラルド色の火山湖が有名です。神秘的な深い緑の湖は、訪れる人の心を癒してくれる美しさを持ち合わせています。
また、これらの山々はニュージーランドの先住民族、マオリ族の聖地としても知られています。
トンガリロ湖国立公園では、観光客向けに様々なアクティビティが用意されています。
春~夏にかけてはトレッキング、ラフティングで、豊かな自然に触れてみてはいかがでしょうか。
トレッキングのなかでも「トンガリロ・アルパイン・クロッシング」と呼ばれるコースは、「世界で最も素晴らしいトレッキングコース」との呼び名も高いコースです。
19.4kmの距離を、6〜8時間かけて歩くこのトレッキングコースでは、火山地帯を越えていきます。険しい山々の中に足を踏み入れることに、恐怖心を抱く方もいるかもしれません。しかし道程はしっかりと整備されていて歩きやすい部分が大半を占めていることから、初心者の方でも気軽に挑戦できるコースです。
また、山々もそんな観光客を歓迎するように、幻想的な景色を披露してくれます。冬の間はスキーやスノボードで、銀色に染まった雄大な景色を堪能できます。
トンガリロ湖国立公園は、シーズンごとに違った表情を楽しめる世界遺産です。ぜひ、その時々で変化する自然の情景を、堪能してみてください。
鉄道ではオークランドから約5時間30分、ウェリントンから約5時間40分で到着します。バスの場合はオークランドから約7時間、ウェリントンから約6時間20分ほどかかることを見越しておきましょう。
テ・ワヒポウナムは、ニュージーランドの南島に位置するジャングルです。マオリ語で「ヒスイの産地」を意味し、公園内ではヒスイが産出されます。1990年に世界遺産に認定されました。
テ・ワヒポウナムは、「世界の中でもっとも雨量が多い地域」として分類される地です。夏も雨の日のほうが多いことから、世界最大級の冷温帯雨林のジャングルが形成されています。
大規模な冷温帯雨林のジャングルでは、独自性と多様性に富む生態系が生息しており、氷河期からほとんど変化がない固有の種も生息しているほどです。
これらのとても貴重な動物や植物の絶滅を防ぐために、世界遺産として慎重に保護されています。
テ・ワヒポウナムには、フィヨルド国立公園、アオラキ・マウントクック国立公園、ウエストランド/タイ・ポウティニ国立公園、マウント・アアスパイアリング国立公園の4つの国立公園があります。
その中のフィヨルド国立公園にある「ミルフォード・サウンド」はこの地を訪れた際には、足を運ぶことをおすすめするエリアです。
氷河によって垂直に削られた山々が湖面の上にそそり立つ姿からは、自然の神秘を感じられます。現地ではこの光景は「巨人が斧で山々を叩き割ったゆえにできたもの」として、伝えられているのだとか。
険しく鋭い山々から流れる無数の滝は青い湖に流れおち、霧が立ちこめ、人間の侵入を拒むかのようにも感じられます。
自然が織りなすこの迫力ある景色を前にすれば、「巨人が斧を振るった伝説」にも信憑性が感じられ、ただ息をのんでしまうことでしょう。
テ・ワヒポウナムにあるそれぞれの国立公園ではスキーやヘリを使った遊覧飛行などを楽しめます。
トレッキングも可能で、中でもウエストランド国立公園でできる氷河探索は、機会があればぜひチャレンジをおすすめする内容です。氷のトンネルの美しさに胸を打たれたり、深いクレバスの中を歩くスリルに感動したりと、日本では実現が難しい体験ができるでしょう。
そのほかにも、クルージングで自然に触れる方法も、おすすめです。湖面のさわやかな風に触れながら、雄大な自然に囲まれた時間を過ごせます。
大自然が広がるテ・ワヒポウナムで、ぜひ、素敵な経験をしてみてください。
クライストチャーチかクイーンズタウンのいずれかから、バスを乗り継いで向かいます。公園ごとに行き先が異なるので、注意が必要です。
亜南極諸島は1998年に世界遺産に登録された島群のことです。アンティポデス諸島、オークランド諸島、キャンベル島、スネアーズ諸島、バウンティ諸島の4つの諸島と1つの島から構成されています。
スネアーズ島には、植物が原始の状態で残っています。また、無脊椎動物と3種の鳥類の固有種が生息していることでも有名です。
オークランド諸島は希少なイエロー・アイド・ペンギンをはじめ、モリーモークやギブソンズ・アルバトロスなどといった、多くの海鳥が巣作りをする重要な陸地として知られています。海鳥の数は確認されているだけで40種、野鳥は120種も生息しているそうです。
その他のどの島も、手つかずの自然がそのままの状態で残されています。人間の立ち入りを厳しく制限し、原始の自然環境が常に保たれていることから「自然界の楽園」ともいえる場所です。
また、亜南極は別名「吠える40度」とも呼ばれています。この島々が位置する南緯40度は暖流と寒流が激しくぶつかり、気候が安定していません。西から吹き付ける卓越風が船乗りを野獣のごとく襲うことから、名付けられた名称とされています。
この吠える40度の影響から、観光時は暴雨に見舞われる可能性があります。自然の厳しさを感じながら島観光を堪能するのも、一興かもしれません。
年間で限られた人数だけ、上陸が可能です。そのため観光を決めたら早めに予約を取っておきましょう。上陸には専門のガイドの同伴が必要なことから、旅行会社のツアーに申し込むのがおすすめです。
許可されているアクティビティは、基本的に船でのクルージングか、島内のトレッキングになります。豊かな自然を傷つけることのないように、マナーを守ってゆっくり観光を楽しんでください。
個人でのアクセスはできないので、ツアーなどに申し込みましょう。島に入るには入島許可証が必要になります。
南半球に位置するニュージーランドは日本の7割ほどの国土に、大自然が広がる美しい国です。北国と南国に分かれますが、それぞれ違った文化が根付いています。
3ヶ所の世界遺産は、どれも共通して壮大かつ雄大な自然を堪能できるスポットです。人の手が入っていない場所が多いため、日本では見ることのできない動植物を発見できるでしょう。
映画好きの方や大自然を堪能したい方はぜひ訪れてみてくださいね。
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