実際にビジネスシーンで英語を使っている人の中には、英語を使った電話での やりとりに苦手意識を持っている人もいるのではないでしょうか。
慣れない英語、特に相手が見えない状況ですと、自分の伝えたいことがうまく相手に伝わっているかわかりづらく不安を感じやすいですよね。
しかし英語を使ったビジネス電話の対応は、いくつかのフレーズを知っているだけで誰でもスムーズに行うことができます。そこでこの記事では、実際のシーン別に使われる英語のフレーズをご紹介したいと思います。ぜひ実際のビジネスシーンで、ここで紹介したフレーズを使ってみてくださいね。
[目次]
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電話をかける(受ける)上で、英語と日本語どちらも大きな流れに違いはありません。
電話の大きな流れはこの3ステップですが、ポイントとなるのは「ビジネスに適した英語表現」です。日本語に「丁寧語」や「尊敬語」「謙譲語」があるように、英語にもビジネスに適した英語表現があります。
とはいえ、英語については日本語ほど難しくありませんのでご安心ください。
英語の丁寧な表現さえ覚えておけば、それをビジネス英語として使うことが可能です。ビジネス英語は、ビジネスシーンごとによく使う表現が決まっています。電話対応についても同じく、定番のフレーズを覚えておけば対応に困ることはありません。
まずは、電話をかける時に役立つ英語表現についてお伝えします。
Hello, this is ○○ from △△.(もしもし、△△社の○○です。)
【例】Hello, this is Tanaka from ABC company.(もしもし、ABC会社の田中です。)
ビジネスで電話をかけるときは、「名前」と「会社名」を最低限伝える必要があります。「Hello」は、時間帯に合わせて「Good morning」や「Good afternoon」と言い換えることも可能です。相手に伝わるようにゆっくり、はっきりと発音しましょう。
I'm calling to talk about ~.(~についてお電話しました。)
【例】I'm calling to talk about the estimate which we discussed the other day.(先日のお見積もりについてお電話しました。)
「calling」が「電話をかける」、「 to talk about ~」が「~について伝える」という意味から「I'm calling to talk about ~.」で「~についてお電話しました。」となります。
その他の表現や言い回しも確認してみましょう。
I'm calling to inform you about ~.(~についてお知らせしたくご連絡しました。)
【例】I'm calling to inform you about changes of physical address.(住所の変更をお知らせしたく、ご連絡しました。)
いずれの表現も意味は似ていますが、伝えたい用件のポイントが少しずつ違います。状況に合わせて適切なものを選んでください。
用件を伝えた後は、話したい相手に代わってもらう必要があります。ここでは、すでにやり取りのある「既存の顧客」のケースと、まったく初めての「新規の顧客」のケースに分けてお伝えします。
既存の顧客の場合、すでに相手の部署や名前がわかっているのであれば、それを正確に伝えることでスムーズなやり取りができます。
May I speak to ○○?(○○さんと話すことはできますか?)
【例】May I speak to a sales person, Ms. Yumiko?(販売部門のユミコさんをお願いできますか?)
「May I ~?」は「~をお願いできますか?」という丁寧な表現で、ビジネス英語でよく使いますので覚えておきましょう。
まったく付き合いの無い新規の顧客の場合は、用件に合った担当者へつないでもらう必要があります。
May I have the name of someone in charge of this case?(この件を担当される方のお名前を伺ってもよいでしょうか?)
もし担当部署に所属している人であれば誰でも構わないという場合なら、「someone in ○○」(○○の関係者)、あるいは「○○(部署名) + contact」(○○部署の窓口)などの表現が使えます。
May I speak to someone in ○○?(○○の関係者の方におつなぎいただけますか?)
【例】May I speak to someone in sales department?(営業部の方におつなぎいただけますか?)
May I speak to ○○ contact?(○○部署の窓口へおつなぎいただけますか?)
【例】May I speak to sales department contact?(営業部の窓口へつないでいただけますか)
ここで、ビジネスでよく使う部署や部門別の担当者の呼び方についてもチェックしておきましょう。
ビジネスでよく使われる部署・部門別の担当者の呼び方をご紹介します。
sales person(営業部職員)
sales representative(営業責任者)
account executive(営業責任者)
略して「AE」と呼ぶこともあります。
PR agent / communications person(広報部職員)
PR officer / press officer/ publicity official(広報責任者)
HR proffesionals(人事部職員)
「HR」は「Human Resources」の略です。
HR contact(人事部窓口)
Personnel Manager(人事管理者)
recruitment staff(採用部職員)
job recruiter / recruitment officer(採用責任者)
相手の所属する担当を添えて伝えることで、よりスムーズに希望する担当者へつないでもらうことができます。
続いて、電話での売り込みや交渉する場合の英語表現についてお伝えしますね。
電話で自社サービスの売り込みや、アポイントメント、交渉などを行う場合の英語表現をお伝えします。
I'd like to speak about ○○.(○○についてお話させていただきたいのですが。)
【例】I'd like to speak about the our new service.(弊社の新製品についてお話させていただきたいのですが。)
まずはどのような内容を話したいのか、相手に伝えましょう。「I'd like to ~」で「~させていただきたい」という丁寧な表現になります。
似た表現として「I'd like to propose ~.」(私どもは~を提案させて頂きます。)も良いでしょう。
We are a company that ~.(弊社は~の会社です。)
【例】We are a company that sets up office networking systems.(弊社は、オフィスネットワーキングシステムを構築する会社です。)
初めてコンタクトを取る場合は、自社が何をしている会社なのかあらかじめ伝える必要があります。
We can offer you ~.(私たちは~を提供することができます。)
【例】We're currently running a promotion, and we can offer you a special rate.(現在、キャンペーンを実施しており、特別価格を提供することができます。)
「run a promotion」は「キャンペーンを実施する」、「special rate」は「特別価格」を意味します。どちらもビジネスシーンでよく使う表現なので覚えておきましょう。
I'd really like to ask what ~.(ぜひとも~をお伺いさせていただきたいです。)
【例】I'd really like to ask what your needs are and discuss them with you in person.(ぜひともご要望などを直接お伺いさせていただきたいのですが。)
「I'd really like to ~」は「ぜひとも~したい」という気持ちを伝えたいときにピッタリな表現です。「in person」は「自分自身で」という意味になり、例文の場合は「(他人ではなく)私自身がお伺いして~」という前向きなニュアンスを伝えることができます。
I'd appreciate it if you would ~.(~していただけたら幸いです。)
【例】I'd appreciate it if you would give me some time.(お時間をいただけたら幸いです。)
相手への希望、要望を丁寧に伝える表現で、こちらもよく使う表現なので覚えておきましょう。
How about ~?(~はいかがですか?)
【例】How about Wednesday morning?(水曜の午前中はいかがですか?)
アポイントメントが取れた際には、約束の日時を決めましょう。
I'll come ~.(私が~へ伺います。)
【例】I'll come to your office tomorrow.(明日、御社へ伺います。)
自分が相手のオフィスへ伺う場合はこちらの表現を使い、相手に来てもらいたい場合は、
「Could you come to my company today?」(私のオフィスまでお越しいただけますか?)と聞きましょう。
How about these terms?(この条件はどうでしょう?)
自分たちから調整案を提示したい場合は、この言い回しを使ってください。”terms”は複数形で「条件」を意味します。
I'm afraid ~.(残念ながら~。)
【例】I'm afraid we wouldn't be able to agree to those terms.(残念ながら、その条件に同意することはできません。)
交渉の中で相手の提案に同意できない場合は、はっきりと丁寧にその旨を伝えましょう。”I'm afraid”を使うことで、丁寧に断りを入れることができます。
次は、電話がかかってきた時に役立つ英語表現についてお伝えします。
Hello. This is ○○,△△ speaking. (こちらは○○社の△△です。)
【例】Hello. This is ABC company, Tanaka speaking. (こんにちは、ABC会社の田中です。)
まずは挨拶の「Hello」を最初に伝え、その後で会社名、最後に自分の名前を伝えるようにしましょう。
How can I help you?(どのようなご用件でしょうか?)
電話で用件を伺うときは「How can I help you?」の表現を使いましょう。
May I have ~?(~をいただけますか?)
「May I have ~?」は「~をいただけますか?」という丁寧な表現で、相手の情報を確認する場合は、おおむねこの表現を用いれば対応可能です。
【名前を聞く場合】May I have your name, please?(お名前をいただけますか?)
【会社名を聞く場合】May I have your company name, please?(御社名をいただけますか?)
【電話番号を聞く場合】May I have your phone number, please?(電話番号をいただけますか?)
「May I have ~?」の他にも、似た表現として「Could you ~?」があります。
Could you ~?(~してだけますか?)
【つづりを聞く場合】Could you please spell your name for me? (お名前のつづりをいただけますか?)
【復唱してもらう場合】Could you repeat your phone number. (お電話番号を復唱していただけますか?)
Please hold on. (お待ちください。)
相手に少し電話口で待ってもらう際には、このひと言を添えましょう。
I'll put you through to the person in charge.(担当者に代わります。)
【例】It is beyond my understanding, I'll put you through to the person in charge.(私にはわかりかねますので、担当者に代わります。)
電話がかかってきた際に、自分では答えられない問い合わせであったときによく使うフレーズです。
He is away from his seat.(彼は現在席を外しています。)
【例】Unfortunately, he is away from his seat.(残念ながら、彼は現在席を外しています。)
担当者が不在の場合は、「He is away from his seat.」を使用します。その他にも、
【例】He is away from his desk in a meeting.(彼はただ今ミーティングで席を外しています。)
などもよく使う例文です。
He will be with you shortly.(彼はまもなく参ります。)
担当者がすぐに来れそうなときは、その旨を伝えてあげましょう。
I'll call back later.(後ほどかけ直します。)
「call back」は「折り返し電話する」という意味です。折り返しこちらから電話する場合にはこの表現を使いましょう。
I'll ask him to call you back.(彼に折り返させます。)
担当者が不在などで、後で折り返させるときはこちらの言い回しを用いてください。
ビジネス上の電話対応では、内線につなぐケースが多いです。ここでは、電話をかける場合と受ける場合に分けて、内線につなぐ表現をお伝えします。
May I have extension ○○, please?(内線○○をお願いできますか?)
【例】Good morning. This is Saki Ueda, at ABC company, may I have extension 123, please?(おはようございます。私はABC会社の上田サキと申しますが、内線番号123におつなぎ願えますか?)
「内線」は英語で「extension」と言います。丁寧な依頼表現として「May I ~」を使いましょう。
May I speak to △△ extension at ○○?(内線○○の△△さんをお願いできますか?)
【例】Good morning. This is Saki Ueda, at ABC company, may I speak to Mr.Smith at extension 123?(おはようございます。私はABC会社の上田サキと申しますが、内線番号123のスミスさんにおつなぎ願えますか?)
Who would you like to speak to?(どなたにおつなぎしましょうか?)
【例】This is the sales department. Who would you like to speak to?(営業部でございます。どなたにおつなぎしましょうか?)
部署に電話がかかってくるときは個人宛の場合が多いので、最初から誰につなぐかを相手に聞くとよりスムーズです。
Let me transfer you to ○○(内線○○におつなぎいたします。)
【例】Certainly. Let me transfer you to extension 253.(かしこまりました。内線253におつなぎいたします。)
「transfer you to~」で「~に電話をつなぐ」という表現になります。
顧客からのクレームに対応するときのポイントは、「しっかりと謝罪すること」「今後の対応についてお伝えすること」です。よく使うフレーズを確認しましょう。
~ sorry for your inconvenience.(~ご迷惑をおかけしてすみません。)
【例】We are very sorry for your inconvenience.(大変ご迷惑をおかけしてすみません。)
会社として謝罪するときの主語は「We」になる点に注意してください。「very」を加えることで謝罪の気持ちを強く表現できます。
We apologize for ~.(~をお詫び申し上げます。)
【例】We apologize for your unfortunate experience for the mistakes.(不快な思いをおかけした不手際をお詫び申し上げます。)
こちらも謝罪に使えるフレーズです。「apologize」のあとに「again」をつけることで「不快な思いをおかけした不手際を改めてお詫び申し上げます。」というニュアンスにすることもできます。
take for a while ~.(~に時間がかかる。)
【例】We are sorry that it took for a while to reply back to you. (返事に時間がかかってしまい申し訳ございません。)
顧客への対応が遅れてしまっていることへの謝罪フレーズです。
We totally understand ~.(~について十分承知しております。)
【例】We totally understand how frustrating it is.(お客様のご不満を十分承知しております。)
クレーム対応では、顧客に対しての同意も重要なポイントです。相手のクレームを受けた上でひと言添えるようにして使いましょう。
Full responsibility(すべての責任)
【例】We accept full responsibility for the mistake.(この度のミスに関してはすべて責任を取らせていただきます。)
こちらに全面的に否がある場合は、すべての責任をこちらで引き受けるときはこのフレーズを使ってください。相手に安心してもらい、スムーズな対応につながります。
~ not to do same mistakes in the future.(今後同じ過ちがおきないように~)
【例】We promise that we are taking the necessary steps not to do same mistakes in the future.(今後一切同じような過ちが起きないよう努めさせていただきます。)
謝罪に加えて、今後どのような姿勢をとっていくかというところまで伝えると、より信頼してもらえるでしょう。
電話対応をしていると、どうしても相手の言っていることが聞き取りづらいときがあると思います。そんな時に役立つ英語フレーズをまとめました。
Pardon? / Sorry? / Excuse me?(すみません。)
いずれも「すみません。」(もう一度言ってください。)という意味になります。語尾を上げて質問する形で使ってください。
Could you say that again?(もう一度言ってもらえますか?)
【例】Excuse me? Could you say that again?(すみません。もう一度言ってもらえますか?)
相手の言葉が聞こえなかったことに続けて、「もう一度言ってもらえますか?」というフレーズを入れるとより丁寧になります。
Could you speak up a little, please?(もう少し大きな声で話していただけますか?)
【例】I cannot hear you properly. Could you speak up a little, please?(お声が聞こえません。もう少し大きな声で話していただけますか?)
声が小さくて聞き取れないときはこのフレーズを使ってください。スピードが速くて聞き取れないときは「Could you speak a little more slowly, please?」(もう少しゆっくり話していただけますか?)になります。
There is a lot of noise.(雑音が多いようです。)
【例】I'm having problems hearing you. There is a lot of noise.(お声が聞き取りづらいです。雑音が多いようです。)
雑音が多くて聞き取れないときはこのように伝えてください。また電波が悪いときには「We have bad reception.」と伝えましょう。
I don't understand what you mean.(仰っている意味がよくわかりません)
【例】 Sorry, I don't understand what you mean.(すみません。仰っている意味がよくわかりません。)
相手の言っている内容が理解できないときはこの表現を使います。あわせて「Could you speak a little more slowly, please?」(もう少しゆっくり話していただけますか?)などと組み合わせると良いでしょう。
I'm afraid but I don't speak English well.(申し訳ありませんが、私は英語があまり話せません。)
【例】I'm afraid but I don't speak English well. Could we call you back when someone who speaks English comes back?(申し訳ありませんが、私は英語があまり話せません。英語を話せるものが戻り次第、電話を折り返させて頂いてもよろしいでしょうか?)
電話を受けたものの、まだ十分に英語が理解できない場合もあると思います。そんなときは無理をせずその旨を伝えましょう。
電話の切り方は、良い印象を持ってもらうためにも重要です。電話を切る際にオススメな英語フレーズをご紹介します。
Is there anything I can help?(他にご用件はございますか?)
【例】Certainly. Is there anything I can help?(承知いたしました。他にご用件はございますか?)
相手の用件を聞いた後で、最後にあらためて確認をしておくと丁寧な印象を持ってもらえます。
I'll be waiting for ~.(~をお待ちしております。)
【例】I'll be waiting for your call.(またお電話をお待ちしております。)
「waiting for~」で「~を待つ」という表現になります。次回も電話が来ることがわかっている場合はこのフレーズを使いましょう。
I'm looking forward to ~.(~を楽しみにしています。)
【例】I'm looking forward to seeing you.(お会いできるのを楽しみにしております。)
「look forward to~」で「~を楽しみにする」という表現になります。こちらもよく使うので覚えておきましょう。
Thank you for ~.(~についてありがとうございました。)
【例】Thank you for calling. Goodbye. (お電話ありがとうございました。さようなら。)
お別れのひと言として定番のフレーズです。for~以下は「your help」(お手伝い)、「description」(説明)など、さまざまな名詞を入れて使うことができます。
Have a nice ~.(良い~を。)
【例】Have a nice day / evening / weekend.(良い1日/夜/週末を。)
こちらもお別れのひと言として定番のフレーズです。相手に親密感を感じてもらう上でもおすすめのフレーズです。
最後にビジネスで英語を使って電話する際の注意点についてお伝えします。注意点は、
の3つです。
電話をかける前に、この時間に電話をかけても相手に迷惑でないかどうかを考えましょう。朝一や夜遅い電話はもちろん、ランチタイムやミーティングの時間などもわかれば外すのがマナーです。
緊急などでどうしてもそのタイミングでないといけない場合は、「I’m sorry early in the morning.」(朝早くに申し訳ありません。)など、ひと言お詫びを入れるようにしましょう。
電話対応に慣れていないのであれば、事前に伝える内容をあらかじめまとめておくのがおすすめです。箇条書き程度でもいいので、内容を書き出しておくことで漏れなく、電話をすることができます。
特にビジネスでかける電話は、簡潔にシンプルに用件を伝えることが求められます。電話には時間とお金がかかっているという、コスト意識も大事なポイントです。
電話で話す際は、抑揚をつけて明るくはっきりと発声しましょう。特に日本人は英会話に自信がないため、小さく、低い声になり、相手に伝わりづらい発声になってしまいます。
英語は抑揚(イントネーション)が非常に大事です。少しやり過ぎかな、というくらいオーバーに抑揚をつけ、ふだんよりもワントーン「大きく」「高い」声で会話することを心がけましょう。
いかがでしたか?今回は、ビジネスで電話対応をする際のポイントについてお伝えしました。多くの言い回しをお伝えしましたが、ポイントとなる表現はそれほど多くないことをご理解いただけたかと思います。
苦手に感じる電話対応も、主要な言い回しを覚えてくだけでグッとスムーズにやり取りすることが可能です。まずはお伝えしたシーンごとの英語表現から、自分の仕事で使いそうなものをピックアップすることからはじめましょう!
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