
海外生活では、日本と事情が違うことがたくさんあります。その中でも、現地の水事情は生活の質や健康に密接に関わる問題のため、あらかじめ知っておきたいですよね。
水道水はそのまま飲料水として飲めるのか、ペットボトルの水はどんなものが売っているのかなど、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、アメリカ滞在経験がある筆者がアメリカの水事情について詳しく解説します。日常生活での水道水の利用方法を事前に知っておけば、アメリカへの旅行や滞在の際に役立つでしょう。
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[目次]

アメリカには水道水に関する法律があり、基本的には、水道水を飲料水として飲んでも問題ありません。レストランでも、無料の水を注文すると水道水が出てきます。
しかし、おいしく飲むことができるのか、本当に健康面に影響はないのか気になりますよね。そこで、まずはアメリカの水道水事情について、もう少し掘り下げて解説します。
アメリカには、「安全飲料水法(Safe Drinking Water Act)」という法律があります。公共機関が供給する水道水の安全性を高めるため、1974年にアメリカ合衆国環境保護庁(EPA)によって制定されました。
現在アメリカで利用されている水道水は、安全飲料水法で設けられている厳しい基準をクリアしているので、安全に飲むことができると言えます(※1)。
前述のとおりアメリカの水道水には高い安全基準が設けられている一方で、過去には、有害物質が水道水に含まれていたという事例が報告されています。
2017年5月にThe New York Timesに掲載された記事では、アメリカの水道水の4分の1が飲用水に適さない、または連邦法の基準を適切に満たしていない可能性があると報道されています(※2)。
また、同じくアメリカの大手メディアであるガーディアンズ誌とコンシューマー・レポート誌が共同でアメリカ国内の水道水120か所のサンプルを分析したところ、うち118か所からヒ素などの有害物質が検出されたという発表もありました(※3)。
これらの報告を見る限り、アメリカの水道水は、飲料水として必ずしも安全とは断定できません。
ちなみにアメリカでは、環境保護庁(EPA)によって水質報告書(Consumer Confidence Reports)の提出が各自治体に義務付けられています。滞在エリアが決まっている場合は、渡航前に以下のサイトで滞在先の水道水について情報収集を行うのもおすすめです。
Consumer Confidence Reports (CCR)

photo by:Lucian Coman / Shutterstock.com
日本では、東京のような都市部から地方まで、すべての地域の水道設備が整っていますよね。
しかし国土の広いアメリカは、日本のようにすべての地域の水道設備が整っているわけではありません。地域によっては設備やメンテナンスが行き届かず、老朽化した水道管が破裂することもあります。
また日本では災害などのトラブル時以外断水することはほとんどありませんが、私の住んでいるアメリカの地域では、水道管の不具合・補修などさまざまな理由で、計画的に断水することがあります。
このように断水のリスクがあるアメリカでは、「この地域の水道水は飲めるから」と飲料水を水道水だけに依存していると、生活に支障が出てしまう場合もあります。
基準はあれど地域によって水質や水道設備が異なるアメリカでは、浄水器やペットボトルの水を飲むのが一般的。水道水を飲料水として利用しているアメリカ人は全体のおよそ3分の1で、残りの3分の2の人は、浄水器やペットボトルの水を飲んでいるというデータもあります(※4)。
沸騰させて殺菌するという方法もありますが、水を飲むたびに沸騰させるのも大変なので浄水器などを準備しておくのがおすすめです。
実際に、私の住んでいる地域の水道水は、そのまま飲むとかすかに薬品のような臭いや土のような味がします。そのため、浄水器で水道水をろ過し、飲料水として使っています。
大型のスーパーでは、どこでもペットボトル入りの水が大量に売られており、家庭やオフィスでは、本体を購入してボトルを交換する方式のウォーターサーバーも広く利用されています。
これらの現状からも、水道水をそのまま飲むことは、アメリカ人の間でもあまり一般的ではないと考えられるでしょう。

アメリカではペットボトル水やウォーターサーバー、浄水器などを飲料水とするのが一般的。そうなると、歯磨きや洗顔などは水道水で大丈夫なのか疑問に思いますよね。
そこで次は、生活シーン別に使える水について解説します。また私が普段の生活で水道水と浄水器に通した水をどのように使い分けているかも紹介しますので、参考にしてみてください。ちなみに私の住んでいる地域の水質は中程度の硬水です。
基本的に、歯磨きは水道水でも問題ないでしょう。飲み込む心配がほぼなく、飲んでしまっても少量のため、私も水道水を使用しています。
水道水は気になるけど、浄水器の水を使うのも手間だと思う人は、蛇口に取り付けるタイプの浄水器を設置するのもおすすめですよ。
洗顔も水道水で大丈夫。洗顔は水が肌に触れますが、身体の中に水が入るわけではありません。私も水道水を使用しています。
ただし、肌が弱いなどの理由で現地の水道水が合わない場合は、スキンケア商品を検討したり、浄水器を使用した水で洗顔をした方が良いでしょう。
手洗いや洗い物に関しても洗顔同様、身体の中に水を取り込む心配はないため、水道水を使用して差し支えないでしょう。私も、日常的に水道水を使用しています。
もし肌荒れが気になる人は、蛇口に取り付けるタイプの浄水器を設置するのもおすすめです。洗い物では大量の水を使用しますが、元が水道水であれば、使いすぎを気にする必要がありません。
シャワーでは、水を飲み込む心配はあまりなく、飲み込んでしまっても少量です。大量の水を使うため、水道水の使用が現実的でしょう。私も普段から水道水を使用しています。
硬度の高い地域では、石鹸の泡立ちが悪かったり、洗った後髪の毛がきしんだりすることがあるようです。そんなときはシャワーヘッドにつけるタイプの浄水フィルターを検討してみてはいかがでしょうか。
洗濯もシャワーと同じく、水が身体の中に入る心配がないうえ、大量の水を使用するので、水道水で問題ないと思います。
そもそもアメリカの寮やアパートは洗濯機を共有で使うことが多く、洗濯用水を選べない場合がほとんどです。私のアパートに備え付けの洗濯機は水道水を使用しているため、それ以外の選択肢はありません。
ちなみに、硬度が高い水を洗濯に使用する場合は、硬水専用の洗濯用洗剤を選ぶのが良いでしょう。
料理をするときは、調理方法によって水道水と浄水器に通した水を使い分けるのがおすすめです。
私の場合、野菜や果物を洗うときは、水が大量に身体に入る心配がないので水道水を使用しています。一方、炊飯やスープなどの料理を作ったり、麺を茹でたりするときは、沸騰させるだけでなく浄水器を通した水を使用しています。
飲料水は「硬水」と「軟水」に分けられます。
「硬水」とは、カルシウムやマグネシウムといったミネラル成分を多く含む水のことを指します。これらの成分は人工的に加えられたものではなく、地殻中に自然に存在する鉱物が水に溶け込むことで生じるものです。
日本の水道水はほとんどが軟水にあたり、ミネラル成分が少ない軟水は、肌や髪にやさしいのが特徴です。
一方、アメリカの水道水は地域によって水の硬度が異なり、内陸部では硬度の高い地域が多く、沿岸部では低くなる傾向にあります。
硬水はミネラルも摂取できるというメリットがありますが、軟水に慣れている日本人が硬水を飲むと、味に違和感を覚えたり、お腹を壊してしまう場合もあるので注意しましょう。
水の硬度は、炭酸カルシウム濃度を基準に、以下のように分類されます。
この分類は、飲み水の味や口当たり、料理への影響、浄水器や軟水器の必要性を考えるうえでの目安として広く使われています。

photo by:USGS(https://www.usgs.gov/)
米国地質調査所(USGS)報告書の水質分布地図を見ると、アメリカ西海岸のワシントン州、カリフォルニア州、オレゴン州周辺は軟水の傾向が強いことが分かります。(※5)
一方で、ニューヨーク州やミシガン州などの東部・五大湖周辺では中程度の硬水が多く、テキサス州、アリゾナ州、ニューメキシコ州といった中西部から南西部にかけては、硬水の割合が高い地域として知られています。
ただし、水の硬度は同じ州内でも地域や水源によって大きく異なるため、ここで紹介した数値や傾向はあくまで参考情報です。アメリカで飲料水を確保する際には、滞在する地域の水質や現地の水道水レポートを参照し、自分に合った飲料水を選ぶ際の目安としてください。
アメリカの水道水には、多くの地域でフッ素(フッ化物)が含まれています。
アメリカで初めて水道水にフッ素が添加されたのは1945年、ミシガン州グランドラピッズ市で虫歯予防を目的に始まりました。この取り組みは、その後の10年ほどで虫歯発生率を大きく低下させたと評価され、全米に広がりました。
フッ素の濃度はSafe Drinking Water Act(安全飲料水法)の下、最大濃度として2026年1月現在では4.0 mg/Lの上限を設定しています。(※6)
しかしフッ素添加を行うかどうかは、市議会や水道当局などの地方自治体が決定します。
最近では、州レベルでフッ化物の添加を禁止・制限する法律が成立・検討されています。
ユタ州
2025年5月、ユタ州が州法で水道水へのフッ素添加を禁止(公的水システムへの添加不可)。(※7)
フロリダ州
2025年7月から、フロリダ州でも水道水への特定添加剤(フッ素を含む)の禁止法が施行(※8)

photo by:The Image Party / Shutterstock.com
日本ではボトルウォーターといえばミネラルウォーターが一般的ですが、アメリカでは、水道水をろ過したもの(Purified Tap Water)も、飲み水として販売されています。
ボトルに入っているからといって、天然水やミネラルウォーターとは限らないので注意しましょう。
水道水をろ過した飲み水はスーパーなどで大量に販売されており、値段が安いのが特徴です。その中でも代表的なものをいくつか紹介します。
ろ過した水道水が気になる人は、日本のミネラルウォーター(Mineral Water)に該当する商品をチェックしましょう。値段はろ過した水道水に比べると高めですが、ほとんどのスーパーやコンビニで購入できます。
FIJI公式サイト

photo by:The Image Party / Shutterstock.com
さまざまな浄水器が販売されていますが、私がアメリカに住み始めてからずっと使っているのは、「Brita(ブリタ)」のピッチャータイプの浄水器です。
容器の真ん中の筒状の部分にフィルターを差し込み、上から水道水を入れると、仕切りの下にろ過された飲み水が作られます。わざわざ重い水を買って運ぶ必要もなく、すぐろ過された飲み水を作れますよ。
定期的にフィルターを交換したり容器を洗浄したりする必要はありますが、ボトルの飲み水やウォーターサーバーに比べれば、浄水器の方が手軽だと感じています。値段も手頃な価格帯なのでおすすめですよ。
法律によって保証されてはいますが、アメリカの水道水は完全に安心とは言い切れない現実があります。滞在する地域によっても水道水事情は大きく異なるので、渡航先が決まったら事前にチェックしてみましょう。
そして対策として、水道水だけでなく、用途に応じて浄水器やボトルウォーターを飲み水として使うことをおすすめします。沸騰させるよりも手軽でおすすめです。
さまざまな選択肢があるので、自分にあったものを見つけてくださいね。
アメリカの生活について他にも知りたい方は、アメリカ留学の生活ガイドもチェックしてみてください。
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※1...CDC「Drinking Water Standards and Regulations」(参照日:2026-2-02)
※2...The NewYork Times「America’s Tap Water: Too Much Contamination, Not Enough Reporting, Study Finds」(参照日:2026-2-02)
※3...Guardian News & Media「We sampled tap water across the US – and found arsenic, lead and toxic chemicals」(参照日:2026-2-02)
※4...WaterPolls.org「Americans avoid drinking from tap, oppose smaller federal role in water safety」(参照日:2026-2-02)
※5...United States Geological Survey「Hardness of Water」(参照日:2026-2-02)
※6...CONGRESS.GOV「The Development of Federal Recommendations and Regulations for Fluoride in Drinking Water」(参照日:2026-2-02)
※7...BBC News「Utah becomes first US state to ban fluoride in its water」(参照日:2026-2-02)
※8...CNN Health「Florida becomes second state in US to ban fluoride in public drinking water」(参照日:2026-2-02)
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