18~30歳なら誰でも応募できるワーキングホリデービザ。憧れの海外生活を実現するにはもってこいの制度ですが、具体的に計画を立てるとなると、どの国に行けば良いのか、どれくらいの期間行けば良いのかと悩んでしまう人もいるでしょう。
予算は足りるのか、英語力はどれくらい伸びるのかなど、いろいろと心配があっても無理はありません。
今回の記事では、国によって滞在できる期間の違いやかかる費用などについて詳しく解説していきます。ワーキングホリデープランを迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
※記事内ではオーストラリアドルをAUDと表記し、為替レートには2023年1月10日時点での情報を参照し、1AUD=93円で計算しています。
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日本におけるワーキングホリデーは1980年、オーストラリアと協定を結んだことに始まります。以来徐々に協定国を増やし、2023年1月の時点で日本は29ヶ国と協定を結んでいます。
ワーキングホリデービザは18~30歳の健康な日本人であれば基本的に誰でも申請できるので、海外に長期滞在したいと思ったときに第一に検討しやすいビザでしょう。
滞在する国や申請者の状況などによって若干の違いはありますが、ワーキングホリデービザで滞在できるのは基本的に1年間です。例外的に、オーストラリアやニュージーランドは一定の条件を満たすことでセカンドビザが発給され2年間まで滞在できます。
また、イギリスは無条件で2年間滞在できます。イギリスはワーキングホリデービザは、2023年までは抽選に当たった1,500人のみが申請できる仕組みでしたが、2024年からは6,000人に申請順に発給される仕組みに変更となりました。
日本がワーキングホリデー協定を結んでいる国の、それぞれの滞在可能期間及び就学可能期間、就労可能期間は下記の通りです。
国 | 滞在可能期間 | 就学可能期間 | 就労可能期間 |
---|---|---|---|
オーストラリア | 最大3年間 | 4ヶ月 | 同一雇用主の下では6ヶ月まで |
ニュージーランド | 最大2年間 | 6ヶ月 | 制限なし |
カナダ | 1年間 | 6ヶ月 | 制限なし |
イギリス | 2年間 | 制限なし | 制限なし |
ドイツ | 1年間 | 制限なし | 1つの職場は6ヶ月まで |
フランス | 1年間 | 制限なし | 制限なし |
アイルランド | 1年間 | 制限なし | 1週間最大39時間 |
デンマーク | 1年間 | 明記なし | 6ヶ月 |
ノルウェー | 1年間 | 3ヶ月未満 | 同一雇用主の下では6ヶ月未満 |
香港 | 1年間 | 6ヶ月以内 | 同一雇用主の下では6ヶ月まで |
台湾 | 最大360日 | 明記なし | 明記なし |
韓国 | 1年間 | 制限なし | 制限なし |
ポーランド | 1年間 | 制限なし | 制限なし |
ポルトガル | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
スロバキア | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
オーストリア | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
ハンガリー | 発給から1年間 | 明記なし | 明記なし |
スペイン | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
チェコ | 発給から1年間 | 明記なし | 明記なし |
アルゼンチン | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
チリ | 2年間 | 明記なし | 明記なし |
アイスランド | 1年間 | 明記なし | 制限なし |
リトアニア | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
スウェーデン | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
エストニア | 1年間 | 明記なし※語学コースに参加するのはOK | 制限なし |
オランダ | 1年間 | 明記なし | 明記なし※年間を通して同一雇用主の下で働くのはNG |
イタリア | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
フィンランド | 発給から1年間 | 明記なし | 明記なし |
ラトビア | 1年間 | 明記なし | 明記なし |
ビザの申請ができるのは18~30歳の日本国籍を有する人です。30歳の人であれば、31歳を迎える誕生日の前日までいつでも申請できます。ビザが発給されたあとには1年間の有効期限があり、期限内であればいつでも出発可能です。
例えば、2024年1月1日に31歳になる人であれば、2023年12月31日までビザの申請が可能。その1週間後、2024年1月7日にビザが下りたとすれば、2025年1月6日までに出発すれば問題ありません。
ビザが発給されてから出発まで1年間の猶予があるので、ゆっくり準備期間を取れるでしょう。
そして渡航先に到着してから1年の間その国に滞在できます。実際に2025年1月6日に出発したとするなら、滞在できるのは2026年1月5日までとなります。
ワーキングホリデーに必要な費用は主に渡航費、滞在費、生活費、海外旅行保険など。滞在先によって物価や為替相場が異なるので一概にはいえませんが、1年間の総額は350万円前後になるのが一般的です。
例えば、オーストラリアで1年間過ごした場合の費用総額は約355万円になります。ニュージーランドもしくはカナダなら約326万円、イギリスの場合は約368万円が相場です。
各国の内訳が気になる場合は下記ページで詳細をご確認ください。
【2022年版】1年のカナダ語学留学のモデル費用
【2022年版】1年のオーストラリア語学留学のモデル費用
【2022年版】1年のイギリス語学留学のモデル費用
【2022年版】1年のニュージーランド語学留学のモデル費用
【2022年版】1年のアイルランド語学留学のモデル費用
なお「約350万円」という数字は、上記ページにある総額から学費を差し引いた金額です。家賃や生活費など、学校に行かずともこれだけの金額は発生します。加えて、語学学校に通うなら学費も必要です。
ワーキングホリデービザは現地での就労が可能なので、上記の金額をまるまる用意する必要はありません。オーストラリアにワーキングホリデーした場合を例に考えていきましょう。
オーストラリアの主要都市で週に30時間、時給18AUD(1,674円)で働くとすれば、1ヶ月で2,160AUD(200,880円)ほど稼ぐことができます。1年間では約241万円の収入を得られるので、語学学校に通わないのであれば、約113万円を初期費用として準備すれば良いことになります。
もし、予算が足りないのであれば、滞在期間を短くするのもひとつの手段です。あるいは、物価の安い国で語学学校に通い英語力を高めた後、希望の国へワーキングホリデーに行く2ヶ国留学もおすすめ。準備期間でお金を貯めつつ、費用を抑えられるプランを検討しましょう。
上記の費用概算を見て、想像以上の高さに驚いている人もいるかもしれません。予算オーバーと感じる人の中には、半年以下など短期間の滞在にしようかと迷っている人もいるでしょう。
ワーキングホリデービザでは1~2年間その国に滞在できますが、その間必ず滞在しなければいけないわけではありません。期限内であればいつでも出入国ができます。
極端な話、渡航した次の日にすぐに日本に戻ってきても問題ないため、3ヶ月や半年といった短期滞在も可能です。ただし、半年以下の短期間滞在の場合、仕事探しが難しくなります。
基本的に企業側は長期で働ける人材を探していることが多いため、短期間しか働けない場合、雇われる確率はかなり低くなります。現地での就労体験を目的とするのであれば、少なくとも半年以上の滞在期間を確保しましょう。
就労以外にも、英語力を上げたい、異文化体験がしたい、あちこち旅行がしたい、などワーキングホリデーの目的は人それぞれありますよね。
目的によって準備すべき資金やベストなプランは変わります。そこで次は、長期間働きたい場合、勉強に力を入れたい場合、海外生活を経験したい場合の3パターンに分けて、それぞれのおすすめのプランを見ていきましょう。
なるべく長期間働こうと思うなら、1年間の滞在期間は確保する方が無難です。あるいは滞在可能期間が長い国を選んだり、事前に英語力を上げて渡航後すぐに働けるように準備したりすると良いでしょう。
もし行きたい国が決まっているなら、その国で1年間悔いなく過ごせるように滞在計画を立てましょう。
英語力に不安がある場合、初めの数ヶ月は語学学校へ行き必要なスキルを身に付けてから就労を目指すという流れが一般的です。
もちろん授業と並行して仕事を探すこともできますが、英語力が十分でない場合、アルバイト先の選択肢が限られることは頭に入れておきましょう。すでに一定以上の英語力があるなら、ワーキングホリデー開始後すぐに仕事探しが始められます。
1年間の時間を有効に使うためにも、渡航前にできるだけ英語力を高めておくのがおすすめですよ。
滞在先にこだわりがないなら、長期滞在が可能な国に限定して計画を立てましょう。英語圏であればオーストラリアやニュージーランド、イギリスが候補として挙げられます。英語圏ではありませんが、チリも長期滞在可能な国です。
2~3年と滞在できる期間が長い場合、初めの1年で徹底的に英語力を磨き、その後働いたり旅行したりと余裕のある過ごし方ができるのが魅力。
もちろん、早い段階から職に就いて長期間働くことも可能です。1~2年以上就労できるとなれば、正社員採用のチャンスもあるかもしれません。
渡航前にある程度英語力を上げておけば、語学学校に通わずにすぐに仕事探しが始められます。日本国内で英会話スクールに行ったり独学で学んだりするのも良いですが、おすすめは思い切ってフィリピンに留学すること。
フィリピンは物価が安く他国に比べ語学学校もリーズナブルなことが多いので、費用を抑えて語学留学ができます。英語環境でしっかり英語力を磨いてから渡航すれば、仕事探しがスムーズになるだけでなく、選べる仕事の幅も広がるでしょう。
就労よりも勉強を優先したい人もいるでしょう。しかし、国によって就学に対する条件はさまざま。中には就学期間が限られている国もあるので、学ぶ環境が整っているところを選びましょう。
じっくり腰を据えて語学学校に通いたい人、スキルを習得しに学校に通いたい人は、就学可能期間が長い国を選びましょう。
例えばオーストラリアの場合、就学できる期間は4ヶ月だけ。しかし英語初心者の場合、2~3ヶ月では基礎英語しか身に付かず、コミュニケーションに自信が持てないまま語学学校を卒業してしまうことが少なくありません。
英語は4ヶ月、5ヶ月と時間をかけて学んでいくことでより実践的な力が身に付きます。そのため、しっかりと学校で学びたいなら、オーストラリアよりも6ヶ月まで就学できるニュージーランドやカナダ、就学に制限のないイギリスやアイルランドなどが向いています。
渡航の目的が勉強なら、ワーキングホリデーではなく学生ビザの取得を目指す方法もあります。オーストラリアやマルタ、アイルランドなどは、学生ビザの場合でも一定の条件下で就労が認められています。
昼間は語学学校、夜はアルバイトと過ごすことも可能。インプットとアウトプットを繰り返せば、より効率的な学習が期待できますよ。基本的に学生ビザの場合は労働時間に制限が設けられており、所得が限られますが、日々の生活費程度は賄えるでしょう。
海外生活を夢見てワーキングホリデーを検討しているなら、細かい条件は気にせず自分の行きたい国を選ぶべきです。現地で生活してみて、もう少し滞在したいと思うならビザの延長などを検討しましょう。
英語力が足りないと感じるなら、帰国前にフィリピンなどの国で集中的に英語を学ぶのも選択肢の1つ。将来の海外永住はもちろん、英語力が上がることで日本での仕事探しに役立つ可能性もあります。
2023年時点で日本がワーキングホリデーの協定を結んでいる国は29ヶ国です。英語圏の国だけでなく、アジアやヨーロッパなどにもワーキングホリデー協定国があるので、自分の憧れを実現できる国がきっとあるはず。
実際に渡航してからやりたいことや目標が変わったなら、1年を待たずして他国への渡航を検討しても良いでしょう。せっかく時間とお金をかけて海外に出るのですから、自分の「やりたい」という気持ちを大事にして、それを形にできる場所を探してみてください。
ワーキングホリデーで滞在中にやりたいことが見つかったり、もっとその国に居たいと思ったりした場合は、ワーキングホリデービザから他のビザに切り替える方法もあります。
国によって発給しているビザはいろいろありますが、一般的には学生ビザもしくは就労ビザの取得を目指します。ビザを切り替える際には一度日本に戻る必要がある場合がほとんどですが、手続きがスムーズに終われば間を空けずに次の滞在をスタートできますよ。
セカンドビザを発行している国の場合は帰国せずビザの延長が可能です。ただし、セカンドビザの取得には一定の条件を満たさないといけません。条件をクリアせずに1年間過ごしてしまった場合は、ビザの切り替えが必要になります。
1年もしくはそれ以上の滞在を終えて、まだまだ英語力を伸ばしたいと思うなら、帰国前にフィリピン留学をしてみてはいかがでしょうか。ワーキングホリデーである程度英語力を身につけた上で、さらに語学学校で徹底的に勉強すれば英語力の飛躍的な向上が期待できます。
先述の通りフィリピン留学はコスパがよく、また留学費用はワーキングホリデー中に稼げるので時間の無駄がありません。フィリピン留学を通じてなりたい自分に近づき、帰国後のキャリアアップを目指しましょう。
今回の記事では各国のワーキングホリデーの状況やワーキングホリデーにかかる費用などを詳しく見てきました。ワーキングホリデーは期間や滞在の目的など自由度が非常に高く、自分のやりたいことにいろいろトライできる便利なビザです。
ただし、自由な分、プランを立てるのに悩んでしまうこともあるでしょう。そんな時は本記事で紹介したプランを参考にしてみてください。
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留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
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