仕事の関係などで、子供を連れてアメリカへ行くことになったとき、せっかくなら現地の学校に通わせたいと考える人は多いでしょう。あるいは、お子さん自身が通いたいということもあるかもしれません。
現地校に通うのは、英語を学ぶ絶好のチャンスになるだけでなく、さまざまな文化に触れられる、とても良い機会です。
しかし、事前に心の準備をしていかないと、慣れない英語でのコミュニケーションや日本の学校との違いに戸惑ってしまうこともあります。
そこで今回の記事では、アメリカの学校の特徴や制度、日本との違いなどを詳しく解説していきます。子供をアメリカの学校に入学させようと考えている人や、これから入学予定だという人はぜひ読んでみてください。
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アメリカは州ごとに法律が定められているので、教育制度も州によって異なります。ここでは一般的な例をご紹介しますが、詳細は自身の行く場所の制度を確認する必要があることは覚えておいてください。
アメリカでは、義務教育は大体5~6歳の年に始まります。この年齢でelementary school(日本でいう小学校)に入学し、middle school(中学校)やhigh school(高校)などを経て、16歳もしくは18歳まで義務教育を受けます。
elementary schoolの最初の年をKindergartenといい、それ以降の年はGrade1、2、3、と続き、12の年で終了するのが一般的です。この制度は最初(Kindergarten)と最後(Grade12)の文字をとって「K-12」とも呼ばれます。、公立校であれば、多くの州で義務教育中の教育費は無料です。
アメリカの学校には「飛び級(acceleration)」があるのも特徴のひとつです。
優秀な成績を修めている生徒は、自分の年齢以上の教育を受けるように促されることがあります。よりレベルの高い教育を受けさせることで、その生徒が持っている能力やポテンシャルを「加速(acceleration)」させようとする試みといえるでしょう。
飛び級の仕方にはいろいろあり、学年がひとつ上がることもあれば、ある特定の教科のみ上の学年の授業を受ける(subject acceleration)ということもあります。
先述した飛び級制度は、「当人の持つ能力に応じた教育を受けさせるべき」という考えのもとに実施されているといえます。
この考えが根底にあるので、あるGradeの習熟度に遅れがある場合には、そのGradeをもう一度やり直す、つまり留年させられることがあるのもアメリカの義務教育制度の特徴です。
日本の場合は、義務教育の小学校・中学校では留年はありませんので、この点は大きな違いといえるでしょう。
日本では中学生、高校生になると部活動に所属し、特定のスポーツや文化活動に取り組む人が多くいます。
アメリカにも部活動はありますが、季節ごとに異なる活動をする、という点が日本の部活動と大きく異なります。春は野球、秋冬にはバスケットボール、といったようにさまざまな経験ができるのです。
また、部活動が体育の単位として認められることがあるのも特徴です。そこでリーダーシップを取っていたり、結果を出していたりすれば、プラスアルファの評価を受けることもあります。
ただし、文武両道の考え方が一般的であり、スポーツ強豪校であっても「部活だけしていればいい」ということはあまりありません。
アメリカでは、スクールバスが広く普及しています。自宅から学校までの距離の問題もありますが、子供の安全のため、という側面も強いでしょう。子供だけで通わせることが多い日本とは異なる点です。
それぞれの学校にはスクールバスがあり、毎朝決められた時間、場所に迎えに来てくれることが多いでしょう。
帰りも同様で、授業が終わったらスクールバスに乗って、家の近くの待合所などに下ろしてもらいます。もし、スクールバスを使わないのならば、親が送り迎えをするのが一般的です。
スクールバスのみならず、治安や安全に対する意識は、日本と大きく異なる部分があるので、事前に確認しておくべきポイントでしょう。ちなみに、多くの州では16歳から運転免許を取れるので、高校生になると、自分で車を運転して通う生徒もいます。
日本では、お昼になると教室で給食が配膳され、みんなで「いただきます」といって食べ始めるのが普通の光景です。
しかし、アメリカではみんな揃って教室で食事、という習慣がありません。教室だけでなく、カフェテリアや外のベンチなど、自由に場所を選んで食べます。
家から持ってきたお弁当を食べる子もいれば、食堂で買ったごはんを食べる子もいて、「みんなで同じ場所で同じものを食べる」ということはありません。また、小腹が空く時間帯に「おやつタイム」が用意されている学校も多くあります。
このように、日本とアメリカの学校では、教育制度や学校生活に大きな違いがあります。そのため、通ううちに悩みや不安を抱えるようになってしまう生徒もいるかもしれません。
ここでは、アメリカの学校へ通う生徒のよくある悩みとその対策について詳しく解説していきます。
日本では、学校のカレンダーは4月に始まるため、就学年齢は「その年の4月2日~翌年4月2日生まれ」という単位で区切られます。
それに対し、アメリカでは9月から新学期がスタートするため、「その年の9月1日生まれ~翌年8月31日生まれ」で区切られるのが一般的です。
そのため、日本の4月生まれの小学校1年生がアメリカに行くと、Grade1ではなく、Grade2から始まることになります。
ここで問題になるのが英語の授業です。アメリカの学校では、kindergartenとGrade1で、基礎的な英語学習を進めていくため、日本の子供がGrade2から編入すると、授業についていけなくなる恐れがあります。
もし、学習についていけるか不安があるのなら、本来の学年より下の学年に入れてみてはいかがでしょうか。日本では年齢と違う学年に入れることは基本的にできませんが、アメリカの学校ではごく一般的に行われていることです。
子供が学校に馴染めるように環境を整えてあげることで、ストレスなく学校生活を送れるようになるでしょう。習熟度に問題がなければ、先述の飛び級制度を使って元の学年に戻れることもあります。
まずは子供が学校に通いやすい、通いたいと思える環境を作ってあげることが重要です。
日本の小学校、中学校には校則があり、髪の色や服装に対して厳しいルールがあります。高校では校則がないこともありますが、服装検査などを実施する高校も少なくありません。
それに対し、アメリカでは私立にでも行かない限り、厳しい校則はありません。
アメリカの学校では、生活態度については生徒に一任されており、厳しく指導されることは稀なのです。日本と大きく違うため、その自由さにはしゃいでしまう人もいるでしょう。アメリカの学校に通うなら、自己管理が重要になります。
校則やルールがない中で、子供にメリハリのある生活を送らせるには、何かしらの目標を持たせてあげることが重要です。
学業であったり、部活動であったり、あるいはプライベートで取り組んでいたりすることでも構いません。本人が頑張りたいことがあれば、その達成に向けて自分の生活をコントロールしようとするのではないでしょうか。
実際、アメリカの学生には、自分の将来について自分自身で考え、自分自身で決定をしていく態度が求められます。
履修する科目や部活なども、将来を見据えて主体的に決めるのが一般的なのです。自由の裏には、そういった「自主自律の精神」が求められていることを念頭に置いておくことが必要でしょう。
一般的に、日本人は人前で自分の考えを話すことが苦手とされています。意見を言うことで、周囲の人間関係に波風を立ててしまうのではないか、などといった不安からそう感じてしまう人が少なくないのでしょう。
しかし、アメリカ社会では、自分の考えをハッキリ述べ、意見の相違があったときには、すり合わせをしてお互いに納得のいく結論を出す、という場面が多くあります。
それは小学校や中学校であっても起こりえることです。英語が苦手だったり、人前で話すことが苦手だったりすると、そういった場面で何を言っていいのかわからず、戸惑ってしまうこともあります。
アメリカでは、自分の意見を積極的に言えるよう、子供のうちからトレーニングする機会があります。
たとえば、「Show and Tell」という、クラスメートの前で自分の持ち物や好きなものについて説明するアクティビティがあるのです。
学年が上がればその内容も複雑になっていき、自然と人前で話したり、プレゼンしたりするためのスキルや経験が蓄積されていきます。
アメリカの学校へ行くなら、ぜひこの「Show and Tell」を活用して、積極的に話すトレーニングをしてみましょう。学校だけでなく、家でゲーム感覚でやってみてもいいのではないでしょうか。
最後に、アメリカの学校に通うときに注意すべきことをチェックしておきましょう。子供が安心して楽しく学校へ通えるよう、一緒に取り組んでみてください。
日本では校則があったり進路指導があったりと、学校が何かと子供の成長に世話を焼いてくれることが少なくありません。アメリカよりルールは厳しいですが、その分、学校側のサポートも手厚いのです。
それに対し、アメリカには日本のような厳しいルールがなく、自由な雰囲気がある一方、生徒の裁量に任される部分が日本よりも多いのが特徴です。選択科目が多いのも、そのひとつでしょう。その中で学びや経験を積み成長していくには、自分の意志が欠かせません。
他人任せにするのではなく、「自分の学校生活をどうしていきたいのか?」を常に考えるようにしましょう。
授業内容や学校生活に違いがあるのはもちろんのこと、周囲のクラスメートも日本とは大きく異なります。肌の色や髪の色は人それぞれで、考え方やバックグラウンドもさまざまです。
昔と比べれば、日本でもさまざまな人が見られるようになってきてはいますが、多様性という点においては、アメリカに遠く及びません。その点についても受け入れ態勢を整えておかないと、子供が戸惑ってしまうでしょう。教育システムの違いだけでなく、文化的・歴史的な事情ついて知っておくことも重要です。
すでに述べてきたように、アメリカと日本の学校は大きく異なる部分があります。それについて、「どちらが良い/悪い」ということは、お子さんに意識させないようにすることが重要です。
「日本のほうが良かった」と思わせてしまうとアメリカの学校に通うのがつまらなくなってしまうでしょうし、反対に「アメリカのほうが良い」と思えば、日本に帰ったときにストレスを感じてしまうこともあります。
大事なことは「どちらが良い」と決めるのではなく、違いを違いとして受け入れ、柔軟に対応していくことです。
今回の記事では、日本とアメリカの教育制度や学校生活の違いについて紹介してきました。アメリカでは飛び級制度があるなど、生徒を集団でまとめるのではなく、個人にフォーカスするシーンが非常に多くあります。
また、大きな自由がある一方で、自分の生活をコントロールする意識が求められるのも特徴です。
日本では、良い意味で学校がコントロールしてくれる部分が多いので、それに慣れてしまっていると、戸惑うことも多いでしょう。子供をアメリカの学校に入れようという人や、自分自身が渡米する予定がある人は、ぜひこれらの情報をもとに、入学準備を進めてみてください。
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