オーストラリアのなかでも人気のエリア、メルボルン。その中心部に位置するメルボルン大学は、ビクトリア州最古の大学として人気を誇っています。オーストラリアの豊かな自然に囲まれながら、メルボルン大学で学びたいと考えている人も少なくないはず。
とはいえ、メルボルン大学へ留学するにはどの程度の学力レベルが必要なのか、費用はどのくらいかかるのかなど、分からないことがたくさんありますよね。本記事では、メルボルン大学の特徴や留学にかかる費用、入学方法や必要な学力など、全部で4つの項目を紹介します。メルボルン大学への留学を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは、メルボルン大学の基本情報から解説します。
メルボルン大学は、オーストラリア・ビクトリア州最古の大学として有名な名門校です。有名なシドニー大学と同じく、160年以上の歴史をもっています。Times Higher Educationが発表するThe World University Rankings 2022(※1)では、オーストラリアで第1位を誇り、世界順位でも33位にランクイン。
オーストラリアの大学のなかで特に優れた8つの大学が名を連ねているGroup of Eightにも含まれており、いかにトップレベルの大学であるかが分かります。数々のノーベル賞受賞者やオリンピックメダリスト、国連職員など数々の優秀な卒業生を出しているのも特徴です。
メルボルン大学には、学部は100種類近く用意されており、コースは700種類近くも用意されています。代表的な学部は以下のとおりですが、詳しくは大学ホームページを確認してみてください。
会計学(Acoounting)
農学(Agricultural sciences)
建築工学(Architectural engineering)
生物科学(Biological sciences)
経営管理学(Business administration)
化学(Chemistry)
コンピューター科学(Computer sciences)
健康科学(Health sciences)
理学療法学(Physiotherapy)
社会政治学(Social and political sciences)
メルボルン大学には、2020年10月時点で約54,000人以上の学生が在籍しています。うち51%は学部生、49%が大学院生です。(※2)
留学生は全体の約44%で、150以上の国々から学生が集まっています。半数近くも留学生が集まっており、受け入れが寛容な大学であることがわかるデータです。留学がしやすいことはもちろん、さまざまな国の学生と関わることで、文化や考え方において刺激が受けられるといえます。
メルボルン大学は、メルボルンの都市部に位置しています。メルボルンのビジネス街から約4kmほど離れたところにあり、近辺にはさまざまな施設がある便利なエリアです。住所は以下のとおりです。
The University of Melbourne
Grattan Street, Parkville,
Victoria, 3010, Australia
次に、メルボルン大学の特徴を3点挙げて紹介します。
メルボルン大学には、「メルボルンモデル」と呼ばれる独自の画期的なカリキュラムが導入されています。
メルボルンモデルとは、各科目において専門知識を学ぶことはもちろん、それに加えて必ず「Breadth」という教養を高めるための選択科目を履修しなければいけないというものです。
この教養科目を入れることで、あくまでも学部では基本的な専門知識を学ぶことにとどめ、その代わりに関連した基礎知識を網羅できるように構成されています。基礎知識を網羅的に習得することで、自分のキャリアをどうしていくか広い視野で考えられるようにすることが目的です。
例えば、医学部へ入学した場合でも、学部で学ぶことは医学に関する高度な専門知識ではなく、関連した理系科目の基礎知識を網羅的に学ぶことになります。そうすることで、医学に関連したさまざまな知識を身につけることができ、医学だけでない関連した学問に関する興味関心を発見できる可能性があります。
もし専門分野をより強化したいと考えた場合には、大学院で高度な知識が学べるようにされているのが特徴です。
メルボルン大学のメインキャンパスであるParkvilleキャンパスは、世界で一番住みやすいと評されているメルボルンの都市部に位置している格式高いキャンパスです。伝統的で厳かな雰囲気のある建物に、広大な敷地も有しています。
メルボルンは、エコノミスト・インテリジェンス・ユニットという世界的に有名な調査会社のリサーチで、7年連続住みやすさNo.1の座を獲得してきました。治安もよくインフラも安定しており、都市部でありながら自然豊かな街並みのなかで生活できる街です。
留学生の受け入れも多く、安心して生活を送ることができるおすすめの留学先のひとつといえます。
前項でも少し触れましたが、メルボルン大学には数多くの著名な卒業生がいます。オーストラリアの第2代首相Harold Holt氏も、メルボルン大学の卒業生です。そのほか、12代首相、17代首相もメルボルン大学を卒業しています。
学問においても著名人を数多く輩出しており、2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したElizabeth Helen Blackburn、1963年に同じくノーベル生理学・医学賞を受賞したJohn Carew Ecclesなど、たくさんの卒業生がいるのが特徴です。
オーストラリアの大学ランキング1位を獲得しているだけあり、学問においてもリーダーシップ育成においても長けていることが分かります。
ここからは、メルボルン大学へ留学するためにだいたいいくらかかるのか、1年間の費用を例に紹介します。
また、本記事ではオーストラリアドルをAUDと表記し、為替レートには2022年2月17日時点での情報を参照したうえで1AUD=85円にて計算しています。
【学費】
学費は、学部によって細かく費用が分けられています。経営経済学部を例に紹介すると、44,960AUD(約382万円)が1年にかかる学費です。(※3)文系だとだいたいこのくらいが平均的な学費だと考えておいてください。
【教材費】
正式に大学から出されている教材費の情報はありませんが、オーストラリアの大学で1年間にかかる教材費の相場は1,000AUD(約8万5,000円)程度と言われています。
【滞在費】
メルボルン大学にはいくつか寮が用意されていますが、主要なのはメルボルンの中心部とメインキャンパスの中間地点ほどにあるリトルホールという寮です。最もリーズナブルなツインスタジオという部屋なら、週あたり365AUD(約3万1,000円)で滞在できます。(※4)
ツインスタジオの部屋は、コンパクトタイプながらベッドルームとキッチンエリアが分かれているタイプで、ひとりで暮らすには十分な広さです。
年間で52週あると過程すると、18,980AUD(約161万円)で滞在することができます。
【食費】
メルボルンの物価は、日本よりもやや高めだと言われています。外食だと毎食だいたい15AUD(約1,275円)が目安です。
3食とも外食をした場合は、単純に見積もると1日で45AUDかかるので、1年にすると16,200AUD(約137万円)ほどかかります。節約したい場合は、自炊を取り入れることが重要です。
【通信費】
メルボルンで携帯電話を使用する場合は、プリペイドのSIMカードに1ヶ月約50AUD(4,250円)程度かかります。1年間で考えると、600AUD(約5万1,000円)が目安です。
【交通費】
メルボルンには、日本のスイカやパスモのような「マイキーカード」と呼ばれるものがあります。定期券を購入すると、1週間で約43AUD(約3,655円)かかるため、単純に1年間で計算すると約2,064AUD(175万円)ほどに。
ただし、寮に滞在して徒歩で通うなどすれば、この費用は浮かせることが可能です。
【娯楽費】
先述のとおり、オーストラリアの物価はやや高めです。ビール1杯を外で飲もうと思うと、7AUD(約600円)程度かかります。また、娯楽費は喫煙者かどうかや、買い物好きかどうかなどによって大幅に異なるのが特徴です。
たまに友達と出かけたり、嗜好品を買ったりする程度であれば、年間で3500AUD(約29万円)程度におさえることも可能ですが、自分次第で大きく変動するため注意してください。
【雑費】
雑費も自分次第で変動する項目です。安く抑えたいなら、月35AUD(約2,975円)程度に抑えることもできますが、日本製のものにこだわったりブランドにこだわったりする人だと、月115AUD(約9,775円)ほどかかることもあります。
節約する人の場合は、年間420AUD(約3万5,700円)程度におさえられるでしょう。
【ビザ費】
日本国内で学生ビザを申請していく場合は、約630AUD(約5万3,550円)の申請費用がかかります。
【渡航費】
メルボルンへの渡航費は、時期や航空会社によっても差はありますが、だいたい往復10万円程度が平均とされています。
【保険費】
オーストラリアの学生ビザの要件とされている、OSHCという保険に加入することが必要です。取り扱う保険会社によって費用は異なりますが、だいたい1年で450AUD(3万8,250円)程度がかかります。
上記すべての費用を合計すると、だいたい1年間で920万円ほどかかることがわかります。ただし、解説したとおり抑えられる費用やカットできる費用もあるので、自分の経済状況に応じて検討してください。
メルボルン大学では、さまざまな奨学金が用意されています。以下で一例を挙げるので、詳しくは大学ホームページを参考にしてください。
・Melbourne Welcome Grant
留学生向けの奨学金です。一度に限り4,000AUDを提供してくれるものです。
・Melbourne International Undergraduate Scholarship
同じく留学生向けの奨学金です。はじめに10,000AUDの授業料を免除してもらうか、3年間50%〜100%手数料を免除してもらうか、いずれかの支援を受けることができます。
ここからは、メルボルン大学への入学方法について解説します。
メルボルン大学へ正規留学をするには、Victorian Certificate of Educationの資格もしくはそれと同等の資格が必要です。(※5)Victorian Certificate of Educationはビクトリア州で中学校の教育を受けたことを示すもので、留学生の場合はもっていないことがほとんどでしょう。
ほかに同等資格として使用できるものには、以下のようなものがあります。
・Australian Year 12
・International Baccalaureate (IB) Diploma
・GCE A levels
・Australian Foundation Programs
・United States: High School Diploma and SAT/ACT
残念ながら日本特有の資格はありません。日本からメルボルン大学へ入学したい場合は、4つ目に挙げたファウンデーションプログラムをまず受講するのが一般的です。メルボルン大学に併設されているトリニティ・カレッジでファウンデーションプログラムを受講し、そこから進学します。後項で詳細を記載しますので、確認してみてください。
ほかにも、後述する学力や英語力が必要とされるので、それらもチェックしておきましょう。なお、正規留学は大学のホームページからエントリーすることができます。
日本の大学から編入することもできます。正規留学と同じく大学のホームページから申請が可能です。要件など詳細は記載されていないため、大学に問い合わせてみることをおすすめします。
メルボルン大学に進学するには、先述したトリニティ・カレッジでファウンデーションプログラムを受けるのが一般的です。このプログラムを無事修了できれば、メルボルン大学へ進学することができます。プログラムの期間は1年程度です。
ほかに正規で留学をするための必要資格はなかなか日本の高校生には取得が難しいので、この方法で留学を目指してください。
メルボルン大学へ先述した方法で入学する場合、まずトリニティ・カレッジに入ることが必要です。その方法が日本では一般的とされているので、その基準で解説します。
トリニティ・カレッジに入るためには、高校での成績がどのくらいかも求められます。コースによっても異なることがありますが、高校の成績が平均で4〜5であることが必要です。(※6)
最低でもオール4、そこに5がいくつかある状態が望ましいといえるため、難易度は決して低くはありません。
トリニティ・カレッジに入るために必要な英語力は、IELTSなら6.0(バンドスコアで5.5未満がないこと)、TOEFLiBTは70点(ライティングで18点が必要)が目安です。(※6)
IELTSで考えると、6.0を取得するには中上級レベルの英語力が必要とされます。また、TOEFL70点は英検だと準1級レベルで、英語を母国語とする人と話していても緊張せずスムーズに話せるレベルと言われているのが特徴です。
メルボルン大学へ留学するために必要な情報を解説しました。留学費用は決して安くないものの、留学生向けの奨学金がいくつか用意されているため、経済的に不安な人はぜひ活用を検討してみてください。
また、メルボルン大学へは併設のトリニティ・カレッジへ入学し、ファウンデーションプログラムを受けてから進学するのが一般的であり、最も簡単な方法といえます。とはいえ、決して求められる学力は低くないため、しっかりと対策を行ったうえで挑戦してください。
現在オーストラリアへの留学を検討している人は、今回紹介したポイントを踏まえ、具体的な留学プランを立ててみてください。
語学留学を具体的に検討するなら、まずは留学を実現するまでの流れを確認しましょう!留学準備では大まかに5つのステップがあります。
留学を思い立ったら、まずは渡航時期、期間、渡航先の目星をつけてみてください。
いつ、どれほどの期間、どんな国で留学するかイメージが持てると具体的な計画を立てやすくなります。
留学へ行くとなると考えることはたくさんあります。
自分で調べてみたものの、ネット上ではさまざまな意見が発信されていて、何を信じていいかわからないまま、検討途中で止まってしまう留学生は多くいます。その疑問、無理に一人で解決せずに留学カウンセラーに相談してみませんか?
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※1...THE「World University Rankings 2022」(参照日:2022-2-17)
※2...The university of Melbourne「Facts and figures」(参照日:2022-2-17)
※3...The university of Melbourne「The University of Melbourne Tuition Fees 2022」(参照日:2022-2-17)
※4...The university of Melbourne「Little Hall」(参照日:2022-2-17)
※5...The university of Melbourne「Entry requirements」(参照日:2022-2-17)
※6...TRINITY COLLEGE「Entry requirements」(参照日:2022-2-17)
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