アメリカへの留学を検討するうえで心配なのが現地での人種差別です。ニュースでも黒人と白人の差別問題、アジア人に対するヘイトなどを目にする機会もあり、現地の状況はどうなんだろうと不安になりますよね。
そこで今回は、アメリカ留学の経験があるライターがアメリカで遭遇しやすい「これって差別?」と感じるような出来事について解説します。
アメリカと日本の文化の違い、差別やトラブルを避けるポイントもご紹介しますので、参考にしてみてください。
なお、アメリカ留学について、費用やおすすめの都市、学校などは下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
アメリカ留学
[目次]
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まず最初に、筆者がアメリカに留学していたときの経験談をもとに、実際に海外で差別はあるのかご紹介します。
まず最初に外国に行って感じるのは、日本人というよりもアジア人として見られること。明確な差別とまではいきませんが、出身国よりも人種で区別した上で対応されます。
日本でも街中で白人や黒人を見た際に、「アメリカ人だ」とは思わず「欧米人だ」「外国人だ」と感じますよね。
同様にアメリカに行くと日本人であることよりも先に、アジア人という人種を認識されるのです。
私の留学先は多国籍な環境だったこともあり、アメリカに滞在している間に激しい差別には合いませんでした。
クラスの人や所属していたクラブの人はみんな優しく、週末にアクティビティをしに行ったり買い物に行ったりできるほど仲良くなり、差別を受けずに楽しく過ごすことができました。
とはいえ、まったく不快な思いをしなかったわけではありません。旅行先で街中を散策していると「ニーハオ」と声をかけられたり、カフェで注文しようとすると雑な対応をとられたり……。
差別と言えるような言えないような微妙な出来事は何度か体験しました。
先ほど紹介したように、アメリカでは明らかな差別を受けることもあれば、差別とまではいかなくても不快感を覚える体験をすることがあります。
そこで次は、留学経験者や海外在住者がよく体験するケースをご紹介します。
アメリカに限らず海外、とくに欧米圏にいると、通りすがりの人から「ニーハオ」や「こんにちは」と声をかけられることがあります。
留学経験者や海外在住者はもちろん、海外旅行の経験が豊富な人は一度は遭遇したことがあるのではないでしょうか。
なかには本当に声をかけている場合もあるものの、そのほとんどが呼びかけているだけです。強い差別用語を言われるわけではありませんが、アジア人であることを揶揄されているようでいい気はしません。
もし「ニーハオ」や「こんにちは」と声をかけられたら反応せず、そのまま足早に通り過ぎましょう。
慣れない言語や環境では、初対面の人やあまり仲良くない人に話しかけるのは普段以上に勇気が要りますよね。留学先という慣れない環境で生活する中で勇気を出して話しかけたのに無視されることもあります。
相手からの反応がないと悲しくなったり、差別されているのではと不安になったりしますが、相手は単純に声が聞こえていないだけということも考えられます。
無視されてしまったら必要以上に悩まず、まずはもう一度大きな声で話しかけましょう。
通りすがりの人からジロジロとガン見されることも起こり得ます。欧米圏に限らず、外国に滞在したことがある人なら経験があるのではないでしょうか。
とくにアジア人が少ない地域や若者が少ない地域では、歩いているだけで視線を感じます。話しかけられるわけではないのにジロジロと見られるのは不快ですよね。
嫌悪感丸出しで見てくる人もいますが、「自分と見た目が異なる人がここで何しているんだろう」と、アジア人を見かける機会が少ない地域だからこそ、どうしても見てしまう人もいます。深い意味はないため、視線を感じても必要以上に気に留めず、堂々と行動しましょう。
日本では感じのよい店員が多い一方で、アメリカは愛想がない店員も少なくありません。ガムを噛みながら働いているなど、飲食店や服屋で雑と感じる接客を受けることがあります。
日本人またはアジア人への嫌悪から特別雑な対応をしている人もいますが、アメリカでは普段から雑な接客をしている場合がほとんどです。ガムを噛まれながら接客されたり、冷たく対応されたりしても深く考えすぎないようにしましょう。
ちなみに雑な接客をされた場合、通常のようにチップを満額払う必要はありません。アメリカのレストランでは一般的に食事代の約20%ほどの額をチップとして接客担当者に支払いますが、ウェイターの対応に不快感を覚えたときは、15~18%ほどとチップを少なめにするといいですよ。
ここまで差別と感じる対応を説明しましたが、差別と感じる行動はそもそも文化の違いによる考え方・対応の違いから生まれている可能性が高いです。その理由や対処法を紹介します。
日本には日本の文化があるように、アメリカにはアメリカの歴史・文化があり、良しとされる行動も変わります。異文化体験をしているのか差別をされているのか判断するためにも、渡米前にアメリカ文化を確認しておくことが大切です。
そこで留学生活を送るうえで知っておきたい2つのアメリカ文化を紹介します。
まずは飲食や買い物で遭遇するアメリカの接客文化について紹介します。
先述した通り、アメリカの飲食店やショップ店員はフレンドリーな人もいる一方で、ガムや飴を口にしながら接客する人もいます。
日本では「お客様は神様」という言葉があり、店員はお客さまに丁寧に接するのが一般的と考えますよね。一方、アメリカでは客と店員は対等な立場と考え、「お客様対店員」というよりも「人対人」という接客文化があります。
企業側が従業員に求めるのは商品を売る、料理を運ぶなどの基本的な業務のみで接客は個人に委ねています。依頼された業務さえやり遂げれば問題ないという考え方のため、丁寧な接客をする人は日本よりも少ないです。
そのため日本では問題視されそうな接客態度も、アメリカでは基本的に問題になりません。
もう一つは授業中に感じる文化の違いについて紹介します。日本では先生や教授が「質問がある人、答えが分かる人は手を挙げてください」と言っても、ほとんどの人は挙手しませんよね。しかしアメリカでは多くの生徒が手を挙げます。
アメリカでは意見を求められる場面で主張しないと、会話に参加する意思がない、興味を持っていないと判断される可能性があります。
実際に私が留学していた大学の授業でも、回答の正誤よりも発言することを求められ、より積極的に授業に参加した人が評価されていました。
会話のシーンも同様です。日本のように察する文化はあまりありません。
外出先で店員にお願いをするときや友達と話している際など、何か要望があるときはしっかり言葉で伝えましょう。
飲食店での雑な対応は文化の違いによるものが大きいとして、無視されたりジロジロと見られたりするのはなぜ……?と思いますよね。確かに不快な言動ですが、本人には差別をしている意識がない場合があります。
白人または黒人ばかりなど、人は特定のコミュニティにいると、自分と異なる文化を持つ人を珍しく思います。そのためつい見てしまったり声をかけてしまったりなど、その人への興味・関心を寄せた言動が差別と感じさせてしまうことがあるのです。
ちなみに、無意識的な言動で異なる文化背景や性別を持つ人を傷つけてしまうことを「マイクロアグレッション」と言います。
マイクロアグレッションは差別の1種で、「アジア人は計算が得意」「黒人は足が速い」「ブラジル人はサッカーがうまい」などのステレオタイプを持つこともマイクロアグレッションになり得ます。
このようにマイクロアグレッションの場合、自分ではなかなか差別だと自覚できません。
差別・差別ではないの線引きはとても難しく、アメリカ人に限らず誰でも無自覚に差別的言動をしてしまう可能性があります。
現地の人に話しかけても反応が返ってこないとき、無視されたのかなと悲しくなってしまいますよね。その場合は必要以上に落ち込む前に「もしかしたら彼らは私たちの英語が聞き取れなかったのかもしれない」と考えましょう。
日本語でも方言の強い地方の言葉は聞き取りにくいように、アクセントのある英語は聞き取りにくいです。
そのため一度言って伝わらなくても落ち込まず、何度も頑張って話しかけましょう。私たちの英語が聞き取れなかっただけの場合、諦めずに伝え続ければ無視されにくくなります。
ちなみに日本人に限らず、インドやフランス、スペイン系の英語話者にもアクセントのある英語を話す人がいます。英語を話す人の数だけアクセントがあるので、アクセントの強さから相手が聞き取れなかったとしても、気にしすぎないことが大切ですよ。
ここまで海外で受けやすい差別について紹介してきましたが、実は日本人も差別意識を持っている場合があります。
日本にいる外国人に会ったとき、つい「日本語上手なんですね」「お箸の使い方上手ですね」「英語を話してみてください」などの言動をとってしまったことはありませんか?
好意的に放った言葉でも、相手の受け取り方によっては「異国人扱いされている」「差別されている」と感じることがあります。
もしかしたら日本で育った人かもしれないし、非英語圏出身かもしれません。その場合は「外国人だから日本語が上手ではない」という考え方から出てくる言葉を使いがちですが、相手のバックグラウンドによっては傷つく人もいます。
誰でも気が付かない間に差別している可能性があるのです。
相手を差別しない、差別しているはずだと誤解しないためには、自分の視野を広げる意識が必要です。アメリカ文化やルールに偏見を持たない、批判的にならないなど、留学先の文化を受け入れる努力をしましょう。
アメリカに比べ日本は外国人が少なく、特に地方はまだまだ閉鎖的な場所もありますよね。人は環境や経験、他者との出会いによって価値観が形成されていくため、出会う人が限られた閉鎖的な場所で生活していると、視点や考え方の幅も狭くなってしまいがちになります。
留学は、凝り固まった考え方やこれまでの自分たちの視野を広げるチャンスでもあります。これを機に、いろいろな文化や多様性を受け入れる心を持ちながら人と関わると、留学生活はより有意義なものになるはずです。
できるだけ不快な思いをする機会を減らし、トラブルに巻き込まれにくくするための3つの方法を紹介します。
やはりネックになるのが英語力です。英語が話せないことで会話が難しいと思われ、無視されたり理不尽なことを言われたりする可能性があります。
対等に話したり、しかるべき時にきちんと意思表示をするためにも、日常会話レベルの英語力は身につけておくことをおすすめします。
留学先の選び方も重要です。できるだけさまざまな人種の人が通う多国籍な学校に留学するといいでしょう。
出会う人のバックグラウンドがさまざまで、より貴重な異文化体験ができるのもメリットです。
言語交換サークルなど、多国籍な人が集まるコミュニティに在籍するのもおすすめ。現地の友達はもちろん、同じ留学生の友達ができれば、理不尽なことがあったときも相談しやすいですよ。
最も大切なのが、治安の悪い場所には近づかないことです。治安の悪い場所は攻撃的な人が多かったり、暴言を吐かれたりする可能性が高くなります。エリアによっては地元の人でも近づかないような場所もあるので、周辺環境はよく調べましょう。
反対に、多国籍な環境・コミュニティや治安の良い場所は攻撃的な人が少ない傾向があります。
またなるべく一人で出歩かないことも大切です。初めて行くエリアは場所を問わず昼間に行ったり、友達と複数人で散策したりしましょう。
現地で生活を始めると差別を受けることもあります。もしアメリカで差別を受けたらどのように対応すればよいのか解説します。
通りすがりの人から「ニーハオ」や「こんにちは」と言われたら、相手にしないことが一番です。なかには言い返す人もいますが、アメリカは銃社会であるため、道端で出会った相手が銃を持っていることも考えられます。
さらなるトラブルになる可能性もあるので、差別をしてきた人のことは無視してその場を去りましょう。
日本とアメリカは文化が大きく異なるので、何が差別で何が文化的な違いなのか分かりませんよね。差別を受けたかもと不安に思ったり、もしくは自分が差別してしまったかもしれないと悩んだりしたら、まずは先生やスタッフに相談するのがおすすめです。
学校には心理カウンセラーや、留学生をケアしてくれるスタッフがいることもあります。一人で抱え込まず、悩んだときはきちんと助けを求めましょう。
海外での生活が長くなるほど「差別を受けたのでは?」と心配になる回数も増えます。ではどのように差別と向き合い、留学生活を送ればいいのでしょうか。
過剰に心配すると差別ではない言動・行動もすべて差別に思えてしまうもの。そうなると人と関わるのも億劫になり、留学生活を楽しめなくなってしまいます。
そのため心配しすぎないことも大切です。もし差別を受けてしまったらその人のことは相手にせず、自分に好意的な友達と楽しく生活する方が留学生活が充実しますよ。
例えばジロジロと見てくるなど、不快な言動をしてくる人が単純に非常識なだけの場合もあります。生活している中で不快に感じる出来事や対応は、人種というより個人の性格によるところが大きく、常に差別だと気にすると心が疲弊しかねません。
過剰に心配せず「そういう人はどこにでもいるんだ」と受け入れて、個人として一人ひとりをしっかりと見てコミュニケーションを取りましょう。
今回はアメリカ留学での差別経験と対処法について紹介しました。どんな地域に行っても、意図的であるかどうかに関わらず差別を受けたり、自分が差別する側になってしまったりすることがあります。
「差別を受けたら、してしまったらどうしよう」と不安になりますが、留学は自分の視野や可能性を広げられる貴重なチャンスです。心配しすぎず、そして自分も相手への配慮を忘れず、新しい環境を楽しみましょう。
なお、これからアメリカ留学を具体的に検討するなら、スクールウィズのLINE相談をご利用ください。費用やおすすめの都市や語学学校、見積もりや申込手続きなど、状況に合わせて留学カウンセラーが無料で相談に乗るので、検討を前に進められます。
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いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
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