「語学学校ではなく大学に正規留学したいけど、英語力や費用面のハードルが高い……」
「カナダのブリティッシュコロンビア大学が気になるけど、レベルが高すぎて難しそう」
と、感じている方は多いのではないでしょうか?
海外の大学に正規留学する場合、現地で通用する英語力や学費・生活費が必要となるため、決断するのは難しいですよね。
実はあまり知られていませんが、ブリティッシュコロンビア大学は、入学時に英語力が足りていなくても進学できる方法があります。さらに短期間の語学留学も可能です。
今回は、ブリティッシュコロンビア大学の特徴や留学するメリット、掛かる費用、入学準備などについて解説します。
奨学金の情報もまとめましたので、入学を検討している人やブリティッシュコロンビア大学が気になっている人ぜひ参考にしてくださいね。
※本記事は2021年8月時点での情報を元に作成しています。費用はすべて1カナダドル(CAD)=90円で計算しています。
[目次]
それでは早速、ブリティッシュコロンビア大学について詳しく紹介します。
ブリティッシュコロンビア大学は、The University of British Columbiaの略称「UBC」で親しまれるカナダの名門大学です。
1908年にケベック州モントリオールのマギル大学の分校として設立され、その後1915年に独立しました。創立100年以上の歴史があります。
バンクーバーとオカナガンの2か所にキャンパスを構え、現カナダ首相のジャスティン・トルドー氏をはじめ、多くの政治家やノーベル賞受賞者を輩出しました。海外留学生からも人気が高く、優秀な人材が集まっています。
【出典】UBC OVERVIEW & FACTS|The University of British Columbia
大学入学の際、学部選びは非常に重要ですよね。
ブリティッシュコロンビア大学には、人文学、教育学、建築学、森林学、工学、経営学、歯学、法学、応用科学など幅広い学部があります。特に教育学、環境学、心理学、運動学、農学などが有名です。
ただし、学部はバンクーバーキャンパスとオカナガンキャンパスに分かれており、片方にしかない学部もあります。
バンクーバーとオカナガンでは、居住環境が大きく異なるため、希望の学部とキャンパスが一致しているか確認しましょう。
【出典】FACULTIES & SCHOOLS AT UBC’S VANCOUVER CAMPUS|The University of British Columbia
【出典】FACULTIES & SCHOOLS|The University of British Columbia
カナダの大学は偏差値制をとっていないため、日本の大学偏差値と比較できる数値はありません。海外の大学は、偏差値の代わりにTimes Higher Educationが発表する「世界大学ランキング」が入学難易度の基準となります。
2021年のランキングによると、ブリティッシュコロンビア大学は34位。カナダの大学では、トロント大学に次ぐ2番目の順位です。ちなみに、日本の東京大学は36位。ブリティッシュコロンビア大学の評価は、日本のどの大学よりも高いことが分かります。
【出典】World University Rankings 2021|Times Higher Education
2019~2020年にブリティッシュコロンビア大学に在籍していた学生は、66,512人でした。バンクーバーキャンパスに、55,804人、オカナガンキャンパスに10,708人の学生が通っていました。
その中でも、約3割にあたる18,283人が世界166カ国から集まった留学生です。
【出典】UBC OVERVIEW & FACTS|The University of British Columbia
授業形式は、授業の内容やレベルによって異なりますが、主に以下2つの形式が取られています。
・レクチャー:100〜200人規模
・ディスカッション:20人以下の小クラス
必須の授業や初級クラスは、大人数のレクチャー形式、語学の授業や上級生向けのクラスは、少人数のディスカッション形式で行われることが多いです。
ブリティッシュコロンビア大学の入学時期は9月です。
卒業は、単位の取得状況によって異なりますが、春卒業の場合は6月、秋卒業の場合は11月です。春卒業は4月中、秋卒業は10月中に卒業条件を満たしている必要があります。
ブリティッシュコロンビア大学ならではの魅力とは何でしょうか?ブリティッシュコロンビア大学に留学する3つのメリットを紹介します。
ブリティッシュコロンビア大学は、北米でもっとも国際的な大学として知られています。国際色豊かな環境で大学生活を送ることで、幅広い文化や価値観を学べます。
留学生の数は、全学生66,512人のうち18,283人。つまり全体の約27%が留学生なので、周りにいる友人の10人に2〜3人がカナダ人以外の留学生という計算です。
また、ブリティッシュコロンビア大学の校訓は、 “Tuum est”(It is yours)。ラテン語で「あなたのもの、あなた次第」 という意味です。個人の価値観や興味、行動力を大切にする校風があります。
カナダはもともと世界有数の移民大国なので、多様な人種や考え方を受け入れる文化が根付いています。人種差別は少なく、拙い英語でも気さくに対応してくれる人は多いため、現地での生活に溶け込みやすいでしょう。
大学内外でさまざまな国や文化の人と気軽に意見交換を交わすことで、今までの常識にとらわれることなく、多様な考え方ができるようになります。社会に対する視野を広げられるのは大きなメリットです。
ブリティッシュコロンビア大学には、1年生向けのCAP(Coordinated Arts Program)というシステムがあります。CAPは、以下5つの教養テーマから、自分が興味のあるテーマを選べる制度です。
Law and Society(法と社会)
Media Studies(メディア研究)
Global Citizens(グローバル市民)
P.P.E (Political Science, Philosophy, Economics)(政治学、哲学、経済学)
Individual and Society(個人と社会)
入学時点で専攻が決まっていない学生は、まずはCAPシステムで自分の興味を広げることができます。すでに希望の専攻が決まっている場合は、1年目から専門分野を取ることも可能です。
ブリティッシュコロンビア大学では、日本の大学とは違い、受験時に専攻を決める必要はありません。自分の興味のレベルに合わせて、学習内容を選択できるのがメリットの1つです。
【出典】Coordinated Arts Program|The University of British Columbia
ブリティッシュコロンビア大学のキャンパスがあるバンクーバーとオカナガンはともに、自然に囲まれた住みやすい都市です。
広大な山々や森林、野生動物が生息するエリアが近くにあることも影響してか、ブリティッシュコロンビア大学は、森林科学や天然自然保護などの環境学が有名です。
さらにバンクーバーは、「世界で最も住みやすい都市」で常に上位にランクインする世界的にも人気が高い街。オカナガンは、「世界一美しいワイン産地」とも呼ばれるほど自然豊かで、温暖な気候が魅力です。
このような過ごしやすい環境で大学生活を送れば、勉強にも集中しやすいでしょう。また、どちらのキャンパスに通っても、夏は水辺、冬は雪山で、充実したアウトドアアクティビティを楽しめますよ。
ブリティッシュコロンビア大学に留学する方法は、正規留学だけではありません。英語力が不安な方でも入学できる方法はあるので、一緒にチェックしていきしょう。
もっとも一般的な留学方法は、4年間学部に通う正規留学。日本の大学と同じように大学に直接出願し、学位取得を目指す留学スタイルです。入学後、すぐに専門科目の授業が始まります。
現地の新入生と一緒に授業を受けるため、入学には基準値を満たす英語力が必要です。加えて、希望の専攻によっては、専門知識やポートフォリオの提出が求められます。
学業成績が足りていれば、英語力が基準値を満たしていなくても、条件付きで入学可能です。
条件付き入学の応募条件は、前年度に入学した学生の上位50%相当の学力があること。つまり学力は上位に位置するけれど、英語力に課題がある人です。
英語以外の入学要件を満たし、仮合格したら、バンクーバーキャンパスで開講される英語コース(English for Academic Purposes)を履修します。EAPを修了したあと、学位コースに正式入学できます。
【出典】UBC Conditional Admission Program|The University of British Columbia
バンテージワンプログラムは、11か月の留学生向けプログラム。学部授業の履修に加えて、英語の指導を受けます。
プログラムを無事に修了すると、ブリティッシュコロンビア大学の人文学・工学・科学分野の2年次に進級できます。
なお、進級するためには、すべてのコースを平均60%以上でパスする必要があります。
【出典】Vantage One|The University of British Columbia
カナダやアメリカでは、2年制のコミュニティカレッジから大学に編入するパターンも多く見られます。
コミュニティカレッジの方がブリティッシュコロンビア大学よりも入学基準のハードルが低く、学費も安いことがメリットです。学費は、カレッジ2年分とブリティッシュコロンビア大学1年分が同等です。
手続きや単位認定の関係で、州外よりも同じブリティッシュコロンビア州内のカレッジからの編入がスムーズです。編入を目指してカレッジ進学を考えている方は、同じ州のカレッジを選ぶのがおすすめです。
ブリティッシュコロンビア大学では、英語力アップに特化した英語プログラムが開催されています。一般的な語学学校との違いは、アカデミックな英語を学び、一定レベルを満たすとブリティッシュコロンビア大学の正規課程への出願が可能な点です。
キャンパス内では、English Onlyポリシーが徹底されているため、本気で英語を学びたい人、ゆくゆくは正規課程に進学したい人におすすめです。
【出典】English Language Institute|The University of British Columbia
ブリティッシュコロンビア大学の「How to plan your first-year costs」をもとに、入学1年目にかかる費用の目安をまとめました。学費や滞在費は、専攻や居住形態によって異なるため、今回は次の条件での費用を算出しています。
キャンパス:バンクーバー
専攻:人文学科
居住形態:キャンパス内、シェアルーム
1年目の合計費用の目安は、約600万円です。細かい内訳を見ていきましょう。
ブリティッシュコロンビア大学の人文学専攻の場合、1年目にかかる学費は次の通りです。
学費合計:44,469.76CAD(約400万円)
授業料:41,156CAD(約370万円)
学生料金:1,113.76CAD(約10万円)
書籍・消耗品(ノートPC含む):2,200CAD(約19.8万円)
授業料や教材費などを合わせると、1年で約400万円かかります。留学生の学費は高く、カナダの国籍や市民権を持っている学生は、留学生の4分の1程度と言われています。
かなり高額ですが、後ほど留学生向けの奨学金制度について解説するので、参考にしてくださいね。
学生寮で、他の学生との相部屋の場合の滞在費はこちらです。
滞在費合計:6,051CAD(約54万円)
家賃(学生寮):5,451CAD(約49万円)
入居費用(寝具・家具など)::600CAD(約5.4万円)
学生寮以外に、ホストファミリーと一緒に住むホームステイや、友人やルームメイトと同居するシェアハウスやルームシェアなどの選択肢もあります。
ホームステイは100万円〜180万円、シェアハウス・ルームシェアは60万円〜100万円程度が費用の目安です。
学費や滞在費以外に、食費や日用品などの生活費もかかります。学生寮に滞在する場合の生活費は、次の通りです。
生活費合計:9,101CAD(約82万円)
通信(携帯電話・パソコン):2,000CAD(約18万円)
食費(Meal Plan):5,541CAD(約50万円)
健康保険:600CAD(約5.4万円)
個人的な出費(衣類・ヘアカット・衛生用品・娯楽など):960CAD(約8.6万円)
学生寮に住むと、「ミールプラン(Meal Plan)」という前払いで学食を食べられる制度があります。勉強で毎日忙しくなる学生にとって、うれしいシステムです。
ホームステイやシェアハウスに住む場合、掛かる食費は異なります。また、大学に通う交通費などもプラスされます。
航空券は、シーズンや航空会社によって価格が変動します。オフシーズンなら8万円前後ですが、夏季のハイシーズンは15万円前後することもあります。
航空券は早めに購入した方が安いことが多いので、入学が決まったらなるべくはやく手配するとよいでしょう。
ブリティッシュコロンビア大学に留学するには、カナダの学生ビザを取得する必要があります。学生ビザの申請料は、150CAD(約1.3万円)です。
留学時は海外留学保険に加入しておくと安心です。
海外留学保険は、急なケガや病気の治療費だけでなく、盗難や損害賠償などの補償もカバーしている場合があります。補償内容はプランによって異なるので、保険料と補償内容の範囲を確認して決めましょう。
せっかくカナダに留学するなら、周辺地域の観光もしたいですよね。夏はマリンスポーツ、冬はスキーなど、いろいろな楽しみがあるので、観光で使うお金も計算に入れておきましょう。
どの程度観光するかは人によりますが、最低でも20万円ほどは用意しておくことをおすすめします。
ブリティッシュコロンビア大学には、留学生向けの奨学金制度があります。経済的な理由で進学が難しい人向けのサポートもあるので、詳しく見ていきましょう。
留学生向けの奨学金には、成績優秀者に向けたMerit-based (メリットベース)のものと、経済的な理由によるNeed-based (ニードベース)の2つの基準があります。International Scholars Programは、高校からの推薦があり、成績優秀であるものの、経済的な余裕がない学生が対象です。
International Scholars Programには、以下4つの賞が設けられています。
・Karen McKellin International Leader of Tomorrow Award
・Donald A. Wehrung International Student Award
・International Impact Award
・Vantage One Excellence Award」
学生が奨学金を申請後、学校側が自動的に誰にどの賞を与えるかを検討します。毎年、それぞれ50名ほどの学生に提供されています。
【出典】International Scholars|The University of British Columbia
IMESはメリットベースの奨学金で、ブリティッシュコロンビア大学への出願者全員が審査対象となります。
入学時に成績優秀な学生に授与され、最大3年間更新され続けます。IMESが与えられる数とレベルは、その年に利用可能な資金によって異なります。
【出典】Scholarships and awards for international students|The University of British Columbia
OISはIMES同様、出願者全員が自動的に審査対象となるメリットベースの奨学金です。
IMESとの違いは、入学時に1回のみ授与される点。高校で優れた学業成績や課外活動の実績がある学生に贈られます。
IMESとOISの受賞者はどちらも、3月中旬から4月末までに決定されます。ただし、International Scholars Programに申請している場合、IMESとOISは審査対象外となります。
【出典】Scholarships and awards for international students|The University of British Columbia
カナダには、日本の大学のような入試制度はありません。入学に必須とされるのは、英語力と高校の学業成績、卒業証明書のみです。
とはいえ名門大学なだけあり、求められる成績のレベルは高いです。また、卒業のための単位取得の難しさが、日本の大学とは大きく異なります。
ブリティッシュコロンビア大学に入学するためには、英語力の基準値を満たす必要があります。
IELTSとTOEFLの基準点は以下の通りです。
・IELTS:6.5 (6.0以下の科目がないこと)
・TOEFL:総合90(Reading:22・Listening:22・Writing:21・Speaking:21)
もし入学時に英語力の条件を満たせない場合は、上記で説明したように、EAPやVantage Oneといった制度を利用できます。
【出典】English language competency|The University of British Columbia
英語以外の学力は、日本の高校の成績が重視されます。学部を問わず、次の2つが求められます。
・高等学校卒業証明書
・通知表平均4以上(5段階評価)※年ごとに異なる
また希望の学部によっては、上記に加え、科目別の基準が設けられています。詳細は、各公式サイトからご確認ください。
・バンクーバーキャンパス:International high school students / Vancouver
・オカナガンキャンパス:International high school students / Okanagan
ブリティッシュコロンビア大学は、オンラインで出願できます。
出願期間は例年、前年の8月初旬から翌年の1月15日です。ただし、International Scholars Programの奨学金を申請する場合は、12月1日までの提出が必要なので、ご注意ください。
本記事では、ブリティッシュコロンビア大学の基本情報やメリット、費用などについてご紹介しました。
ブリティッシュコロンビア大学は、自然に囲まれた立地と、国際色豊かでオープンな雰囲気があり、留学生でも過ごしやすい環境が整っています。また、留学生向けの条件付き入学や奨学金などの制度も充実しています。
高校からの直接入学だけでなく、英語プログラムのみの受講や、カレッジからの編入も可能です。
ブリティッシュコロンビア大学への留学に興味がある方は、自分に合う留学方法を選んでみてはいかがでしょうか。
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