イギリスのワーホリビザは2年間の滞在が許可されており、就学・就労に制限がありません。加えて2024年には受付可能枠を広げ、6,000人の日本人がワーホリビザの申請ができるようになりました(※1)。
渡航へのハードルがぐっと下がったことから、ワーキングホリデーでイギリスへ行きたいと考え始めた人もいるかと思います。しかしワーホリビザを手に入れても、現地で仕事が見つからなければ、イギリスで生活を続けるのは困難です。英語力に自信がない方は、なおさら不安も大きいのではないでしょうか。
この記事では、イギリスにワーホリビザで滞在する予定の方に向けて、日本人がイギリスで見つけやすい仕事や、便利な求人サイトなどをご紹介します。仕事探しの流れや押さえておきたいポイントについても解説しています。
なお、イギリスのワーキングホリデーについての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
ワーキングホリデーはイギリスで決まり!費用や申請方法など詳しく解説
※記事内ではイギリスポンドをGBPと表記し、為替レートには2024年4月9日時点の情報を参照し、1GBP=196円で計算しています。
[目次]
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イギリスのワーホリビザは、YMS(Youth Mobility Scheme)と呼ばれています。YMSの特徴は、就労や就学の条件がない点です。また、他の国のワーホリで認められている滞在期間は1年間がほとんどなのに対して、YMSは2年間の滞在許可が与えられます(※2)。
YMSを利用してイギリスで仕事をする予定の方は、まず労働に関するイギリスの法律を把握し、正しい条件下で働くための知識を備えておきましょう。
2024年4月現在におけるイギリスの最低賃金は、以下の通りです(※3)。
上記の給与に加えて、イギリスにはチップとサービスチャージの文化による収入があります。チップはお客さんから個人的に受け取ることもありますが、店側があらかじめ料金に含めることも少なくありません。
また、これらはお店の利益としてではなく、スタッフに分配されます。そのため仕事で得る収入額は、時給で計算した金額以上になることが多くあります。
2024年4月現在のイギリスで定められている労働時間は、以下の通りです(※4)。
日本の勤務時間と近いため、イギリスの仕事環境は、日本人にとってそれほど負担にはならないでしょう。
イギリスでは、アルバイトでも有給が取得できます。有給制度の詳細についても、見ておきましょう(※5)(※6)。
有給を翌年に繰り越すことができない点や、未消化の有給を手当に変えられる点は、日本人にとってあまり馴染みがないうれ嬉しい制度ですね。
イギリスのワーホリで仕事を探すにあたって、どの仕事を選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。
ここからは、イギリスで日本人が見つけやすい仕事を5つご紹介します。
【時給の相場:11〜13GBP(約2,156〜2,548円)】
※2024年4月時点indeedを元に算出
イギリスには日系企業が多く進出しています。そのため、街中で日本人経営の日本食レストランや日系スーパーを見かけることもあります。
スタッフは日本人が多いことから、従業員間のやりとりにそれほど高い英語力は求められません。お客さんへの対応も定型フレーズを覚えてしまえば、海外経験が少ない方でも安心です。
ただし、日本人からの人気が高い職種のため、倍率は高い傾向にあります。日本語を使用できる職種を希望する方は、こまめに求人サイトをチェックし、募集を見つけたらすぐに応募したほうが良いでしょう。
【時給の相場:12〜15GBP(約2,352〜2,940円)】
※2024年4月時点FarmingUKを元に算出
海外留学生にとって定番の仕事である農園業は、イギリスにもあります。
農園業の仕事内容は、野菜やフルーツのピッキング、家畜の世話などがメインです。雇用主とコミュニケーションを取る際は英語を使いますが、お客さんと話すことはないため、それほど高い英語力がなくても問題なく働けます。
イギリスで農園業を探す際は、以下のサイトが情報量に優れているためおすすめです。
【時給の相場:11.5〜13GBP(約2,254〜2,548円)】
※2024年4月時点indeedを元に算出
イギリスはパブの数がとても多い国です。パブといっても夜間に開く店だけではなく、朝から営業を開始し、食事やコーヒーを提供する店舗も多くあります。ランチタイムにビールを飲む「リキッドランチ」を楽しむオフィスワーカーも、イギリスでは珍しくありません。
パブでの仕事はお酒をつくることはもちろん、料理の提供やコーヒーの用意、レジやオーダー取りなど多岐に渡ります。現地の人とのコミュニケーションが必要になるため、日常会話以上の英語力が必要です。
中級レベルの英語力が求められることから、ハードルが少し高く感じられるかもしれません。しかしパブは求人の数がとても多いため、仕事探しには困らない職種です。
条件に合ったパブの仕事を探したい方は、パブの求人に特化した以下のサイトを活用してみてください。
【時給の相場:11〜12GBP(約2,156〜2,352円)】
※2024年4月時点indeedを元に算出
カフェやレストランも、日本人に人気の職種です。パブ同様に店舗数が多いため、求人も見つけやすいでしょう。また、日本で飲食店の勤務経験がある方は、実績をアピールできます。
求められる英語力は、パブ同様に日常会話レベル以上です。メニュー料金にチップやサービスチャージを設定している店を選べば、より効率良く働けます。
【時給の相場:11〜13GBP(約2,156〜2,548円)】
※2024年4月時点indeedを元に算出
ユースホステルやゲストハウスは、滞在費を抑えたい日本人に、人気の仕事です。施設内で暮らしながら仕事をできるケースがあるため、現地で光熱費や家賃を節約したい方にぴったりです。
ユースホステルやゲストハウスの業務に求められる英語力は、依頼主やお客さんとのコミュニケーションが取れる程のレベルです。
イギリスで仕事を探す際は、現地の求人サイトをチェックするのがおすすめです。
ここからは、イギリスのワーホリで役立つおすすめの求人サイトをご紹介します。
MixBは、日本語で検索ができるサイトです。
日本食レストランや日系企業の情報がたくさん掲載されており、採用担当者も日本人が多い傾向にあります。
英語に自信がない方におすすめの求人サイトです。
Gumtreeは、現地の人にも人気のサイトです。仕事の情報はもちろん掲示板も賑わっており、現地のサービスやイベントなどの情報を得る際に役立ちます。
また、ボランティアや不用品の売買なども掲載されています。イギリスで経験を増やしたい方や、費用を抑えて暮らしたい方はぜひ活用してみてください。
Jobsite.co.ukは、イギリス人も活用することが多い求人サイトです。専用のアプリが用意されているため操作がしやすく、英語サイトの閲覧が苦手な方にもおすすめします。
また、現在地から近い仕事先を探してくれる機能もJobsite.co.ukの便利なポイントです。移動手段も考慮した上で仕事先を見つけられるため、イギリスでの職探しで役立ちます。
indeedは日本でもおなじみの求人サイトです。日本版と同様に、職種や勤務地、スキルを入力すると、条件に合った仕事を見つけられます。
日本で同サイトを使用した経験がある方は、操作性に馴染みがあるため、使いやすいのではないでしょうか。
「London Pub Co」は、パブやレストラン、ホテルのキッチンなど飲食関連の仕事を紹介しているサイトです。住み込みができる勤務先や、まかない提供がある職場なども掲載されており、ワーキングホリデーをする外国人をサポートしています。
同サイトを経由して仕事を見つけた場合、割引プラン付SIMカードの手配や各種手続きのサポートなども手厚いです。
イギリスで仕事を探すなら、人材派遣会社にも登録しておくことをおすすめします。人材派遣会社を利用することで、日本人担当者のいる会社や日系企業など、日本人が働きやすい仕事場をより効率的に見つけられます。
「Access-appointments」は日本語で検索ができるサイトです。フルタイムはもちろん、パートタイムの仕事も紹介してくれます。
CVは無料で登録できることや掲示板には外国人にとって役立つ情報が記載されていること、さらに就職までのサポートが手厚い点がこのサイトの魅力です。
こちらのサイトでは、パソコンのスキルチェックや英語力チェックなどを実施しています。能力に見合った仕事を見つけたい方に、おすすめのサービスです。
また、コンサルタントは日英のバイリンガルのため、英語力に自信がない方でも安心して利用できます。履歴書の提出から面接日程の調整、条件の交渉など、入社までの工程を一貫してサポートしてくれる点も、同サービスの魅力です。
people-firstもパソコンのスキルチェック、英語力チェックを登録時に行っています。イギリス在住の日本人が、利用することが多いサイトです。
people-firstには、金融・商社・メーカー・ITなどの職種が多く掲載されています。イギリスでオフィスワークを希望する方は、ぜひ活用してみてください。
photo by: sasirin pamai / Shutterstock.com
仕事を見つけるまでの流れを把握しておくと、イギリスでの仕事探しが、よりスムーズになります。
ここからは、イギリスのワーホリで仕事を探す際に押さえておきたい5つのステップについて、ご紹介します。
まずは履歴書とカバーレターの用意をしましょう。
履歴書に書くことは日本とそれほど差はなく、職歴や経歴などを記載します。履歴書の作成経験を持つ方であれば、それほど難しくないでしょう。
一方で、カバーレターは日本では馴染みがないため、戸惑う方もいるかと思います。カバーレターとは、履歴書に添える手紙のようなもの。志望動機やアピールポイントなどを記載し、仕事に対する熱意を表すための文書です。
カバーレターの詳しい書き方については、以下の記事で解説しています。イギリスで仕事を探す予定の方は、ぜひチェックしておいてください。
【例文付き】ワーキングホリデーで採用されるカバーレターの書き方
履歴書とカバーレターの用意ができたら、仕事を探してみましょう。仕事探しは求人サイトや人材派遣会社の活用をメインにして、進行するのがおすすめです。
しかし日本でもそうであるように、イギリスでも外国人を積極的に雇う雇用主は多くありません。また、外国人を受け入れる職場は競争率も高いことから、インターネットのサービスだけでは仕事が見つけられないことも考えられます。
そのため求人サイトや人材派遣会社だけに頼らず、イギリスでの仕事探しの際は、知人や学校の力も借りるのがおすすめです。仕事を探している旨を周囲と共有し、勤務先を紹介してもらえるチャンスをより多くつくっておきましょう。
加えて、常に履歴書とカバーレターは持ち歩き、街中で仕事の募集を見つけたら、飛び込みで応募するのも良い方法です。
イギリスで仕事を探す際は受け身にならず、積極的な姿勢を保つようにしましょう。
書類選考を通過すれば、次は面接です。
面接で聞かれる内容は、日本とほとんど変わりません。志望動機や職歴、自分の経歴などが仕事に活かせる点をアピールしましょう。
英語力に自信がない方は、聞かれる可能性が高い質問をピックアップし、返答を用意しておくと良いですね。現地に友達がいる場合は、面接の練習に付き合ってもらうのも、ひとつの手です。
また、面接では雇用主に聞きたいこともまとめておきましょう。勤務条件や給与のことなど、気になる点は面接時に確認しておいたほうが、安心して仕事をスタートできます。
面接をクリアしたら、トライアルに進みます。
トライアル中の勤務時間は、数時間から数日続くこともあります。勤務先によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
トライアルの仕事内容に双方が納得できれば、そのまま採用が決まります。正式に採用されても、試用期間(Probationary Period)を設けられることがほとんどのため、条件の変化や雇用期間が終わるタイミングなどを、事前に確認しておきましょう。
仕事が決まったら、社会保険番号(National Insurance Number)を職場に伝えなくてはいけません。社会保険番号とは、イギリスで働く人に与えられる個人ナンバーのことです。日本のマイナンバーに近いもの、と考えると分かりやすいかもしれません。
社会保険番号は、オンライン申請が可能です。パスポートとBRPカードが必要になるため、用意した上で、以下のサイトで手続きをしましょう。(申請サイトはイギリスのネットワークを使用しないとアクセスできないため、イギリス入国後に手続きを開始してください。)
Apply for a National Insurance number
イギリスで外国人が仕事を得るには、工夫や知識などが必要です。
ここからはイギリスのワーホリで仕事先を見つけるためのポイントについて、解説します。
イギリスで仕事を見つけるためには、英語力が欠かせません。日系企業や日本人オーナーの店であってもお客さんはイギリス人のため、英語力がゼロの状態では、雇用してもらうのは難しいといえます。
イギリスでなるべくスムーズに仕事を得るためにも、日本にいるうちから英語力を磨きましょう。現地での仕事先の選択肢を多くしたい方は、最低でもTOEICスコア600〜800ほどを獲得しておいたほうが安心です。
また、イギリスの職場では即戦力が求められます。面接や履歴書・CVでは、今の自分の能力や職歴を、できるかぎりアピールしましょう。
職歴がない場合は、応募した仕事への熱意や経験が活かせることを伝えるのも、良い方法です。雇うことにメリットを感じてもらえれば、仕事獲得へのチャンスに繋がります。
職歴には、アルバイト時代の経験も記載しましょう。アルバイトであっても十分な仕事経験であるため、応募先へのアピールポイントとなります。
アルバイトをしたことがない方は、渡航前に経験を積んでおいたほうが安心です。イギリスで仕事探しをする際に、雇用主の心象が良くなるだけでなく、仕事の経験が自分の自信へと繋がります。
イギリスで希望する職種がある方も、日本にいるうちに同職のアルバイトをしておくと良いでしょう。仕事に関連する経験や知識は、仕事探しのシーンで大きな力になります。
イギリスで仕事をするには、給与の振込先となる口座が必要です。口座開設は、仕事探しと並行して進めたほうが良いでしょう。
ワーキングホリデービザの方や留学生におすすめのイギリスの銀行は、以下の3つです。
3社ともイギリスではとてもポピュラーな銀行です。口座維持費はどれも無料で、デビッドカードの利用もできます。また、開設はオンラインで可能です。
口座開設をする銀行を雇用主が指定するケースもありますが、求職中も銀行口座を持つことで、お金の管理がしやすくなります。まずは上記3つのうちの1つで口座開設を済ませておき、雇用主から銀行の指定があった場合は改めて当該の口座を開く、といった方法を選んだほうが安心です。
加えてイギリスの銀行の一部では、雇用主によるバンクレターの作成を求めるところもあります。バンクレターとは、口座開設を希望する従業員の身元の安全性を雇用主が銀行に示すための書類です。
バンクレターの発行には時間がかかる可能性もあるため、仕事が決まったら早めに雇用主に用意してもらいましょう。
就労時間の制限がないことや滞在可能期間が長いことから、これまでのイギリスのワーホリは倍率が高く、渡航希望者にとって狭き門とされていました。しかし2024年にワーホリビザの発給条件が緩和されたため、より多くの日本人がイギリスで仕事を探すことが予想されます。
外国人労働者が増えたイギリスで、仕事先をよりスムーズに獲得するためには、十分な英語力が必要です。そのためイギリスのワーホリで働きながら、語学学校への留学を検討する方も多くいるかと思います。
スクールウィズでは、スクールウィズを通して現地での語学学校留学を申し込んだ方向けに、「プレ留学」のサービスを提供しています。
プレ留学とは、専門のコーチとチューターが英語学習のサポートをするプログラムのことです。独学に比べて最大4倍速で学習ができ、ワーキングホリデーに必要な英語力の底上げを、効率的に実現します。
留学期間に応じてレッスン料は無料のため、まずはLINEでお気軽にご相談ください。
LINEでの無料相談の様子を知りたい方は、以下の記事を活用してください。スクールウィズのLINE無料相談を活用した方の体験談を記載しています。
【体験談】スクールウィズのLINE相談ってどんなことができるの?実際の流れやできることなどをまとめてみた!
イギリスでの仕事探しは、スムーズに進まないこともあります。
あらかじめ日本人が採用されやすい職種や、求職時のポイントなどを把握しておくことで、仕事探しにおける困難を回避できるかもしれません。
また、渡航前に仕事の経験を積んだり英語力を高めたりしておくことで、仕事を獲得できる確率も上がります。ご紹介した内容を参考にして、ぜひイギリスでの仕事探しに役立ててください。
以下の記事では、イギリスのワーホリについて詳しく解説しています。ぜひ渡航前に目を通し知識を得た上で、ワーキングホリデー当日を迎えてください。
ワーキングホリデーはイギリスで決まり!費用や申請方法など詳しく解説
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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留学に対するご質問から、留学プランづくり、事前の英語学習、留学中のサポートまで対応しておりますので、ご相談お待ちしております。
※1...HC 246|Statement of changes in Immigration Rules(参照日:2024年4月9日)
※2...Immigration Rules Appendix Youth Mobility Scheme-Guidance-|GOV.UK(参照日:2024年4月9日)
※3...National Minimum Wage and National Living Wage rates|GOV.UK(参照日:2024年4月9日)
※4...Rest breaks at work: Overview|GOV.UK(参照日:2024年4月9日)
※5...Holiday entitlement(参照日:2024年4月9日)
※6...Holiday entitlement: Taking holiday before leaving a job|GOV.UK(参照日:2024年4月9日)
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