アメリカだけでなく世界的に人気の高いカリフォルニア大学バークレー校。「せっかく留学するなら、世界的に有名な学校にチャレンジしてみたい」「憧れのカリフォルニア大学バークレー校で学んでみたい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、世界大学ランキングでも上位に入る大学なだけに、英語力や学力、費用面が心配だという声が聞こえてきそうです。
本記事では、カリフォルニア大学バークレー校への留学を検討している人のために、バークレー校の概要や留学費用、そして入学方法などをお伝えします。カリフォルニア大学バークレー校への留学に興味のある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
[目次]
それでは早速、カリフォルニア大学バークレー校の学部や学生数、場所などの基本情報からお伝えしていきます。
カリフォルニア大学には10のキャンパスがありますが、なかでもバークレー校は旗艦校として最も古い歴史を持つ学校です。創立は1868年で、150年以上の伝統を誇る名門大学として知られています。
2021年のTHE(Times Higher Education)世界大学ランキングで7位に位置していることからも、バークレー校の評価がいかに高いかがわかるはず。
ノーベル賞の受賞経験がある有名な教授が多いことも、バークレー校の特徴です。教授陣が素晴らしい顔ぶれであることはもちろん、学生たちも学ぶ意欲の高い人が集まっています。
カリフォルニア大学バークレー校の学生は、勉学に励んでいることはもちろん、スポーツにおいても真剣に取り組んで戦績を残しているのが特徴です。野球やアメフトなどのプロスポーツでも、バークレー校の卒業生は活躍しています。
ちなみに、バークレー校のスポーツチームは種目にかかわらず「California Golden Bears」と呼ばれ、「Go!Bears!」と応援されるのも見どころ。宿敵であるスタンフォード大学とのフットボールの試合の日は「Go!Bears!」の嵐です。
何事にも一生懸命に取り組むのが、バークレー校スタイルだといえます。
カリフォルニア大学バークレー校には、全部で30を超える学部があります。非常に幅広い分野を学べるのが特長です。
環境学
建築学
地域学
民俗学・女性学・ジェンダー研究
コミュニケーション(メディア学)
コンピュータ
工学
言語学・外国語
法律学
文学
リベラルアーツ
生命科学
数学・統計学
国際関係
学際研究
哲学・宗教学
物理学
科学
地学
心理学
行政学・ソーシャルワーク
人類学
経済学
政治学
社会学
演劇
アート
音楽
健康科学
ビジネス
歴史学
アメリカの大学は日本の大学と異なり、専攻する学部は合格後に決定します。そのため、願書を申請する段階ではまだ希望の専攻が決まっていない学生もいるのが特徴です。そのような学生のために、「トランスファーデー」が用意されています。
「トランスファーデー」には、直接教授の話を聞いたり、現役学生と触れ合ったりすることができるので、自分の興味の矛先を確かめられるのです。
全米各地のみならず、世界中からも優秀な学生が集うカリフォルニア大学バークレー校は、全校で約31,814人の学生が学んでいます。さらに、大学院にも約13,243人の学生がおり、すべて合わせると45,000人を超える規模です。
カリフォルニア大学バークレー校は州立大学のため、まずは州民が優先されてしまうという事情がありますが、そのような中でも留学生は約13%います。
ちなみに、白人以外の比率がとても高く、アジア系やヒスパニック系の学生を合わせると50%を超える割合であることも特筆すべき点です。
【参考】UC Berkeley - UC Berkeley Quick Facts
バークレー校は、サンフランシスコ湾が見渡せるカリフォルニア州バークレー市にあります。
キャンパスは東京ドーム約107個分という、とてつもない広さです。最寄りの大都市はサンフランシスコで、地下鉄をつかえば25分ほどで行けます。
キャンパス周辺には国立公園やトレッキングコースなども多く、自然豊かな環境です。勉強に疲れたら、森林浴で心も身体もリフレッシュできそうですね。
住所:615 University Hall, Berkeley CA
ここからは、さらに詳しくバークレー校について解説します。
カリフォルニア大学バークレー校には、段違いに優秀な教授が揃っています。ノーベル賞受賞歴のある教授もおり、最近ではデヴィッド・カード博士が2021年のノーベル経済学賞を受賞しました。
ほかにも、2020年にジェニファー・ダウナド博士がゲノム編集ツールの開発によってノーベル化学賞を受賞。退職済の教授も含めると、ノーベル賞受賞歴のある博士はもっとたくさんいます。
著名な教授陣と直接会話をする機会が得られるだけでも、カリフォルニア大学バークレー校に在籍する価値は十分にあると言えるでしょう。
コミュニケーションをしてみると、教授の意外な人間味が感じられたりして楽しい、と感じる生徒もいるようです。
ノーベル賞を受賞するような教授と、講義や研究を通して共に未知のものを発見したり、新しい法則を見つけ出したりすることができるのは、とてもいい経験になりそうですね。
シリコンバレーは、サンフランシスコのベイエリア南部に位置しています。技術系、インターネット系の大企業や新興企業が多く集まっており、Apple社やGoogle社、Meta社(旧Facebook社)の本社があることでも有名です。
カリフォルニア大学バークレー校からシリコンバレーまでは、車で1時間ほどの距離。その影響もあってか、バークレー校はシリコンバレーの企業とのつながりが深いのです。
教授たちの中には、大手有名企業やスタートアップ企業でアドバイザーを勤めている人や、自らが起業している人も在籍しています。また、それらの企業から資金援助を受けている研究室などがあるのも特徴です。
最新技術を扱う第一線で活躍している教授と触れ合うチャンスがあるのも、バークレー校の良いところです。
カリフォルニア大学バークレー校を卒業した人たちは、多種多様な進路をたどるのが特徴であり、魅力です。以下では、幅広い業界で活躍する卒業生たちを紹介します。
・エリック・シュミット(元Google社CEO)
・スティーヴ・ウォズニアック(Apple社共同設立者)
・孫正義(ソフトバンクグループ代表取締役社長)
・緒方貞子(元国連高等難民弁務官)
・ホーコン・マグヌス(ノルウェー王太子)
上記で名前を挙げたのは、日本人でも知っている人が多いほどの有名人ですが、ほかにもアメリカの州知事や各国の大統領クラス、実業家などがいます。
カリフォルニア大学バークレー校で学ぶということは、世の中を良くしようという高い志を持っている、優秀な学生たちと机を並べて過ごせるということです。
優秀な学生たちが切磋琢磨し合っているからこそ、たくさんの輝かしい実績を誇る卒業生たちを生み出しているのでしょう。
続いて、バークレー校に実際に留学するとしたらどのぐらいの費用がかかるのかについてお伝えします。
決して安い金額ではありませんが、奨学金などを利用できる可能性もあるので、ぜひチェックしてみてください。
※本記事ではアメリカドルをUSDと表記します。為替レートには2021年12月20日時点での情報を参照し、1USD=113円で計算しています。
カリフォルニア大学バークレー校の1年間で必要な費用の合計は、約412万円です。
大学公式ホームページを参考に、学費を表にまとめてみました。
費用の種類 | 費用 |
---|---|
授業料 | 14,226USD(約160万円) |
部屋・食事代 | 18,456USD(約208万円) |
学生健康保険プラン | 3,788USD(約43万円) |
合計 | 36,470USD(約412万円) |
そのほか、大学側で試算している学生に必要な1年間の費用まとめによれば、食費や書籍代、交通費などを合わせて約5,200USD、つまり約60万円が必要経費としてかかると見られています。
費用の種類 | 費用 |
---|---|
食費 | 1,616USD(約18万円) |
書籍・消耗品費 | 1,118USD(約13万円) |
小遣い | 1,854USD(約21万円) |
交通費 | 620USD(約7万円) |
合計 | 5,208USD(約59万円) |
上記以外に、渡航に際して航空券代が約10〜20万円、海外旅行保険が約28万円ほどかかると考えてください。
上記すべてを合計すると、カリフォルニア大学バークレー校に在籍するためには、1年間で最低約510万円は必要という計算に。
大学の公式ホームページによれば、学生の3分の1が何らかの補助を受けて学費を支払っているようです。奨学金や、その他の補助金制度が用意されていますので、チェックしてみましょう。
【参考】UC Berkeley - Financial Aid & Scholarships
カリフォルニア大学バークレー校では、留学生に向けた奨学金制度は特に設けられていないので、日本の奨学金に申請するのがおすすめです。
日本で申請できるものとしては、公的機関によるものと、民間のものがあります。
<公的機関>
・トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム(文部科学省)
・日本学生支援機構による奨学金(JASSO)
・British Council Japan IELTS奨学金(British Council Japan)
<民間>
・柳井正財団 海外奨学金プログラム
・リクルートスカラシップ
日本を代表する実業家が、次世代の育成に力を入れてくれるのは喜ばしいことですね。
受け取れる金額や、返済必要の有無はプログラムによって異なります。どれも事前審査が必要なので、興味があるものは公式ホームページなどで詳しくチェックしてみてください。
【参考】UC Berkeley - International Students
続いて、日本の学生がカリフォルニア大学バークレー校に入学するための、いくつかの方法を紹介します。
カリフォルニア大学に入学を希望する人は、カリフォルニア大学のホームページから申請をします。毎年8月1日にはアカウント作成ができるようになり、システムを通してカリフォルニア大学の10校に1度に出願できるので、併願したい人にとっても便利なシステムです。
アカウントを作成したら、11月1日から30日までの間にアプリケーションを提出します。申請に必要な内容や提出物は、下記の通りです。
・名前、国籍などの基本情報
・出願先キャンパス/専攻予定の学部
・高校の成績
・テストのスコア/TOEFLまたはIELTS
・学業以外の課外活動に関する情報
・エッセイ(自己紹介・志望動機)
上記の情報を漏れなくインプット、または書類データをアップロードしてください。
無事に申請が受理されると、12月上旬にアドミッションオフィスからの連絡がメールで届きます。その後、順次審査されて3月末までには合否が発表されるという流れです。
【参考】University of California - Admissions
【参考】UC Berkeley - Dates & Deadlines
日本の別大学からカリフォルニア大学バークレイ校へ入学することも可能です。
日本の大学で得た成績証明の日本語版と英語版を揃えて用意し、出願に必要なほかのものと一緒に提出しましょう。期限である1月31日までに提出すると、4月末までには合否結果が得られます。
ちなみにアメリカでは、日本の大学で学んだ分の単位を認めてくれるケースもあります。
もし日本の大学での単位を60単位まで認めてもらえれば、アメリカの大学3年生として編入が可能。上限である80単位まで認めてもらえれば、残り1年半で卒業することもできます。
できる限り、アメリカでも認めてもらえるような内容の授業を履修するなど、日本の大学在学中にも努力と工夫が必要です。
【参考】UC Berkeley - Transfer Requirements
【参考】UC Berkeley - Dates & Deadlines
現地のコミュニティカレッジから編入するという方法もあります。特に州立大学の場合は、同じ州内のコミュニティ・カレッジと連携がある大学が多いようです。
学校によっては、特定のコミュニティ・カレッジを卒業した生徒なら確実に編入合格させるところもあるようですが、カリフォルニア大学バークレー校ではそのようなシステムはなく、難易度がもっと高いのが現実。
とはいえ、つながりが深く、編入に有利なコミュニティ・カレッジは存在しています。州内にあるディアブロ・バレー・カレッジは、バークレー校への編入率が高いことで知られている学校です。
もちろん、ディアブロ・バレー・カレッジに入学したからと言って、バークレー校へ必ず編入できるという保証はありませんが、ここでしっかりと学び高い成績を取得できれば、バークレー校への転入も夢ではないでしょう。
カリフォルニア大学バークレー校の応募者は8万5千人を超えます。その中から見事選抜され、合格を勝ち取るのは1万5千人ほど。合格率は17%ということで、いかに難関かが分かるでしょう。
バークレー校に限らず、カリフォルニア大学全体の傾向として、学力や志望理由を書くエッセイや学外活動が重視されるようです。続けて、以下で具体的に見ていきましょう。
【参考】UC Berkeley - Student Profile
成績や学力は、入学方法を問わず、バークレー校に入学する前に在籍していた学校でのものがチェックの対象です。
現役生の場合、高校時代の成績として求められる数値の基準はGPAです。カリフォルニア州出身者の場合は最低でも3.0、州外出身者の場合は3.4が必要条件に。
ただし、実際にはGPA3.9から4.0程度の学生たちが合格を掴んでいるのが現状です。ちなみに、日本の大学生のGPA平均は2.4~2.8くらいだと言われているため、カリフォルニア大学バークレー校に入るのがいかに難しいかがわかります。
よく成績の指標としてアメリカの学校で用いられるSATやACTは、カリフォルニア大学では提出を求められていませんが、参考として点数を提出することは可能です。
【参考】Admissions - Freshman requirements
英語を母国語としない学生に対しては、英語力が分かるテストのスコア提出を求めています。TOEFLであれば90点以上、IELTSならば7.0レベルの成績を持っていることが条件です。
上記のスコアは、英検1級レベル、TOEICも満点に近いレベルと言えるので、相当な英語力を持っている必要があることがわかります。
英語力が足りない場合には、まず語学学校へ入学したり、コミュニティ・カレッジに入学したりして、英語力を高めるのもおすすめです。
語学学校によっては提携している大学に条件付きで編入できるところもありますが、カリフォルニア大学バークレー校ではそのようなシステムはありません。語学学校やコミュニティ・カレッジでしっかり英語力を磨いたあとに、入試に挑む必要があります。
【参考】Berkeley Graduate Division - Admissions Requirements
本記事では、カリフォルニア大学バークレー校について、特徴や学費、入学方法についてお伝えしました。
キャンパスが広く、豪華で優秀な教授や、賢く熱意に溢れた友人と学べるカリフォルニア大学バークレー校は、とても魅力的です。
留学に必要な年間費用は約500万円と、決して安い金額ではありませんが、奨学金の活用なども視野に入れれば実現可能性は広がるはず。
英語力やそのほかの学業成績についても相当に高いレベルが求められますが、相応の大学生活が期待できる学校です。
カリフォルニア大学バークレー校への留学に興味がある人は、ぜひ今回の記事を参考にしながら、具体的な留学プランや学習プランを考えてみてください。
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