「イギリスでボランティアしてみたいけれど、何からすればいいのかな…」
と悩んでいる方。
イギリスはボランタリー精神が溢れており、多くの国民が積極的にボランティアに参加しています。ボランティアホリデーという制度もあり、それを使えば費用を抑えてボランティアに参加することが可能です。
とはいえ、なかなか海外でのボランティアはイメージしにくいですよね。
そこで今回は、イギリスのボランティア事情についてご紹介します。
イギリスでのボランティアはハードルが高そうに感じますが、押さえるポイントはそれほど多くありません。まずはイギリスでのボランティア活動について知りましょう!
なお、イギリス留学についての全般的な情報は下のページでまとめているので、具体的な検討を進めたい方はチェックしてみてください。
イギリス留学
[目次]
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海外ボランティアとは、海外の社会活動などに無償で参加することです。
トレンド総研が「1ヶ月以上の海外ボランティアを経験した男女310名」に実施した海外ボランティア意識調査によると、海外ボランティアに参加した理由は以下の通りでした。
1.視野を広げたかった:61.9%
2.自分が人として成長したかった:61.3%
3.困っている人の役に立ちたかった:45.2%
さらに海外ボランティアに参加したことで身に付いた能力として、
1.コミュニケーション能力:75.5%
2.異文化への適応能力:74.5%
3.語学能力:53.2%
をあげています。
海外ボランティアを希望する人の多くは「自己成長」を望み、違う文化の中で多くの人と触れることで、コミュニケーションを中心とした能力が得られたと実感しているようです。
ここでは、イギリスで募集しているボランティアの種類や、仕事内容についてざっくりとお伝えします。
イギリスには「ノブレス・オブリージュ(持たざる者に対する持つ者の責任)」の精神があります。これは、貴族や裕福層は身分に応じて果たすべき社会的責任と義務があるという道徳観です。
そのため、イギリスには約50万の慈善団体が存在し、慈善活動の調査機関「Institute for Volunteering Research」によると、イギリスの人口約6,500万人のうち41%の約2,600万人が2015年~2016年の間に何かしらの形でボランティア活動に参加しています。
参考:Institute for Volunteering Research
イギリスでは、主に以下のボランティアを募集しています。
【教育機関】
・日本語教師のアシスタント
・幼稚園、小学校のアシスタント
・スポーツ指導のアシスタント
【社会福祉】
・障害児施設スタッフのアシスタント
・孤児院で子どもたちの世話
・老人ホームで入居者の身の回りの世話
【環境保護や農業】
・歴史建造物の掃除
・野生動物の保護
・ガーデニング、雑草駆除
イギリスならではのボランティアというと「歴史建造物の掃除」でしょうか。イギリスには古い建物が今もなお現役で使われていたり、大切に保存されていますので、その維持・管理に関わるボランティアの募集がたくさんあります。
ここでは、学生と社会人それぞれにおすすめのボランティアをお伝えします。
イギリスでのボランティアは大きく、
・長期型:施設などでフルタイムでボランティアを行うタイプ
・短期型:ホームステイなどをしながら施設を訪問するタイプ
の2つに分けることができます。時間に余裕があるのであれば、長期型で参加することがおすすめです。
長期型のボランティアは、施設で活動をする代わりに食事や滞在先を無料で提供してもらい国内に長期滞在ができることから、「ボランティアホリデー」とも呼ばれています。
高校生や大学生におすすめのボランティアは以下の通りです。
・日本語教師
・幼稚園や保育園でのチャイルドケア
・孤児院ボランティア
学生であれば子どもと関わるボランティアがよいでしょう。また日本語を教えることは比較的誰でも簡単にでき、現地でも重宝されるためおすすめです。
社会人の方には、これまで経験を活かせるボランティアに参加するのがよいでしょう。おすすめのボランティアは以下の通りです。
・ナショナル・トラスト(歴史的建築物の保護を目的としたボランティア団体)への参加
・ファームステイ
・イベントのスタッフ
もちろんこれらのボランティアの他にもさまざまなものがありますので、自身の興味・関心の高いものを選んでください。
イギリスでボランティアをするメリットは、
・ボランティアホリデーを使うと費用が安い
・きれいな英語を学べる
・イギリスの文化を深く体験できる
の3つです。
1つ目のメリットは、ボランティアホリデーを使うと費用が安くなることです。
ボランティアホリデーでは、福祉施設などでボランティアをする代わりに、食事や宿泊先が無料で提供されます。生活費の大半をまかなうことができるため、語学留学などに比べて格段に安く滞在することが可能です。
2つ目のメリットは、きれいな英語を学べることです。
イギリスは英語の発祥の地であることから、正しい英語を身に付けることができます。欧州でも数少ない英語圏の国です。
3つ目のメリットは、イギリスの文化を深く体験できることです。
イギリスは古い歴史を有し、今も歴史的な建造物が数多く残っています。情緒ある街並みの中で暮らせることはとても魅力的といえます。
また、ボランティアを通してイギリス国民の考え方やボランタリー精神に触れることで、より広い視野で物事を考えられるようになるでしょう。
イギリスのボランティア活動には、どれくらいの語学力やスキルがあれば良いのでしょうか?
求められる語学力と人物像やスキルについてお伝えします。
ボランティアでは、TOEIC600点ほどの英語力があれば問題ありません。最低でもTOEIC400〜600点くらいの英語力は、ボランティア活動が始まる前に身につけておきましょう。
もちろん英語が話せなくてもボランティアに参加することはできますが、現地スタッフや子どもとのやり取りはすべて英語です。指示を理解できないままボランティアを行うことは、相手にとっても負担になってしまいます。
ボランティア活動で求められる人物像やスキルをひと言で言うと「積極性」です。
特に日本人は「控えめであること」を美徳する考えが強く、自分から積極的に発言したり、行動したりしない傾向があります。海外では自分の意見をしっかりと言う人が評価されるため、ボランティアにおいても積極的な発言や行動を心がけましょう。
ここでは、イギリスでボランティアに参加するために必要な「参加費」と「ビザ」についてお伝えします。
基本的にボランティアは、無料で参加できます。福祉施設などでの活動の場合、滞在先・食事が施設から無料提供されることが多いです。
エージェントを利用してボランティアへ参加する場合は、エージェントに支払う費用が発生します。
一般的に、イギリスでボランティアに参加する場合は「チャリティーワーカービザ」を取得します。
このビザは臨時雇用者やチャリティーワーカーを対象としたビザで、慈善団体などでのボランティアをするにあたって申請が可能です。
また、ボランティアのプログラムや内容によっては、
・短期留学ビザ:18歳以上で6ヶ月未満の滞在が可能
・一般学生ビザ:大学などの公的教育機関で長期的に学ぶことが可能
・YMSビザ:18~30歳まで応募でき、最大2年間の滞在・就労が可能
などのビザを使用してボランティアに参加することもできます。
続いて、イギリスで1週間のボランティア活動に参加した場合にかかる費用を解説します。
1週間のボランティアには、平均20〜30万円かかります。内訳は以下の通りです。(1ポンド=150円で計算)
【1週間のボランティアでかかる費用の目安】
・家賃(ホームステイ):約200ポンド(約3万円)
・食費:約70ポンド(約1万円)
・交通費:約30ポンド(約5千円)
・渡航費(往復航空券):12~20万円(時期によって変動)
・ビザ代(チャリティーワーカー):235ポンド(約3万5千円)
・海外旅行保険:1〜2万円
渡航のタイミングによって航空券の値段が大きく変わるので注意が必要です。またボランティアホリデーを使用すれば、食費と宿泊費をかなり抑えることができます。
ここでは、イギリスでのボランティアの失敗事例と対策についてお伝えします。せっかく海外へボランティアに行くのであれば、少しでも楽しく体験できた方がいいですよね。
大学2年生のAさんは、自身の経験のため以前より関心のあったイギリスへボランティアホリデーをすることにしました。子どもにも興味があったAさんはイギリスの孤児院でサポートボランティアをすることに。
Aさんの英語力はもともとTOEIC400点ほどと、そこまで高くありません。それでもボランティアだから英語ができなくてもなんとかなる」と自信満々で渡英しました。
しかし実際ボランティアを始めてみるとそこに立ちはだかったのは「言葉の壁」でした。
孤児院でのボランティアは子どもと遊ぶだけでなく、
・生活ルールの理解や子どもへの指導
・先生からの指示に従った行動やサポート
・ボランティアスタッフとの引継ぎ
など、言葉を使ったコミュニケーションが必要です。
指示された内容を理解できずに、他のボランティアスタッフともうまく関係が築けなかったAさんはだんだんと自信を喪失。望んでいたような経験や達成感を得ることができずに日本へ帰国することになりました。
Aさんのように失敗しないためにも、最低限の英語力は備えておくことが重要です。
日常会話や仕事のやり取りができるレベルは「TOEIC600点」と言われています。まずはこのレベルに達することを目標に英語学習を進めましょう。
また、ボランティア内容が事前に決まっているのであれば、そのボランティアでよく使用する英単語や会話例を重点的に押さえておくことでスムーズな英会話が実践できます。
イギリスでのボランティアを探し方は、
・エージェントに登録する
・語学学校や大学から紹介してもらう
・自力でコンタクトを取る
の3つがあります。
1つ目の探し方は、エージェントに登録する方法です。
さまざまなエージェントがあり、イギリスへのボランティアをサポートしてもらえます。もちろん有料ではありますが、初めて海外で不安な方や時間のない方にとってメリットのあるサービスです。
おすすめのサイトは「NPO NICE」です。
2つ目の探し方は、語学学校や大学から紹介してもらう方法です。
ボランティア先から学校へ依頼が来ていることも多く、その場合スムーズにボランティア先を紹介してもらうことができます。
3つ目の探し方は、自力でコンタクトを取る方法です。
ボランティア先はインターネットを使って直接探すことができます。
おすすめのサイトは、
Oxfam
WWOOF
Volunteering Matters
The Conservation Volunteers
の4つです。
イギリスでボランティアをするのにおすすめの地域は、
・ロンドン
・エディンバラ
・オックスフォード
です。
1番目におすすめするのはロンドンです。イギリスの中心都市での暮らしはぜひ体験していただきたいと思います。
交通機関が行き届いていて快適に移動ができ、募集しているボランティアの数や種類も多いです。美しい歴史ある街並みを歩けばイギリスの魅力たっぷりで、生活そのものを楽しむことができます。
エディンバラはエディンバラは街全体が世界遺産に登録されており、古い街並みのなかに溶け込むように暮らすことが可能です。大学都市でもあるので、学生を中心としたボランティア活動が盛んです。
オックスフォードもエディンバラと同じく学生の多い街です。ロンドンほどにぎやかではなく、穏やかな雰囲気が漂うのがオックスフォード。
ボランティアを通じてオックスフォードの学生と触れ合う機会は、きっと貴重な体験になるはずです。
今回は、イギリスのボランティアについて紹介しました。
イギリスには「ノブレス・オブリージュ(持たざる者に対する持つ者の責任)」の精神があるため、多くのイギリス人が日常的にボランティアに参加しています。
イギリスでのボランティアは大きく、
・長期型:施設などでフルタイムでボランティアを行うタイプ
・短期型:ホームステイなどをしながら施設を訪問するタイプ
の2つに分けることが可能です。長期型のボランティアは、施設で活動をする代わりに食事や滞在先を無料で提供してもらい国内に長期滞在ができることから「ボランティアホリデー」とも呼ばれています。
また、イギリスでボランティアをするメリットは、
・ボランティアホリデーを使えば費用が安い
・きれいな英語を学べる
・イギリスの文化を深く体験できる
であることをお伝えしました。ボランティアによる経験だけでなく、言語や文化に触れることのできるメリットがあります。
海外ボランティアを希望する人の多くは「自己成長」を望み、違う文化の中で多くの人と触れることで、コミュニケーションを中心とした能力が得られたと実感しています。
イギリスでのボランティアはきっとその希望を叶えてくれるでしょう。まずは最低限の英語を身に付け、
・エージェントに登録する
・語学学校や大学から紹介してもらう
・自力でコンタクトを取る
の3つから自分に合った方法でボランティア先を探しましょう!
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