こんにちは!アメリカ、カンザス州にあるヘストンカレッジ(Hesston College)で「看護留学」をしている、ゆうこばです。
アメリカの大学では今夏休みも真っ只中ですね。私は日本に一時帰国をしているので、貴重な日本生活を楽しんでいます。
さて今回は、アメリカでの大学生活の様子をお伝えすべく、看護留学1年目の授業内容についてお話していきます。どんな授業をとって、どんな課題が出ているのか、試験内容はどうなのか。授業の様子や日々のスケジュールについても、日本の大学との違いを踏まえながら詳しく紹介いたします!
看護留学に興味がある方だけでなく、アメリカ留学についてもぜひ参考にしていただけますと幸いです。
連載1回目はこちらから↓
まず最初に、私がどんな授業を取っているのか、簡単にご紹介いたします。
私の留学先では、受講するクラスは専攻によってまちまちです。同じ専攻の人同士でも、トータルで必修科目が受講できていればいいので、受講する授業の順番を変える人もいます。基本的に全員が同じ組み合わせで授業を取るということはありません。
私の場合も、元のカリキュラムを少しアレンジして受講しました。こちらが、留学して最初の1学期目である秋学期に受講したクラスです。
・Intro to Chemistry(化学入門):4単位
・College Algebra(代数学):3単位
・Women’s Chorus(女声合唱):1単位
・General Psychology(心理学):3単位
・College Writing I:3単位
大学でのレポートのフォーマットや書き方の基礎を学ぶクラス
・First Year Seminar:1単位
全学部生必修科目。大学生の勉強方法を身につけ方を一冊の本を使いながら学ぶクラス
【合計15単位】
また次の春学期に受講したクラスは以下の通りです。
・Intro to Film(映画学入門):3単位
・Elementary Statistics(統計学):3単位
・Women’s Chorus(女声合唱):1単位
・Nutrition(栄養学):3単位
・Speech Communication:3単位
プレゼンテーションを学ぶクラス
・College Writing II:3単位
レポートの書き方をより詳しく学ぶクラス
【合計16単位】
見ての通り、これらの中に看護の専門科目はひとつもありません。アメリカの大学では日本とは違い、看護科でもみっちりと一般教養科目を勉強します。
さらに、大学全体の必修科目としてCollege WritingやFirst Year Seminarなども設けられているので、日本の看護学生は受けないような授業もいくつか受けています。
全学部生の必修科目は、それらを受講することがHesston Collegeの卒業条件に入っているので、自分の選考に一見関係ない科目であっても受講しなければなりません。
私はそもそも英語がペラペラだったわけではないので、いきなり専門的な看護学を学ぶのではなく、化学や数学など一般的な科目からじっくり勉強できることはかなり安心材料でした。
日本の大学では、授業は基本的に1科目につき1週間1回ではないでしょうか。週に何回も授業があるクラスなんてほんの一部ですよね。
しかし、アメリカでは違うのです。中にはイレギュラーなクラスもありますが、ほとんどは週に2〜3回、同じ時間に開講されます。だいたい月水金と火木はそれぞれ同じ授業構成になっているのです。週に何回も授業がある代わりに、基本的に、月水金のクラスは50分授業、火木の授業は75分授業です。
私のある1週間のスケジュールは、まとめるとこんな感じです。
執筆時に日本に帰還中だったため、日本時間に合わせられてしまっているのですが、CSTと表示されている時間が現地での時間です。
イレギュラーなクラスの例としては、例えば「Intro to Film」があります。これは映画入門の授業で、映画からカメラワークや編集などの意図を学びます。
授業の一環で、週に一回映画上映が水曜の夕方6時半から1時間半〜2時間ほどありました。一般的な授業は開講されていない時間帯です。もちろん映画上映だけでなく、火曜と木曜に75分ずつ講義があったので、かなり時間を要するクラスでした。
私の留学先では、日本の大学と比べてグループワークメインの授業が多いです。私は日本にいた頃から看護学部に通っていたため、当時からグループワークが多く、アメリカに来てからあまりそこに差を感じたことはなかったのですが、大教室での講義に慣れている人にとっては少し違いを感じるかもしれません。
グループワークといっても、多くはその場限りのグループで一瞬話し合いをして終わります。スピーチなどプレゼンテーションがあるようなクラスだと、ひとつのグループで様々なワークをすることもよくあります。
そのほか授業で珍しい点は、お菓子を用意してくるなど、サプライズを仕掛けてくれる先生がたまにいることです。最後の授業にドーナツやカップケーキを配ってくれたり、小テスト後にキャンディーをくれたり……。
そんな雰囲気なので、普段から生徒も比較的活発に授業に参加しています。授業を楽しむ、という考えが今まで私にはなかったので、とても新鮮で楽しいです。
アメリカの大学に留学しているというと、「毎日パーティーをしている」そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
しかし実際のところ真逆で、全ての授業で毎授業課題が出されるので、1日たりとも勉強をサボれる日はありません。
課題の種類はクラスによって違います。例えば、Chemistryでは教科書の章末問題や実験レポート、発電に関するレポートなど。Speech Communicationでは、プレゼンテーションのアウトライン提出やパワーポイントの提出など。Algebraは、オンラインで練習問題が毎度数十問出されました。
手渡しで提出するものも一部ありますが、それもパソコン上で作ってプリントアウトしてしまうので、課題は基本的には全てパソコンで行います。キャンパス内はWi-Fiが通っているので、いつでもすぐに課題ができて、とても便利です。
ちなみに、アメリカでは平日はみっちり勉強して週末は遊ぶ、などと聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。大まかにはそれで正解なのですが、ただ少し補足したいことがあります。日曜の夜はみんなかなり勉強に追われている、ということです。
仮に金曜土曜に一切の勉強をしなかった場合、日曜はかなり大変です。平日と違い、週末は “Weekend Assignment(週末課題)” が出されます。平日の課題より少し重めです。ですから、全く週末勉強しなくて済む、ということはないということです。
テストの内容は受講する授業によって異なります。レポート重視のクラス以外では、多くの場合期末テストがあり、中間テストがある授業もいくつかあります。1学期間にテストを4回に分けているクラスもあります。
期末テストでは1学期分全てが出題範囲に入るので、普段から地道に勉強し続ける必要があります。
それでも先生の出題傾向が分からないと、対策しづらいと思いますよね。でも大丈夫。多くのクラスでは普段から小テストがあります。小テストのことを、アメリカでは「クイズ」と呼びます。
普段の授業で受けたクイズを取っておき、先生の問題の出し方やポイントを把握することが期末テスト対策の大切なヒントになります。
あるクラスでは毎週クイズがありました。クイズは先生の板書やパワーポイントなど、授業内で取り扱ったものから出題されることが主なので、そこをしっかりと復習していればきちんといい点数を取ることができます。
こちらが、ある授業の先生の板書の写真です。
正直、かなり読みづらいですね(苦笑)。でも、授業をしっかり聞いていたり予習をしてきていれば、多少見づらい板書でも戸惑わないで理解できます。
あとは、過去問を入手することもおすすめです。
基本、先生は過去問をくれません。ですから、前のセメスターで同じ先生の同じ授業を受けていた人を探し、過去問を貸してもらえるように頼む必要があります。
過去問で勉強すると、かなり効率よく対策することができます。先生によっては、過去問のまま出題する場合もあるので、過去問を入手できればかなり有利です。
色々と勉強法はあるわけですが、そもそも把握している課題に漏れがないか、やっていることは正しいのか、そもそも全く内容が理解できないなど、留学を始めたばかりの頃は戸惑うことも多いはず。
日本語でやっても簡単ではないことを英語で勉強しているのですから、一筋縄にはいかないのは当然です。ですので、少しでも分からないことがあれば、即刻先生に聞きましょう!
授業中、手をあげて聞くのには勇気がいるかもしれませんが、前に座っていれば授業中のワーキングタイムに先生にちょっと声をかけて聞くことができますし、それができなくても、授業の直後に先生に直接話しかけて聞くこともできます。
授業中以外の時間だと、オフィスアワーに直接聞きに行ければベストですが、都合が合わない場合はメールを送って質問するのも手です。私はまず授業直後に質問をしに行って、授業中に分からなかったことを解決し、次回までの課題を確認して、課題を始めてまた疑問が出てきたらすぐにメールをするようにしていました。
先生が提供してくれた情報であれば必ず正しいし、何か困ったことがあれば必ず対応してくれるので、先生と直接やり取りするのがベストです!
とはいえ、あまりに細かな疑問がたくさんあったり、先生に聞くほどのことでもないけれど理解できていなかったり、細やかな宿題の指導や手伝いが欲しい時ってありますよね。そういう時には、チューターやライティングアシスタントに頼むことができます。
チューターとライティングアシスタントはどちらも学生がやっています。チューターは同じ授業をとっている、もしくはとっていた先生の推薦を受けた生徒が、チューターを必要としている生徒に専属で付いて助けてくれるというものです。
ライティングアシスタントは、文章が上手な生徒が、レポート課題の添削をしてくれるというもの。
チューターには一度頼むと週に何度か会って継続して教えてもらいますが、ライティングアシスタントには、レポートが完成して添削が必要なときに、その都度頼んで見てもらうことができます。
留学前は、英語や勉強内容など、とにかく心配な要素はたくさんあって、もしかしたら全くついていけないのではないか、なんて思ったこともありました。
しかし、いざ授業が始まってみると、先生の言っていることがさっぱり分からないということはないし、分からなくても聞いたら答えてくれます。身の回りの先輩に、先生ごとの対策を教えてもらうこともできます。煮詰まった時は、教科書の内容を翻訳にかけてしまえば、何となく内容はわかります(笑)。
大事なのは、分からないことを放置せず、必ず理解すべき内容はあらゆる手段を通じて何が何でも理解する、という心意気です。
これは「LARKS NEST」という、寮の共同エリアなのですが、時間によってはこんな感じで多くの学生の勉強場所になっています。必死に勉強しているのは自分だけじゃないことがここで勉強していると分かり、やる気が出てきます。
また、天気がいい日には外に出て課題をやることもあります。
こうやって、自分なりに色々な場所で勉強するなどして、勉強自体に楽しみを見いだすことが、この留学生活のコツです。
皆さんも留学したら是非、大変だけど楽しんで、勉強に取り組んでみてください!
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# アメリカ看護留学連載
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