
マルチリンガルという言葉を聞いたことはありますか?
マルチリンガルとは、複数言語を話す多言語話者のこと。
海外に留学すると、母国語や英語も合わせて3、4カ国語話す学生に会うことも珍しくありません。マルチリンガルの方に出会い、英語だけでなく多言語を話せるようになりたいと思う方もいるでしょう。
では実際、どうすればマルチリンガルになれるのでしょうか。今回は、日本語・英語・フランス語・イタリア語・スペイン語を話せる私がマルチリンガルになるメリットとその方法をご紹介します。
[目次]

1言語を話す人をモノリンガル、2言語話す人をバイリンガル、3ヵ国語話す人はトリリンガル、4言語話す人をクワドリンガルといいます。
定義はいくつかあるものの、一般的に3ヵ国語以上扱える人がマルチリンガルといわれます。ただし、マルチリンガルといっても、個々のレベルはさまざま。4カ国語を母国語のように流暢に話す人もいれば、そうでない人もいます。
一般的には、ヨーロッパ言語の国際基準であるCEFR(Common European Framework of Reference for Languages)で日常会話ができる「B1〜B2」程度を複数の言語でできる人のことをマルチリンガルと見なすことが多いようです。
ちなみに、多言語を扱う人は「ポリグロット」と呼ばれることもあります。
ポリグロットはギリシャ語で「多くの舌」という意味。マルチリンガルは形容詞、ポリグロットは名詞という違いがあり、海外では「多言語を扱う達人」のようなニュアンスで「ポリグロット」と表現することがあります。
UNESCO(ユネスコ)によると、世界人口の半分は2言語以上の言葉を扱えるそうです(※1)。たとえば、スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つが公用語として認められており、政府も「スイスはマルチリンガルな国」とうたっています。
このように、複数言語を公用語として定めている地域もあれば、移民が多くマルチリンガルなことが一般的になっている地域もあります。ただし、それでも3カ国語以上話せる人の割合は、全世界人口の13%にとどまるそう(※2)。マルチリンガルな人は、世界でも希少なのです。
では、マルチリンガルな人は日本にどれくらいいるのでしょうか。明確なデータはありませんが、世界の他のエリアに比べて、日本にいるマルチリンガルな人は相当少ないと考えられます。それは日本が島国であり、日本語のみで日常生活が完結できる環境が関係しています。また、英語をはじめとするヨーロッパ言語は、日本語からかなり遠い語族の言語と考えられています。これはアメリカ国務省(FSI)による、語学の学習に必要な時間の指標にも現れており、英語と日本語は最も遠い言語とされているのです。
日本人にとってマルチリンガルになるのにはハードルが高く感じますが、それだけ習得できた際は希少価値が見出されるでしょう。
ちなみに、3カ国語以上話すマルチリンガルな人は、英語・中国語・スペイン語を身につけていることが多いといわれています(※3)。

では、マルチリンガルでいることにはどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、マルチリンガルで得られるメリット、デメリットまで紹介します。
マルチリンガルになると、仕事のチャンスが増えることがあります。たとえば通訳案内士、通関士、国際秘書などは、どれも言語スキルが必要な職種。複数の言語を扱えるようになると、こういった職種にチャレンジできます。
また一般企業でも、多言語を扱えれば新しい市場を開拓するチャンスがあります。今の時代、「英語スキルは当たり前」とする業界・企業も少なくありません。英語にプラスαの語学力があれば、人材としての価値が上がるでしょう。

英語はもちろん、外国語を学ぶと、その言語の裏にある文化や考え方に触れることができます。また、世界中の人と英語という共通語を使ってコミュニケーションを取るのも十分に価値があることですが、相手の母国語で話すことで、より深い結びつきや経験をすることもできるでしょう。
たとえば、スペイン人とコミュニケーションを取るとします。目の前の相手が英語を扱う人だとしても、相手の第一言語であるスペイン語を使って会話できれば、より深みのあるコミュニケーションが取れるでしょう。
近年はAI翻訳アプリが広まったことにより意思疎通が容易になりましたが、やはり自分の言葉で直感的にコミュニケーションを取れるのは、人間関係を築くうえで大きなポイントでしょう。
2025年に『Nature Aging』で発表された研究によれば、マルチリンガルな人はモノリンガル(一言語話者)と比べた時に、脳の老化スピードが緩やかであることがわかったのだとか(※4)。老化に関してだけでなく、脳の認知機能が高かったり、ワーキングメモリ機能が高かったり、複数言語を扱うことは脳機能の向上に影響することが判明しています。
言語学習は、キャリアの可能性や価値観を広げてくれるだけでなく、健康面においてもプラスに働く可能性があると考えられるのです。
言語は、使っていないと忘れてしまうもの。2つの言語を使うことは多くても、3つをある程度の頻度で使うような場面は極めて少ないでしょう。
その場合、あまり使わない言語に関しては、記憶から抜けやすくなってしまいます。中途半端なレベルにならないように、語学力を維持するためには、それなりの努力が必要です。

外国語が1つ話せれば2つ目、3つ目も簡単に習得できる、といわれることがありますよね。実は、その理由は「語族」にあります。
それぞれの言語は「語族」というグループに分けられます。共通の祖語から分化・派生したと考えられるものは、同一語族として分類され、同一語族のものは習得しやすいといわれているのです。
たとえば、ラテン語から派生したと考えられるものは、別の言葉でも言語の構造が比較的似ています。
ドイツ語話者が英語を簡単に習得してしまうのも、これら2つの語族が似ているから。一方、日本語は韓国語と構造が似ていると言われており、韓国語は日本人にとって学びやすい外国語の一つとして知られています。
語族を考える際、最もわかりやすい例がラテン語です。ラテン系の語学であれば言語が比較的似ているので、語学学習が比較的容易になります。
フランス語やイタリア語、スペイン語、ポルトガル語などは、どれもラテン語から派生した言語と考えられており、単語や文法が類似しています。そのため、どれか1言語を勉強すれば、次の言語を学習するのはある程度楽になるといわれているのです。
英語の中にも、ラテン系のルーツを持つ言葉がいくつかあります。たとえば「TION(ーション)」で終わる言葉はラテン系の言葉で、他のヨーロッパ言語でも似たものが多いです。発音も似ていますし、スペルもほとんど変わりません。
具体的な例を挙げると、
などです。
言語は似ていますが、発音で言うとフランス語はかなり難しい言語ですし、逆にスペイン語は日本人にとって発音しやすい言語と言えます。
発音が簡単な言語は、話しやすく聞き取りやすいので学習しやすいでしょう。

マルチリンガルになるには、勉強が必要不可欠です。そこで次は、多言語を習得するための勉強のポイントを見ていきます。
次の特徴がある人は、マルチリンガルを目指して学習を始めてみるといいでしょう。
「多言語」と聞くと、複数の言語を同時に学びたくなるかもしれません。しかし、これではしっかりと身につく前に、挫折してしまう可能性も。マルチリンガルを目指していたとしても、一つずつしっかり集中して取り組むことがポイントです。
子どもの言語教育においても、まずは母国語を磨くべきとよくいわれていますよね。そういった面からも、言語学習は丁寧に取り組むことこそが習得の近道であるといえるでしょう。
たとえば英語が中学レベルだとします。そして「フランス語を学びたい」と思った時、同じレベルから学習を始めるのは難しいですよね。
新しい言語を学び始める時は、子ども向けなど、簡単すぎると感じる教材から取り組むのがおすすめです。基礎の基礎からチェックすることで、その言葉を習得するために必要な視点や知識を取りこぼしなく身につけられるでしょう。
英語学習をする日本人にもよくあるのが、「完璧」を求めてしまうこと。言語学習において、完璧を追い求めると、挫折してしまったり成長の妨げになったりすることがよくあります。
語学を学ぶときは、あまり定着できていないと感じても、時には次に進んでみることも大切です。「ここは理解していた」「反対にこれがわかっていなかった」と思わぬ発見があり、結果的に学習効率が良くなることがあります。
特にスピーキングにおいては、「最初は少しくらい間違えても大丈夫」という気持ちで取り組むことが重要です。アウトプットを繰り返すことで、飛躍的に上達しますよ。

最後に、マルチリンガルを目指すみなさんにおすすめのツールを4つ紹介します。
タイトルのとおり、フランス語・スペイン語・イタリア語を学びたい人におすすめの一冊。この3つの言語はラテン語が元になっている「ロマン諸語」の語族に属しているため、同時に学ぶのが比較的容易といわれています。
特に、国際公用語でもあるフランス語とスペイン語は世界中でも話者が多い言語です。習得しておくと役立つ場面も多いでしょう。
この書籍は、そんな2つの言語とイタリア語を一緒に学ぶことができるとうたうもの。流暢に話せるようになるには物足りないかもしれませんが、学習の糸口として読んでみてください。「似通った言語」がどういうものなのか、イメージがつきやすくなりますよ。
「フランス語 スペイン語 イタリア語 3言語が同時に身につく本」
「ニューエクスプレス プラス」シリーズは、会話と文法を掛け合わせた語学の入門書です。まずダイアログが紹介され、それに関する文法を解説していくため、実用性に優れた一冊ともいえるでしょう。
61言語に対応しており、フランス語やスペイン語、中国語などのメジャーな言語はもちろん、ウズベク語、アイルランド語など、なじみの少ない言語についても出版されています。目的に合わせて選びやすいのも、本シリーズの魅力です。
こちらは、東京外国語大学が開発した言語学習用の教材です。数多くの言語モジュールが提供されており、実際にネイティブ話者がその言語で話す様子を動画でみることができます。書き起こしも用意されており、会話内容を文字でもチェックできる点も魅力です。
一般的に、英語に比べると他の言語は教材が少なめになってしまうことが多いもの。教材が限られるときは、こういったツールを積極的に使ってみましょう。
言わずと知れた言語学習アプリ。英語学習のイメージがありますが、英語の他にもスペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、韓国語、中国語の7つの言語学習に役立てることができます。ゲーム感覚で学習を進められるため、飽きにくくモチベーションを維持しやすいのもアプリ学習のメリットといえます。

今回は、マルチリンガルのメリットとマルチリンガルになるための勉強方法をご紹介しました。いかがでしたか?
英語がある程度できるようになった方、複数言語を習得してみたいという方は、ぜひマルチリンガルを目指してみてはいかがでしょうか。英語だけ、日本語だけを話すよりも、圧倒的に多くの情報を得たり、多くの人とコミュニケーションが取れたり、世界が広がるはずです。
地域によっては英語よりもスペイン語やフランス語が話されているケースも少なくありません。多言語習得を目指したい人は、ぜひ今回紹介した書籍やアプリなどを活用してみてくださいね。

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※1...UNESCO「Multilingual education: A key to quality and inclusive learning」(参照日:2026-04-09)
※2、3...Rosetta Stone「How Many People Are Trilingual? (Plus, Is It Worth It?)」(参照日:2026-04-09)
※4...nature aging「Multilingualism protects against accelerated aging in cross-sectional and longitudinal analyses of 27 European countries」(参照日:2026-04-09)
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