「間違いない!」で一世を風靡したお笑い芸人、長井秀和さんにインタビュー!自身が語るNYでの留学経験や英語学習方法とは
こんにちは、スクールウィズ 代表の太田です。
以前ご縁があってご紹介頂き、「間違いない!」で一世を風靡したお笑い芸人、長井秀和さんとランチをしながら英語学習や留学について意見交換をさせて頂く機会がありました。
実は長井さんはアメリカ・ニューヨークに1年間留学経験があり、英語がとても堪能!現在は芸人としてだけではなく、英語講師としてもご活躍されています。
そこで今回は、改めて長井秀和さんにニューヨークでの留学体験と英語学習方法についてインタビューさせて頂きました。
長井秀和(ながい・ひでかず)さん
東京出身のお笑いタレント、コメディアン。大学卒業後、芸人としての道へ。2007年、37歳の時に「世界に通用するコメディアン」を目指すべく、スタンドアップ・コメディを学ぶため、アメリカ・ニューヨークに渡り1年間の語学留学。英語力を磨きつつ、現地の舞台で英語によるライブを定期開催。現在は芸人としての活動だけでなく、企業での英語講師や通訳などマルチに活躍中。
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どうして仕事を辞め、ニューヨークへ留学することにしたんですか?
そうですね、語学留学するだけだったら、そもそもアメリカに行くつもりはなかったです。ですが英語だけでなく、コメディも学ぶならニューヨークが最適な選択肢だと思いました。
僕の場合は、もともとスタンドアップ・コメディという、1人でマイクを持って皮肉や語りをする西洋のコメディスタイル、いわゆる漫談を学びたいという想いがずっとありました。本場の漫談を学ぶには、もちろん英語を話せる必要があります。
ニューヨークであれば無名の人でも現地ライブに出ることができるので、特にニューヨークに対する憧れなどはなかったですが、英語とコメディを同時に学ぶならそこがベストだと考えました。
思い立ったのは36歳くらいの時ですかね。40歳までに海外へ行かないと英語を話せなくなるのでは、という不安がありましたから、行くならそのタイミングかなと。
どんなことがきっかけで、英語や海外のコメディへの関心が?
もともと海外に行く機会はあまりなかったですね。大学生の時に、国際交流パーティでシンガポール人と交流したり、外国人の友達ができたりしたので、英語でコミュニケーションが取れたらいいかなくらいには思っていました。
ですが芸人として活動している中で、ネットで海外で活躍しているコメディアンの舞台を見ていたりすると、やっぱり自分自身もコメディアンとして英語ができたほうがいい!と次第に考えるようになりましたね。
旅行や仕事のロケで海外へ行ったりした時にも、「芸人です!」と言っても、英語で話せないので、自分のネタができないことがすごく嫌でした。自分つまらないなと。
よほどフィジカルなネタで言葉が必要ない芸風であればいいですけど、僕のような話すスタンスの芸人だと海外では英語ができないと全く通じません。
ですから英語を話せるようにして、日本だけではなく、いつか海外でネタをしたい!と30歳くらいのときからずっと思っていました。芸人として売れてある程度稼いだら、海外へ行こうと決めていたんです。
今はグローバリゼーションがどんどん進んでいますし、アジアの国々でも若い人はある程度英語が話せます。英語を話すことができれば、世界中で活動できる幅が広がります。英語でネタをすることが、自分にとっての最大公約数だと、いったん仕事を辞めて留学へ行きました。
ちなみに留学前の英語力はどれくらいだったんですか?
留学前の英語力は受験英語レベルくらいでしたね。英検とかで言うと準2級ほどです。最低限の読み書きができる英語力はありましたね。
ですが、リスニングやスピーキングは苦手で、外国人と会話するとなるとかなりしんどいという感じでした。
留学中はどんな風に過ごされていたんですか?
ニューヨークへはトータルで1年間留学し、語学学校も1年ずっと通っていました。留学後半の半年は、学生ビザをキープするために出席だけして、授業中に英語のネタを書いたり学校の先生にネタを見せたりしていました。
語学留学だと英語の先生がやさしく話しやすいです。一方で実際のリアルな生活では、英語が使われるスピードも早く、理解できないため辛く感じることも多いです。ですから、ある意味学校はリラックスする場でもありましたね。
肝心のコメディに関しては、留学して1週間経たないくらいのタイミングで、アメリカで人気のコメディアンである小池良介(RIO KOIKE)さんのアテンドで、現地のコメディクラブを見に行ったりしていました。コメディクラブというのは、お客さんがお酒を飲みながらお笑いショーを見ることができる場所ですね。
留学前の想定では、留学開始してから英語に慣れてきた3ヶ月後くらいのタイミングで、コメディクラブの舞台に立てればいいなと思っていました。ですがまさかの留学2週間目で、コメディクラブに通うことになりました。
僕が通っていたコメディクラブは1ヶ月のプログラムで、毎週1回通い、4週目の最後に実際の舞台に立ってネタを披露する感じです。
ニューヨークでの初舞台の反応はかなり良かったですね!ウケました。最初の感覚としては、これならアメリアでもいける!と思い、そこからはコンスタントに舞台に立つようにしていました。
アメリカではどういったネタがウケるんですか?
日本とアメリカでは、ウケるネタが完全に違います。アメリカでは政治、人種、宗教、下ネタなど、日本では普通オープンにしないような内容がウケますね。
どういうネタがアメリカでウケるか事前に調べていたので、それを踏まえてネタを考えていたんです。僕は自分がアジア人であることを武器にしていました。
例えば下ネタで言えば、アジア人である自分の「もの」小さすぎて、とか、アメリカ製のアダルトグッツのサイズはデカいけど、品質がいいのは日本製だ、とかですね(笑)。
また当然ですが、ネタは全て英語でつくっていました。基本的に日本で使っていたネタはやらず、アメリカ向けにゼロベースで考えていました。
留学中に辛かったことなどは?
ネタをつくったり覚えたりすることに関しては、特に苦労はなかったですね。日本でもネタを覚えることが多いですし、もとから覚えることは得意な方です。英語の方が覚えにくい、とうことはなかったです。
ただアメリカ人のコメディアンのネタなど、内容を全然聞き取れなかったり、ネイティブ同士の会話は早すぎてついていけず、本当に苦労しました。留学開始して半年くらいまでの間はしんどかったです。
僕はもともと話す声も大きく、英語の発音もクリアな方です。ですので、逆に話せるのではないかと、よく勘違いされたりもしました。舞台が終わった後に、観客の方に凄い勢いで話しかけられても全然分からない。そんな時は顔でごまかしたり、「GOOD!」とか適当に言って対応したりしていました(笑)。
再現してもらった、ごまかしている時の表情
例え英語が上手く聞き取れなくても、普段人が話していることはそれほど重要なことではない、と割り切って気持ちを保っていましたね。10年アメリカにいて英語が流暢に話せるように見える方でも、最近になって英語が分かってきた、とか言っているのを聞いたりしていたので、そこはしょうがないのかなと。
帰国してから英語学習はどうされているのですか?
日本に帰国してからは、英語の勉強がなかなかできない期間もあったのですが、できる限り英語力を維持したり測ったりするために、英検やTOEICなどを受けていましたね。
英検で言えば準1級を取ったり、1級はあと1点で落ちましたが(笑)。TOEICもリスニングは満点を取れるくらいにはなりました。英語の試験問題を見たりするのは、もはや半分趣味みたいな感じですね。
日本にいても、外国人のコメディアンとネタをつくることもあります。ネタの方向性などを決める際にも、全て英語でやりとりしています。そういった英語を話す環境や機会を、自らつくりにいくようにしています。
また婚約者がドイツ人の方なので、彼女との日常会話も基本的に全て英語ですね。
英語力を伸ばすコツとかってあったりしますか?
英語はとても時間がかかるものですし、どのように伸ばすかは個人差があります。ですから、コツとしては飽きないようになるべく多く勉強する、としか言いようがないですね。
モチベーションをいかに維持し、いかに英語学習を継続させるか、それがかなり重要です。やりすぎても辛いですから、まずは自分の好きなところから少しづつマイペースに進めましょう。
ですが、一方で時には無理をすることも大切です。やるときは1日10時間やったり、1日英語しか使わない日もつくったりと、メリハリをつけることもポイントです。
今後はどのようなご活動していくのでしょうか?
今後は日本を軸に置きつつ、アメリカなどを含めて英語が通じる国や地域でショーにでたり、ショー自体をオーガナイズしたいと思っています。
また現在はコメディアンとしての仕事とは別に、外国人が来るカンファレンスなどで通訳をしたり、企業で英語講師などの活動もしています。中年の日本人の方が英語学習を始めるとなると、なかなか難しい側面があるので、彼らの英語学習のサポートができればと思っています。
ちなみに、海外で挑戦をする芸人は増えているんですか?
昨年あたりに清水宏さんやぜんじろうさんなどが、日本でもスタンドアップ・コメディを広げるべく「日本スタンダップコメディ協会」というのを立ち上げたんですよ。
それが活動として徐々に広がってきてはいて、芸能界でもスタンドアップ・コメディ思考の人は増えてきています。政治・宗教・人種・諸々のタブーなどを取っ払ったような笑いをしていきたいと。
最近では、初めからスタンドアップ・コメディアをしたいという若い層もいて、日本と海外の二刀流で挑戦する方も出てきていますね。
最後に、英語学習で困っている読者に向けて一言お願いします!
英語は長期戦です。忘れて欲しくないのは、個人差はありますが、英語は頑張れば頑張るほど必ず自分自身に返ってくるものだということです。英語は掛け捨て保険ではありません。
一方で芸人は掛け捨て保険のようなもので、どんだけ頑張っても売れない芸人はたくさんいます。その意味で英語学習は楽だと思います。ぜひモチベーションを保ちながら、成果が出ることを信じて、諦めず継続的に取り組んでみてください。
長井さん、今回はインタビューを引き受けて頂き本当にありがとうございました!
"世界を舞台にできるコメディアン"を目標を持ち、今も活動を続ける長井秀和さんの話はグローバル化というのはビジネスマンやスポーツ選手等だけではなく、ありとあらゆる人にとって世界を舞台にできるチャンスなのだと改めて実感しました。
僕らもそういった人たちを今以上に支援できるよう、一人ひとりにベストな留学選びの実現を加速していきます。
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(インタビュアー:太田英基 / 編集:三上泰徳 / 撮影:佐藤陽俊)
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