こんにちは、Ryoです。現在アメリカにあるバブソン大学のビジネススクールでMBA留学をしています。
私がMBAに興味を持ったきっかけは、高校生の際にとある友人に勧められ「ウォールストリート投資銀行残酷日記―サルになれなかった僕たち」という本を読んだこと。
主人公はアメリカの有名ビジネススクールでMBAを取得し、その後投資銀行で数千万円の年収を稼ぐエリートです。残酷日記というタイトルの通り、年収は高いものの人間としての尊厳はないような生活を続ける中で、最終的に主人公は仕事を辞めることとなります。
仕事経験もなく将来特にやりたいこともなかった高校1年生の私は、「こんなに稼ぐことができるんだ」「すげえな」と思い、将来MBAに行きたいと安直に思うようになりました。
大学も卒業し、社会人経験をした後にMBA留学に来た現在は、ウォールストリートで投資銀行マンになろうとは(実力的にも)思いませんが、これが私がMBAに興味を持ったきっかけです。人生何が起きるかわかりませんね。
今回はMBAとは何か?どんなことを勉強するのか?私の苦労話も含めながら、MBA留学生活についてお話しできればと思います。
さて、MBAとは一体何なのでしょうか?どんなことを学ぶ場所なのでしょうか?僕も実際に留学するまで詳しくは知りませんでした(笑)。半分冗談で半分ほんとです。
MBAは「Master of Business Administration」の略称で、日本語では経営学修士と呼ばれています。基本的には大学院の一つであるビジネススクールによって提供されています。
綺麗に言うと、MBAは短期間で会社経営に必要な知識を全般的に学ぶ場所であり、将来の企業幹部やリーダーを育てる場所となります。
本音を言うと、このように短期間で詰め込んだ知識は実務では通用せず、実際に使わないとすぐに忘れてしまうため、本当に企業幹部になるための知識を学べるのか?といえば怪しい部分もあります。
一方海外の有名MBAを卒業すれば、今まで選択肢に出てこなかったであろうキャリア、本でも読んだ投資銀行マンや戦略コンサルなどへの道も開けてくるのも事実です。MBAは短期的に「キャリアアップを測る」ためのツールなのではないかと個人的には思っています。
実際のMBAではどんなことを学ぶのでしょうか?一般的には、1年生の時には必修科目で会社経営に必要な全般的な科目を学びます。私は下記の科目を1年次に学びました。
かなりありますね……。バブソン大学はこれに加えて、アントレプレナーシップが必修に加わります。それぞれの科目は、学部生が1年間かけて勉強するような内容が2ヶ月程度の期間に詰め込まれております。
例えば財務会計、こちらは簿記2級+α程度の内容なのですが、それを2カ月弱で終わらせるのでかなりハードです。200ページ程度の分厚い教科書を買うのですが、ほとんど読む時間はありませんでした(笑)。また私は大学で経済を専攻しておりましたが、大学4年間で学んだ以上の高度なマクロ・ミクロ経済学をそれぞれ1モジュールで学ぶことになりました……。
こんなに詰め込んで、本当に効果的な学習ができるのか?みんな理解できているのか?というようなスピードと量で授業が進むのです。完全に予習をして授業を消化するのは、もはやネイティブでも不可能という状態です。
得意分野はほぼ予習復習をしなかったり、パティシペーション(授業中に手を上げて発表するなど、授業への参加・貢献)の重要度が低い授業は予習量を減らすといったように、工夫をして時間をやりくりする必要がありました。
後の章でも触れますが、アメリカの授業では日本と異なりパティシペーションが成績の比重を占めることが多く、試験をパスするだけでは卒業することができません。そのため、戦略的に授業の準備とパティシペーション、試験対策をすることがGPAを確保するために必要です。
バブソン大学についてはこちらの記事も参照 ↓
正直に言います。1年目はかなり忙しく、ハードな生活です。バブソン大学の場合は月から金まで毎朝8時半〜12時半まで、1日2コマ(1コマ1時間半)の授業があり、その後は決まってグループワークです。
私が日本の大学生だった頃は、宿題が出たような覚えはほとんどないのですが、アメリカの学校は違います。読み切れないような量のリーディングの課題がかされ、毎日6時間〜8時間程度の予習が必要だったと記憶しております。
それだけ時間をかけても、初めての留学・英語で勉強をしている非ネイティブの私は、ケーススタディが読み切れず睡眠時間を削り、夜も緊張して眠れない……ような日々を過ごしておりました。
MBAによっては週4の場合もあるようですが、やはり1年目はシンドイというのはどこに入学しても同じかと思います。シンドイ分成長できると思いましょう。
あまり夢のないようなことは話したくないのですが、週末は基本的に次週の授業の準備です。土曜日は少し落ち着くとは思いますが、次週を生き残るための買い物などをしなければなりません。
最初の半年は買い物と次週の準備で精一杯で、遊びに行くような余裕もほとんどなかったのですが、後期になると英語力的にも落ち着いてきて、重い腰を上げてパーティーなどにも顔を出すようにしました。
2年生になると、週末が2日ではなく3日や4日になります。選択科目をある曜日に集中させて、学校に2日しかこないというツワモノもいます。過酷な1年生を乗り越えれば、2年次はかなり余裕ができ、人生最後の休暇として毎週旅行に行ったり、家族や子供との時間に費やす方はたくさんいます。
こんな楽しそうなMBA留学生活ですが、アメリカに着いた当初、僕に致命的なな問題がありました。お分かりでしょうか?
それは、英語が理解できないということです。
アメリカのMBAでは科目をパスするため、単に試験を受けるだけでなく、グループワークや授業でのパティペーションが求められ、日常的に英語で理解し、話し、議論することが求められます。
私は一応日本でTOEFLの勉強をクリアし、それなりのスコアを取ってから来たものの、やはり試験で学ぶ英語と実際の英語というのは全くの別物と言っていいほど別物。最初は授業も議論もほとんど理解できませんでした。
何を言っているのかわかれば何か喋れるのですが、何を言っているのかわからなければ、何を言ったら良いのかもわかりません。こうやって留学先で喋らない日本人が出来上がるんだ、と心の中で思いました。
どれぐらい英語を理解できればいいの?という質問はあるかもしれません。例えば70%の理解度でも、30%何を言っているのかわからなければ、生産的な議論を進めたり効果的にコミュニケーションするのは難しくなります。
この状況を打破するため、時間を見つけてポッドキャストなどを聞き、リスニング力をあげる努力をしました。しかし、リスニング力は1ヶ月や2ヶ月で劇的に向上するものではありません。クラスに落第しないため、他の方法を取る必要がありました。
例えばグループワークでは、アイディア出しのミーティングに家で作ったプレゼンテーションを持っていき、グループに説明しました。プレゼンは練習もできるので、練習のできないディスカッションなどよりは簡単なのです。この作戦は4、5回は使いましたが、毎回自分の意見が採用されるほど有効でした。アイディアが採用された後の議論はあまりついていけなかったのですが、貢献した感も出てチームに信頼してもらえるようになりました。
他にも、授業中に手を上げて発言することがなかなか難しい場合、教授に会いに行くのも一つの手です。悩みを打ち明ければ教授も嬉しいですし、授業中にも発言するチャンスをもらえます。顔と名前も覚えてもらえるので、これをすることで若干グレードも上乗せされたような気もします(笑)。
また私は寮に住んでいたので、仲良くなったフィリピン人の部屋で毎週酒を飲むというようなこともしながら、大学生活や英語に慣れていきました。
さて、私のMBA生活を簡単に振り返ってみましたが、いかがでしたでしょうか?想像以上に忙しく、英語に苦労していたなぁという感想です。
大変ではありましたが思い出してみると、全てのことが自分にとって新しく、あのチャレンジングな日々、涙した日々をとても懐かしく、愛おしく思います。苦労した分、人間として成長した幅も日本で過ごす2年と比べると倍以上はあったのではないでしょうか。
一つ心残りなのは、留学当初のリスニング力が低かったこと。授業の理解度やコミュニケーションにかなり苦労したので、これから留学をする、もしくはしたい方達には「留学をする前に、リスニング力は極限まで高めよう」というアドバイスを残したいと思います。
私の心境の移り変わりや学校での出来事などは、個人のブログでも更新しているので、是非ご覧になってみてください!
これまでの連載をもっと見るなら以下から↓↓
#バブソン大学MBA留学記
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