マルタに旅行や留学に行く際には、現地での食事は特に気になるところ。「どのような料理があるのか」「好みの味なのか」など、心配でも楽しみでもあるでしょう。
本記事では、地中海料理に似たマルタ料理の特徴と伝統的なマルタ料理10選を紹介します。マルタ料理は、基本的にどれも日本人の口にも合う味付けなので、ぜひ現地でマルタの味を堪能してください!
なお、マルタの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
マルタ観光といったらここ!現地で楽しめるおすすめスポットやイベント・グルメまとめ
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地中海に浮かぶマルタ島は、イタリア・シチリア島にほど近く、食文化もイタリア料理の影響を色濃く受けています。他の地中海料理と同様に、オリーブやニンニク、ハーブ、トマトソースといった食材が使われ、味付けは素材を活かしたあっさりとしたものが多い傾向です。マルタ名物のマルタワインやマルタビールの「チスク(Cisk)」ともよく合います。
島国なので漁業が盛んで、スーパーマーケットや市場、レストランには、ムール貝やタコ、エビなどのシーフードが並びます。また、聖ヨハネ騎士団によってフランスから持ち込まれて以来、ウサギ料理はマルタ国民食として親しまれてきました。
さらに、マルタは地中海の貿易経路になってきたことから、アフリカや中東の生活習慣や言語、食文化の影響を受けています。そのため、アフリカ料理やアラブ料理が感じられるスパイスを使った料理も存在します。
伝統的なマルタ料理にはどのようなものがあるのか、代表的な料理を10種類紹介します。調理方法や味付けは、地中海料理かそれに近いものばかりです。
マルタはかなり小さい国なので、どの伝統料理も基本的にマルタ全域で食べられています。
どのレストランがどのメニューを提供しているかは、マルタ観光局が出しているレストランガイドなどを参照するか、事前によく確認してから行くと良いでしょう。
マルタの名物料理といえば、パイ生地で具材を包んで焼き上げた「パスティッツィ(Pastizz)」が代表的なメニューです。
パイ生地はパリパリサクサク。中の具材はさまざまですが、最もポピュラーなのはリコッタチーズが入ったパスティッツィです。そのほか、エンドウ豆を煮込んだものや、ほうれんそうやマッシュルーム、チキンなどが包まれたパスティッツィもあります。
手軽に食べられるサイズなので、食べだしたら止まらなくなる逸品。ベーカリーはもちろん、スタンドやキオスク、カフェなど、どこでも気軽に購入できます。
「ストゥファットタルフェネック(Stuffat tal-fenek)」は、ウサギ肉をトマトやニンニク、玉ねぎ、香草などと一緒にじっくりと煮込んだシチュー。お祭りや記念日など特別な日には欠かせない、伝統的なマルタ料理です。
ウサギ肉はヨーロッパでは比較的ポピュラーな食材で、非常に柔らかく、上品でコクのあるうまみを感じられます。マルタといえばウサギ料理なので、ぜひ一度試しに食べてみてください。
主にマルタ料理が提供されているレストランで食べられます。ボリュームのある料理なので、休日のランチやディナーにワインやビールと一緒に楽しむのがおすすめです。
「アリオッタ(Aljotta)」は、魚介を玉ねぎやニンニク、トマトと合わせた魚介スープです。地中海で採れた新鮮なエビ・タコ・魚・ムール貝などが使われており、魚介のうまみがきいたスープは、シーフード好きの日本人なら多くの人が好きな味でしょう。
現地では、最後にレモンを少し絞って食べられています。レモンの酸味で、よりあっさりとした口当たりになります。
マルタ料理が提供されているレストランであれば、首都・バレッタ(Valletta)や観光名所・スリーマ(Slima)でも食べられます。マルタの漁港・マルサシュロック(Marsaxlokk)であれば、その他のシーフードメニューも堪能できるのでおすすめです。
「ティンパーナ(Timpana)」は、大ぶりのマカロニに、トマト風味のミートソースと、卵、リコッタチーズを加え、パイ生地で包んで焼き上げたものです。
マルタの代表的な家庭料理で、外はパリパリのパイ生地、中はトロットしたチーズとミートソース、マカロニという組み合わせは、日本人好みの間違いない美味しさ。
ティンパーナは、マルタ料理を提供するレストランのほか、カフェやスタンドでも購入できます。結構なボリュームがある料理なので、日本人が軽食感覚で食べるには少し重たいかもしれません。レストランでは、1人で頼むと食べきれない可能性があるため、シェアして食べるのがおすすめです
「ブラジオリ(Bragioli)」は、牛肉のひき肉に薄い牛肉を巻き付けて焼き、赤ワインやハーブ、ニンニク、スパイスと一緒にトマトソースで煮込んだ料理です。
お肉をお肉で包んでいるところが面白く、日本のハンバーグよりもふっくらフワッとした食感を楽しめます。スパイスが入っているので、少し北アフリカや中東のテイストを感じられるマルタらしい逸品です。
現地では、焼いた野菜やジャガイモと一緒に食べるのが一般的。マルタ料理が提供されているレストランで味わえます。
「ラビオリ(Ravioli)」は、具材を平たいパスタ生地で包んだ家庭料理です。日本ではイタリア料理として知られ、食べたことがある人もいるかもしれません。
マルタのラビオリは、トマトソースで食べるのが定番で、具材にはリコッタチーズやウサギ肉が多く使われているのが特徴です。そのほか、ほうれん草やチキン、シーフードが包まれているラビオリもあります。
レストランやカフェでの提供だけでなく、スーパーマーケットでもさまざまな種類のラビオリが販売されています。キッチンがある滞在先であれば、自分の部屋で作って食べることができます。
「ジュベイナ(Gbejna)」は、ゴゾ島で作られているヤギや羊のミルクから作られた少し酸味のあるチーズです。「ゴゾチーズ(Gozo Cheese)」とも呼ばれています。
フレッシュタイプからセミハードタイプ、ハーブやコショウ、唐辛子をまぶしたものなど多種多様。サラダやクラッカーなどと一緒に食されています。
マルタ島でも食べることはできますが、ゴゾ島はマルタ島からフェリーで30分程度なので、生産地でジュベイナを堪能するのもおすすめ。ゴゾ島では、ワインやはちみつ、オリーブオイルの生産も盛んなので、マルタに行ったらゴゾのグルメも楽しみたいところです。
「フティーラ(Ftira)」はマルタでよく食べられているドーナツ型の伝統的なパンです。美味しさの秘密は、使われている水にあります。マルタは水資源に乏しく、フティーラを作るときは、海水を淡水にして使用しています。この淡水にした水に少しだけ残っている塩分が、フティーラを美味しくしているといわれています。
このフティーラは、サンドイッチにして食べるのが主流ですが、ピザタイプや包み焼きタイプ、ブルケッタタイプとさまざまな食べられ方をしています。レストランだけでなく、スタンドやカフェ、キオスクなどで購入可能です。
なお、フティーラは、2020年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
ランプーキパイ(Lampuki pie)は、地元で取れるシイラと呼ばれる白身魚を使ったパイで、マルタでは定番料理です。オリーブやグリンピース、ほぐしたシイラが、パイで包まれ、焼き上げられています。
ランプーキパイは、マルタの漁港・マルサシュロックの名物です。シイラが取れるのは9月ごろなので、シーズン中であれば、レストランでもキオスクでも提供されています。
シーズン以外では、シライの水揚げがないため、食べられるお店は冷凍品を置いているお店に限られます。
マルタの伝統的なスイーツ「イムアーレット(Imqaret)」は、ペーストにしたデーツ(なつめ)をパイ生地で挟んで揚げたもの。外はサクっと、中はねっとりした食感。なかには、粉砂糖がまぶしてあるイムアーレットもあります。
スタンドやキオスク、カフェ、ベーカリー、レストラン、お祭りの屋台と、比較的どこでも手に入ります。お店で食べる場合は、揚げたてアツアツ。アイスクリームが添えられ、ハチミツがかかって出てくることもあります。
最後は、マルタ料理についてよくある疑問にお答えします。
マルタ料理は魚介を使った料理が多く、味付けも地中海料理をベースにしているので、日本人の口に合う料理ばかりです。マルタ料理であれば「極端にクセが強い」「辛くて食べられない」ということはありません。
マルタでの食事で気を付けたいのは、味付けよりも量です。マルタはヨーロッパでもっとも肥満が多い国で、レストランで提供されるメニューはもちろん、カフェやスタンドで購入できる軽食でもかなりのボリュームがあります。
マルタの国民食として最も有名なのは、パスティッツィでしょう。手頃な値段と大きさでどこでも買えることから、日本でいうおにぎりのような存在です。そのほか、アリオッタやストゥファットタルフェネックやブラジオリ、フティーラも、マルタの国民食として親しまれています。
また、ゴゾ島ではジュベイナなどのチーズ製造が盛んで、あらゆるメニューによくリコッタチーズが使われます。リコッタチーズは、他のチーズを作るときに出るホエーが原料となっており、牛乳よりもヤギや羊のミルクのほうが効率的に製造できるのです。酸味が少なくミルキーなリコッタチーズもマルタの国民食の一つといえるでしょう。
マルタの主食は、パスタ・パイ・ピザなど小麦粉を使った料理です。
とくにホブス(Hobz)というマルタパンが多く食べられています。マルタのレストランでも、最初にホブスが提供されます。外はパリパリで、中はもっちりしており、マルタ産のオリーブオイルに付けて食べるのがマルタ流。
なお、ヨーロッパあるあるですが、前菜にパンが、メインにピザやパスタが出てくることも珍しくありません。毎食すべて小麦粉系という食事を苦しく感じる日本人は多いものです。小麦粉を使った食べ物をたくさん食べられないという人は、注文するメニューや品数に注意しましょう。
今回は地中海に浮かぶ島国、マルタの食文化や伝統料理について詳しく解説しました。
マルタ料理は地中海料理をベースにしたものが多く、日本人の口に合わない料理はないというくらい美味しいものばかりです。シーフードやウサギ肉、チーズ、トマトソースを使った料理が多く、マルタ名物のワインやビールとの相性もばっちりです。マルタでは、美しい海や歴史ある街並みだけでなく、現地のグルメもしっかりと楽しめるでしょう。
ただし、マルタではとにかくどこで食べても量が多い点には注意が必要です。レストランでは、食べきれない程のボリュームの料理が出てきます。レストランに入ったときは、他の人とシェアしながら食べるのがおすすめです。
食べきれなかったものは、持ち帰ることもできるので、頼み過ぎたときは活用してみてください。
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