「海外の幼稚園や保育園で働く経験をしてみたい」
「保育士におすすめの留学方法を知りたい」
など、海外での保育士留学を考えていませんか?
海外と日本の幼児教育は異なるため、現地の保育園で働くと日本との違いや学びを発見できます。留学での経験が刺激となり、実際に園児との接し方のバリエーションが増えるなどのメリットがあります。
特に保育士はオペアなど海外の園で働くチャンスのある留学方法がいくつかあり、留学はおすすめです。
留学を通して現地での実務経験を積むことで、海外幼稚園への転職などキャリアアップのチャンスも得やすくなります。
保育士にとって留学は、今後のキャリアを考える上でヒントとなるでしょう。
本記事では、元保育士でチャイルドケア留学経験のある筆者が、保育士の留学やおすすめの方法、留学先を紹介します。
今回の記事で、保育士としての留学や海外就職について理解を深めていきましょう。
[目次]
チャイルドケア留学とは、海外の専門学校や大学でチャイルドケアの資格取得を目指し、学校へ通ったり、現地の保育所で一時的に働いたりする留学方法を指します。
チャイルドケア留学は、特に現役の保育士や海外で保育士として働きたい人におすすめの留学方法です。
そもそも、日本の保育士資格を使ってそのまま海外就職することはできません。海外の保育園などで働きたい場合、現地で勉強したり資格を取得したりする必要があります。
チャイルドケア留学では海外の保育を学べる上に、これまでの保育経験を活かしながらインターンシップなどで実務経験を積むこともできます。
日本での保育士の資格や経験があると、海外での就職活動でアピールポイントとして活かすことも可能です。さらに現地での経験があると、優遇されやすくなるのです。
上記のことから、チャイルドケア留学は保育士として働いている人、特にこれから再就職や海外就職を考えている人におすすめです。
先ほどチャイルドケア留学について紹介しましたが、留学の方法やプログラムはいくつかあります。
ここでは、特におすすめの留学方法とプログラム例として、
の3つを紹介します。
ボランティアは、ホームステイをしながら地元の幼稚園や保育園で先生のアシスタントをする留学方法です。ボランティアのため、報酬などは特にありません。
実際の活動では、子どもと一緒に遊ぶ、他の先生が子供をお世話する様子を見守る、日本の遊びを紹介するなど、サポート的な役割が中心です。
英語が話せない場合、子どもとコミュニケーションを取るのは難しいかもしれません。その場合は手遊び歌や折り紙、マジックなど、子どもが興味を持ちそうな遊びを準備しておきましょう。
会話が少なくてもジェスチャーで伝わるなど、言葉以外でコミュニケーションを取りやすく、子どもと関わるきっかけも生まれやすいです。
ボランティアのプログラムは、1〜3週間の短期が一般的なので、社会人でも参加しやすいです。
海外の幼稚園や保育所でのインターンシップは、大きく分けて無給と有給があります。
有給はそれほど多くはありませんが、実際にお給料が支払われるため、生活費を補いながら留学することが可能です。ただし現地で就労できるビザを取得する必要があるため、手続きや準備はしっかりと進めておきましょう。
無給の場合は報酬がありませんが、プログラムによっては滞在場所や食事を提供してもらえることもあります。生活費が浮くため、ある程度の費用をおさえることも可能です。
応募条件として、次のようなスキルが求められます。
インターンシップは、海外の幼稚園・保育園で経験を積めることがメリットであり、採用の際に実務経験として捉えてもらえることもあります。
現地で就職したい人、日本でも英才教育をする幼稚園での再就職を考えている人は、就職活動に有利に働くこともあり、おすすめのプログラムです。
オペアとは現地の家庭に住み込み、子供の世話や家事を手伝う留学制度です。子供の面倒を見る代わりに滞在費や食費が無料になり、一部のプログラムは報酬がもらえることもあります。
具体的な金額は国により異なりますが、オペア制度が有名なアメリカでは、1USD=109円とすると、週200〜250USD(約2万2,000円〜2万8,000円)が報酬の目安です。
報酬もしくは滞在場所や食事が与えられるため、現地での生活費をおさられます。
オペアは費用を節約して留学できるので、留学したいけれど金銭面で難しいと諦めている人にもおすすめのプログラムです。
また現地の家族と一緒に暮らすので、海外の文化や習慣、一般家庭の様子を知ることも可能です。家族との会話もあるため、異文化交流をしたい人や語学力を鍛えたい人にもぴったりの環境ですね。
ただしオペアのプログラムは、決まりで最短でも3ヶ月から1年は参加しなければいけません。中長期の留学になるため、時間をうまく活用して子守りの合間に語学学校へ通う人もいます。
オペアの規定は国ごとに異なりますが、例えば次のような条件があります。
オペアの仕事内容は主に、子どもと一緒に遊んだり面倒を見たりすることです。子供と過ごす時間が多くなる分、保育士の経験が最大限に活かせる留学方法です。
オペアについての詳細は、こちらの記事を参考にどうぞ。
「オペア留学とは?人気の国とメリット・デメリットを解説」
ここまでチャイルドケア留学について解説しましたが、保育士が留学することにはどんなメリットがあるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。
ここでは、保育士がチャイルドケア留学をするメリットを2つ紹介します。
チャイルドケア留学をするメリットは、海外の保育が学べることです。
留学する国ごとで、幼児教育の仕方や子どもとの関わり方は大きく変わります。
例えば日本の幼児教育では、クラスみんなで絵を書くなどあらかじめ決められた保育時間があり、基本的に全員が参加します。
一方オーストラリアの幼児教育では、無理に参加させることはありません。子どもたちが保育に参加するのは自由で、協調性よりも自主性を重視していた印象があります。
海外と日本との教育の違いを体験したことで、子どもとの関わり方を考え直す良いきっかけになりました。
日本とは違った海外の保育を学ぶことで、子供との関わり方の幅が広がる、外国の子供との接し方が分かるなど、今後の仕事のやり方や方向性を考えるきっかけになるでしょう。
渡航先で学校に通い、その国の資格を取得すれば、現地で就職できる可能性があります。
保育士の人材不足で悩まされている国は、日本だけではありません。外国人でも資格や経験のある人は、保育士として採用してもらえる可能性が高いです。
ボランティアやインターンに参加する、現地の幼稚園・保育園でアルバイトとして働くなど積極的に行動することで、就職に必要なワークビザを発行してもらえることがあります。
特に日本での保育経験がある場合、採用において未経験の人よりも優遇されやすいです。現役の保育士さんは、有利になるはずです。
いつか海外移住をしたい、永住権を取りたいなどと考えているのなら、経験のある保育士の仕事は狙い目でしょう。
続いては、保育士の留学におすすめの国を3つ紹介します。おすすめの国は、英語圏であること、オペアやボランティアプログラムがあることを条件に選びました。
留学費用もあわせて紹介していますが、滞在費や食費はプログラム費用に含まれているのが一般的です。現地生活費には、外食費や通信費、雑費が含まれます。
費用相場の留学期間はプログラムごとに異なるため、ボランティアは1週間、オペアは3ヶ月を想定しました。アメリカだけ滞在期間が1年からとなるため、長期で計算しています。
実際に留学するときの参考にしてみてくださいね。
オーストラリアは、チャイルドケア留学の中でも人気の高い国です。共働きが当たり前なオーストラリアでは保育士が足りておらず、オペアを必要としている家族もたくさんいるためです。
オーストラリアの幼稚園や保育園は州にもよりますが、3〜5歳の幼児クラスは1人の先生に対して、担当幼児は最大11人までという規定があります。
日本よりも小規模ですが、1人の先生が面倒を見る子供の上限が決められているため、一人ひとりに目を向けられそうですね。
オーストラリアの専門学校や大学で資格を取れば、現地の保育事情も分かりやすく、実際にオーストラリアで働く心構えができそうです。
オーストラリアにおけるチャイルドケア留学で、幼稚園ボランティアをする場合とオペアをする場合の費用相場を表にまとめました。
原則としてオペアはお給料が発生するので、学生ビザかワーキングホリデービザを取得した上で渡航することが必要です。
幼稚園ボランティア | オペア | |
---|---|---|
期間 | 1週間 | 3ヶ月 |
プログラム費用 | 約12万円〜15万円/週 | 約4万円〜5万円 |
滞在費 | 0円 | 0円 |
航空券 | 約8万円〜12万円 | 約8万円〜12万円 |
海外旅行保険 | 約2万円 | 約10万円 |
ビザ | 約3万円〜5万円 | 約5万円〜15万円 |
現地生活費 | 約3万円〜5万円 | 約5万円〜15万円 |
合計 | 約28万円〜39万円 | 32万円〜57万円 |
海外の園の様子を見たいのなら、幼稚園ボランティアがおすすめ。
一方でホームステイをしながら子どもと関わり、現地の生活の様子などをしっかりと見たいのならオペアがおすすめです。
カナダはオペアやベビーシッターを募集するのが一般的なため、保育士の留学先としておすすめの国です。留学生でも、現地の家庭で働くチャンスを得やすいでしょう。
保育や介護の就労によって永住権を申請できる「ケアギバークラス」というビザプログラムもあります。海外就職を目指す人にとっても、挑戦の機会がしっかりと設けられていますね。
カナダの保育は、日本の保育と大きく異なります。例えば、クラス全員で何かをするよりも、自由に過ごさせるのが一般的です。
子どもにやりたいことを選択させながら、自主性を養おうとする傾向があります。
カナダでのチャイルドケア留学で、幼稚園ボランティアをする場合とオペアをする場合の費用相場を表にしました。
幼稚園ボランティア | オペア | |
---|---|---|
期間 | 1週間 | 3ヶ月 |
プログラム費用 | 約20万円〜25万円/週 | 約5万円〜10万 |
滞在費 | 0円 | 0円 |
航空券 | 約10万円〜15万円 | 約10万円〜15万円 |
海外旅行保険 | 約2万円 | 約10万円 |
ビザ | 観光ビザ:約600円 | ワーキングホリデービザ:約3万円 |
現地生活費 | 約3万円〜5万円 | 約5万円〜10万円 |
合計 | 約35万〜47万円 | 約33万円〜48万円 |
オペア留学は特にアメリカで人気です。オペア専用のビザが発行でき、最長で2年間滞在できるからです。
またアメリカは、ワーキングホリデー制度がありません。長期留学の方法が限られている中でも長く滞在したい、働きたい人に人気があります。
アメリカの幼児教育では個性の尊重を重視しており、さらに教育方針として叱るよりも褒めることを大切にしています。
そのため日本の幼稚園や保育園よりも自由にさせる場面が多く、保育士は褒めて伸ばすことを求められるでしょう。
アメリカでのチャイルドケア留学で、幼稚園ボランティアをする場合とオペアする場合の費用相場を表にまとめました。
アメリカでのオペアとしての留学期間は、最短でも1年から2年となっています。
幼稚園ボランティア | オペア | |
---|---|---|
期間 | 1週間 | 3ヶ月 |
プログラム費用 | 約10万円〜20万円/週 | 約13万円 |
滞在費 | 0円 | 0円 |
航空券 | 約15万円〜20万円 | 約15万円〜20万円 |
海外旅行保険 | 約3万円 | 約20万円 |
ビザ | 約2万円 | 約2万円 |
現地生活費 | 約3〜5万円 | 約50万円〜70万円 |
合計 | 約33万円〜50万円 | 約100万円〜125万円 |
飛行機代はオペアファミリー、またはエージェントが支払ってくれることもあり、その場合は渡航費がかかりません。
ただし長期の留学になるため、オペアの場合は100万円を超える費用が必要と考えておきましょう。
ここまで保育士の留学について解説しましたが、実際に留学するとなると、スキルゼロで良い訳ではありません。
そこで最後に、保育留学までに習得しておきたいスキルを紹介します。
保育留学までに必ず習得しておきたいスキルが英語力です。
いくら日本で保育士をしていて実際の業務に慣れている人でも、英語が話せなくてはコミュニケーションが取れません。会話ができないと、幼児と遊ぶことも難しいです。
まだ言葉を発しない乳児の場合でも、クラスの先生と会話したり、業務で分からないことを質問したりするのに英語力は必要ですよね。
私は英語力ゼロの状態でオペアをしましたが、2歳の子どもの英語が早くて聞き取れず、かなり苦労しました。
もし現在留学を計画していて、まだ英語学習を始めていない場合には、さっそく英語を勉強することをおすすめします。
特にリスニングとスピーキングを強化していると、子供や先生とのコミュニケーションもスムーズに取れて働きやすいです。
幼稚園ボランティアでは必要ありませんが、オペア留学をする場合は車の免許があると便利です。子どものお迎えや買い出しのお手伝いができるため、優遇される場合があるのです。
私がオペアをしていたのはオーストラリアでしたが、ホストファミリーによってはオペアの応募条件に車の免許と書かれていることがありました。
海外でも田舎に滞在する場合は車がないと、なかなかスムーズに移動したり外出したりできません。留学までに国際免許証の取得をおすすめします。
保育経験や保育士資格があると、子どもとの関わりにも慣れていることから、オペアやボランティアで優遇されることがあります。
保育士として働いた経験があると、海外でも子どもの前で堂々と手遊びを披露でき、基本的な業務も把握しやすいでしょう。
もし保育経験がない、勉強中の大学生などは、留学までに日本でインターンシップや実習を経験していると安心です。
実務経験とはいえないかもしれませんが、未経験の状態よりも基本的な業務や流れを体験しているため、現地でも慣れやすいです。
資格がないからと諦める必要はありません。渡航までに少しでも経験を積めないか、インターンシッププログラムなどを探してみましょう。
本記事では、保育士におすすめのチャイルドケア留学について紹介しました。
保育士が留学したい場合は、海外の保育園や幼稚園で働くチャンスがあり、子どもと関われるチャイルドケア留学がおすすめです。
チャイルドケア留学の要点を以下にまとめました。
チャイルドケア留学を通して、海外の幼児教育を知り、今後のキャリアに役立ててみてはいかがでしょうか。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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