みなさんは、フィリピンの首都マニラにある「スモーキー・マウンテン」を知っていますか?旧ゴミ処理場と、その周辺にあるスラムの総称です。フィリピンの貧困を象徴する場所として、名前を聞いたことがあるかもしれません。
フィリピンは発展途上にあり、経済は急成長の最中にいますが、今も貧困やインフラ整備などの課題が残っています。フィリピン国内では、数多くのNGOやNPOが社会貢献活動を展開し、さらなる発展の後押しをしています。
海外ボランティアを受け入れている団体も多く、たくさんの日本人が現地で活動しています。そこで今回は、
・フィリピンで海外ボランティアがしたい!
・現地のことをもっと知りたい
・社会貢献や社会問題に興味がある
という人に向けて、フィリピンのボランティアの種類や参加方法についてご紹介していきます。
[目次]
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まず、フィリピンのボランティアについて、基本的なことをお伝えしていきます。
海外ボランティアとは、貧困やインフラ整備、教育などを支援する活動に、基本的には無償で参加することです。NGOやNPO、学生団体等の活動に参加する方法が一般的です。
現状を直接見聞きすることで問題意識が高まるだけでなく、通常の海外旅行とはまったく違ったその国の姿を知ることができます。
実は、私も海外ボランティア経験者です。高校生の時、タイで2週間ボランティアに参加し、今の自分はあの経験がなったらいなかっただろうなというくらい、見方や考え方が変わりました。
高校生の私が参加できたくらいなので、特別なスキルがなくても問題ありません。また、年齢もやる気があって、通常のルールを守れれば、誰でも参加できるのが特徴です。
フィリピンは近年、GDP成長率の伸びが顕著で経済成長が著しいですが、フィリピン人の平均月収は大卒者で4万円ほど。1日に1ドル程度で暮らしている人も多く、成長率とは裏腹に国内での経済格差が大きいのが現状です。
フィリピン国内では貧困問題を筆頭に、インフラ整備や教育関係、人材育成、環境系などの活動が活発に行われています。孤児院やストリートチルドレンを支援する施設でのボランティアもありますよ。
NGOやNPOが主催するボランティアツアーへの参加は、フィリピンの社会問題に関心のある人なら誰でも参加できます。期間は数日〜半年以上のものまでバリエーション豊かですので、それぞれのニーズに応じての参加が可能です。
ただし、インフラ設備が整っていないことも多いので、体力や環境の変化に自信のない人は控えた方がいいかもしれません。
では、フィリピンではどんなボランティア内容が多いのでしょうか。学生から社会人まで、それぞれにおすすめしたい活動をご紹介します。
学生は、長期休暇を利用したボランティアやインターンでの活動がおすすめです。長期間だからこそ、現地の人の生活により近づきながら活動を行えます。
受け入れ先によっては、英語力がなくても問題ありません。孤児院でのボランティアや学校建設ボランティアが人気です。
活動は教育支援からインフラ整備、環境系までさまざまあります。自分の専攻や興味に近い内容を選ぶといいでしょう。その他に、各団体が企画するスタディーツアーやワークキャンプに参加すれば、現地との交流だけでなく、課題や問題解決に向けた意識を高めることができます。
社会人になると、長期休暇などの時間は限られると思います。1週間の短期ボランティアや、数日だけ参加する週末ワークキャンプなどがおすすめです。
こちらも学生と同じように、幅広い分野の団体で受け入れが行われています。
続いてボランティアに参加するために求められる条件について解説していきましょう。
ボランティアへの参加は基本的に無料ですが、内容によっては、参加料等を支払う必要があります。
学習要素の強いスタディーツアーやワークキャンプは基本的に有料、長期インターンや長期ボランティアの参加料は無料の場合もあると覚えておくといいでしょう。
「ボランティアなのになんで有料?」と思うかもしれませんが、参加費は各団体の活動費として貴重な収入源となっています。
基本的に日系の団体などへ短期ボランティアやスタディーツアーに参加するのであれば、英語が話せなくても問題はありません。駐在員や現地インターンが日本語で細かいことを教えてくれるでしょう。
一方で、海外の団体への参加や長期インターンを考えているのならば、基本的なコミュニケーションは英語になるため、日常会話レベルが必須です。フィリピンでは、語学学校のカリュキュラムと合わせたボランティアもあります。
タガログ語を話せる必要はありませんが、簡単な単語を覚えておくと、現地の人とスムーズに仲良くなれるので、余裕があれば勉強してみましょう。
専門的なボランティアでは、一定のスキルや経験を求められることもあります。ただ、一般的なボランティアであれば、未経験でも応募できる方が多いので、募集要項をしっかりチェックしてくださいね。
フィリピンへの入国は、30日以内であればビザは必要ありません。長期のボランティアとして入国する場合は、特別なビザが必要になります。入国後、Special Working Visaを取得すると無償のボランティア活動に従事可能です。
観光や学生ビザで入国していても、上記Visa期間内にボランティアに従事するのであれば、そのままで問題はありません。また、15歳以下が入国する場合は親の同伴か事前申請が必要なので注意してください。
フィリピンでボランティアをすることで、何が得られるでしょうか?メリットを3つにまとめてみました。
私が海外ボランティアに参加して一番よかったなと思うのは、日本では決して知ることができなかった貧困や世界の現状について、自分の肌で感じられたことです。教科書やニュースでは決して得ることのできない「生の情報」を現地で学ぶことができました。
自分がいかに世界を知らないか思い知ったと同時に、もっと多くのことを知りたい、世界をもっと広げたいという感情は、海外ボランティアならではの経験だと思います。
フィリピンには世界中から国際協力団体が集まって活動を続けています。フィリピンの貧困問題などを解決したいという高い志を持った活動家や仲間に出会えることは、一生の宝になるだけでなく、自分の人生にもいい影響を与えてくれます。
ボランティアのイメージは「やってあげる」とか「与えてあげる」とか、トップダウン型ではないでしょうか。ですが、実際にボランティアに参加してみると、さまざまな気づきを得ることができます。
私は、与えるというよりもたくさんのことを与えてもらえるのがボランティアだと考えるようになりました。
一方で、フィリピンでのボランティアを通して、難しさや厳しさを感じることもあると思います。ここではボランティアに参加する前の心構えを紹介していきます。事前にチェックしてくださいね。
私たちが海外に行くときは大体が観光です。だからといって、遊びの気分でボランティアには参加しないでください。
浮かれた気分で参加すると、相手に迷惑を掛けたり、犯罪など危険なことに巻き込まれたりするかもしれません。
ボランティアは遊びではありません。目の前にいる人や問題と真摯に向き合い、謙虚な気持ちを持って、「手伝わせてもらっている」という意識でボランティアに取り組みましょう。
ボランティアをしていると、相手の文化に驚くことがあると思います。例えば時間の概念ひとつ見ても、私たちの感覚とは違います。こちらからするとありえないことが、向こうでは普通なこともよくあります。
そんな時、違いを尊重することを忘れないでください。それぞれの文化はこれまでの歴史や、現在の環境によって生み出されたものであり、もっと考え方を変えるべきだと思ってもすぐに変えることはできません。その感情は、私たちの文化基準に沿った考え方なのです。
「こんな考え方をするんだな」くらいに捉え、相手の文化を尊重し、否定などはせず受け入れる気持ちが大切です。
私はボランティアに行った後、自分は無力で何もできないという感覚を覚えました。私にできることは限られており、活動中、劇的な変化を目にできるまず機会はありません。ましてや短期のボランティアでは、ほんの少しのことしかできませんでした。
ですが、肩を落とす必要はありません。自分には何ができるのかを考えていくいいチャンスだと捉えましょう。失敗をしても、そこから何を学ぶのか、どうやって動いていくかが重要ですよ。
それでは、フィリピンでボランティアをするにはいくらくらいかかるでしょうか?フィリピンで普通に観光すると、食費・交通費・娯楽費・滞在費などで大体1万円の出費が必要になります。加えて飛行機代が4万円ほどなので、最低5万円は必要です。
スタディーツアーやワークキャンプに参加する場合は、参加費等で5〜15万円ほどの支払いが必要になることがあります。その場合、航空券代は含まれていないことがあるので注意してください。
最後にどうやってボランティア先を探すのかをご紹介していきましょう。
まずひとつが、ボランティアを斡旋しているサイトを検索することです。スタディーツアーやワークキャンプだと、「HIS」でボランティア専門のページを用意しています。
HIS
NGO系によるボランティア紹介サイトもあります。NICEでは、約90カ国でワークキャンプなどの事業を展開しています。フィリピンでも環境、農業、医療、教育など幅広い分野のボランティア情報を紹介していますよ。そのほか「CEC」「SLPC」もおすすめです。
これ以外には、「フィリピン ボランティア」で検索すると、各NGOやNPOのHPで募集が出ています。自分の興味関心にあった活動を探してみましょう。
ボランティアだけでなく、語学も一緒に学びたいという人には、 語学学校が企画しているボランティアに参加しましょう。私が留学していた学校では、週末に希望者を募って孤児院に行き、子どもと触れ合うボランティアが企画されていました。
勉強以外にボランティア活動も重視したい人は、学校を探すときなどに問い合わせて確認してみましょう。
特にマニラにある語学学校「PALETTE SCHOOL」では、貧困地区へのスタディツアー、ボランティアなどを行うことができるので、英語だけでなくフィリピンの社会問題に興味がある方に人気となっています。
私が海外ボランティアに参加したときは、知人に団体を紹介してもらい、その後自分で全て手配して現地へ向かいました。参加料などは特にかからず、滞在中食費のみを支払っていました。
インターネットなどで検索をして、気になった団体が見つかれば直接メールを送ってみましょう。その際、ボランティアへの意欲や語学力についてなどアピールを添えるといいかもしれません。
フィリピンでは、マニラやセブでのボランティア募集が多いです。それぞれ日本からの直行便もあるので、アクセスも良いですよ。
フィリピンのボランティア情報についてご紹介しましたが、いかだったでしょうか?フィリピンでは、教育系から環境系まで幅広い団体が活動しているので、自分に合ったボランティアを見つけることができるでしょう。
進路に迷っている学生や、社会人になったけど国際協力と関わりたいと思っている人はぜひ思い切って参加してみてください。初めての海外ボランティアには、勇気が必要かもしれません。ですが、訪れたことで新たな発見や唯一無二の経験を得ることができます。
きっと帰国する頃には、今の自分より何倍も成長した新しい自分と出会えるはずです!
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