こんにちは。現在アメリカに移住して1年目のティニーです。もともと航空会社に勤務していたので、搭乗手続きでビザの確認をしたり税関検査場で仕事をしたりと実務経験があります。
ニュージーランドは入国や税関、検疫検査が厳しいことでも知られているので、不安を持っている方もいるかと思います。入国審査の受け答えの準備や、申告が必要なものを事前に確認しておけば安心ですよね。
この記事では、ニュージーランドに入国する際の流れをわかりやすくまとめています。2019年10月から導入されたETA(電子渡航認証)やIVL(観光税)の事前登録と支払いについても詳しく取り上げました。
併せて入国に必要なビザや、入国審査の回答例と税関での申告について紹介しているので、これからニュージーランドへ渡航予定の方はぜひ参考になさってください。
なお、ニュージーランド留学の準備についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な準備を進めたい方はチェックしてみてください。
ニュージーランド留学前の準備の流れ
※費用はすべて1ニュージーランドドル(NZD)=80円で計算しています(2019年4月現在)。
[目次]
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フライトが到着して最初に向かうのが、ARRIVALと表示されたエリアの入国審査場です。
入国審査では、入国に必要とされる有効なビザやパスポートの提示と、入国カードをもとに入国審査官による質問への受け答えをします。
入国カードは審査場に用意がありますが、日本からのフライトの機内でも配布されるので搭乗中に記入しておくとスムーズです。職業も英語で記入できるように記入例を調べておきましょう。
入国審査での質問は、入国条件を満たしているかの確認が目的です。基本的には簡単なやり取りなので心配はありません。渡航目的や滞在先、滞在期間などの確認を受けます。
日本国籍であれば、ニュージーランドへ渡航時のパスポートの残存期間が滞在日数に加え3カ月以上あることが必須条件です。あわせて提示可能なビザもしくはETA(電渡航認証)と、日本への帰国便あるいはほかの国へ出発する航空便や船の予約情報が必要となります。
これまでは日本国籍の人は短期滞在の場合、ビザは免除されていましたしたが、2019年10月より、ETA(電子渡航認証)の登録が義務付けられるようになりました。
日本だけでなく、60カ国以上が対象です。条件は入国目的が観光のためであること、滞在日数が3カ月以内であること。ビザは不要なままですが、オンライン申請ができる渡航認証を事前に済ませる必要があります。
このETA(イータ)は、正式名称はNew Zealand Electronic Travel Authority。NZeTAとも略されます。
正式名称からわかるように電子ビザではなく、渡航許可のオンライン事前認証のため、就労や長期滞在が目的で申請するビザとは異なります。
ニュージーランド移民局の公式サイトにて申請方法の案内があります。申請時には、ETAの費用とあわせて観光税「IVL」(2019年10月1日から導入)の支払いも済ませます。
IVLはInternational Visitor Conservation and Tourism Levyの略で、2019年10月からニュージーランドに渡航するすべての方に適用され、ワーキングホリデーや学生ビザの方も対象です。NZeTA申請時か、ビザ申請時に同時にクレジットカードで支払う必要があります。
ETAは、アプリ申請の場合は17NZD(1,564円)、イミグレーションwebサイトのオンラインフォームからの申請だと23NZD(2,116円)となります。
一方IVLは35NZD(3,220円)です。いずれも手続きには10〜15分かかり、クレジットカードで支払います。パスポートを撮影するため、手元に準備しておきましょう。
モバイルアプリ「NZeTA」は英語のみですが、iOS版もAndroid版もあります。
観光目的での渡航でも滞在期間が3カ月以上の場合には、Visitor Visa(ビジタービザ)の取得が必要で、こちらもオンラインでの申請が可能です。
ほかには、12カ月の旅行と短期間の就労が可能なWorking Holiday Visas(ワーキングホリデービザ)や、何年か滞在をしながら現地での就労や居住を目的とするWork VisaやResident Visa(ワークビザやレジデントビザ)があり、電子申請ができます。
ちなみに、ワーキングホリデーでの就労はあくまで経験を積むなどの二次的な目的に限られるので注意が必要です。
ニュージーランドに到着後、どのような流れで入国するのかSTEPごとに紹介します。
ニュージーランド移民局の公式サイトに従い、ETAとIVLの申請手続きを行いましょう。ETAとIVLの申請は、72時間前までに完了させておくことが推奨されています。両者共に、有効期限は2年間です。
到着前に機内で入国カード兼税関・検疫申告書が配布されます。内容や記入例を事前に調べておくと良いでしょう。
到着し、まず入国審査場へ進みます。ニュージーランドは自然を保護するために特に食品や植物の持ち込み規制が厳格です。
到着ゾーンにはゴミ箱が随所に配置されているので、検疫につく前に処分しておくことをおすすめします。
日本国籍パスポートでの出入国に関して2019年9月19日より、ニュージーランドの4つの国際空港(Auckland、Wellington、Christchurch、Queenstown)にある出入国自動化ゲートの利用が認められました。
12歳以上の日本国籍旅客であればそちらの利用も可能です。
手荷物検査場に進み到着便のカルーセル(荷物の引き取り用ベルト)で待ちます。このあとの税関検査で申告書とパスポートが必要なので、手元に用意しておくと慌てることがありません。
税関検査は、課税対象の所持品がなければ、大抵は申告書を提示して通過するのみです。課税以外にも申告が必要なものもあり、動植物検疫の対象物は検疫検査を受けます。
ニュージーランドに限りませんが、検疫犬やX線による探知検査も行われています。
食品や医薬品、アルコール類、タバコ、ペットや車、遺骨の持ち込みについて申告が義務付けられています。トレッキングシューズやジョギングシューズ、ゴルフクラブやゴルフシューズなど、土などが付着している可能性があるものも申告が必要です。
申告義務のある物品は漏れなく申告しましょう。
入国審査はセルフチェックイン専用端末であるキオスクで発券した紙を渡せば、基本的にそのまま審査を通れます。しかし一部質問されることもあるので、想定できる質問と回答例を確認しておきましょう。
purposeではなく、reasonが使われることもありますがどちらも渡航目的を聞いています。
まず最初に聞かれることと言えば、渡航の目的です。なかには、Are you here on business?(ビジネスのための渡航ですか?)と直接的に質問されるケースもあります。
落ち着いて明確に伝えましょう。きちんと答えられないと不審がられてしまいます。
もしあなたが留学目的で入国する場合には、留学しにきた旨を伝えます。シンプルに"To study."と答える以外にも、"To study at~."と大学の名称を入れたり、語学留学であれば"To study English."と強調しても良いでしょう。
もし観光目的での入国であれば、"For sightseeing"(観光目的です)や"For vacation"(休暇で来ました)など観光目的であることを伝えましょう。
"I’m here on holiday."(休暇で来ました)や"I’m a tourist."(観光旅行です)といった言い回しもできます。
ほかにも、"To visit my friends."(友人に会いにきました)や、ビジネスであれば"For business."(ビジネス目的です)などと伝えるようにしましょう。
滞在期間を聞く質問です。
入国の目的と併せて入国審査官から必ず聞かれることが、滞在期間です。帰国日や、滞在日数の英語での言い回しを頭に入れておきましょう。
滞在期間を聞かれる際のフレーズはHow longの代わりにHow many daysが使われたり、"When are you leaving?"(帰国はいつ頃ですか?)と聞かれたりもします。
回答例として、期間であれば"Just 10 days."(10日間だけです)や"For a month."(1カ月間います)があります。
帰国日を聞かれた場合には"December 1st."(12月1日です)と日付を答えます。さらに"I’m leaving Auckland in 4 days."(4日後にオークランドを発ちます)と何日後という表現や、近日中であればnext Friday(今週の金曜日)のように曜日で返しても大丈夫です。
滞在場所を聞く質問です。
滞在先までは聞かれない場合もありますが、質問に慌てることがないよう準備しておきます。"What’s your address in New Zealand?"や"Where to stay in New Zealand?"などのように具合的に住所や宿泊先を質問されることも想定できます。
住所については番地まで答えられなくても、都市名や通りの名称は覚えておきましょう。ホテルであれば、ホテル名を答えられれば問題ありません。
職業を聞く質問です。
仕事はjobということが多いですが、入国審査では改まった言い方でoccupation(職業)と聞かれるので、単語に驚かず、スムーズに答えられるようにしておきましょう。
その他の職業の回答例としては
「PUBLIC WORKER(公務員)」
「COMPANY EMPLOYEE FOR ~会社名(会社員)」
「ENGINEER(技術職)」
「FARMER(農業)」
「SELF-EMPLOYED(自営業)」
「SECRETARY(秘書)」
「PART-TIME WOKER(アルバイト)」
「HOUSEWIFE(主婦)」
などが挙げられます。
フリーターは英語ではないので注意しましょう。NONE(無職)と答えると、就労目的の意味合いで受け取られてしまう可能性があるので避けましょう。
帰国便について聞く質問です。
ほかには"Is the return flight reserved?"(帰りの便は予約済みですか?)や"Do you have a return flight ticket?"(帰りの航空券はありますか?)と聞かれることも考えられます。
日本国籍の場合、基本的には入国の条件として有効なパスポートやビザなどに加え、往路もしくは第3国へ出発する航空便の予約が確定していなくてはいけません。
帰りの便名や日付を答えられるようにし、必要に応じてフライトなどの予約情報を提示できるように、eticketの控えや予約情報を印刷したものなどを念のため手元に用意しておくと安心です。
帰国便については、入国審査官に予約情報が分かるものを提示すれば良いでしょう。
同行者の有無を聞く質問です。
同行者の有無については"Are you traveling alone?"や"Are you traveling with your friends?"(友達と一緒の旅行ですか?)と聞かれることもあります。
回答例として、同行者がいる場合には友人や家族と一緒の旨を伝えます。例えば"With my husband."(夫と一緒です)や"With my family."(家族と来ました)などです。
乗り継ぎ先で荷物を預け直す場合や、乗り継ぎ時間が長く一時的に入国したい場合などは入国審査があります。
日本から出発するときに国際線の乗り継ぎ先(最終目的地)まで受託手荷物をスルーで預けている場合は、ニュージーランドの空港での入国審査や税関検査は不要です。Transit Area内で携行品の手荷物検査のみ実施されます。
乗り継ぎ便の搭乗券の発行がまだであれば、乗り継ぎカウンターにてチェックインの手続きをして次のフライトを待ちましょう。
受託手荷物が最終目的地までスルーになっていない場合は、入国審査を終え手荷物を受け取ってから税関検査を受けなくてはなりません。ターミナルの出発便カウンターへ行き、搭乗手続きと手荷物の預け直しをします。
乗り継ぎまでの時間が長いために一時入国を考える人もいますが、ニュージーランドの入国では税関や検疫検査が非常に厳しいため、時間がかかります。審査に手間取るなどすれば、乗り継ぎへのリスクがあるため、よく考慮して判断しましょう。
ちなみにニュージーランド到着後、そのまま国内線に乗り継ぐ際には必ず一度手荷物を受け取る必要があります。最初の到着地で入国審査や手荷物検査を済ませ、国内線の航空会社の手荷物カウンターに荷物を預けなおさなくてはいけません。
Auckland空港の公式サイトでも、国内線への乗り継ぎに税関検査並びにBiosecurity検査などをひと通り終えるまでに3時間はみるようにと案内があり、ニュージーランドの税関や検疫検査の厳しさがうかがえます。
日本で服用している薬をニュージーランドに持ち込む場合には、税関に申請が必要です。入国カードに記載し、持ち込みが許可される条件をクリアしていればその薬を持って入国できます。
処方箋の所持と、薬局で処方された状態のまま容器を変えていないことが条件です。薬によって持ち込める量も定められていますので確認しましょう。
他にも申請対象の持ち込み物に決まりがあるのでしっかり確認しておきましょう。
以下のサイトで持ち込み規制のあるものをまとめられています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ニュージーランドは自然豊かな美しい国です。それゆえに農産物や自然を保護するために税関や検疫検査が厳しいことでも知られています。その徹底した検査体制がニュージーランドの魅力あふれる大地を守っているともいえるでしょう。
ニュージーランドの国民性はとてもおおらかで、のんびりしていると表現されることが多く、自然もお国柄もなんだか魅力的です。
また、多民族国家ゆえに外国からの人々にオープンなところがあり、現地に馴染みやすいともいえるでしょう。
しっかりと準備をすれば、厳しい入国審査に困ることもないでしょう。ぜひスムーズな入国で、ニュージーランドという国を楽しんでくださいね!
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