こんにちは。ドイツに1年間の留学をしていた愛優です。
留学をすると応募書類や大学でのテストなど、「エッセイ」の提出を求められる場面があります。私も留学中は、エッセイを書く機会がよくありました。
実際に留学を考えていても、日本で英語のエッセイを書くことはあまりありません。そのため、どのような場面で英語のエッセイが必要になるのか、どのようなエッセイが必要になるのか、心配な方も多いかと思います。
特に英語のエッセイとなると周囲に相談できる人も少なく、情報をどこで得たらいいのか分かりにくいですよね。
そこで今回は、英語のエッセイが必要な場面やエッセイの種類、書き方、ポイント、注意点をご紹介いたします。
また最後に、エッセイの執筆に役立つサイトも紹介しています。留学前や学校でのエッセイにお困りの方は読んでみてくださいね。
[目次]
英語のエッセイは日本の大学にいる限り、ほとんど書くことがないかと思います。そこでここからは、どんな場面で書くことになるのか、代表的なケースを2つ見ていきましょう。
1つ目は「定期試験やテスト」です。
日本でもテストの代わりにレポートを提出したり、テストで小論文を書いたりすることがあるかと思います。英語のエッセイは、そのレポートや小論文と同じです。
内容は主に、学期での授業内容についてです。
例えば、
・授業で出てきた内容の解説
・授業内容に対する自分の考え
など。
このエッセイによって内容の理解度を測ることはもちろん、以下のこともチェックされます。
・その問題や課題について、どういった考えを持っているのか
・授業の内容を理解したうえで自分なりの意見を記述できるか
さらに授業によっては、テスト時間内に小論文を書かなければならないことも。
テスト時間内に小論文を書く場合は、授業の内容を頭に入れて、かつ授業内容や自分の考えを時間内に書かなければなりません。そして執筆はすべて英語であるため、かなりハードルが高いです。
もう1つは「大学留学をする際の入試」です。
海外の大学入試を外国人枠で受験する場合、かなりの確率でエッセイの提出が求められます。テーマは大学によってさまざま。ただしどんな分野でも、自分の言葉で、なおかつ英語で意見を述べられることが欠かせません。
また入試でエッセイを出題する目的は、主に以下2つです。
・エッセイの内容から受験者の人柄や考え方を知る
・大学に入ってからどのように才能を開花させることができるかを調べる
特にアメリカの有名大学では、エッセイに書かれた考え方や人柄が大学の校風に合っているかどうか、適性を判断する材料として使われることもあるようです。
ここまでエッセイが必要な場面を紹介しましたが、エッセイにはさまざまな種類があります。そこでここからは、よく使われる3つの種類とその例文を紹介しますね。
1つ目は「Argument Essay(アーギュメントエッセイ)」です。
アーギュメントエッセイとは、決められたテーマに対して自分の意見を述べるものです。ほとんどの場合がテーマに対して賛成か反対か、どちらかの立場に立って自分の意見を述べていきます。
アーギュメントエッセイの場合、主張はハッキリしている方がいいと言われています。正解のない問いに対して、一定の立場からそのメリットやデメリットなどを、自分の意見をブレずに理論的に説明していく必要があるからです。
アーギュメントエッセイを展開する流れは、以下の通りです。
(1)導入
(2)自分の意見の裏付け
(3)反対意見への反論
(4)結論
この導入の部分で使えるフレーズが、以下の3つです。
・I believe that~. (私は〜を主張します。)
・The first reason is~. (ひとつめの理由は〜。)
・The second reason is~.(ふたつめの理由は〜。)
このフレーズを使うことで自分の意見はもちろん、裏付ける理由まで伝えることができます。
2つ目の「Compare and Contrast Essay(コンペア アンド コントラスト エッセイ)」は、複数の事柄を比較するエッセイです。
このタイプのエッセイは、2つの物事を選び、その物事にどのような似通った点があり、異なる点があるのかをまとめることが多いです。
このときに大切なのが「比較する2つの対象の側面は同じ側面でなければならないこと」。
このエッセイの流れは以下の通りです。
(1)比較対象の提起
(2)相違点について
(3)類似点について
(4)結論
この「比較対象の提起」で使えるフレーズを、ひとつお教えしますね。
それは「From my own experience and observations, there are similarities and differences in~.」です。日本語に訳すと「私の経験と観察から、~において類似点と相違点があります。」となります。
このフレーズをもとに、文章を組み立ててみてください。
最後に紹介するのは「Cause-and-Effect Essay(コーズ アンド エフェクト エッセイ)」です。これはひとつの事象に対して、その原因と結果を記述するエッセイです。
このエッセイは、以下3つのタイプがあります。
(1)ひとつの原因が複数の結果を招いていることを記述するタイプ
(2)複数の原因がひとつの結果を招いていることを記述するタイプ
(3)原因と結果が連鎖していくことを記述するタイプ
エッセイを展開する流れは、以下の通りです。
(1)事象
(2)原因
(3)結果
(4)結論
この結論の部分で使えるフレーズが、「In conclusion~.」です。日本語に訳すと「結論として~。」という意味となり、結論について端的に表現できます。
ダラダラと話すと、話が長くて読みにくい印象を与えかねません。分かりやすくするためにも、上記のフレーズを使ってみてください。
ここからは、実際にエッセイを書くときにどのように書いたらいいのか、エッセイを書く前に最低限知っておいてほしいポイントをお話しします。
先ほども各エッセイの構成についてお話しましたが、エッセイにはそれぞれ構成が決まっています。
そのすべてが、
・Introduction(導入)
・Body(本文)
・Conclusion(結論)
の3つに分類されています。まずはこれを頭に入れておきましょう。
それぞれの文章量は、以下のようにまとめるのが一般的です。
・Introduction(導入)はおよそ1パラグラフ
・Body(本文)は2〜5パラグラフ
・Conclusion(結論)は1パラグラフ程度
エッセイのメインパートはBody(本文)になります。メイン部分をしっかりと伝えるためにも、Introduction(導入)とConclusion(結論)は簡潔にまとめるように心がけてください。
大まかな構成が理解できたら、それぞれの構成が持つ意味もしっかりと理解しておくことが欠かせません。
まずは導入ですが、ここでは「これから論じていく内容はこういうことです」と簡潔に述べる必要があります。
導入部分には、以下の3つを書いておきましょう。
・このエッセイを始めるにあたっての導入文
・このエッセイのテーマに対する定義
・さらにそのテーマについて、このエッセイではどのようなことを伝えたいのか
この3つにしぼると、文章も考えやすくなります。
続いてはエッセイの要となる「本文」です。本文には、このエッセイで伝えたいことの裏付けをしっかりと記載していきましょう。
具体的には、以下の2つを書いていくことになります。
・この本文部分で述べたいこと
・述べたいことの主張を補助する内容
この部分が自らの主張を支え、肉付けしてくれることになります。また文章量が決まっているエッセイは、導入や結論はそのままに、この本文でワード数を調整します。
文字数が多くなったときは、まず本文をチェックしてみてください。
最後は「結論」で、エッセイの根幹を支える最も重要な部分です。
この部分では、以下の3つを述べるようにしましょう。
・導入部分で述べた、このエッセイで伝えたいことの言いかえ
・本文部分の要約
・最終的な結論
またワード数に余裕があれば、書き手からのメッセージを添えてみてください。そうすると、相手に訴えかけることができる文章になるといわれています。
例えば
・改善方法について提案を述べる
・格言を添えてみる
などです。
読み手にメッセージの伝わる一言を入れてみるのもおもしろいかもしれません。
エッセイを書くにあたって、まずは主張を決めることを心がけましょう。
というのもエッセイは、問題だけを見て突然書き始めると、まとまりのない文章になってしまいます。日本語で小論文を書くときも、大まかな文章構成を決めてから書き始める方がほとんどだと思います。
先ほどエッセイは3つのパートで構成されており、ある程度パターンが決まっているとお伝えしました。主張と構成を大まかに考えることで、英語のエッセイもスムーズに執筆できます。
またこのパートごとに、自分なりの論述の進め方や使いやすいフレーズをいくつか持っていると書きやすいです。
エッセイの構成を考えるときは、最も伝えたい主張はどの部分なのか、またそれを支える理由や裏付けを2つから3つ考えてみましょう。
エッセイのカギはあくまでも「自分の主張をどのような筋道で相手に伝えることができるのか」という部分です。しかし具体的にどのようなことに気をつければいいのかは、なかなか分かりにくいですよね。
そこでここでは、エッセイを書くときに意識すべきポイントを3つまとめてみました。
エッセイでは「正しい英語で執筆すること」を心がけましょう。
留学のエッセイとなると、難しい表現を使って相手に自分の英語力を示した方がいいのではないか、簡単な英文よりも難しい英文の方が説得力が増すのではないかと考えてしまうことも多いかと思います。
気持ちは分かりますが、無理に難しい表現を使っても、英文そのものを間違ってしまっては意味がありません。
スペルを間違ってしまったり、文法を間違ったりしてしまうと減点となってしまいます。
さまざまな表現を知っているに越したことはありませんが、まずは正しい英語で伝えることを意識しましょう。
エッセイを書くときには個人的に尺度が異なる単語や、個人の感情を表現する単語は避けましょう。
例えば、
・「bad(悪い)」や「good(良い)」といった人によって尺度や感じ方が変わる表現
・「terrible(ひどい)」といった個人の感情を表す表現
などです。
基本的には「inadequate(不十分な)」など、アカデミックな言葉を使うのがおすすめです。
また、文章を考える際も同じです。
例えば「私はこの結果から~と思う。」という表現よりも、「この結果は~ということを示している。」と表現したほうが、裏付けのある内容だと読み手に感じさせることができますよね。
個人の主張よりも、結果や事実をもとにした意見を書くようにしてみてください。
説得力のある文章にするためには、文章同士の関係性を明らかにして、主張を際立たせることが大切です。そのためにも、文章と文章をつなぐ「接続詞」をしっかりと活用できる方が有利といえます。
英語において逆説や強調、比較など、さまざまな意味を表す接続詞にはかなりの種類があり、接続詞を用いた分構造のパターンもいくつかあります。
同じ強調の接続詞でも、パターンをいくつか持っていることで文章に多様性が生まれることも。その結果、単一的な文章に比べて相手を引き込みやすくなり、エッセイの評価も高くなることがあります。
ここまでエッセイを書くときのポイントをお伝えしました。
ここからは、実際にエッセイを書くときに「これだけは絶対に守って!」という、最低限気を付けておきたいことを2つ紹介します。
これは当たり前ですが、ネットで見つけた記事や論文の文章を、そのまま載せることはできません。著作権侵害となり、盗作の扱いを受けてしまいます。
日本の大学ではレポートや論文を書くとき、他の論文から文章をそのまま載せても、「引用」という形を取ることで問題ないかと思います。
しかし海外の大学で、厳しく罰されます。たとえ一文でも他の論文から文章を拝借すると盗作になってしまいます。また何度も繰り返していると、退学処分になってしまうことも。
エッセイで他の論文を使用する場合は、決められた手順を踏んで引用するようにしましょう。
「エッセイ」と聞くと、日本では心の内側をそのまま書いたような、随筆に近い文章を思い浮かべるかもしれません。しかし外国におけるエッセイは、随筆というよりは論文に近いです。
日本のようなエッセイであれば、話し言葉や砕けた表現を使っても問題ないことが多いですが、論文となると話は異なります。日本でも論文を書くときは話し言葉ではなく、しっかりとした書き言葉を使うように、英語のエッセイも正しい書き言葉で執筆することが求められます。
大学というアカデミックな場に出す文章なので、書くときもきっちりとした文章や表現を意識してみてください。そうすることで、エッセイ自体の説得力も必然的に高くなります。
実際にエッセイを書いていると、単語や文法に迷うことがあるかと思います。そこで最後に、困ったときに手助けしてくれるサイトを3つ紹介します。
1つ目に紹介するのはスペルチェックをしてくれるサイト「Ginger」です。サイト内でスペルを確認したい文章を入力すると、すぐにチェックをして結果を表示してくれます。
さらにこのサイトのおすすめポイントは、同じような意味になる他の文章表現を紹介してくれること。
というのも学習不足でまだまだ英語表現が乏しいときや、複雑な文章を書くようになったとき、どうしても同じような表現ばかり使っていることが多いです。
このサイトに「もっと違う表現にしたい」という文章を入力すると、意味はそのままで異なる表現をいくつか提案してくれます。
この機能は実際にエッセイを書くとき以外、例えば英語の勉強にも使うことができそうですね。もちろんサイトは無料で利用できます。
2つ目に紹介するのはweb辞書の「Weblio」です。
このサイトおすすめポイントは、単語を検索すると一緒に慣用語や例文など、具体的な使い方も一緒に表示してくれるところ。
そしてこのサイトは和英、英和どちらの機能も利用できます。
そのため、
・適切な英単語を探したいときに和英辞典で探す
・単語は分かっているけれどもイディオムや表現の仕方が分からないときに、英和辞典から探す
など、さまざまな使い方ができるので助かります。
さらに和英辞典からは代表的な単語だけでなく、類義語も検索できます。そのため、自分の表現したい意味合いに最も近い単語を選ぶことが可能です。
Weblioも無料で利用でき、料金は一切かかりません。
最後に紹介するのは少し裏技的な方法で、「Googleの完全一致検索を利用すること」です。
例えば「結論を言うと」という意味である「In conclusion」ですが、このinの部分の前置詞がinかonかで悩んだとします。そのときにGoogle検索で完全一致検索を設定し、この「In conclusion」と「On conclusion」のふたつを検索してみてください。
この場合であればInが正しいので「In conclusion」の検索結果が多くなります。
この方法はあくまでも、2つの選択肢で迷ったときに利用する方法です。まったく思い出せない場合は辞書などで探すことになるので注意してください。
今回は英語でのエッセイが必要な場面や書き方、エッセイの基本的な部分から作成時に気を付けるべきことなどを紹介しました。
エッセイを書く際は以下のことに注意すると、読みやすいエッセイになると思います。
・伝えたいことをはっきりさせる
・構成を意識しながら書く
また留学を考えている方は、エッセイを書く勉強も普段からしておきましょう。留学する前の準備段階や、留学後に突然エッセイを書くとき、戸惑わなくて済みます。
英語で長文を書くとなると身構えてしまうかもしれませんが、慣れてしまえば大丈夫です。今回紹介したポイントを参考に、エッセイを作成する力をどんどん伸ばしてくださいね。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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