相手の話を聞いていることを示したり会話を盛り上げたり、円滑なコミュニケーションに欠かせない「相槌」。ところで、英語での相槌(backchanneling)は、どのように表現するか、ご存知でしょうか。
日本語と同じように、聞いていることを示したいとき、理解したと示したいとき、驚いたときなど、英語でも使われる用途・シーン・ニュアンスなどによって適切な相槌が変わります。
使い分けに慣れるまで難しい面がある一方、慣れればグッと自然な会話を作れますよ。今回は、用途別に英語の相槌表現や例文、使い方を、フレーズの持つニュアンスも含め詳しく解説します。
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今回は、以下の5つのシーンで使う英語の相槌表現をまとめました。
英語圏の文化では、会話中に黙っていると「関心がない」と捉えられてしまう傾向にあります。「黙っているのも良くない」という時や、短く自分の感情を表して受け応えする時にも、相槌は大活躍します。
ただし、相手の言葉をさえぎってしまうのはマナーとして好ましくありません。相手が間を置いたときや話し終わったときに相槌を打ちましょう。
それでは具体的な相槌表現について、まずはじめに、相手の話を聞いているシーンで使われるものを紹介します。
相手の話を聞いていることを伝える相槌はRightなど。下記のように使います。
Right
"It’s going to be raining.Right?"(雨になりそうですね。)
"Right"(そうですね。)
軽めの肯定の意味を持つRightのほかにも、相手の話を聞いていることを示す表現の例として、以下のようなものがあります。
Yesのくだけた表現であるYeah/Yepも、とりあえずの肯定のニュアンスを含む返事として使われています。
こうした表現は、とりあえずとっさの返事として使うときも便利です。黙っていたら相手は不安に思うかもしれない、と思う場面で使ってみましょう。
That’s right
「そうですね」「そうです」といった「合いの手」に近いニュアンスがあります。なお、主語をつけてThat’s right とした方が丁寧に聞こえます。
"Is your father living in the neighborhood?I think I have seen him around here recently."
(あなたのお父さんも、ご近所にお住まいですよね?たしか、最近お見かけしたと思います。)
"Right. "
(そうですね。その通りです。)
"And he is now over 90.Right?"
(もう90歳を超えておられるんでしょう?)
"That’s right. He is 93 years old."
(そうです。93歳です。)
Uh-huh
こちらもとりあえずの合いの手です。そのあとに、一文付け加えて相手の話に関心を持っていることを示すと、丁寧な印象を与えられます。
"There are three bus stops around the school. All of them are conveniently located near the gate. "
(バス停が学校の周囲に3か所あります。すべて校門から近くて便利ですよ。どうです?)
"Uh-huh… it sounds nice. May I ask you what else near the school?"
(そう…いいですね。学校の近くには、ほかに何がありますか?)
Yeah/Yep
軽い肯定を示すYeahも「そうですね」のニュアンスです。キャンパス内の砕けた会話などでは、Yepもよく使われます。
"Terrible weather, isn’t it ?"(ひどいお天気ですね)
"Yeah/Yep. It really is."(そうですね、まったくです。)
相手に賛同する相槌の代表的なものの一つがOf course/Okayです。Of courseは、少し強めの賛同です。これに対して、Okayは「本当はあまり嬉しくはないが、まあいいや」という時も含め、もう少し広く使われます。
Of course
"What do you think if we would get together and have dinner?"
(晩御飯をご一緒するのはどうでしょう?)
"Of course, that's a nice idea."
(もちろんです。いいですね。)
Okay
"The due date of the assignment is approaching. I can’t hang around with you, sorry."
(課題の期限がもうすぐなんだよ。遊びにいけないよ、ごめん)
"Okay, join us next time."
(いいよ、また今度ね。)
その他にも、賛同や共感を示す表現には以下のようなものがあります。特に病気や、アクシデントなど、ネガティブなことに対して共感の気持ちを表すなら、"I feel you(お気持ちがわかります)""I feel sorry for that(お気の毒でしたね)"といった表現が役に立つでしょう。
I know
賛同を表すには、よくI knowをつかいます。know に少しアクセントを強めにおいて「そうなのよ!」「そうそう!それそれ!」といった少し強めの賛同を表すことが多いです。
" Do you understand the topic of the section? It seems to be totally different from the last one."
(その章のトピックはわかる?前のと全く違う話みたい。)
" I know. I don’t understand it either."
(それそれ。私もよくわからないの。)
Sure
ビジネスでも日常会話でもよく使われるのがSureです。Sure ではなく、Sure thingということもありますが、ほぼ同じ意味です。
"I will get back to you very soon. Please wait for me."(すぐ戻ります。待っててください)
"Sure, I wait for you. "(もちろん、待っています)
Certainly
こちらも「もちろん」の代表的な表現です。
"May I share the table, Sir?"(相席させていただいてよろしいですか?)
"Certainly. Please go ahead."(もちろん、どうぞ。)
I feel you/I feel sorry
ひどい体験やあまり歓迎できない事態が起こった時の相槌として使います。英語圏では「まずは共感を示すことは礼儀」と考える人も多く、I feel you などはよく使われます。
"I wasn’t aware of my broken umbrella. When I was caught in a shower, I couldn’t open it. Then, I got soaking wet."
(傘が壊れてるのに気が付かなかったんです。にわか雨に降られたとき、傘が開きませんでしたよ。それで、びしょ濡れになってしまいました。)
"I feel you. Do you want a cup of hot coffee?"
(お気の毒に。ホットコーヒーはいかが?)
次にご紹介するのが理解を伝える相槌です。「わかった」「わかりました」の意味で、代表的なものにI seeがあります。
I see
"The next question is about the history of art. The point here is the different style of the pillar."
(次は美術史に関する問題です。ここでのポイントは、柱の様式の違いです。)
"I see. I don’t think it is a difficult question."
(わかります。難しい問題ではないようですね。)
その他次のような表現も理解した/できたことを伝えるものです。
I have got it
理解を示すため、学校でもアルバイト先などでもよく使われます。
"The price of the product with a red tag is 10 dollars, and a blue one is 12 dollars."
(赤いタグが付いている商品は10ドルで、青いタグが12ドルね。)
"I have got it. In this way, the prices are clear for all of us"
(わかりました。これなら誰にでも値段はよくわかります。)
That’s true/True
「同じことを思っている」と言いたいときに頻繁に使われます。True でも意味は通じますが、That’s を付けた方がより丁寧です。
"It is sad to see the change of the beautiful scenery after the cyclone."
(サイクロンのあと、美しい風景が変わってしまったのをみるのはつらいです。)
"That’s true. This is what we haven’t imagined before."
(その通りです。これは以前想像もしなかった。)
I understand
I understandは「わかりました」にあたり、学校・職場・日常会話と場面を問わず使えます。
"Image A stands for happiness, and image B stands for anxiety."
(画像Aは幸せを、画像Bは不安を表しています。)
"I understand. So, they reflect two different emotions,right?"
(わかりました。つまり、2つの違う感情を投影しているというわけですね?)
Roger that
「了解」の意味です。日本の「了解」と同様、かしこまった場面で使うのは適切ではありませんが、便利な表現の1つです。以下は、学校で劇の準備をしている場面です。
"Sit behind him and hide yourself so that you can surprise the audience."
(観客をびっくりさせるように、彼の後ろに座って、隠れていなさい。)
"Roger that! I cannot wait for what’s going to happen!"
(了解。何が起こるか、待ちきれません。)
「本当に?!」と驚きを伝える際は、"Wow!" "Really?"などの表現をよく使います。
Wow!
"Hurray, I scored full marks on the exam!"(やった、テストで満点を取った。)
"Wow! What a great news!"(わあ、そりゃすごいニュースだね。)
Really?
"A column about cats’ memory system says that cats can maintain their memory for life once they memorize."
(猫の記憶について書いたコラムで、猫は一度記憶したものを生涯忘れないって言ってるよ。)
"Really? I have never heard of it before."
(ほんと?聞いたことないよ。)
驚きを表す相槌には次のようなものがあります。例文でどんな場面で使われるかを確認してみましょう。
Incredible!
びっくりしたことをあらわす相槌としてよく使われます。
"Look, double rainbows are crossing the sky!"(見て、二重の虹が空にかかってる。)
"Incredible! It’s a miracle!"(びっくりした。奇跡だよ。)
Fantastic!
予想以上に良いことに驚いた時よく使うのが、Fantastic!です。日常会話では目上の人が目下(ボスから部下、親子など)に使うことが多いように思われます。
"I have done my assignment for today, and cleaned up my room, then prepared some sandwiches for you, mom."
(宿題を終えて、部屋を掃除して、サンドイッチを作ったよ、ママ)
"Fantastic! I am proud of you."
(すごい。あなたってえらい子ね。)
(That’s) Surprising!
That’sをつけて丁寧目に表現する場合と、つけずに端的に表現することがあります。
"This is a book which my gramma kept for me, and it was published in 1960. "
(この本は、祖母がとっておいてくれたもので、1960年の版です。)
"That’s surprising! I never thought I could see the first edition."
(びっくりしますね。初版を見られるとは思いませんでした。)
(Oh) My goodness!
ネガティブ・ポジティブ、双方の文脈で驚いた時に使われます。
"Chelsea has lost the match with Arsenal again."(チェルシー、またアーセナルに負けた。)
"Oh, my goodness! What is the score?"(あらまあ。試合のスコアは。)
「いいね」「いいですね」など、好意的な感想を伝える相槌には、Cool/Nice/Good、あるいは少し強めのGreatがあります。
Cool/Nice/Good
同じような「いいね」の意味で、これらの表現がつかわれます。
" I have completed my essay then submitted it."
(エッセイを終えて、提出したよ)
" Cool. Now you have time to go shopping together."
(いいね。じゃあ、一緒に買い物に行く時間あるよね。)
Great
"He said he was in the station and would join us very soon."
(彼、駅に着いて、もうすぐこちらに来るって。)
"Great. I have just done my roast chicken for dinner."
(それはいい。ディナー用のローストチキンもちょうどできたよ。)
感想を短く簡潔に伝え、比較的よく使われる相槌表現の一覧は次の通りです。さらに、例文で使い方を見てみましょう。
Amazing!
強めの「いいね」、「素晴らしい」を表現する相槌です。
"How about your first visit to Disneyland?"
(ディズニーランドに初めていった感想は。)
"Amazing! Do you want to take a look at the pics?"
(素晴らしかった。写真見せていいかな。)
Awesome!
「かっこいい」「すごい」にはAwesomeが頻繁に使われます。
"Look at me. What do you think? "(見てみて。どう。)
"Awesome! I love your new hairstyle."(かっこいい。あなたの新しい髪形、好きだわ。)
Hilarious!
「笑える」「おかしい」を強めに表現するには、Funnyよりも、Hilarious!を使いましょう。
"A 4 year old girl, sitting on a couch in a good manner, talks to the parents in a way like this.
"Sir Smith, could you mind telling me when you would like to have a tea break? I am waiting for it with Madame Smith."
(4歳の子が『スミス様、いつお茶の時間にされるのでしょうか。スミス夫人とお待ちしております。』ってお行儀よくソファーに座って言うんだよ。)
"Hilarious! The girl is the hope of the Smiths."
(そりゃ笑える。その子はスミス一家のホープだね)
I am happy with~
ビジネスでも、カジュアルな場面でも使える便利な「いいですね」の表現にI am happy with〜があります。
"On Thursday, at 11 o’clock, I would like to propose our 2nd meeting. I hope this works with you."
(木曜、11時に2度目のミーティングをしたいと思います。ご都合いかがでしょうか。)
"I am happy with it. Thank you so much."
(いいですね。ありがとうございます。)
日常会話の中でよく使う相槌は、Yeah、Right、Of courseなど。「そうですか」「分かりました」などの相槌を頻繁に使います。
例えば昨日、電話で買い物の注文について、お店の方との会話の中で使ったものを思い起こしてみると、こんな相槌を使っていました。
さらに、注文した商品がバーゲン期間で安い値段で買えることがわかったときには"Awesome!(そりゃいい)"と返しています。短い会話の中でも、こんな風に相槌はよく使います。
また、ノンネイティブにとっては、次に何を言うかを考える瞬間もありますよね。そんなときは相槌で間を埋めることもあります。
ただし、会話の中で何度も同じ表現を繰り返すと、相手に「自分に関心がないのかな」「ちゃんと聞いてくれているのかな」といった印象を与えてしまいます。
特に同じ言葉を二度繰り返すと、日本語の「はいはい」などと同様に、相手への尊重に欠ける表現になってしまうこともあるので注意しましょう。
英語の相槌表現のなかで、日常会話でもよく使う表現をまとめてみました。ご紹介した相槌表現は、英語のレベルを問わず、日常会話で頻繁に使うものです。
最初はどの表現を使っていいのかわからないなら、自分に使えそうな表現から使ってみましょう。相槌を適度にはさむことで、会話を盛り上げたり相手との関係を深めたり、よりスムーズなコミュニケーションを取れるようになりますよ。
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