元英語教材編集者が行く、オーストラリア留学体験記#08〜 街の魅力はダイバーシティ!ブリスベンの多文化イベントをレポート

こんにちは!Ayakaです。私は現在、キャリアチェンジを目指す1年間のビジネス留学中で、オーストラリア・ブリスベンにあるグリフィス大学でスポーツツーリズムやスポーツマネジメントを学んでいます。

「オーストラリアは移民国家とは聞いていたけれど、こんなにも一人ひとり違うものなのか!」ブリスベンに来た当初、私は街を行き交う人々の人種が実に多種多様なことに驚きました。そして、それぞれの文化の個性を知り、楽しもうという多文化イベントが頻繁に開催されているというのも大きな発見でした!

今回はそんなブリスベンで私が実際に体験した多文化イベントをご紹介します。さまざまな人種・国籍の人が調和して暮らすブリスベンの多文化共生都市の魅力を感じてみてくださいね。

なお、ブリスベンの観光情報については下のページでまとめているので、おすすめの観光スポットや人気の料理などを知りたい方はチェックしてみてください。
ブリスベン観光と言ったらここ!現地で楽しめるおすすめ観光スポットやイベント、お土産を紹介

当記事では、2017年7月時点での情報を元に作成された記事となっております。
公開から年月が経ち、情報が古くなっている恐れがございますので、記事内で紹介しているブリスベンの人口などの基本情報は別途ご確認ください。

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アジア・ヨーロッパ・アフリカ…多文化のひしめくブリスベン

クイーンズランド州ブリスベンの人口は230万人を超え、シドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市。ブリスベンはクイーンズランド州の中でも、市民の外国生まれの比率が28.3%と1番高い多民族都市です

ブリスベンの人口構成のうち、外国生まれの人口比率を見ると、1番多いニュージーランド、フィジー、ニューカレドニアといった太平洋諸国が6%、イギリスが5%、次いで北東アジアと東南アジア、ヨーロッパ、アフリカ、中東、アメリカ・・といったように続きます。

親の代からオーストラリアに住んでいて永住権を持つ、外国にルーツを持つ市民もたくさんいるので、実際にブリスベンの街を歩いていると外国生まれの比率が約3割という数字以上に、その多様性を肌で感じます。

参考:brisbanetimes.com.au

写真:ピクニックを楽しむ家族連れでにぎわう週末のサウスバンクの公園。人種も国籍もさまざまですが、家族団らんする姿は万国共通。

写真:公園内の無料の市営プールは子供たちに人気のスポット。近くに遊具施設もあり、自然とコミュニケーションが生まれる場にもなっています。

市立博物館で、学内で、文化の多様性を楽しむ催し

街のブリスベン市立博物館(Museum of Brisbane)では、2016年7月~2017年2月にかけて、"100%Brisbane"という展覧会が開催されました。これは、ルーツや国籍に関係なく、ブリスベンを "home town" と呼ぶ100人のアーティストによる作品を集めたもの。入場無料で個性豊かな作品にふれることができ、ブリスベンがそのダイバーシティ(多様性)を街の大きな魅力であると捉えていることが伝わりました。

写真:“100%Brisbane”のパンフレット。パンフレットを見ただけでも、ブリスベンを構成する人たちの多様性を感じ取れます。

国籍や民族が多様なら、信条もまた多様になります。私の通うグリフィス大学の学内にも、イスラム教徒の職員や学生向けの祈祷室がある他、宗教ごとのコミュニティがあり、大学主催で年間を通しさまざまなイベントが開催されています。また、「互いの文化の違いを楽しもう!」という趣旨で、学期はじめに "Universal Feast" という各国の学生の交流イベントが開かれ、クイズやファッションショーを通し、学生たちが交流を深めました。

写真:寮のエリアの一角にある Multi-Faith Centre(多宗教センター)。イスラム教徒の祈祷室の入り口には、断食月のラマダンを祝う Happy Ramadan の装飾がされています。

写真: "Universal Feast" での、チーム対抗新聞紙を使った創作ファッションショー。カブトやグラディエーターを模したりと、チームごとに個性が際立ちました。

写真: "Universal Feast" での一枚。チーム対抗で各国のトリビアクイズに挑戦しました。

ブッダフェスティバルの盛大なお祝い

オーストラリア国外にルーツを持つ人たちは、同胞のコミュニティでのつながりが強いのはもちろんなのですが、各コミュニティが主催するイベントをブリスベン市議会が後援しているのも特徴的です

川沿いに市営プールやおしゃれなカフェの並ぶサウスバンクでは、4月28日(金)〜30日(日)にかけて、台湾系のコミュニティが中心になりブッダの誕生日を祝う「ブッダフェスティバル」が開催されました。

写真:ブッダフェスティバルのパンフレット。記念講演や展示を通じてブッダの教えを広めるのはもちろん、伝統芸能やダンスや歌といったショーも催され、華やかなイベントとなりました。

写真:ブリスベン川沿いの遊歩道には提灯が並び、幻想的な雰囲気を作り出していました。

お祭り2日目の夕方にはサウスバンクの野外円形劇場でメインセレモニーが開催され、地元の学生たちによる合唱に、台湾から来たディアボロ(ハイパーヨーヨー)集団のパフォーマンス、さらには巨大ブッダがお誕生日ケーキと共に登場・・とあたかもエンターテイメントショーのようでした。

写真:台湾のハイパーヨーヨー集団のアクロバティックなパフォーマンスに、観客からは驚きの声が漏れ、大きな拍手が湧きました。

最終的には、集まった数百人全員で Happy Birthday Buddha ~♪ と大合唱!日本にも灌仏会(かんぶつえ)と呼ばれる、お釈迦様の誕生を祝う仏教行事はありますが、さすがにケーキを囲んで大合唱はしないですよね・・。国が違えば、祝い方も違うものだなぁと驚くばかりでした。

写真:メインセレモニーの終盤。ブッダ(の着ぐるみ)とケーキを囲む人、人、人!会場は和やかな祝祭ムードに包まれました。

最終日の夜にはブリスベン川に盛大に花火が打ち上げられ、アジア料理の屋台街で買った餃子やヌードルを食べながら鑑賞すれば、さながら日本の夏祭りのような気分に。

宗教的な行事を通じ、信条を同じくする市民が一体となるのはもちろん、異なる信条やコミュニティの市民も交えて、互いに受け入れ合うブリスベンの街のおおらかさ感じるお祭りでした

写真:お祭りのフィナーレの花火。観覧車や高層ビルのネオン、花火がブリスベン川の水面に映り華やかな夜になりました。

参考:buddhabirthdayfestival.com.au/

多文化フェスティバル ドラゴンボートレースに日本チームで出場!

ブリスベンには、多文化社会ならではの国別対抗のスポーツイベントもあります。ブリスベン市議会が主催する「マルチカルチュラル・フェスティバル」の一環として、ブリスベンの南側にあるフォレスト・レイクという湖では毎年ドラゴンボートレース大会が行われています。

ドラゴンボートは、先頭に龍の頭、後方に龍の尾がついた縦長のボートに、漕ぎ手のリズムを合わせるための太鼓を叩く1名のドラマー、10名~20名の漕ぎ手、1名の舵取りで行うボートレース。左右の漕ぎ手に分かれ、各人がパドルを1つ持ち、全員で力を合わせて漕いで船を進めます。

写真:ドラゴンボートレース大会の広告。ブリスベン市議会やクイーンズランド州政府の他、地元企業も後援し、地域全体でサポートして盛り上げているのを感じます。

6月4日(日)に行われた大会に、私も日本人チーム Team Nipponのメンバーとして参加しました!中国、台湾、ベトナムの他、ブリスベンの各エリアのローカルチームは例年出場しているものの、実は日本人コミュニティのチームが出場するのは今年が初めて。グリフィス大学で学ぶIBP(インターンシップビジネスプログラム)の学生仲間や、ブリスベンに永住されている日本人の大人の方とチームを結成。

とはいえ、ほぼ全員がドラゴンボートレース初心者のため、平日の授業や仕事後、週末に地元のボートクラブの練習場を借りてトレーニングに励みました。

パドルの握り方すらおぼつかない私でしたが、オーストラリア代表チームでの経験もあるベテランのリョウコさん、オージー(オーストラリア人)のスティーブさんのコーチングのおかげで、なんとか皆と息を合わせて漕げるようになりました!

写真:大会に使用したドラゴンボート。老若男女気軽に楽しめるチームスポーツとして、日本も各地域でドラゴンボートレース大会が開催されています。

参考:brisbane.qld.gov.au

大会で感じたブリスベンの日本人コミュニティの温かさ

開会式では各チームがプラカードや旗を持ち入場。私たちも、チームをサポートしてくださったヨウコさんの手作り(!)の名前入り日の丸ゼッケンを付けたTシャツを着て、「Team Nippon!!」のアナウンスとともに元気に入場しました。まるで市民によるオリンピックゲームのよう。レースは1回200mで、時間にするとおよそ1分。3本漕いだ上での合計タイムで決勝進出が決まります。

ベトナムや台湾、中国といった文化コミュニティのチームの他、イプスウィッチやサンシャインコーストといった近隣地域からのご当地チームも多く参加。漕ぐ時の力はもちろんですが、いかに皆でパドリングをそろえるかがスピードに大きく関わるのでチームワークが決め手です。

写真:全員、無我夢中で全身の筋肉を使い、one, two, one, two! と声をそろえて必死にパドリングしました。

接戦の結果、優勝は私たちの練習のサポートもしてくれていたベトナムのチームでした。過去の出場時の経験値がモノを言うのはもちろんですが、彼らの見事にそろったパドリングの美しさは圧巻でした。Team Nipponは決勝戦までは進めなかったものの、「初めてなのに大健闘!」とコーチたちも褒めてくれて、皆笑顔で大満喫。

レース合間にはテントの下でシートを広げて、差し入れの炊き込みご飯のおにぎりやから揚げをほおばったり、ちょうど誕生日だったメンバーをケーキでサプライズでお祝いしたりと、まるでご近所仲間と地域の市民体育祭に参加したような、温かい雰囲気に包まれ楽しい一日となりました

写真:Team NipponのTシャツの日の丸を見つけて、日本語で「こんにちは!」「がんばれ!」と声をかけてくれる他チームの選手もいて、コミュニケーションのきっかけにもなりました。

写真:レース合間に差し入れをもぐもぐ!皆でわいわいおにぎりやサンドイッチを頬張れば、さながら運動会の気分です♪

写真:IBPの学生仲間はもちろん、メンバーのご家族や日本人コミュニティの知人・友人、地元日本メディアの記者の方などさまざまな人たちが応援に駆けつけてくれました。

顔の見える関係に、コミュニティのぬくもり

ブリスベンではこの他にも、5月下旬にギリシャの伝統芸能や食文化を楽しむグリークフェスティバルが開催されたり、6月中旬にもアジア飲食街サニーバンクで、中華や台湾、マレーシア、日本など各国料理を1品$2で楽しめるフードフェスティバルが開催されたりと、毎月のようにどこかで文化的なイベントが開催されています

どのイベントも基本的には入場無料で、誰でも参加可能です。自分と異なる国・地域の文化を知るきっかけにもなりますし、実際に自分の国・地域の文化イベントに参加することで、ブリスベンに暮らす同胞とのネットワークを広げる機会にもなります。

今回、私自身もドラゴンボートレースの日本人チームに参加してみて、「昔はご近所同士でバーベキューをしたりしたなぁ」と、出身や世代を越えた町内会の付き合いを思い起こしました。

最近は私の地元も新興住宅が増えたり、近隣のアパートは人の出入りが多かったりして、近所づきあいもだいぶ薄れてしまったなぁと少し寂しく思っていました。ですがここ、ブリスベンには「遠くの親戚より近くの他人」というような、ゆるやかなつながりを感じます

異国の地で、何かの縁があり同じ街に暮らすことになった者同士だからこそ、お互いに親身になって助け合っていこうという精神がコミュニティの中で、また各コミュニティ間でもブリスベンでは根付いているのかもしれません。

【連載】元英語教材編集者が行く、オーストラリア留学体験記↓↓

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    この記事を書いた人

    Ayaka

    「日本をもっと元気で楽しい場所にする!」を目標に、キャリアチェンジを目指し退職し、ICC国際交流委員会のInternship Business Professions でオーストラリア留学を経験。実用英語技能検定1級。

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