「ワーキングホリデーが就職に不利って本当かな……」
と不安な方。
ワーキングホリデーは基本的に「休暇」を目的とした制度であるため、ただ行って帰って来ただけでは就職に有利にはなりません。ワーキングホリデーを就職活動に役立てるには、あらかじめ準備を整えておくことが重要です。
とはいえ、具体的に何を準備すればよいのかはわかりにくいですよね。
そこでこの記事では、
「ワーキングホリデーってどんな制度?」
「ワーキングホリデーに行くのは、就職に不利になる?」
などの疑問に答えた上で、
・ワーキングホリデーの経験を就職で生かすための3つのポイント
・ワーキングホリデーから終了から就職までの3ステップ
なども併せて紹介したいと思います。
ワーキングホリデーからの就職活動は難しそうに思えますが、押さえるべきポイントはそれほど多くありません。まずはこの記事を読んで、ワーキングホリデーを就職にうまく役立てましょう!
[目次]
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「ワーキングホリデーに行くと、就職に不利になるって本当ですか?」
若い方から、しばしばこのような質問をされます。
実際のところ、ワーキングホリデーに行って帰ってくるだけでは、その後の就職に活かすことは難しいです。なぜならば、ワーキングホリデーは基本的に休暇を目的としたビザ。
一般的には「ワーキングホリデー=休暇」というイメージがあることから、ワーキングホリデーの経験をネガティブに捉える採用担当者もいます。
そのような背景から、ワーキンングホリデー経験者を貴重な人材として優先的に受け入れている企業は決して多くありません。
とはいえ、せっかく貴重な経験を積んだにもかかわらず「ただ遊んできただけ」と思われるのはもったいないこと。伝え方やアピールの仕方次第で、ワーキングホリデーの経験を就職活動で有利に働かせることは十分に可能です。それでは見ていきましょう!
ワーキングホリデーの経験を不利にしないポイントは3つあります。
1つ目のポイントが、ワーキングホリデーに行く目的をはっきりさせることです。
ワーキングホリデーは主に「休暇」が目的の制度であることから、面接官はワーキングホリデーに行ったこと自体にはそれほど関心を示してくれません。むしろ「なぜワーキングホリデーに行くことにしたのか」という方が重要です。
「異文化を学ぶため」「他言語を習得するため」「コミュニケーション力を高めるため」といった目的だけでなく、より掘り下げて「アメリカの学生の考え方や働き方を実際に知り、自分が社会人になった際の仕事に活かしたいと考えたため」など、具体的な将来像につながる目的を設定しましょう。
2つ目のポイントが、ワーキングホリデーで学ぶことを決めることです。
ワーキングホリデーは最大1年利用できるとはいえ、新しい環境での1年はあっという間に過ぎてしまいます。目新しさに振り回されて、気づけばただ観光などで遊びまわってしまった、というケースもありがちです。
渡航するにあたっては、具体的に「何を学んで帰ってくるのか」「どのような実績を得てくるのか」を決めておきましょう。
「TOEIC700点レベルの英語力」でもいいですし、「自分が将来就きたい職業で働いている人10人に話を聞きに行く」でも構いません。学ぶことを明確にしておくことで、現地に着いてからの行動を変化させ、結果に結び付けやすくなります。
3つ目のポイントが、ワーキングホリデーで得た経験が、就職を希望する企業にどう役立つかを考えることです。
採用する側にとってみれば、正直あなたがワーキングホリデーに行って何を学ぼうが、それほど関係ありません。採用担当者が見ているのは、あなたが「企業にとってプラスになるパフォーマンスを発揮できるか」のみです。
もう少し広げて言えば「企業にとってプラスになろうと行動しているか」を見ています。
大事なのは、ワーキングホリデーに行くことで「企業にとってどのように役立つスキルや経験を得てきたか」をいかに伝えられるかです。このポイントをしっかり押さえようとすれば、自然と渡航までに準備すべきことが見えてきますし、渡航してからの行動も変わってくるでしょう。
具体的に採用担当者とのやり取りの好事例を確認してみましょう。
「将来は外資系の企業や、海外に展開する企業への就職を希望していたため、ワーキングホリデーを利用して現地の企業を見て回ってきました。期間中は、現地の日系企業の方々にコンタクトを取り、現地での仕事に必要なスキルや勉強の仕方などを聞いたり、職場体験の機会をいただいたりしました。短期の研修的なものでしたが、大きなチャンスと捉えてワークスケジュールの改善を中心に仕事をさせていただいたところ、約5%業務効率を向上させることができ、企業側よりインターンシップ受入れの申し出をいただくことができました。その経験を踏まえ、御社におきましてもチームワークを大事にしつつ、全力で仕事に取り組むことで結果を出していけると考えております。」
この解答では、
といった、3つのポイントがしっかりと押さえられています。
「がんばりました」「全力で取り組みました」などの意欲の部分ももちろん大事ですが、正直それだけでは採用にはつながりません。大切なのは「具体的な行動」と「その行動によって得られた結果」です。
「新卒でワーキングホリデーに行くと、その後の就職が難しい」というケースはもちろんあります。
しかし、先ほどお伝えした3つのポイントを押さえつつ、現在のトレンドから就職先を選べば、ワーホリから帰って来たあとでも十分に就職は可能です。
経済産業省が発表した「外資系企業動向調査」によると、外資系企業の2016年度の売上高は40.7兆円でした。
売上高は前年に比べてやや落ちたものの、経常利益は13.5%増加。事業拡大に向けた投資も、
・設備投資額:1兆3,700億円(9.9%増)
・従業員数:51.9万人(2.5%)
と、順調に伸びています。さらに今後1年間の雇用見通しも38.0%の企業が増員を予定するなど、採用意欲は高まるトレンドです。
日本においては、2020年の東京オリンピックに向けて年々外国人観光客が増えており、多言を話せるグローバルな人材は引く手あまたです。外資系を中心とした企業では積極的な採用を行っているため、そのトレンドを活かして就職活動を有利に進めることができます。
ワーキングホリデーを活かせる就職先は外資系企業がトレンドですが、それ以外にもいくつかあります。
このような職場では、海外での生活経験や英語を話せることへの評価が高くなりやすいので、有利に就職活動を進めることが可能です。
ワーキングホリデーの経験を就職で生かすためのポイントは3つあります。
1つずつ説明しますね。
1つ目のポイントが、語学検定です。
語学検定は、ワーキングホリデーの経験を活かすうえでわかりやすいアピールポイントになります。語学能力を測る指標としては、
が主流です。
ワーキングホリデーを通じて習得した英語力を点数として示すことができるので説得力があり、評価につながりやすくなります。
特にTOEICはビジネスで役立つことが多いので、語学力をビジネスに活かしたい方におすすめです。TOEIC750点以上であれば、「ビジネスとして役に立つ英語力」として認めれられる傾向があります。
2つ目のポイントが、専門スキルです。
ワーキングホリデーを通じて、専門スキルや資格などを得ることで、就職活動を有利に進めることができます。一般的にワーキングホリデー中に得られるスキルとして有名なものは、
などです。
専門スキルは、実務とセットになって初めて評価の対象になると考えてください。スキルの獲得だけでなく、それをどのように仕事に活かせるかが大事です。
3つ目のポイントが、インターンシップ経験です。
実務に近い経験が得られるインターンシップは、評価にもつながりやすくおすすめできます。インターンシップを経験する際は、できるだけ就職志望の業種と同じかそれに近いところでインターンシップをすることが大事です。
うまくいけば、現地の企業での就職先が得られる可能性もあります。
ここでは、ワーキングホリデーを終えて、就職を目指すまでのステップを大きく3つに分けてお伝えします。
1つ目のステップが、就活のタイミングを見極めることです。
職種によって求人を出す時期は変わりますが、基本的に
・2~3月
・8~9月
が求人件数の増える時期と言われています。
ワーキングホリデー帰国後にスムーズに就活を行うには、このタイミングに合わせて渡航することが大切です。求人件数の増える時期を考慮すると、ワーキングホリデーに出発するオススメの時期は「1月、7月」となります。
この時期に出発すれば、ちょうど求人が増え始める頃から動き出すことができ、スムーズな就活が可能です。専門とする仕事が決まっている方は、ワーキングホリデーの前に、その仕事の求人が増える時期を調べたうえで時期を決定するのが良いでしょう。
2つ目のステップが、海外で得たスキルを整理することです。
特に先ほどお伝えした、ワーキングホリデーの経験を就職で生かすためのポイントである、
の3つは重要なので、しっかりと伝えられるようにしておきましょう。
「具体的なスキルが見当たらない」という方も、現地での経験から得られた「学び」や「気づき」をアピールすることが可能です。
例えば「最初の頃は誰も友人ができず辛かった」という経験であれば、「自分からコミュニケーションをとることの重要性を知った」「相手の興味・関心に合わせて話をふれば会話が弾むことを経験した」などと、プラスの経験としてアピールできます。
3つ目のステップが、説明会やヒアリングに参加することです。
準備が整ったら、興味がある企業の説明会やヒアリングに積極的に参加しましょう。厚生労働省では、海外体験を生かした就職支援セミナーなどを開催しているケースがあるため、タイミングが合えばぜひ利用してみてください。
セミナーでは、
などを企画。企業説明会では、海外就業体験者の採用意向がある企業がブースを設け、企業概要や求人説明を実施します。
ここまで、ワーキングホリデーを就職にうまくつながるためのポイントについてお伝えしました。
ワーキングホリデーは基本的に休暇を目的としたビザのため、ワーキングホリデーの経験をネガティブに捉える採用担当者もいます。しかし、それは伝え方やアピールの仕方が不十分なだけ。いくつかのポイントを押さえておけば、ワーキングホリデーの経験を就職に活かすことができます。
ワーキングホリデーは、若い人たちが海外で異文化に触れ、視野を広げることで「将来世界的に貢献できる人材になってほしい」という希望が込められた制度です。将来を見据えたうえで、準備を整えてワーキングホリデーに臨めば就職時の大きな武器になります。
皆さんのワーキングホリデーと就職活動がうまくいくことをお祈りしています!
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